■スポンサードリンク
(短編集)
亜愛一郎の狼狽
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
亜愛一郎の狼狽の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.20pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全27件 21~27 2/2ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
◇「掘出された童話」 偏屈で知られる会社社長・池本銃吉が、76歳になった時、喜寿の祝 ならぬ「詫寿の祝」をするということで、盛大なパーティが開かれた。 そこで、引出物として配られたのが、池本が自費出版した童話。 その童話は、辛うじて文章として成立しているものの、意味不明な上、誤字まであり、 編集者がそれを訂正して印刷すると、元の原稿に戻して刷り直せ、とまでいう始末。 なぜ池本は、そこまでその童話にこだわるのか? 《暗号ミステリ》の傑作。 暗号作成者の性格や過去の職業から、亜は見事に暗号を解読してみせます。 《暗号ミステリ》という理知的な物語に、超自然的要素を巧みに 絡ませ、読者を最後まで惹きつける作者の手際は流石です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
◆第一話「DL2号機事件」 爆破予告された飛行機に、あえて乗る男の真意は? 「常識」に安住することの危うさ。 「常識」が非常識に反転する構造が描かれます。 ◆第四話「掌上の黄金仮面」 巨大弥勒菩薩像の手の上に立つ怪人―。 乱歩テイスト溢れる舞台設定は、 決してこけおどしではありません。 この状況だからこそ犯行に至ってしまった犯人の 心理の形成過程が無理なく説得的に描かれています。 ◆第五話「G線上の鼬」 市道G号線で、タクシー強盗が殺害された事件。 強盗を「鼬みたいに陰険〜」と表現したタクシー運転手。 なぜ「狐みたいに」ではないのか? 不可解にみえて、実は単純な 人間心理の機微が暴かれる、集中の白眉。 ◆第七話「ホロボの神」 戦時中、南アジアの小島ホロボで原住民の 酋長が日本兵の拳銃を使って自殺した。 しかし、はたして彼らに「自殺」という概念があるのか? 異なる文明の邂逅によって生み出される密室状況と、 犯人の犯行動機の設定の見事さに舌を巻きます。 ◆第八話「黒い霧」 早朝の商店街にばら撒かれた大量のカーボン。 スケールの大きなトリックの必然性が説得的に解明されると 同時に、亜によって、見事な犯人限定の論理が展開されます。 冒頭と結末が美しく円環を結ぶかのように収束する佳編。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
日本の探偵名鑑の最初に名前が載る(50音順)男、亜愛一郎のキャラクター が抜群に良いです。見た目と中身のギャップの大きさは、京極夏彦が描く榎津 に勝るとも劣らないものです。 本書は、キャラクターに負けないくらい謎解きが面白いので、是非読んでみて 下さい。笑いどころもたくさんあります。 どの作品もかなり良いのでお勧めを挙げるのは難しいですが、「掌上の黄金仮面」 「黒い霧」が気に入りました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
探偵役が、出てきた事実のなかから、事件の真相を推理する。 そんな正当な推理小説が短編で8つ載っています。 文章が美しく、出来事には無理がなく、「なるほど、これが伏線だったんだ!」とどのお話でも感心させられました。 「このトリックを短編で使っちゃうなんて贅沢」と思う面白さでした。 私が一番面白かったのは気球を使った殺人事件のトリックでした。 でも、どれも甲乙つけがたいです。 続きものではありませんので、気に入ったところから拾い読みも出来、気軽に読むことができる本です。 こんな、面白い本があるなんて知らなかったので読めてうれしいです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
図書館を利用して借りたがあまりに面白いので買ってしまった。やっぱり主人公が魅力的である。また他のキャラクターもしっかりと性格が書かれているので、短編集といえども愛すべき登場人物が満載だ。トリックの方はメンタル面から攻めるものが多いが、パズルのように細かな仕掛けが綺麗に組みあわさる推理は見事。笑いどころも充分だ。本著では「掘出された童話」が特に気に入った。文字通りトリッキーな一冊。棚にそろえて損はない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
気弱なカメラマンだが事件が起こればたちまちにして解決してしまう、謎の青年・亜愛一郎(ア・アイイチロウ)。虫だの珍しい雲だのばかり撮っている地味地味カメラマンだが、カメラマンのくせにファッションは常にパリッとした一流品で恐ろしく美形。そして格闘になれば何故かバカ強く、一体どこの誰なのかもわからない。そんな彼が活躍する短編集の第一弾。魅力的なキャラクターだが残念なことにこの「狼狽」、「転倒」そして最終作「逃亡」の三部作で終了。「逃亡」最後では愛一郎は実は○○の××だったことが明かされ、遂には△△に・・・(書けないのが残念です!)。う~ん、こんな終わり方をするシリーズは多分世界でも唯一でしょう。マジックにも詳しい作者の見事なトリックに脱帽。地味㡊¨!いうべきかシンプルというべきか、私にはどれも十分満足できる短編だった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
著者の亜愛一郎シリーズはどれも丁寧な謎の提出と明快な解明とを兼ね備えているので、その点で決して裏切られることがない良編ぞろいである。 もっとも、もう少し本格の骨子以外の部分に深みが欲しいというのは、贅沢すぎる注文だろうか。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!