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ことり
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ことりの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.29pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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年をとって現実的になったせいか全く入り込めないです。もっと短くても二人の生涯は伝わるような、またこの長さならもう少し展開があって欲しかった。 こういった淡々とした物語は主人公に寄り添いえないときついです。 | ||||
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「博士の愛した数式」の博士の世界のように、主人公であることりの小父さん(とその兄)は、世間とは異なる時間の流れや感情の流れの世界でひっそりと静かな世界を営む。理解してくれる人は限られているものの、その世界は穏やかで豊か。 でも、突如としてその世界に割り込んだ司書さんが、その世界を踏みにじって出ていくように爪痕を残し、小父さんが社会になじむように見えて、やはりはじき出されてしまうところは非常に残念に思った。穏やかな最後にも拘らず、そこが強いので、全体の印象も私の中では悪くなってしまった。博士の愛した数式も決して夢の世界ではなく、現実が爪痕を残す部分があるように思いますが、それが作者のテーマなのかもしれない。 | ||||
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小鳥を愛して、小鳥に寄り添い続けた小鳥の小父さんの生涯です。愛するものを大切にする。とても癒される小説で心が洗われました。ただ、とても切ないので、単純に元気になりたい人にはお勧めしません。 | ||||
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著者の作品を読むのは、本作が初めて。 力量のある作家だと思うが、冗長だ。 新聞の連載などで、予め“尺”が決まっていたのか、 出会いからして不自然な鈴虫の老人や鳴き合わせ会の件などは、 字数を稼ぐために盛り込んだという印象である。 著者は、三島由紀夫と同様、本質的に短編作家だと思う。 比喩に優れている点などもよく似ている。 しかし、その描写はしばしば過剰で、筆力を見せつけるように 300ページ(文庫本)へちりばめられると、むせ返ってしまう。 長編であれば、読者の想像力を当てにしたマージンのある文体の方が、 自分としては好ましい。 | ||||
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夢や目標もなく、自分からは変化を望まず、非常に狭い世界で慎まく生きる、小鳥のおじさん。 おじさんの人生に憧れるか?と聞かれればNOである。 しかし、彼は自分の人生を不幸とは思っていないようにも感じた。 生きるということ、毎日の生活を送るということについて、考えるきっかけをもらった。 | ||||
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感性の違いを感じました | ||||
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世間と一枚皮を隔てて生きる孤独な人は、良く小説に取り上げられる題材である。描かれた孤独さが読み手に説得力を持つには、背景となる細部が事実に即して書き込まれていること、深みを持っていることが鍵となるが、この小説はそこが物足りない。例えば、メジロは昆虫や果物を食べる鳥で、穀物食の鳥ではない。また、飛ぶほどに成長した野性のメジロは人からスプーンで餌をもらったりしない。 | ||||
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話題になっていたので読んでみました。何度でも読んでみたいと思う本ではありませんでした。 | ||||
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孤独死した、「ことりの小父さん」と呼ばれる男の一生を描く。 ほとんど奉仕の人生である。奉仕という言葉より、お世話する、という方がぴったりくるかもしれない。 前半は、人間の言葉を子供のころ放棄した兄(自由意思による放棄ではない。なんらかの病名がつくのだろう。失語症+自閉症?)に捧げられる。兄の世話をし、働いて2人分の生計を立てる。 後半生は、兄がこよなく愛し、そのさえずりを理解した、小鳥たちに捧げられる。近所の幼稚園の鳥小屋の清掃をボランティアとして続けるのだ。それは兄への供養もこめられている。もちろん小父さん自身も小鳥たちをこよなく愛している。 不幸な事件があって鳥小屋の清掃ができなくなり、お世話の対象を失うと、小父さんはひどい偏頭痛持ちになる。リタイア後は,さらに酷くなる。 しかし最晩年に、傷ついためじろの幼鳥の世話をするという僥倖に恵まれる。 ほとんど起伏のない人生なのだが、もちろん小父さんもお兄さんも動物の雄であるのだから、異性を求める気持ちはある。しかし小鳥が愛の歌をさえずるようには、上手に事を運ぶことはできない。お兄さんの求愛は、周囲に求愛であることすら気づいてもらえない。弟のそれも、およそ客観性を欠いたものである。 動物の鳴き声を愛でる男が2人登場するが、どちらも人間のエゴイズムによるもので、お兄さんや小父さんとは対照的である。 小父さんの人生を脅かすものは、すべて外からやってくる…。 小父さんは、無私の心で生きた。それは努力してそうしたのではないし、自覚もしていなかっただろう。周囲の人々の目には、ひどく恵まれない人生にうつったかもしれないが、おじさんが不幸だったのかというと、そんなことはない。それはこの小説を読んで好ましく感じる読者にはわかることだろう。 中盤、読んでいていささか冗長に感じるときもあった。起伏のない人生を長編で読ませるには、圧倒的なコトバの力が必要である。小川ワールドの魅力でぐいぐい読者を引っ張っていかなくてはならない。小川氏の筆力を持ってしても、それはなかなか難しいことなのかもしれない。 | ||||
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小川作品ファンでなければ、ちょっと読みづらいかもしれません。 淡々とした静かな日常。 失語症の兄。鳥小屋の掃除。さびれた薬局。 そして小鳥。 子供が苦手。 静かな時間が流れます。 小鳥の声にじっと耳をすませたくなるかも。 | ||||
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閉じた世界、消えていく世界は、この作家の物語世界の重要な側面で、大きな魅力のひとつでもあると思います。だいぶ前に出た、「密やかな結晶」という作品は、その中の一つの到達点ではないかと思います。私にとって忘れがたい名作です。 今回の「ことり」はその流れをくむように思いますが、小川作品らしい清らかさ、静謐さは変わらずであるものの、どこか空しさを感じる読後感が気になりました。なんというか、縮こまって何処に行くこともあきらめた頑固じいさんを見ているような。。 けれども、それは小川作品の原点のような気もします。 「博士の愛した数式」のように、開かれたまったく違うフィールドの物語も含む豊かな作品群は、疲れてしまったときに避難場所を提供してくれる、私にとって大切なものです。これからも小川洋子の作品に親しんでいきたいです。 | ||||
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