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エンドゲーム 常野物語
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エンドゲーム 常野物語の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全68件 1~20 1/4ページ
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常野物語の第三弾。タイトルを見ると、シリーズもこれで終わりか、と思わせますが、その真偽たるや如何に!? ・・・ で内容ですが、今回はどちらかというとモダンホラー的な風合い。 「私たち、誰かに狙われている?」「あいつらが出てきたら、「裏返す」の。分かった?」 みたいな会話がなされたかどうかは分かりませんが、主人公の時子とその母暎子は常野の血を引く特殊能力を持つ家系。 常に「あれ」と戦うことを余儀なくされた血を受け継ぐ母暎子とその娘時子。失踪した夫は「裏返」されたのか、それとも・・・。 失踪した夫の真実とは、夫の残したメモの先はなにか、「洗濯屋」の正体は、夫の家系と結婚に潜む謎等々が次第明らかに。 因みに、「光の帝国 常野物語」所収の「オセロゲーム」からのスピンオフという位置づけ。 ・・・ 今回も恩田氏のモダンホラー的ストーリーテリングにやられて、一気に一日で読了。 常野物語は、通底するテーマが超能力、超常現象、こうした能力の混合や遺伝等々。これは私の大好物分野の一つです。 でも、本作はどちらかというと、もう一つのテーマとして「不条理」みたいなものがあるように思えます。 なぜ、夫は失踪してしまったのか。なぜ我々は「あれ」と戦わなくてはならないのか。なぜ我々は常野の一族と距離を置いているのか。 不条理と併せて、語られない細部にヤキモキするのですが、これを少しずつ、気持ちよく埋めていく語りの作法が気持ちよいです。 能力の持ち主暎子と娘時子に迫る危機。否、これは救いなのか? 「洗濯屋」は味方なのか敵なのか。 最後の大団円ではモダンホラー的要素はすっかり抜けて、むしろファンタジー的なテイストでありました。 ・・・ ちなみにですが、本作で「特殊能力をすっかり失い、そして記憶も失う。だけどその後は普通の人生を生きていける」というような選択についてのくだりがありました。 能力を持った暎子と時子の母子は、その提案に逡巡するのですが、それを読んで感じたこと。 「記憶とはアイデンティティそのもの」 自分を失うという事は具体的にどういうことか。つまりは記憶を失うということなのでは、と思います。 それまでの良いこと悪いこと、頑張ったこと悲しかったこと等すべてひっくるめて今の自分が形成されているのですが、それを「はい、リセットしまーす」と言われて即座に「賛成!」といえる人は少ないと思います。やはり自分の自我・自己に愛着が少なからずあるのではないでしょうか。でも、この自我の記憶が無くなったら、どう感じるのでしょうか?不安じゃないですか? ・・・ そういうことを考えると、痴呆や認知症というのはどういう状況かと。 自我・自己の記憶が辺縁から崩れつつあるのを、時に認識しながらも、何とか生きていく、そういう状況なのかな、と。 ビーカーという「自己」に水という「記憶」が入っており、割れたビーカーの底から水が漏れている。水が漏れるに従い、ビーカーのイメージがどんどん消えてゆき、水が無くなった瞬間に暗転。そういう状況なのでしょうか。 あるいは記憶喪失。記憶喪失はビーカー「自己」に傷も割れ目もないのに、水が一滴も入っていないようなイメージなのでしょうか。 痴呆が進み過食が進行中の父親。彼に思いを馳せつつふと考えた事柄でした。 ・・・ ということで常野物語の第三弾でした。 モダンホラー、超能力系が好きな方でしたら楽しんで読める作品だと思います。 | ||||
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不思議な能力が現代に受け継がれる一族の『常野物語』を3作続けて読んだ。シリーズものなのに全然テイストが異なっていて面白かったです。 3作目『エンド・ゲーム』は長編サスペンス・ファンタジー・ミステリー小説。薄気味悪いけど、謎解きや結末が気になる物語展開で一気読み。人それぞれの視点の違いや、見たいものを見る、見たくないもののイメージをすり替えるといったテーマ性も好みです。 | ||||
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読者に相当な根気、執着心がなければ作者の妄想についていけない。今年百冊以上読んでいるが、最もつまらなかった。ダンピングで買ったが損した。 | ||||
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「光の帝国」(でしたか)、常世物語の第一作を読みながら色々引っかかるところがあり、「これはゼナヘンダーソンのピープルシリーズの設定にスティーブンキングの『ファイアスターター』のイメージと描写を取り入れたもの」というところですごいモヤモヤしましたが、久しぶりに「ファイアスターター」読み返したら、章題までパクってる(「エンドゲーム」)のは、キングファンとしてちょっとひどくないかと | ||||
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常野物語3部作の最終章の本作は、他の2冊よりも一気に読み上げ、読後、まるで早朝の肌寒く緊張感が漂う空気の中に佇み、身体が引き締まる感覚を覚えた。 記憶を誘う匂いの表現がいいアクセントになり、記憶の世界の往来がまるで映画マトリックスを想起させた。恩田陸氏の細やかな表現世界は、物凄いエネルギーの引力をもっている。素晴らしい作品に出会えた喜び、著者に改めて御礼申し上げます。 | ||||
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現代が舞台のストーリーではあるものの、どんどん想像を超える世界へ向かっていきます。「裏返す」「裏返される」というワードから謎が始まり、謎だらけで物語が進んで行きます。拝島一家の戦い。そしてそれぞれが抱える過去との葛藤。拝島一家の能力とそこに関わってくる謎の人物たち。この独特の世界観を味わうようなSF小説が好きな方にはオススメの作品です。 謎が絡み合い、複雑な戦いが後半には描かれます。独特の世界が展開されるので、読書初心者は途中で挫折してしまうかも。反対に普段本を読む方はこの世界観にハマる人が続出しそう。私も、もう一回読んで把握しなおそうと思います。 オススメの方 1.SFが好きな方。 2.世界観を楽しみたい方。 3.普段から比較的本を読む方。 | ||||
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恩田陸さんの作品は好きなのですが、表現がグロかったり、登場人物が迷ったり悩んだり一貫性がないので 途中で読む気がうせてしまいました。(読んだけど) 2次元っぽい感じが受け入れられませんでした。 | ||||
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「光の帝国」内の短編である「オセロゲーム」の世界を一本の長編にした作品ですが…短編では謎の敵との「裏返す」「裏返される」と言う行為の説明が曖昧なままである事がかえって不気味さと想像力を掻き立てて面白かったですが、今作「エンドゲーム」ではその意味が明らかにならないまま更に「包む」だの「洗濯する」と言った新たな曖昧ワードを追加して風呂敷だけ拡げた上、終わってみれば何も深い意味が無かった事がわかるだけでした。 最終的に父の失踪の謎に隠された愛情や能力の意味なんかが明らかになって大団円になるような家族愛を書くのかと思ったら、個性を消された登場人物達がチグハグなまま伏線の回収も強引に精神世界だけで話が展開した上、挙句にあの結末はないでしょう。 短編で終わらせておいた方が遥かに良かった好例です。おまけに「常野」の神秘性や魅力も全くない作品でガッカリでした。 | ||||
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前作「オセロゲーム」から常野物語として違和感を覚えるエピソードだった。私が個人的にこのシリーズを、人よりすぐれた超能力者の味わう悲哀を描いてると思っていたせいかも知れない。「裏返す」能力が、一般人には何の影響も及ばさず、正体不明の敵と戦っていると言う設定が理解不能だった。この異能が何の役に立つと言うのか。この書き方だと超能力者と言うより精神障害者だろう。 筆力ある作者なので、スリリングなストーリーを最後まで読まされたのだが、読み終わってもモヤモヤが晴れず、一寸残念な読後感想を抱いてしまった。 | ||||
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「常野物語」の三作目。これも「光の帝国」で広げられた世界の一点を線で伸ばした作品。作者はあとがきで「ここから先に読み始めても」と述べているが、やはり最初の「光の帝国」を読んでいないとその世界観が理解できず、意味がよく分からないかもしれない。二作目の「蒲公英草紙」と本作はどちらが後先でも良いと思うが。シリーズを通して私には重厚感、質量感のある面白い作品だった。まだまだ続くそうなので、これからも楽しみだ。 | ||||
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恩田さんの他の作品で大変感銘を受けたので、こちらにも期待したんですが・・。 結論がどっちらけになってしまいました | ||||
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お父さん、そうだったのかと。 少し回りくどい感じがするかも。 もう少しすっきりした内容が好みなので。 | ||||
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常野物語シリーズは好きで第1作、第2作ともに読みました。 今作は第1作短編のオセロ・ゲームの拝島一家の物語でした。オセロ・ゲームが非常にスリリングでおもしろく、世界観も好きだったので期待して読みました。 中盤まではオセロ・ゲームと序盤の伏線の回収があり、わくわくして読み進められましたが、終盤に差し掛かって感情移入し難い登場人物の行動が多々あり、もやもやしてしまいました。展開が読めないことは楽しさのひとつですが、私にとってはあまりにも登場人物の行動がありえないもので、序盤のワクワクを最後まで継続できませんでした。 著者あとがき記載がありましたが、ラストが特にシニカルで、私にとっては全く腑に落ちないものでした。今作をたびたび振り返りますが、あまり理解もできません。突飛な展開でした。 | ||||
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【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[?] ネタバレを表示する | ||||
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読者レビューを見ると、常野シリーズの中では一番評価が低かったので少し購入を躊躇いましたが、杞憂に終わりました。”とても”面白かったです。 他の二作とは確かに少し趣が違うのですが、私はどちらも楽しめました。(そこは恩田さんの筆力でしょうか?) 単に好みの問題だと思います。私はどの作品も感動できましたが、一番読後感が良かったのはこの作品でした。 | ||||
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『光の帝国』の「オセロ・ゲーム」の延長線上に 展開されているようですが 現実の登場人物が少なく、語られる日数も少ないのに 読者の脳内まで混乱せしめる筆力に驚きです。 ほかのレビューで書かれているように 前半部分の筋立てと違って 後半は裏も表も時系列も分からなくなります。 また数行空いた行間を境に 人も時も入れ替わる手法には 読者までもが登場人物の世界に呑み込まれてしまう恐怖さえ 感じさせます。 一種の脳科学小説のような気もします 常野物語の副題を持つ小説としては 作者の新たな挑戦でしょうか | ||||
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いきなりこれを読んだせいで、頭の中がはてなマークでいっぱいになりました。 なんだかよくわからない設定のまま、でも読み続ければすっきりできるはず!と信じて。 でも、だめでした。 ハリポタのように、表面上は普通の生活、でも水面下では激しい戦いが行われている、 というのはぼんやりとわかったのですが、 それが嘘か誠か、ただの妄想なのか??? あいまいにしているせいで最後のどんでんかえし(と、作者は意図していたと思う)が あまり効果的でない。 これを読まれる方は、私のようにならないために ぜひ1巻を読んでからどうぞ。 | ||||
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あまりにもお粗末な展開と登場人物への虐待はひどいものがありました。 ストーリーも疑心暗鬼に満ちていて、だまし討ちと錯乱、裏切りで話が進んでいきます。 中盤からは主要人物の誰一人として理性を保っておらず支離滅裂です。 エンディングでは洗脳による結婚と離別が待ち構えていて、 作者がきれいに終わろうとしているぶんえげつない印象が残りました。 およそ恩田陸らしくない小説で、"らしい"理知的な人物や聖女はでてきません。 作風の変化というより実験に使われた可哀想な作品だと思います。 | ||||
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「裏返す」力を持つ家族が主人公となった長編だ。拝島時子と、その母である瑛子の物語が、交互に語られ、一本になっていく。 ここでは、「裏返す」「包む」「洗濯する」というのが、キーワードになっている。通常の意味合いとは少し違う、特別な行為を示す。 裏返されて、裏返された、なにが表だったのか。 正直なところ、よくわからなくなった。結局、何が起きたのか。 あの大きな建築物から出たときに、裏返されたのは誰なのか。 裏返されなかった人物は、本当に裏返されていないのか。 あらゆることが曖昧になる。ここから先、どんなことが起こるのか。 最後にざらりとした感触が残る。 ざわりと、胸底でなにかが身じろぎするような。 これまでのシリーズでも語られてきた暗い時代の予感が今こそ現実になる。 | ||||
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いつも感じることだが,この作家は状況を規定するのがとても巧みだ. そして,その中で物語を動かすのも実に上手い. ところが,登場人物たちには深さが感じられず薄っぺらい借り物のように思える. また,結末はきわめて凡庸なところに落ち着く. 詰まる所,物語はいつも竜頭蛇尾の印象がぬぐえない. 魅力を携えていた物語が,終わってみればただの凡庸なお話,というのが私の恩田陸への評価だ. この作品はそういう意味では驚かされし,ラストがダークに終わるのは個人的には面白かった. ただし,途中で精神世界の描写辺りで中弛みを感じたのと,登場人物たちに強い個性を感じはしなかった点から,結局いつも通りの凡作となってしまった. シリーズの今後に期待したい. | ||||
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