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ことり
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ことりの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.29pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全73件 21~40 2/4ページ
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2021年3月時点で、昨年から放送しているあるCMの世界観がこの小説にピッタリ!と思いました。 養毛剤(?のような)CMですが、香取慎吾・草なぎ剛が兄弟でひっそり穏やかに語り合います。 別バージョンでは、自転車のハンドルがチラリと見えて、これはもうこの『ことり』だ!!と私は嬉しくなりました(違うかもしれませんが)。 映画にならないかな~(*^-^*) この小説に厳しいご意見もあるようですが、それほど多数の小説を読んでいない私には、この小説はしみじみと心に残る大切な1冊です。 CMのお二人のイメージがあまりにも想像した世界にあっていましたので、思わず感想を書きたくなってしまいました。なんの参考にもなりませんでスミマセンm(_ _)m | ||||
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○ 作者はほんとうは鳥の言葉を理解し人のことばを話さない「お兄さん」の内部世界を描きたかったのだろう。しかしそれはあまりに我々ふつうの人間とは違っていてふつうの人間の目には止まらないので、仲介者として「ことりの小父さん」を描き、この人を通してお兄さんの世界を推し量るような物語にした。そのように読めた。 ○ それでは作者が描きたかったのはどんな世界なのだろう? ふつうに暮らしている我々には見えない世界であることは間違いない。それにもかかわらず確実に存在している世界であることも、とても繊細で細やかで静かで平和な精神世界であることもわかる。はっきりとわかるのは残念ながらそこまでだ。 ○ お兄さんもことりの小父さんもふつうの世界からはみ出したあるいはマージナルな存在だ。作者はそうした人に共感を寄せる。ことりに小父さんと心が通じ合ったように見える図書館の司書はそうした作者の分身なのだろう。 ○ この物語の構成には効果的な工夫がある。冒頭でいきなり死んだ状態のことりの小父さんが発見され、一気にことりの小父さんとお兄さんの子供の頃に戻される。時間を追ってふたりの生活が語られたのち、ことりの小父さんが眠る場面で終わる。こうして物語の最後が冒頭につながって完結するのだ。このような造りは読了と同時に大きな納得感を与えるのに成功している。 | ||||
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新品同様な状態で満足しています。 小父さんとお兄さんの二人で完結した世界、繰り返し読みたくなる大切な一冊になりました。 | ||||
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小川洋子はだいぶ前から好きな作家だ。 いい本を書いていると思う。 この本も素晴らしい本だった。 こういう作家の本が読めるのは、実にありがたいことだと思う。 | ||||
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登場人物たちがみな不器用な感じで、どこか、そつなく振る舞えないところがある。コミュニケーション不足から、本心は伝わらず、時には大きな誤解を生みトラブルとなっていくこともある。特に主人公の「小父さん」がそうで、そのため、とても哀しく切ない物語となっている。明るい部分があまりないストーリーである。読んで元気が出るタイプの本ではない。しみじみと、生きるということに伴う悲哀を感じさせる。 | ||||
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近年、これほどの文章力を持った作家には接したことがない。また、感性も高く人間の本能をくすぐる。 題材は身近であり説得性も高い。この人こそノーベル賞をとるべきであろう。 | ||||
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読後感を共有できるかなとレビューを見てみたところ、幸せな気持ちになりました等のいい評価が多いことに正直驚きました。 少数派かもしれませんし、読みが甘いと思われたらそれまでですが、正直なところ読んでいて気持ちが悪いと思いました。 ある日を境に人とは違う言語しか話さなくなった兄、主人公である小鳥の小父さんだけがその言葉を理解できる。 社会から爪弾きにされるまでもいかなくとも、確実にぼんやりと浮いてしまう兄弟の姿に虚しさと同情をもう少し醜くしたような感情を抱きました。きっと2人のことを特異な目で見てしまう近所の人のような感情だと思います。 両親が亡くなり、2人は支え合って生活をしていたが、兄も亡くなってしまう。 お兄さんが亡くなったのが中盤だったため、残りの尺どうするの?と不安になりました。 残りの人生を小鳥の小父さんはゆっくりと、独りで、少しずつ人と関わりながら生きていきます。 鳥に関する本ばかりを借りていることに気づいた若い図書館司書の女性、鈴虫のおじいさん等それぞれに人間臭さ、リアルに身近にいそうな人との関わりが生々しくも感じられました。 私は小父さんに対して、正直親しみは覚えられずにその生涯を眺めてしまいました。不器用で、社会との関わりは少なく、日々同じことを繰り返すことに安心を憶える。人間臭さを感じる反面、リアルすぎて小父さんのような人が身近にいるのを私は嫌だと思ってしまいました。 読みながら、駅や近所のスーパーなどで思わず目につく少し変わった人、それを見ているような気持ちでした。 きっと10年後に読めば、違う気持ちになるとも思います。ただ、今の私にはこのリアルな描写が少し気味が悪く、読後感はすっきりとしたものではありませんでした。 | ||||
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著者の作品を読むのは、本作が初めて。 力量のある作家だと思うが、冗長だ。 新聞の連載などで、予め“尺”が決まっていたのか、 出会いからして不自然な鈴虫の老人や鳴き合わせ会の件などは、 字数を稼ぐために盛り込んだという印象である。 著者は、三島由紀夫と同様、本質的に短編作家だと思う。 比喩に優れている点などもよく似ている。 しかし、その描写はしばしば過剰で、筆力を見せつけるように 300ページ(文庫本)へちりばめられると、むせ返ってしまう。 長編であれば、読者の想像力を当てにしたマージンのある文体の方が、 自分としては好ましい。 | ||||
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久しぶりの長編ということで、楽しみに読ませていただきました♪ メジロのこと、(お兄さんの(オリジナルな))言語のこと、あるいは、巷での「ムード」の作られ方などについても、考えさせられることが多々ありました。 | ||||
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夢や目標もなく、自分からは変化を望まず、非常に狭い世界で慎まく生きる、小鳥のおじさん。 おじさんの人生に憧れるか?と聞かれればNOである。 しかし、彼は自分の人生を不幸とは思っていないようにも感じた。 生きるということ、毎日の生活を送るということについて、考えるきっかけをもらった。 | ||||
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読み進めるのが惜しいくらいで一語一語噛みしめるような気持ちになった こころや情景の描写の美しさ、まじめに生きることの美しさが詰まっている 何度読み返しても美しさに涙が出る なんという作品だろう ずどーんと胸にブローチのようにくっついてしまったバイブルのような一冊 | ||||
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静かで地味で単調な日々の中に、その人なりの満足感や幸せがある 世の中、明るくて元気で社交的な人が好まれるが、根暗で人付き合いが苦手で、独りが落ち着く人もいる そんな人の幸福感を、小鳥を中心に丁寧に書き綴った物語 | ||||
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書店でウロウロしていた時にパッと目に入りました。 自分も鳥が好きなので購入したのですが、 なんとも表現しにくいのですが、 美しく優しくでも儚く壊れてしまいそうな、私にとって大切な1冊になりました。 | ||||
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感性の違いを感じました | ||||
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この世界観、じっくり読み進みたい本です。 小鳥のおじさんと、お兄さん。 兄弟の不思議な世界。 最後のカタルシス。 小鳥のさえずりに対する愛。 世俗的な欲望と、対局な生き方。 人生のアナザーワールドを、 考えさせられる作品です。 自閉症的な人の中に伺われる真実と、 普通の人の冷淡さ。 図書館司書への報われぬ愛。 報われぬ小鳥への愛。 すべからく報われぬ小鳥のおじさんだが、 読後には、奇妙な共感と安堵かんが与えられる。 「はぁー」と言う読後感を与えてくれる一冊です。 | ||||
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半世紀近くも前、松山善三さんの映画のタイトルです。その映画もある障害者の一家の物語でした。 「ことり」を読み終えた時に浮かんだ言葉でした。そしてしみじみと泣けました。 市井の片隅に静かにひっそりと暮らした、兄弟だけの人生が優しい眼差しで語られています。 小さな小鳥でも自分の運命を受け入れ、なんの迷いもなくただひたすら生きる。 この兄弟もそうだったんだなと思いました。いい本を読みました。 | ||||
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何とピュアな人だろう。まさに、「ことり」の様に雑念もなく、ただ「生きる」ことのみに、それは小鳥が「愛」を歌うことだけに生きている様に、生きています。 主役の「小鳥の小父さん」は、鳥の言葉を語るようになり人間の言葉を忘れてしまった兄と長く暮らしていました。その兄もなくなり、小父さんはバラ屋敷の管理人を務めると共に、ボランティアで幼稚園の小鳥小屋の清掃をして毎日を過ごしています。しかし、その穏やかな平穏な日々がやがて崩れてゆきます。園長の交代による幼稚園からの締め出し、バラ屋敷の売却と言うことで、年齢もあって「なすべきこと」を失います。その後は、偏頭痛に悩まされ、苦しい日々を過ごすことになります。 そんな彼を救ったのは、傷ついて飛べないメジロでした。彼はメジロを医者に連れてゆき、羽の骨折の治癒に努め、まだ「愛の歌」を知らないメジロに「歌」を教えます。そんな日々の後、メジロに看取られて彼の人生は終焉を迎えます。 こんなピュアな人たちは、現代社会においては様々な軋轢に会い、世間の隅っこに押しやられ、肩身狭く生きてゆくことしかできないのでしょう。この小説は、そうした人たちへの「愛の賛歌」であり、「ことり」を置くことによって、彼らの小さな「しあわせ」を願っている様に思えます。 久しぶりに、読後の清々しさを覚えた作品でした。 | ||||
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ことりのおじさんの姿や動作がはっきりと浮かんでくる。このおじさんについて一冊も書くエピソードがあるのかしらと思いつつ初め頃は読んでいたけれど、結局一気に読んでしまった。切ないけれど心惹かれる、生き方を考えさせる一冊でした。 | ||||
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優しく、切なく、寂しく、悲しく、静かな物語でした。 決してハッピーな読後感ではありませんが、それでもどこか暖かい。 途中何度か「小鳥が飼いたい‥‥」と思ったりしましたが、いや、やはり鳥は自由に空を飛べた方がいいでしょう。 春が来てメジロの声を聞くようになったら、この作品を思い出して涙が出そうです。 | ||||
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もうずいぶん会っていない伯父が亡くなった。実感もわかないまま自宅にお参りに行く。よもやま話をしていてふと伯母の口をついて出た本だった。「それって、まるで小川洋子の『ことり』みたいね」。最近、近所の保育園や幼稚園の子どもに声をかけると「知らない人とはお話しできません」といって逃げられるという、そんな話をしていた。興味をもって読んでみた。孤独死が発見されるというサスペンスドラマの一幕のような場面から始まる。陰惨な物語かと思いきや、その予感は裏切られ、読後、とても静かな、幸せともいえる気持ちになった。カバーの挿画から感じ取られたとおりの静謐、調和、孤独、の絶妙なブレンドを味わった。 保育園の鳥小屋の掃除を「ライフワーク」にしていることりの小父さん。天涯孤独の老人が亡くなった。残されたのは古い家と荒れた庭と小鳥一羽。寂しい人生だ、と誰もが思うだろう。彼の人生の物語をたどりながら見えてくるのは、そんなふうにしか思えない自身の心の貧しさである。 小父さんには家族がいた。鳥のさえずりに似た独自の言語を話す兄。両親を早くに亡くした兄妹は、二人だけにわかる言葉を絆にときどき「架空旅行」に出かけるほかは、どこにも行かず毎日同じように静かで豊かな時をともに過ごした。小父さんには恋した人がいた。図書館で鳥の本ばかり借りる小父さんに話しかけてくれた司書の女性。小父さんは自分の職場に彼女を招いて優雅なお茶をした。おじさんには素敵な仕事があった。見事なバラ園のある古い館をすみずみまで知り尽くしていた。保育園の鳥小屋の掃除をしながら、小鳥を誰より愛した亡くなったお兄さんと心を通わせた。小父さんには気にかけてくれる人がいた。鳥小屋の掃除をしてくれる小父さんに感謝と親愛の情を伝えてくれた保育園の園長さんと、お兄さんの好きだったキャンディをずっと置き続けてくれた薬局の店主。小父さんには鳥がいた。可愛さと賢さと健気さに命を与えたらこんな生き物になるだろう。小父さんの拾ったメジロは“天才”的な美しい声でさえずった。小父さんは亡くなり、メジロは誰の手も届かないところに逃げてしまった。これは孤立と疎外の話に見えて、その実、自由と開放の物語である。 何を持っていないかではなく何を持っているかにやさしい光を当てた物語。「暗いままの明るさを生きよ」を般若心経の教えだと説かれた松原泰道先生の言葉を思い出した。 | ||||
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