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木挽町のあだ討ち
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木挽町のあだ討ちの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.45pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全95件 81~95 5/5ページ
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直木賞受賞! おめでとうございます それにふさわしい傑作でした ジャンル分けしちゃうと、それがもうネタバレになっちゃいますね 私は何も情報入れずに先入観なしで読みました なかなか楽しめました 作者には、江戸時代の人々の暮らしぶりを紹介する意図もあったでしょうね それは成功してます 庶民や周辺の武士たちの日常が、見てきたかのように描写されてて、知的喜びがあります メインのストーリーも良くできてます 読み終えて、こんな風なストーリーテリング、どこかにあったような。。。 と思わなくもないですが 映像化に向いてる気がしました | ||||
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今まで時代小説に縁がなかったので、最初は読み始めるのを躊躇していましたが、2023年7月号の小説新潮に最初の一部が掲載されておりそれを読んてみたところ読み進めていけそうなので、単行本を購入しました。 結論から言うと、とても楽しい、そして内容的にも満足のいくものでした。 小説の筋や結果も納得でき、よかったと思えるものでしたが、その過程の、いわゆるあだ討ちの目撃者の話がまたうまくできている。 なんでいちいちこの人たちの話が出てくるんだろうと思いながら読み進めていましたが、最後できちんとまとまり、なるほどこういうわけか、ああ、読んでよかった、心地よかったと思えました。 いままで時代小説は読んでこなかった方にもお勧めできる本です。 | ||||
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ストーリーとしては、特に驚くようなものではないけれど、サクッと読みやすいし、まぁ、面白かった。 | ||||
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一言で言って、随分とまともな時代小説だ。 最近、平岩弓枝氏の「御宿かわせみ」シリーズのいくつかの作品を読んだが、この作品と比べると、どうもひと時代前の小説に思えてならなかった。 時代小説をどちらが古いと言っても笑われるだろうが、それでも文章のセンスや登場人物のあしらいが新しい感覚に溢れているのだ。 「御宿かわせみ」はTVや劇場で散々演じられていたように、そうした媒体に合っている。 対して、こちらの作品は映画化や戯曲化には向いていない。と言うか、そうするのは難しいだろう。それほど技巧を凝らしている。 従って、文学作品らしさも本作の方が優っているとも言える。 これから、著者の過去の作品も読んでみようと思う。楽しみな作家が登場した。(自分が知らなかっただけか) | ||||
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読み始めて数分で、大まかなあらすじが分かりました。読み終えてやっぱり思った通りでした。登場人物間の関わり合い方や背負ってきたしがらみみたいな物も丁寧に描かれていて良いと思いますが、なんだろう、感動が薄く、ノッペリな描きが原因かと思います。 題名の「あだ」がひらなが表記である理由が 読み終わり解りましたが、読み終わっての充足感や満足は足りない本でした。 | ||||
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映画にすれば素晴らしい映像が見える物語。久々の時代物での感動作。あだ討ち、雪、人情、芝居小屋といったものが絡み合い、最後の結末に結実する、よく練られた構成です。是非、映画にしてほしい作品。主人公は誰が適任であろうか、考えるだけでもわくわくします。女性作家というのも頼もしい。最近、男性の時代物作家に元気がない。皆様、読んでみてください。 | ||||
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なんで木挽町の真ん中でみんなの目を見張らせるような仇討ちを仕組んだのか?その原点と最後の曇天返しを舞台回しが物語る、作者の視点が新鮮。 | ||||
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最終章以外は完璧。最終章に至る前には、感動の話や描写が多数あり、涙した。しっかーし。。。最終章の「どんでん返し」がもたもたしすぎで、ちょっとイラつく。記述がくどくって、だんだんと真相がわかる展開で、意外性と迫力、爽快感がいまいち。。。惜しいなぁ。それに、これ、最後まで仇討ちの実際を隠そうとした菊之助の嘘を、「総一郎が暴く」って展開にした方がよくはなかったか?これじゃ、総一郎、単なる聞き役で、あまりに軽い。読者目線は総一郎と同じわけで、最終章は、総一郎の主観、語りにして、小さな疑問から菊之助を問い詰めて、真相を語らせるってのがいいぞ。 あるいはまた、念願を達成した後、菊之助は武士をやめて母親と江戸に出るって展開の方が、小説全体のつじつまは合うぞ。様々な生まれの人々の人生を描写した意味が生きてくるし。うーん、最後がなあ。。 | ||||
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新聞でも紹介されていました。 | ||||
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ベストセラーとして購入しました。 確かにストーリーの展開は面白いのですが、他の興味深い小説を読む時のように、時間を忘れてページをめくるというようにはいきませんでした。 文章は綺麗で、読んでいると描写が頭に描かれるのですが、読み進めるのが苦痛になる場面もかなりあります。 時代劇と言えば、藤沢周平、池波正太郎等。 彼らが「巨人」と呼ばれるのは、読者が夢中になるからではないでしょうか。 | ||||
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ラジオで紹介されていて直ぐに読んでみたいと勤め先の近くと住まいのある書店、大きなショッピングモールの書店を探しましたが、何にも無くAmazonで購入しました。読みはじめたら登場する人物描写が上手く段々引き込まれて行き一気に読み終わりました。面白さでは星五つでしたが、ちょっとだけ理解出来ない部分があり星四つにさせて頂きましたがお勧めの一冊であるのは間違いありません! | ||||
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女人入眼が、期待外れだったので、どうかな・・と思って読み始めたが、面白かった。実在の歴史上の人物を描くより、こういう、全くのフィクションの方が自由度が高い分、読み応えのある物語になるんだろうなと感じた。 物語自体は面白いので、良いのかもしれないが、ところどころ、ん?と思う部分はある。 剣術を江戸に来てから立師に習うぐらいの腕だった10代の若者が1人で、自分より大きい男の首級をわずかな時間で上げる(要は首を斬り取る)ことなど、できるだろうか。 それから武家の身分。藩の御用人の息子は例え嫡男であっても「大名家の若侍」ではないだろう。そもそも300石高では大名ではない。旗本の息子に嫁ぐより安泰とは、どういうことだろう??と首を捻りたくなる。大名家というからには、どこぞの藩の跡取りなのか、と思ったら、藩の御用人の息子・・・。 しかも、そのぐらいの身分の侍や、姫が、共もつけずに許嫁の家にふらりと現れたり、見染めた娘の家を訪れたり・・。江戸時代は、思いのほか、おおらかな時代だとは言え、それは無いと思う。浪人の娘とか、田舎の半農半士の家の娘、というなら、まだわかるが。(それでも下男ぐらいは連れて出かけると思う) というような、様々な、ん?というひっかかりは、あったが、ストーリーとしては読みやすく面白かった。 | ||||
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帯には「今もっとも注目される歴史・時代小説家による革命的傑作誕生!」とあり、「革新的」という指摘には大いに納得する1冊でした。(「傑作」は言い過ぎかも?) 小気味よく軽さあふれる口上で始まったはずなのに、いつの間にか自分の心があったかく、そして夢中になって読んでいる。そんな素敵な作品でした。 | ||||
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睦月晦日の戌の刻、芝居小屋の場で、戯曲を書き演劇を上演する。 そう、”あだ討ち”。 江戸、木挽町の芝居小屋を舞台にしたミステリー。 義を貫くための辛さ。 慈愛で包まれる真心は温かく。 武士の理を尽くして。 ”これは涙ではない、汗だ”と言い。 | ||||
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「商う狼」に「大奥づとめ」と最近読む機会が増えてきた永井紗耶子の新作。 物語はあまりにも劇的な仇討が演じられる場面から始まる。討ち手はまだ前髪の少年剣士・菊之助。父の仇である博徒・作兵衛を降りしきる雪の中、木挽町は芝居小屋の裏でで待ち受け、被っていた赤い振袖を脱ぎ捨てるや仇討の口上を述べて斬り合いに。遂に作兵衛を討ち果たした菊之助は獲ったばかりの首級を掲げる…… 時は流れて二年後。仇討の舞台となった芝居小屋・森田座を尋ねる人物が。当の菊之助からの手紙を手に雪の中で演じられた仇討の仔細を教えて欲しいというその人物を迎えたのは木戸芸者の一八。まるで目の前であの仇討が演じられているかの様に芝居っ気たっぷりに語って見せる一八だが、奇妙な事に聞き出したい事は仇討の様子だけでなく一八の来し方にも及ぶらしい。 妙な事を聞くものだと訝しみながらも隠すものでは無いしと語り始めた一八は吉原の遊女の子として生まれてきた自分が長じて幇間に弟子入りし、やがてその幇間の道をしくじるに至ったというが…… 読んでいる間ずっと「人生到る処に青山あり」という言葉の意味を改めて考えさせられる事になった。 人間生きていると「自分にはこの道しかない」「これ以外の生き方はあり得ない」なんていう思い込みにチョイチョイ嵌り込んでしまうものだけど、そんな視野狭窄な状態はあっさりと「もう駄目だ」「自分はもう生きていけない」という極端な発想に繋がり易い。真面目な方であればなおさら、である。そして本作はそんな絶望に囚われている方にこそ読んで頂きたい、そんな一冊である。 物語の方は全六章からなる連作短編として構成されている。冒頭でこそタイトルにもある「あだ討ち」の場面が描かれるから、討ち手である菊之助の物語なのかと思ったら本編が始まるや仇討の舞台となった芝居小屋の面々による「我が人生」の一人語りが始まるから「アレ?」と面食らった。 が、この各章の語り手が聞かせてくれる来し方が実に興味深くグイグイと引き込まれた。トップバッターである木戸芸者の一八(関西人だと横山やすし師匠の息子を思い出す名前……)からして遊郭には厄介者でしかない男の子として生まれてしまったという「上弦の禄」っぽい悲惨な境遇から人生が始まるのだけど、ふとした切っ掛けで遊郭には欠かせない商売である幇間(たいこもち)に弟子入りする事に。 幇間がただの賑やかしでは通用せず、旦那によってご機嫌の取り方も変わる事を学びながら独り立ちも見えてきた矢先、遊女に暴力を振るうろくでもない客の座敷に上がった一八は溜まり兼ねて旦那相手の狼藉に及んでしまう。幇間としてしくじり呆然とする一八だが師匠から胸のうちにあった遊女をモノ扱いする連中への鬱屈を言い当て、幇間はもうやめておけと引導を渡される羽目に。 「幇間ぐらいしか生きていく道が無いのに」と絶望する一八だけれども、この絶望こそが本作におけるミソとでも称する部分。目の前に真っすぐ伸びている筈だった道がいきなり断ち切られる絶望感、身に覚えのある方も多いのではないだろうか?プロスポーツ選手や作家、ミュージシャンみたいな夢追い商売に限らず、希望の学校や就職先に進めなかったという形での挫折もあるだろう。 本作は仇討の様子を尋ねてきた菊之助の縁者を名乗る人物に一八同様森田座に絡む面々がその人生を語って聞かせる訳だが、彼らの人生は尽く絶望的な挫折を経ている。身分の低い御徒士から武芸で身を立てようとしながら師にも父にも絶望した殺陣師、裁縫の腕で生きていこうとしながら賤民である隠亡としての過去が足を引っ張った女形、優れた腕を持つが故に我が子の死に目に逢えなかった小道具職人、食うに困らない生まれであるが故に満たされなかった脚本家……誰もかれもが望んだ未来を断ち切られている。 菊之助の縁者に来し方を語って聞かせる今であれば芝居の一座に己の居場所を見付けているが、その信じていた道が断たれるに至るまでの追い詰められた心境や道を見失った時の絶望感はひしひしと読者の胸を打つ。大多数の人間にとって望んだ未来は手に入らない物だし、不合格通知や不採用を告げるお祈りメール前にして輝かしい未来に至る道が断ち切られた時の痛みは胸の内に一生残るものだから…… ただ、そんな痛みを知っている彼らの人生がたっぷりと描かれるからこそ終盤に向けて徐々に明かされていく菊之助が演じた仇討の真相が明かされる最終章が説得力を帯びる。義の為に生きようとして追い詰められた父親と主を誰よりも想う忠義の下男によって望んでもいない仇討へと追い詰められた菊之助に「お前はどこに居場所を求めたい?」と問いながら助力になってやろうとした森田座の面々の優しさがどこから来るのか、それを読者に伝えるための五章だったのだと大いに納得させられた次第。 一度は絶望する痛みを知っているからこそ、そして望んだ場所でなくても自分を活かしてくれる「居場所」はあるのだと知っているからこそ、かつての自分を見る様な思いで追い詰められた若者を視野狭窄から救い出そうとした連中の「温かさ」が堪らなく愛おしい。人の世に絶望する事があっても救ってくれるのもやっぱり人なのだと痛感させられる。 これから先も挫折する人、絶望する人、視野狭窄へと嵌る人で世の中は埋め尽くされるのだろうけれども、「本当に居場所は『そこ』だけのか?」「人の世に自分を受け容れてくれる場所は無いのか?」と問い掛け、視野を今一度広く構えてみようよと諭してくれる様な一冊。読者に勇気を与えてくれる小説というのはこういう作品を指すんじゃ無いだろうか? | ||||
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