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蒲公英草紙 常野物語
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蒲公英草紙 常野物語の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.90pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全68件 41~60 3/4ページ
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待ちに待った常野…「光の帝国」のあとがきから光紀たちの戦いと勝手に思っていましたがご先祖様の時代のお話でした。 常野だと考えないなら一本のファンタジーとして完成度の高い作品となっています。 ただあまりにシリーズを待ちわびていたので時代が違う時点で肩すかしを食らっててしまった格好。 先行して数作品でていれば良かったのですが。 | ||||
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常野物語第2弾です。 『光の帝国』は気に入っており、「常野」に対する憧憬もかなり持っていると思います。が、 ・・・期待はずれだった感が否めません・・・。 確かに泣けはしましたが、なんだかもう、激しく微妙。 特に、最後をそう持ってくるなら、もっと現実臭を混ぜてくれれば良かったのにと。 常野の一族と時事がまるでそぐわず、乖離したまま終わってしまった気がしました。 それが言いたいことなのかもしれませんが、 あの最後を読む限り、全然「しまえて」ないじゃないかと。 「この国」をしまいきれてない。 現実の方が、全然大きい。 結局、常野がしまうのは、特定の人だけなんじゃないのかと。 なんだか、激しくもやもやとしました。 美術の話や台所を手伝う少女たちなど、細かいエピソードは良かったのですが、 『光の帝国』を読まずに今作を手に取った人には、だいぶ「なんだそれ」な展開じゃないかしらと。 あるいは、常野の力の大きさはこんな話で済むものじゃなかったはず と思ってしまうのは、 前作を読んでいるせいであって、今作を初めて読んだ方のほうが、 懐かしい気分になるファンタジーとして純粋に楽しめるのかもしれません。 | ||||
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前作とうって変わり 長編です。 しかも時代が違うせいか文体も違う為、続けて読むと最初違和感があるかもしれません。 常野一族ではない主人公 峰子の目を通して描かれています。絶望があるのにこの 清涼感は一体何なのでしょうか? | ||||
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常野シリーズの世界は好きな方だが、これはイマイチ。「ええ話」なんだけど、凡庸で、「だからなんなの」という読後感しかない。語り手が常野の人間じゃないせいだろうか。常野の暗部みたいなエピソードがないので、彼らに対する感情移入ができない。リアリティが感じられないのだ。 | ||||
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一部の人には強烈な人気を持つ「常野物語」シリーズだけれど、追憶・追想の形で描かれているので、読後の印象としてはぼけた感じになっているのが否めない。「大きな引き出し」のエピソードも、その一族も、余りに大事に暖めすぎた(しまいすぎた)イメージの中にあって、かっちりと構成されたスリルやサスペンスを核とする作品群と、ファンタジー寄りな作品群との中間という感じで物足りなさを感じた。しかし、大きな惨事の犠牲者が相次ぐ世間で、「引き出し」を持っている人が実際に供養してくれたら、参列者・関係者は救われるかなあなんてふっと思ったりもした。 | ||||
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連綿と続く一族の歴史を綴ることで、現在への架け橋を創り出しています。何もかもがゆったりと動いていた時代が、実は波乱を含み、激動の時代だったということ。世界の片隅が大きな影響を与えていくということがまざまざと分かりました。 | ||||
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「常野物語」の「光の帝国」に先立つ短編「手紙」では丸森町の旧家に春田家の書見台があることが触れられていた。蒲公英草紙は、その旧家の物語だ。蒲公英草紙を読んで「光の帝国」を再読するとまた、春田家に「しまわれた」世界、春田家の世界の共鳴に圧倒される。そして、ここでも太平洋戦争の予感から戦後が語られる。「大きな引き出し」の光紀君の名は、紀代子と光比古を引き継ぐ名前だと分かる。紀代子さんは、峰子さんとたいして違わないから、まさか「光の帝国」で語られていた「春田のばばさま」ではないだろうが、この2つの物語を結ぶ物語が知りたくなる。それに書見台の謎も解明されていないから、テレパス一家、春田家をめぐる「大きな引き出し」をどんどん開いてほしくなる。それから、政治家指向のあった廣隆と「光の帝国」の亜希子たちの世界はどうつながるのだろう。それにしても、時の経つのも忘れて蒲公英を摘んだあの幼き日々の地平に今わたしたちが生きているということを忘れそうになる今日この頃、蒲公英草紙はそのつながりを取り戻す手がかりになる。 | ||||
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第134回直木三十五賞の候補作になりました! 選考委員会は、平成18年1月17日(火)午後5時より、築地・新喜楽で開催! 嬉しいデス。常野物語の始まりは【光の帝国】から。そして3作品目の【エンド・ゲーム】へと、続いています。 以前、名誉ある【本屋さん大賞】に【夜のピクニック】が選ばれたので、今回もその勢いで選ばれて欲しいです。 常野物語は主人公が色々、変わるのに一族の繋がりがあり、小説として面白いと思います。同じ常野物語でもいろんな所から、話を集めてきた作品集のような、感覚です。 私利私欲に囚われるのではなく、本当にひっそりと、慎ましく存在する、一族の人たち。日本人に愛される作品だと思います。 | ||||
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光の帝国、常野物語の第2弾。 普通の人が持っていない特殊な能力を持つ一族、常野。 その中で、今回は一人の人の人生を『しまう』ことを仕事にしている春田一家と、彼らを受け入れる大地主一家とそこに集うの人々をめぐるお話。 今回は、不思議な家族より、大地主の末娘、聡子のお話が中心。彼女は、病弱ではあるが聡明で美しい少女であった。戦前の穏やかな日本の古き良き時代、聡子は、みんなに愛されて徐々に強くなっていく(彼女の血筋もあるが) 最後は、彼女の成長した強さが、つらい結果を招くことになる。彼女の愛されてきた人たちへの恩返し、村の長の娘としての責任感。 涙なしでは読めません。 物語の最後に、語り部であった峰子のつぶやきは今の世の中への警鐘ともとれ心にずっしと重くきました。 | ||||
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『光の帝国』の続編で、常野一族のうち、 いろいろなものを「しまう」能力に長けている春田家に関係するお話。 少し前の日本でなら本当に見られたのではないかと思わせるような設定で、 常野一族はいつものように脇役で、でもそれがとてもいい味を出していました。 お話の運び方はゆっくりしているかな、という感じを持ちましたが、 その中で淡い恋心があったり、 主人公の少女がきちんと成長していたりして、 恩田ワールド独特の、静かな、それでいてしっかりとした雰囲気です。 私の感想は、聡子様の恋心はよかったのですが、 主人公の峰子さんの恋は、必要だったのかな〜と・・・。 終わり方も常野シリーズにしてはめずらしく、 ちょっと救いようのない感じだったように思います。 以上2点が評価を下げた大きな理由です。 でもとてもステキな題材だと思いますし、 これからもどんどん続編を期待しています。 | ||||
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常野とそれに繋がる人々の周りにいる人の視点で語られる本当にたんぽぽの様なお話でした。 常野一族がいてよかったね、としみじみ思いました。 見つめるだけ、受け止めるだけってでも、しんどいだろうなあ… 自分にできるコトなんだから、やらなければ、って、その悟り方、こわいよ。こわいけど、うん、でも、そうなんだよね、本当に。解っているけれども、難しい生き方を軽々とこなす人々って、すごいと思いました。 | ||||
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恩田作品の中では地味な一冊です。でも暖かく胸にせまるストーリーで一気に読んでしまいました。 ラストは子供のいる方、電車の中や喫茶店などでよまないでください。 私は涙があふれて急いで帰宅し、やっと続きを読むことができました。 読み返したくなる良作でした。 | ||||
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前半100ページまで、例によって思わせぶりにじらされます。ま、恩田ファンなら、忍耐するはず。で、その後にドラマが動き出すわけですが…。 うーん、常野一族は、もっと大きなものと対峙していたはずだと思いました。お嬢様が雨を予見したときは、私はヒロシマの黒い雨を想起しました。こんな小さな(失礼!)危機の予見でいいの?常野一族って、日本どころか地球を、宇宙を感じる一族じゃないの? 「光の帝国」のダイナミズムがほしいです。超常現象だろうが何だろうが。、現在の価値観を揺るがす提案をしてほしかったです。 特に、前半の「ユージニア」と酷似した出だしは、工夫が足りないと思いました。 | ||||
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舞台は、少し昔の、日本。 常野と呼ばれる人々と、その周りの人たちを巡る物語。 日本を舞台としたファンタジー作品です。同著者の「光の帝国 常野物語」がお好きな方は絶対読むべき! また、荻原規子「空色勾玉」をはじめとする勾玉シリーズがお好きな方、ぜひどうぞ。 ファンタジー色の強い作品なので、恩田陸ファンでも、 ミステリ好きにとってはいまいちかも。。。 | ||||
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■不思議な能力を持ち、北方に広く散って暮らす人々がいた。彼らは《常野(とこの)一族》と呼ばれた――。 ■ときは明治末期の西暦1900年、所は宮城県南部の農村地帯。物語は、少女・中島峰子によって綴られる(蒲公英草紙は彼女の日記のこと)。 村は大地主・槙村家を中心に運営されていた。峰子の家は代々槙村家の主治医だ。槙村家の末娘・聡子は峰子より1つ年上。美しく聡明だが病弱で学校に行っていない。峰子は話し相手として屋敷に出入りすることになった。そこで知った不思議な力を持つ常野の一家のことや、槙村家での楽しい体験の数々……。■登場人物は皆、理想と誇りを持っているが、多くが戦争で命を落としたことがラストで語られる。日本近代の営みとその意義、人の命のはかなさを問いかけてくる大収穫。 | ||||
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夏の清々しい風がせつなげな秋風へと変わっていく・・・。 | ||||
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あの常世物語のずうっと以前の時代の物語です。やさしい語り口で少女の目から見た不思議な一族との出会いの物語が淡々と語られていきます。聡子という魅力的なお嬢さんと語り手の少女の触れ合いに、常世の一族もからんで不思議で懐かしい情景が語られていきます。この聡子に語らせる形でのの西洋画と日本画に対する見識はすばらしかったです。作者は芸術や日本の歴史認識についても慧眼があるなあと感心しつつ読みました。 でも結末が不完全燃焼で尻切れトンボです。だから星は三つだけ。ここで終わってしまうのは残念。太平洋戦争後の老婆になってしまった語り手の少女を戦後の荒廃の中に置き去りにしないで、最後にもう一度常世の一族を出して欲しかったです。続編を切望しています。 | ||||
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久々に作品の世界へトリップ出来る小説でした。読後もしばらくは 「村」から想いが離れられませんでした。 明治の雰囲気に恩田陸の作風がピタリとはまっていて、恩田作品特有 の薄暗さ、登場人物の清らかさが生き生きと描かれています。 もしかすると、このお話の頃が日本は一番正しく幸せだったのでは ないかと考えてしまいました。作中にはその思いが強く出ています。 運命の章からは結末が予想出来るにもかかわらず、もう目が離せません。聡子様のメッセージには涙、涙です。なんて高潔なんだろう・・・恩田陸さんにはこういう明治~昭和中期位までのお話をこれからも どんどこ書いてもらいたいなぁ。多分この本はこれからも何度も読むでしょう。 ★が4つの理由は最後の終戦の場面で語り手の峰子が本当の老婆の姿を現してしまったから。老婆の声とかつての少女の声だけで語って欲しかった。 でも、あの終わり方ってもしかして次の常野物語への伏線? | ||||
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静かで落ち着いた、本当に良い作品だと思います。 夜、自宅で静かに浸りきるのにぴったりでした。 恩田陸さん独特の根底に流れるやさしさは変わらず、 しかし1作1作見事に作品を書き分けていらしゃるなぁと感心しました。 ケレンミなく、かといって平板では決してなく、 本当にやさしく気持ちよく読める数少ない小説だと思います。ただ、この作品を単体として読んだ時、 話の膨らませ方がちょっと甘いかな、と思いました。 「光の帝国」など先行する物語の既知を踏まえないで読むと、 物語の深みが感じられないような気がしたのです。 内容に関しても「結」の部分で、聡子がどうして峰子の手を取らなかったかの説明も不足に感じ、 また、回想から覚めた峰子の独白による最後のオチも物足りなく感じました。 あと数ページ、膨らませて欲しかった…。実力のある作家さんですしテーマもお話もステキなので、 もうちょっと練ってほしかったなぁと非常に残念に思いました。 なので、あえて辛めの採点で星3つです。余談ですが、こういった良い雰囲気の小説は、 ハードカバーの重みがあったほうが心地よく読めますね。 文庫化される前に読めてラッキーでした (文庫が出ていればそちらを買ってしまうでしょうし・笑)。 | ||||
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不思議な力を持つ一族“常野”を描いた短編集「光の帝国 常野物語」につながる中編。 20世紀初頭の東北の農村が舞台。 村の名家・槙村家には寝たきりのお嬢様があり、 そのお嬢様の話し相手をするために屋敷に出入りをしている少女・峰子の視点によって語られています。 ある夏、お屋敷にやってきた不思議な家族と、峰子とお嬢様の思い出が軸につづられています。不思議な能力を持つ人々を描くお話でありながら、 ミステリー的な要素はなく、 まったく逆に、子供達に語り聞かせたくなるような昔話のように 仕上がっているのは意外でした。 お嬢様の生き方や、光比呂さんが見せた能力を体験した人々を思うと、 誰か(何か)を大切に思うという心の美しさと強さが胸に染み入ります。 お嬢様の「ありがとう」という言葉が、私の心に効きすぎてジーンときました。時代背景や、舞台となる農村ののどかな情景描写などが手伝って、 「光の帝国」とは違った落ち着いた雰囲気があります。 「蒲公英(たんぽぽ)草紙」というタイトルも、 タイトル買いしてしまいそうなほど素敵ですよね?味わい深く、心にあたたかいものの残る作品です。 「光の帝国」を読んでいない人も十分楽しめます。 恩田さんには“常野”を描いた作品をこれからも少しずつ書いていってほしいと思います。 | ||||
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