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ミスティック・リバー



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ミスティック・リバーの評価: 4.07/5点 レビュー 30件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.07pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全4件 1~4 1/1ページ
No.4:
(3pt)

映画にもなった、重厚で哀しいミステリー

’03年に、クリント・イーストウッド製作・監督・音楽によって映画化され、アカデミー賞で主演男優賞:ショーン・ペン、助演男優賞:ティム・ロビンスと、主要2部門でオスカーを受賞した。
’01年、「週刊文春ミステリーベスト10」海外部門第2位、「このミステリーがすごい!」海外編第10位にランクインして、さらに’02年度のアンソニー賞のベスト・ノヴェルにも選ばれたデニス・ルヘインの代表作である。
ボストンの貧困地区。ジミー、デイブ、ショーンの3人組が路上で遊んでいると、不審な車が少年たちの傍に停まる。警官を名乗る2人連れは、3人の内からデイブだけを車に乗せ、静かに走り去った。四日後、デイブは帰ってきたが、心と体に大きな傷を負っていた。
それから25年後、同地区で殺人事件が発生。被害者はジミーの娘だった。捜査を担当するのは、今は刑事となったショーン。やがて捜査線上にデイブの名が浮かぶ。事件は3人の過去を弄ぶようにして、非情な物語を導いてゆく・・・。
幼なじみだった3人の男の物語を、ひとりは被害者の父親、ひとりは捜査する側の刑事、そしてもうひとりは容疑者として、重厚なタッチで描くミステリーだ。本書には謎解きのスリルも用意されているが、ストーリーとしては、登場人物たちの心象を見つめることに主眼が置かれている。彼らの心に渦巻く家族への愛憎、日常への苛立ち、癒せぬ過去。これらの均衡が崩れたとき、人間はいかに愚かな存在となるか・・・。
人生には辛いことや哀しいことがたくさんあり、しかも正しいことが何なのかも分からない。指針はどこにもない。その真実を本書は鮮烈に描き出している。
ミスティック・リバー (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:ミスティック・リバー (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4151744010
No.3:
(3pt)

サスペンス

アメリカ映画で、よく出てくる構造は、性的虐待者に若い頃襲われて、それがトラウマになって、年取ってからあほなことをしてしまうという話である。そこまでで、1時間を使うのは、幼いときに作文のますを埋めるのに、句読点を多用したような気持ちではないか?と穿ってみる。で、話はそういうようなことを織り交ぜて、悲しい話に持っていってる。おもしろかったのに、何がたらなかったのだろう。
ミスティック・リバー (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:ミスティック・リバー (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4151744010
No.2:
(3pt)

これが時代というものなのか

私はアメリカ文学というものが好きになれない。何故なら、伝統的なヨーロッパの文学に対してアメリカ文学には品性も思想もないからだ。そしてミスティツク・リバーを読んで、やはり品性は無い。但し若干の思想のようなものをメルビル以来、はじめて診ることができた。ここに書かれているのは、今となってはアメリカのみならず、地球上の一部の地域を除いて、総ての地域が抱えている精神的病理であろう。何故なら、ここには殺人という犯罪に対して若干の罪悪意識はあるものの、善と悪という相対した対立というものがまったく描かれていない。だからといって殺人を肯定しているわけでもない。まさしく今人類が抱えている精神病理である。それを三人の男に具現化して、現代という時代を書き上げたのであろう。時代を切り取ってひとつの作品にまとめ上げた、そういった意味においては、この作品はメイラーの「死者と裸者」以来、私にある種の衝撃をあたえた作品である。デイブは時代が産んだ悲劇そのものであり、彼の精神は既に二十五年前に形成されてしまっており、そこから一歩も動くことなく、肉体の成長にともなって知識がデイブを虚構の人間としての行き方を身に着けさせているだけである。ジミーは時代そのものである。自分本位であり、勝手であり、自分しか愛せない人間であり、自分が愛していると錯覚する者しか愛することができない。この二人に対比してショーンは教育もあり、理性もあり善悪も心得ている。しかし自分の置かれた現状の中で彼は何一つとして、思想も道徳も善悪すらも表明することができない。それはまさしく現代の知識階層が置かれた立場そのものであろう。私はルヘインの他の作品を読んだことはないが、タイトルにもなっているミスティツク・リバー。今の時代、様々な犯罪が横行し、人間の心が精神が、そして社会そのものが、ミスティツク・リバーの澱んだ流れのように、そして傷つけられて死をむかえ、ミスティツク・リバーの底へ二度と浮かぶことなく沈んでいったデイブのように、人間社会が作り出す罪、穢れ、汚濁の中に沈んでいっているのではないだろうか。
ミスティック・リバー (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:ミスティック・リバー (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4151744010
No.1:
(3pt)

悲しみと哀しみ

本当に哀しい物語である。最初から最後まで喜びや幸せを感じさせる部分が殆どと言っていいほどない。逆に言えば、その点が哀しさを弱めていると言えなくもない。話の構成は面白いのだが、全体的に漂うムードが、傑作とは思えなくしている。映画化されるそうだが、登場人物の内面を上手く映像化できるかが不安。
ミスティック・リバー (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:ミスティック・リバー (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4151744010

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