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レイトショー
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レイトショーの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.12pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全26件 21~26 2/2ページ
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楽しみにしていたコナリーのニュー・ヒロイン、レネイ・バラード初登場作品。コナリーのメイン・シリーズを背負う我らがヒーロー、ハリー・ボッシュがかつて在籍したハリウッド署、しかもそのナイトシフトの刑事たち(タイトルの通りレイトショーと呼ばれている)を舞台に展開する独特の警察小説ワールド。 コナリー作品の特色を余さず継続している。バラードの勤務先として描かれる警察署内の凌ぎ合い・暗闘・友情など従来のコナリーの描写にプラスして女性ヒロインならではのセクハラという材料などもじっくりと取り入れている。 さらにヒロインであるバラードを、彼女自身につかず離れずの視点で密着して描いている。新刑事ヒロインの公私の生活。人となり。これまでの人生。関わる人々の個性。素晴らしく濃密に描かれている。 ハワイはマウイ島出身。父をサーフィンの事故で失い、母とは幼児の頃から音信不通。西海岸の祖母に引き取られ、彷徨の末に新聞社に入社。様々な事件に魅せられ、ついに警察官となる。そんな生い立ちのバラード・シリーズに初物ならではの興味を否応なく引き立てられる。そしてコナリー・ブランドならではの素晴らしい。 レイトショー勤務では、殺人事件のみならず、様々な犯罪に立ち会わねばならない。一晩に起こるいくつもの難事件。朝が来るとそれを日勤の担当刑事たちに引き渡さねばならない。夜勤刑事はハリウッド署では二人。交代勤務ではなく、ずっと。 ボッシュ・シリーズ以上に事件の種類が増えるため複数事件が同時多発的に勃発する。それらのすべての事件や謎に決着をつけねばらないので、読者もけっこう忙しい。モジュラー型ミステリーと言ってもよいかもしれない。 しかも事件は昼間の捜査課に持っていかれる。でもバラードは捜査を続けたい、事件を自分のものとして追い続ける。当然ながら警察内での軋轢。疎外。夜勤の相棒は家庭内事情にてあまりやる気はなし。ゆえにソロでの捜査が続く。 女性独自の危険が描かれる。女性ならではの私生活も。パドルボードの趣味。海辺でのテント生活。そこそこの愛人。そして何よりも事件の中でこだわる人間と人間の問題。基本的にはボッシュと同じ世界でありながら、あまりの変数の多さに驚かされるまずまずのシリーズスタート。 コナリーの小説世界には、やはり外れはない。優れた完成度の高さにレネイ・バラードという女刑事のシリーズスタートと、この魅力的なヒロイン像を創り出してくれた大好きなこの作家に改めて喝采を送りたい。 | ||||
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ハリーボッシュやその他の主人公とは一寸変わった、なにやら陰のある女性主人公の登場。見事に事件を解決する過程も無理なく大変面白い。次回作が待たれます。 | ||||
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ボッシュやハラーじゃなくても さすがにコナリー まちがいないですね!! 精緻を極めたストーリー展開、無駄のない描写 ああまた次が読みたくなる | ||||
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コナリー様、ごめんなさい。 勘違いしていました。 まだまだ、こんなに面白い作品が書けるとは。 失礼ですが、60歳を過ぎての新シリーズ、ということで、 アマゾンでは上巻のみ注文しました。 「チェイシング・リリー」が、私にとってはいまいちだったこともあり、 上巻がつまらなければ、下巻は読まなくていいや、と思ったのです。 上巻半分のところで、大急ぎで下巻も注文しました。 翌日配達のアマゾンと、宅配業者に感謝しなければなりません。 ボッシュシリーズと同じロサンジェルスを舞台に、 聞き慣れた地名がいくつも出て来たり、 オリバス(以前はオリーバス、の表記でしたね)や、 チャステイン(あのチャステインの○○ね)などが からんでいるところも、20年以上のファンには嬉しい限り。 ボッシュのキャラクター設定では、 年齢的にも立場的にも、ちょっと無理がありすぎるここ数年でしたが、 この作品はまるっきりの新キャラなので、 コナリーも、翻訳者さんも、とても筆がなめらかな感じがします。 コナリーのファンなら、絶対に読んでおくべきの、良い作品です。 | ||||
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ボッシュシリーズの最新作「訣別」からわずか半年。 新作が出ると「おすすめ」されたので予約購入したところ、思いがけず新シリーズの幕開け! ヒロインはロス警察ハリウッド分署深夜勤担当刑事のレネイ・バラード。 ハワイ出身、趣味はパドルボーディング、愛犬ローラは虐待されていたところをバラードが保護したボクサーとピットブルのミックス犬。しかし、明るく爽やかで呑気なボーダーどころか、戦う女性刑事。 本部強盗殺人課刑事という花形ポストから上司との一件で分署の夜勤帯に飛ばされ、元パートナーには裏切られ、現パートナーは心優しく頼りになるものの、職務より癌を患う妻が大切、深夜帯に舞い込む些末な案件に駆り出されては昼勤の分課に捜査を委ねるだけの日々、心に闇と怒りと孤独だけを抱えて。 そんなバラードが、元上司らから徹底的に阻害されながら、たった一人で一つ一つ事件に取り組む姿が、ボッシュを彷彿とさせるものの、若いだけにエネルギーに満ち満ちていて、読後感がとても爽やか。誰しもが新ヒロインを応援したくなるはず。 今後はバラードとボッシュの共演もあるらしいので、ますます期待大の新シリーズ! 本作でボッシュ本人は登場しないものの、ドラマ化されるほどの伝説的刑事としてチラッと登場。マイクル・コナリーファンとしては、クスッとなること請け合い。 | ||||
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2019年7月に読んだ「訣別」から約半年。「レイトショー(上・下) "The Late Show"」(マイクル・コナリー 講談社文庫)を読みました。 コナリーの30番目の小説。そして、主人公はボッシュでもなければリンカーン弁護士でもありません。ロス市警の女性刑事レネイ・バラード、初登場。ハワイ出身、パドル・ボードを愛し、ローラという名の飼い犬がいます。彼女は強盗殺人課の刑事だったにも関わらず過去に起きたある「事件」に起因して、ハリウッド分署の深夜勤("レイトショー")担当刑事に左遷させられています。 二つの主要な事件が起こります。一つは、ブラスナックルによる「暴行事件」。もう一つは、「ダンサーズ」(チャンドラーへのオマージュ)という名のクラブで起きた「五重殺人事件」。レネイは、まるで若かりし頃のボッシュのように、"Good and Evil"に導かれながら、時に直情的に、肉体をさらけ出すことも厭わず戦い、弱きものへの慈しみの心を持ってその暴行事件の犯人を追跡し、そして「ダンサーズ」で起きた事件の犯人に対しては、その強い意志によって、時に巧緻な策を弄しながらも追い詰め、その戦いの手を緩めることはありません。いつものようにスリラーですから、これ以上、そのストーリー・テリングを語ることはできませんね。背景では、多様化する?セクシュアリティ、<ハラスメント>への強い怒り、「凡庸な」男たちなど作者の強い主張も伺い知ることができます。 サーフィンにうってつけの波を求めるように目を凝らし、「虐待、飢餓、恐怖に耐え忍び、つねに冷静さを保っていた」愛犬・ローラの姿に学び、〝出る釘は打たれる〟警察社会を疎ましく思いながらも、悪しきものに立ち向かうためには、 爆心地にたどり着かねばならなかったレネイの姿に驚嘆する物語だと思います。 ボッシュのように警察「ヒエラルキー」を無視し続けるレネイの姿があるがゆえに、サスペンスが持続し、それぞれの会話がとてもスリリングです(そして、物語は大きな「反転」ととてもいい幕切れも用意していると思います)。 (ため息と共に)この世界で「公正に」生きるということは何と困難なことなのだろう? | ||||
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