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マダム・タッソーがお待ちかね
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マダム・タッソーがお待ちかねの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.15pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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この時代は死刑執行人がかなりの名士だったのが分かって面白い。そしてこの執行人の妙な行動があちこちに影響を及ぼすってとこに実に味がある。そういえば子連れ狼の公儀介錯人も幕府の要職だったもんね。 | ||||
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頼んである本が届くまで何か再読してみようと本棚を探していたら、本書ピーター・ラヴゼイの『マダム・タッソーはお待ちかね』(単行本)を見つけたので読むことにした。 ピター・ラヴゼイのダイヤモンド警視シリーズは、『最後の刑事』から『処刑人の秘めごと』まで全九作を読んでいるが、このクリッブ巡査部長シリーズはあまり読んだ記憶はない。 たしかもう一作『帽子屋の休暇』を読んだ記憶であるが・・・。 アルバート・エドワード皇太子シリーズの『殿下とパリの美女』も読んだことを憶えているが、これは面白くなかった。 そのほか『服用量に注意のこと』とか『偽のデュー警部』も読んだ記憶である。 本書の奥付を見ると昭和58年4月30日初版刊行と記してあるから、評者がこの本を読んだのは30年以上も昔である。 なぜか読み始めて十数ページでこの物語の概略を思い出してしまったのだが、デティールなどは忘れていたから読み進むことにした。 処刑人のジェイムス・ベリーが語り始める1988年4月15日から物語は始まるのだが、読み始めてクリップ巡査部長が有能だが昇進には縁のないキャラクターだったことを思い出してしまった。 富裕層しか写真など撮らない時代のロンドンの写真館主ハワード・クリーマーの若き妻ミリアムが使用人の写真技師のパーシバルを毒殺した容疑で逮捕されてしまった。 公判まで行く前に容疑者は、あっさりと自白してしまい死刑判決を受けて監獄入りしてしまった。 が、毒薬の青酸カリを収納してある金庫のような戸棚には鍵が二つしかないのである。 洒落ではないが、この鍵の疑惑解明がこの物語のキーとなっている。 なぜなら、その一つは被害者のポケットにあり、もう一つは、出張中のハワードが持っていたからである。 出帳先の肖像写真家連盟の総会で会長と並んで撮った写真にハワードの持っている鍵が写っていたからである。 その写真を雑誌から切り抜いたものが内務大臣の許に届き、内務大臣から総監へ解明を命じられ、総監からジャウィット主任警部に内密に捜査するよう命じられた。 昇進する術だけは長けているが、捜査能力のないジャウィット主任警部は、その疑惑解明をクリップ巡査部長に丸投げしてきたから、どちらに転んでも自分にはデメリットしかないような捜査をクリップ巡査部長が始めてストーリーは進んでゆく。 6月25日に、ベリーの語るところでこの物語は幕を閉じているが、その二日前にクリップ巡査部長が疑惑解明して事件を解決している。 疑惑解明の報告は、例の如くジャウィット主任警部が独り占めしているのはこのシリーズの定番なんだろう。 マダム・タッソーというのは、ロンドンに蝋人形館を開館した人の名前なのだが、この蝋人形館へ処刑人のジェイムス・ベリーが訪れるときに下りる地下鉄駅がベーカー・ストリートである。 訳者があとがきで書いてもいたが、シャーロック・ホームズの下宿していたあのベーカー街なのである。 同じ時代にドイルは、シャーロック・ホームズを書いていたことを思うと、本書に書かれている様々な情景がリアルに読めてくる。 漱石がロンドン留学する12年前の設定で書かれた小説だが、『漱石日記』に出てくる地名が多くあるから読み進みながら興味が増したのは事実である。 本書『マダム・タッソーはお待ちかね』は、さすがラヴゼイならではの作品ではあるが、やはり評者は、ダイヤモンド警視シリーズのほうがお気に入りである。 | ||||
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地味な警察官の元にかつての上司がやってきて、ある殺人事件の真相を究明してほしいと依頼。貞淑な人妻が恐喝者を毒殺した裏には何が隠されているのか?そして上司の依頼の真相は・・・。 殺人事件の真相もさることながら、上司の依頼の裏に隠された意図もなかなか意表をついていた。最初と最後で登場人物(とくに死刑囚である人妻)の印象が変わるのも良い。マダム・タッソーの蝋人形館に飾られるかもしれないことに喜ぶ処刑人、というサブストーリーも地味ながら効果的に本筋と絡んでいてよかった。渋い。 | ||||
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週刊文春1983年 海外7位 CWA1978年 シルバー・ダガー賞 1888年 ヴィクトリア朝の英国。ミリアム・クロウマーは、写真師の夫ハワードの助手を毒殺した罪で絞首刑を宣告された。ミリアムの揺るぎない自供のため、死刑執行が確実となったとき、無実を示唆する写真が内務大臣に送られてくる。事を穏便に済ませたい警察組織は、クリップ部長刑事に捜査を担当させることに ・・・ ミステリーとしての謎解きよりも、全体をとおしての英国っぽいシニカルさが面白い。科学捜査でなんでも解決!とはいかない、ヴィクトリア朝に背景を設定しているのだが、そのへんのもどかしさも本書の魅力だったりする。ページ数は多くないけれど、十分に堪能できる。クリップ部長刑事の中間管理職としての悲哀も良い。このシリーズは、初読なのだが、遡って読んでみたくなる。 原題「WAXWORK」より、「マダムタッソーがお待ちかね」のタイトルの方が気が利いているというか、しっくりくるんだよなぁ。センスがいい。 | ||||
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週刊文春1983年 海外7位 CWA1978年 シルバー・ダガー賞 1888年 ヴィクトリア朝の英国。ミリアム・クロウマーは、写真師の夫ハワードの助手を毒殺した罪で絞首刑を宣告された。ミリアムの揺るぎない自供のため、死刑執行が確実となったとき、無実を示唆する写真が内務大臣に送られてくる。事を穏便に済ませたい警察組織は、クリップ部長刑事に捜査を担当させることに ・・・ ミステリーとしての謎解きよりも、全体をとおしての英国っぽいシニカルさが面白い。科学捜査でなんでも解決!とはいかない、ヴィクトリア朝に背景を設定しているのだが、そのへんのもどかしさも本書の魅力だったりする。ページ数は多くないけれど、十分に堪能できる。クリップ部長刑事の中間管理職としての悲哀も良い。このシリーズは、初読なのだが、遡って読んでみたくなる。 原題「WAXWORK」より、「マダムタッソーがお待ちかね」のタイトルの方が気が利いているというか、しっくりくるんだよなぁ。センスがいい。 | ||||
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舞台は19世紀末のロンドン。毒殺容疑でニューゲイト監獄に投獄された女。カーを彷彿とさせる設定である。"ドルリー・レーン"通りが出て来る等、遊び心も満載。物語は、事件の再調査を命じられた刑事が、地道に真相を探って行き、過去の事件にまで辿り着くという話。 人間の心の綾は描かれているが、ミステリ的には底が浅いので、サスペンス性、結末の意外性を期待すると裏切られる。登場人物の中では、死刑執行人ベリーが光る。当時は殺人犯だけでなく、死刑執行人の人形も「マダム・タッソー」に陳列されていたらしい事が分かって面白い。それが、邦題がこのようになっている理由だろう(原題は「蝋人形」)。死刑執行人ベリーの日常が淡々と描かれるオカシミ、ベリーの無意識の行動が事件の展開を加速させる趣向などに作者の手腕が見て取れる。 物語を通して、当時のスコットランド・ヤードの人間関係、写真という物が生活の中で占めていた位置などが窺えて興味深い。ヴィクトリア朝の雰囲気が楽しめる佳作。 | ||||
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舞台は19世紀末のロンドン。毒殺容疑でニューゲイト監獄に投獄された女。カーを彷彿とさせる設定である。"ドルリー・レーン"通りが出て来る等、遊び心も満載。物語は、事件の再調査を命じられた刑事が、地道に真相を探って行き、過去の事件にまで辿り着くという話。 人間の心の綾は描かれているが、ミステリ的には底が浅いので、サスペンス性、結末の意外性を期待すると裏切られる。登場人物の中では、死刑執行人ベリーが光る。当時は殺人犯だけでなく、死刑執行人の人形も「マダム・タッソー」に陳列されていたらしい事が分かって面白い。それが、邦題がこのようになっている理由だろう(原題は「蝋人形」)。死刑執行人ベリーの日常が淡々と描かれるオカシミ、ベリーの無意識の行動が事件の展開を加速させる趣向などに作者の手腕が見て取れる。 物語を通して、当時のスコットランド・ヤードの人間関係、写真という物が生活の中で占めていた位置などが窺えて興味深い。ヴィクトリア朝の雰囲気が楽しめる佳作。 | ||||
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まずタイトルが秀逸。死刑囚の蝋人形を展示するタッソー館の主が待ちかねているのは、ある男を毒殺して絞首刑の判決を言い渡された貴婦人の処刑。 しかし、処刑が迫ったある日、貴婦人の犯行の証拠を覆す1枚の写真が届く。 黙秘を続ける彼女は冤罪か、それとも・・・・・というミステリー。 しだいに明らかになる彼女の正体、そして意外な結末。この筆者の代表作「偽のデュー警部」同様、最後まで気を抜けません。 | ||||
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まずタイトルが秀逸。死刑囚の蝋人形を展示するタッソー館の主が待ちかねているのは、ある男を毒殺して絞首刑の判決を言い渡された貴婦人の処刑。 しかし、処刑が迫ったある日、貴婦人の犯行の証拠を覆す1枚の写真が届く。 黙秘を続ける彼女は冤罪か、それとも・・・・・というミステリー。 しだいに明らかになる彼女の正体、そして意外な結末。この筆者の代表作「偽のデュー警部」同様、最後まで気を抜けません。 | ||||
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ヴィクトリア朝時代を舞台にしたクリッブ部長刑事シリーズの中の1作。当時は死刑が執行されるとその死刑囚の蝋人形がマダム・タッソーの蝋人形館に設置されるのが通例だったそうで、そんな時代背景をベースにした作品です。ミリアム・クローマーという女性が使用人を殺した容疑で死刑判決を受けるのですが、判決が出た後で彼女には犯行が不可能であったことを示す証拠が現れ、クリッブが事件の再調査を命じられるというストーリーです。結末は極めてあっけないもので、本格好きにはやや物足りないかも知れません。しかし、死刑執行人ジェイムズ・ベリーが蝋人形館との商取引を有利に運ぶべく行う様々な活動が、クリッブらの気づかぬところで事件に思わぬ波紋を投げるという趣向などはなかなか面白かったです。当時は絞首刑というものが大衆にとってエンタテイメントだったこともよくわかります。 | ||||
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ヴィクトリア朝時代を舞台にしたクリッブ部長刑事シリーズの中の1作。当時は死刑が執行されるとその死刑囚の蝋人形がマダム・タッソーの蝋人形館に設置されるのが通例だったそうで、そんな時代背景をベースにした作品です。ミリアム・クローマーという女性が使用人を殺した容疑で死刑判決を受けるのですが、判決が出た後で彼女には犯行が不可能であったことを示す証拠が現れ、クリッブが事件の再調査を命じられるというストーリーです。 結末は極めてあっけないもので、本格好きにはやや物足りないかも知れません。しかし、死刑執行人ジェイムズ・ベリーが蝋人形館との商取引を有利に運ぶべく行う様々な活動が、クリッブらの気づかぬところで事件に思わぬ波紋を投げるという趣向などはなかなか面白かったです。当時は絞首刑というものが大衆にとってエンタテイメントだったこともよくわかります。 | ||||
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クリッブ部長刑事シリーズ。一旦は殺害を認めて死刑が決まった女に、彼女の無罪を示す新証拠が。クリッブは上司の命令で密かに再調査を始める。一人の命と警察の威信がかかった再調査に、処刑のタイムリミットが迫る。一方では、渦中の女性にもまだまだ多くの謎があるようだ・・・。証拠は果たして本物か?最後までドンデン返しの楽しめる傑作。さすがは現代イギリスの巨匠ラヴゼイと思える、期待通りの作品だ。クリッブ部長刑事シリーズ自体が、処女作でもある『死の競歩』をはじめ、非常に地道な捜査物の傑作揃い。その中でも最高に切れのある白眉。 | ||||
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クリッブ部長刑事シリーズ。 一旦は殺害を認めて死刑が決まった女に、彼女の無罪を示す新証拠が。 クリッブは上司の命令で密かに再調査を始める。一人の命と警察の威信がかかった再調査に、処刑のタイムリミットが迫る。一方では、渦中の女性にもまだまだ多くの謎があるようだ・・・。証拠は果たして本物か? 最後までドンデン返しの楽しめる傑作。さすがは現代イギリスの巨匠ラヴゼイと思える、期待通りの作品だ。 クリッブ部長刑事シリーズ自体が、処女作でもある『死の競歩』をはじめ、非常に地道な捜査物の傑作揃い。その中でも最高に切れのある白眉。 | ||||
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