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歯と爪
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歯と爪の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.91pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全32件 21~32 2/2ページ
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なんとも名状しづらい不思議な読後を醸し出す一冊。そこはかとない満足感に包まれます。。 ある復讐劇を目論む奇術師の視点と、検事・弁護士が一進一退の攻防を繰り広げる法廷劇の視点が交互に描かれ、それが驚きをもって交錯する 魅力的な結末に至るには、封を切って進まなければならないとゆう何とも大胆にして憎い演出が施してあります。 既成事実を既成事実のままにデフォルメしてしまった本書はバリンジャーが読者に仕掛けた一大奇術だ。。 | ||||
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この本の特徴は何と言っても、 「返金保証」にあると言えましょう。 物語の後半部分が封印されていて、 未開封のまま出版社に送り返せば、 本の代金を返金してくれるというものです。 それだけ、結末部分に自信あり、 の作品ということになると思います。 この作品、1988年以来の再読です。 私の持っている本の作品紹介部分には、 「最後の一ページの驚くべき大トリック!」とありますが、 正直なところ、どんな驚くべきトリックだったか思い出せず、 読み返してみることにしたのです。 物語は、カット・バック方式で、 ある殺人事件の法廷シーンの章と、 奇術師リュウ・マウンテンの一人称の章が交互に綴られていきます。 法廷シーンでは、 被告の名前が後半になるまで明かされず、 その部分に大きな興味が惹かれるところです。 「返金保証」で読者に挑戦する作品にふさわしく、 物語の冒頭で、 不可思議な説明がされているところも 読者が最後まで興味をそそられるところといえましょう。 <第一に彼(リュウ)は、ある殺人犯人に対して復讐をなしとげた。 第二に彼は殺人を犯した。 第三に彼は、その謀略工作の中で自分も殺されたのである。> 物語の結末ですが、 「最後の一ページ」のトリックという表現は 適切ではないように思いました。 最後のページではなく、 封印されている数10ページ全体で 仕掛けが説明されているといえます。 ただ、その仕掛けが驚くべきかというと・・・。 確かに冒頭の不可解な文章は解明されるが、 驚くべきものといえるのかどうか、といったところです。 ただ、この作品、新刊本を手にした読者が 封を切らずにいることは、相当に困難なことでしょう。 それだけの魅力的なストーリー展開は 持っている作品ということはできます。 | ||||
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原著オリジナルは1955年に刊行されている「返金保証」ミステリーである。この手の本はどこから袋綴じが始まるかで、読者が「読むことを止めるかどうか」が決まるようだ。その点、本書はなかなかいいところで袋綴じが始まったので、出版社としては返金せずに済みそうである。さすがにここで読むのを止めるわけにはいかない。 「返金保証」を付けるくらいだから、出版社としても自信があるはずだ。たしかに、この本は面白い。 | ||||
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別に全然、本格ファンではないのだが、恩田陸氏の本に出てきたので探していたら、なんと古本屋にあるではないかっ。しかも帯を破らないまま。結局元の持ち主は全く読まなかったのか、先が気にならなかったのか、そちらの方が気になったりして。 で、結局は帯を破って最後まで読んでみたが、うーん、確かに意外性はあって損した気分はしないけど、少々自身過多なのではないか、と思った次第。この程度の意外性なら、ミステリーじゃなくても、結構あるよ。 | ||||
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袋閉じの直前が一番意外でしたね裏表紙に「最後の一ページ〜」とありますが、これには疑問です。途中で明かされるので‥ここから更にどんなドンデン返しが?と思いながら読んだのですが、最後の一、ニページに何かあったとは思えませんしかし主人公にも感情移入でき、面白かったです! | ||||
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バリンジャーは騙しを得意とする作家で本書は代表作と言われている。特に、結末の部分に封がしてあって、これを開けずに正解を出版社に送れば返金するというのが特徴。それだけの自信作だが、結末は容易に予測でき期待ハズレ。お代を返して欲しい。 「歯と爪」という熟語は英語で「歯を食いしばって頑張る」という意味があって、これは主人公の犯人に対する復讐行為を意味するのだが、この主人公の頑張りだけが読み所か。主人公の生活と法廷シーンがカット・バックで描かれるのだが、この法廷シーンに迫力がないのもマイナス点。 騙しに自信があるなら、もっとトリッキーな仕掛けを用意して貰わないと困る。 | ||||
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この作品は袋とじにされている、結末部分を開かずに 出版社に直接持っていくか、郵送をすれば返金されるという画期的な作品だ。 私は結末部分に期待して本書を手に取ったのだが、 物語は始めから展開は十分は面白く、結末近くからはさらに面白くなっていく。 結末部分は衝撃的とは言えなかったがとても満足できたのでお薦めしたい一冊だ。 | ||||
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同著者の『消された時間』が予想以上に面白かったので、より世評の高い本作を期待満々で読んでみた。 ん〜、やっぱ『消された時間』の方が上だね。袋とじの前で結末がほぼ予想ついてしまった。ただ主人公が生き残るってところが予想外。でもこの結末じゃ、惹句にある「まず第一に、ある殺人犯人に対して復讐をなしとげた。」ってのはイイとしても、「第二に自分も殺人を犯した。」ってのと「そして第三に彼は、その謀略工作のなかで自分も殺されたのである」てのは完全に誇大広告だね。 結末やトリックにはそれ程驚きませんでしたが、前半の恋愛メロドラマ的な感情表現は結構良く書けてると感じました。 | ||||
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この作品には、二つの特徴がある。一つ目が、「意外な結末が待っていますが、あなたはここで、おやめになることができますか?」と、結末部分を袋綴じにして、やめられたら返金する体裁にしていることだ。仮に、やめられたとしても、実際に、わずか672円のために、わざわざ出版社に送り返す人がどれだけいるかということを考えれば、読者の好奇心をくすぐる商魂たくましい商法ともいえるのだが、少なくとも、結末に、それだけの自信がなければできない商法であることも事実だろう。実際、私の場合は、袋綴じを開けずに途中で投げ出すことは微塵も考えられず(名作という触れ込みであっても、読み続けるのに苦痛を感じ、途中で投げ出したい誘惑にかられる長編ミステリは、少なくない!)、その結末も、想定範囲を超えたものであったことを付け加えておこう。二つ目が、犯罪が行われるまでの経緯と、名前を伏した被告の法廷での裁判場面を、本当に几帳面に、一場面ごとに交互に描いている点である。こうした構成自体は上手いと思うのだが、率直にいって、このストーリー構成で、この手法を取られると、事件の全貌がなかなか見えてこず、読者としては、もどかしく感じる面なきにしもあらずではある。しかし、移り気な視聴者相手に、特にテンポ感のある展開が求められるテレビ・ドラマの脚本を何と二百以上も書いたというバリンジャーは、さすがにその文体には冗長さがなく、ストーリー・テリングにも長けており、飽きさせずに、最後まで読者を導いてくれている。本書のあとがきでは、この作品と同列、もしくはそれに近い位置を与えられる作品として、アガサ・クリスティーの名作を挙げた論評が紹介されているのだが、それは、少々、誉めすぎとしても、この作品の奇抜なトリックと意外な真相が、それと比較されること自体は確かに納得のいくものであり、この作品は、十分、名作の名に値する作品であると思う。 | ||||
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はらはらどきどきしながらも、主人公に感情移入してしまいます。他のサスペンス小説と違うところは(ネタばれになってしまうかもしれませんが)犯人が誰かということより、被害者が誰かということが気になります。袋とじの直前でそれが明かされる・・・だから封を切らずにはいられないんです。後味の良いサスペンスですね。 | ||||
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冒頭の殺し文句「彼は殺人犯人に復讐した。彼は殺人を犯した。そして彼も殺された」で思わず手にとり購入しました。被告人の正体が判明した時、「じゃあヤツはどうなったんだ!?」と思ったら作者の罠にはまってます。気持ちのいいくらいに。袋とじなんて関係ありません。どうせ封は切るんだから:-P)。間違いなく!最後はあまりにもさりげなくて何がトリックだったのか、一瞬わからなくなるかもしれませんが、わかります。最後の1ページじゃなくて2ページ目を見れば。 | ||||
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結末が袋とじになっており、封を切らずに出版社に送り返せば返金を保証する、という非常にユニークな体裁の本です。袋とじの直前で「あっ」と驚く事実を知らされるので、気になって袋とじの中を見ずにはいられません。見事に作者の思惑にはめられたという感じです。でもミステリーにおいて作者に騙されるのは、とても楽しいことです。そんな騙されたい、という読者の希望をかなえてくれる気持ちのいい本です。 | ||||
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