■スポンサードリンク
沈黙
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
沈黙の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.41pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全388件 381~388 20/20ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ラディカルな時期の遠藤周作のいちばん重要な作品と敢えて云いたい。敬虔なクリスチャン作家としては、書くことに勇気のいる小説だと思う。日本の信者にとっては受け入れられない問題もあるのではないか。母なるマリアが信仰の中心とならざるを得ない迫害と殉教と棄教の時代。あまり触れてほしくない題材だ。はるか2000年前の時代ならともかくこの背景はたかだか400年前の事。イエスを信じること即、残虐な死を意味する場で思慮深い宗教指導者が周囲の複雑な思考回路を持つ為政者のなかで何を感じ取っていたか。そして何故生き続けている必要があるのか、そういった心理ゲームを考える楽しみもある。これは純粋に小説として優れた作品であって、日本のキリスト教史などとはくれぐれもお考え無きよう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
信者が弾圧され苦しめられているのに、神はどうして沈黙するのか。 遠藤周作氏が追究しつづけた、そして宗教永遠のテーマだろう。 「まいろや、まいろ、パライソへ」 海の中で十字架に磔にされた信者が、満ち潮とともに命の最後のともしびが消える直前に歌う。 読んでから数年が経つのに、今でもこの歌が頭の中から離れない。 そして「神よ、あなたはなぜ沈黙するのですか」という言葉も。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
私は宗教の、1人の人を尊敬し崇拝するということに危険性を感じます。自分自身に起こった幸・不幸は誰かのせい・おかげなのでしょうか。それによって本来感謝すべき生きている周りにいる人々、周りを取り巻く環境、その環境を生み出してくれた人々に感謝するということを少し忘れてはいないでしょうか。極端に言い過ぎたかもしれませんが信仰に対する使命感は時に盲目になるおそれがあり、もしその信仰心に疑問を感じたら強い絶望感と孤独感が生れ・・・。しかしなんと言っても当時のキリスト教弾圧は背筋が凍るほど厳しく恐ろしく本を読みながら涙が溢れてきました。日本で起こった出来事、日本人として必ず読むべきだと思います。この事実を実際本に書くということは タブーであったと思います。とにかく読んでよかったです。どの登場人物も自分の心にあてはまり、最後にはっと気づくことがあります。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
日本人の特質のひとつに自己表現をしないことがあります。わたしはこれを読んだとき、沈黙とは神がそうであるかどうかという問いかけと同時に、人々、いや日本人社会がその沈黙のなかにいるものと感じました。どうしてこの本がキリスト教文化でない日本人に親しまれているのかは、作者が沈黙というとても普遍的な言葉を使っていたからでしょう。とても読みやすく、登場人物がまるで本当にいたような気さえしてきます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
神を信仰の対象としない私にとっては不思議なことだらけです。「信者は踏絵を踏んではいけないのか」「目の前で死んでいく人を救うよりも多くの人の信仰を守ることが大事なのか」「何度も自分を裏切る人をも愛さないといけないのか」 しかし、作者は宗教の無力さを書きたいわけではなさそうです。主人公は踏絵を踏んだあと、それまでとは違う心境でキリストを愛しています。それが重く伝わってくるのが不思議です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本当の信仰とはなにかという究極の疑問に迫る1冊です。 きびしい拷問が怖くて、何度もキリストを裏切る弱者をやさしく、そして重い沈黙をもって見守る神。自分の教会の信者を助けるために棄教を迫られるバテレン。 遠藤周作は生涯をかけて、「神の沈黙」に取り組み続けました。この本は、その代表作です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この作品で最も興味深かったのは日本人とヨーロッパ人の信仰の受け入れ方の違いを深く表現している点でした。鎖国という強烈な弾劾よりも絶望的な、日本人の「キリスト教の根を腐らす土壌」というものを目の当たりにした宣教師達が棄教してゆく描写は氏の多くの作品の中で見られる大きなテーマだと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
キリスト教禁止時代、強い意志を以って信仰を貫こうと業苦に耐える主人公宣教師と、迫害の責苦にたやすくくじけ裏切る薄弱な準主人公信者。 主人公の心の動きを追って行くに従い、それら強さ弱さが対極に存在する絶対ではなく、表裏一体の紙一重に位置しているのではなかろうかと感じさせられる。 短い本では在るが、読んでいる最中よりも読み終わった後に「はて、自分はどうであろうか」と考えさせられる一冊である。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!