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ザ・プロフェッサー



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【この小説が収録されている参考書籍】
ザ・プロフェッサー (小学館文庫)

ザ・プロフェッサーの評価: 4.23/5点 レビュー 39件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.23pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全39件 21~39 2/2ページ
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No.19:
(5pt)

オススメ

久々にオススメ!慌ててこの作家さんの本を買いました。次作は読んだので、その次が早く出ないか待ちどおしい
ザ・プロフェッサー (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:ザ・プロフェッサー (小学館文庫)より
4094066152
No.18:
(5pt)

文句なし、面白かった

久々最後までわくわくして読んだ、久々読書って楽しいと思った。登場人物みんなに感情移入できた。愛犬の最後のシーンを後に残したのも余韻がある。一点だけ、教授とドーンの2枚の写真をだれが撮ったのか解せない。
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No.17:
(5pt)

古いバイオリンほど、甘い音楽を奏でる。

心が震える法廷サスペンス小説。
ロバート・ベイリーはこの作品がデビュー作。まるで池井戸潤を読んでいるみたいだった。

登場人物の善悪をはっきりさせ、起(事件)承(ピンチになる)転(救世主現る)結(ハッピーエンド)と読者が喜ぶツボを見事におさえており、訳者の吉野氏でさえ「類型的であざとい」と言わしめている。
しかし、ここまで落ちてしまった主人公(たち)をどうやって逆転させるのか、法廷ものということもあって、物語後半はちょっと味わえない読書体験ができる。
唯一といってもいいミステリシーンが、愛犬ムッソとの出来事。
年を取ったからといってあきらめてはいけないし、言い訳をしてはいけないんだと思った。
作中の言葉、「古いバイオリンほど、甘い音楽を奏でるのさ」は名言である。

この作品が吉野氏の出版社持ち込みだったのは驚きである。続編もぜひ出版していただきたい。
世界にはまだ知られていないスゴ本がたくさんあるのだろう。
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4094066152
No.16:
(5pt)

絶対続編が読みたくなります。

文句無しに素晴らしいです。続編の翻訳が待ちきれず、原書で二作目を読み始めました。デビュー作でこのクオリティは信じられません
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4094066152
No.15:
(4pt)

諦めない心

人間は年齢を理由にして諦める。「この年で大学受験?」「この年で留学?」このストーリーは諦めると何を掴みそこねるかを教えてくれる。主人公のセリフ「老いぼれにもまだ少しはガソリンが残っているさ」が胸に刺さった。
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No.14:
(5pt)

とにかく面白い!

一気に読了。まず主人公が60代後半というのがいい。人生の黄昏を迎え、尊敬を集める大教授が、怒りに震えながらいくつもの困難に立ち向かう。泣けます。しかも何度も。この年齢の主人公を処女作に持ってきた作家に脱帽です。次回作以降も米国では大好評と聞いています。今から楽しみです。
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No.13:
(5pt)

文句なく泣けます!

法廷ミステリーものかと思いきや、ストレートなヒューマンドラマ。あまり法廷ものを読み慣れていないので、最初はページ数を見て躊躇しましたが、あっという間に物語に引き込まれました。見せ場の法廷シーンではグッときてしまい、思わず涙。人間って捨てたもんじゃない、という希望を与えてくれる傑作です。ニ作目はミステリー色が強いそうなので、老教授とリックの活躍に期待しています。
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No.12:
(5pt)

夜更かし必至

熱い!男くさい!スクールウォーズはラグビーだったが、舞台になるアラバマ大はアメリカンフットボールの強豪校。大学を卒業しても繋がっている絆。男たちの友情、師弟愛、チームメイトへの忠誠心、それぞれの想いを胸に、交通事故の裁判にのぞむ老教授と新米弁護士の熱い戦いにグイグイ引き込まれる。
アメリカの陪審員制度や証拠論、法廷での駆け引き、もためになる。最後はすっきり爽快、半沢直樹ばりの倍返し(^^)
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No.11:
(3pt)

ハッピーエンドとは言いきれない。

【良い点】

・非力な正義が強大な悪を倒す、読者の期待を裏切らない、勧善懲悪王道ストーリー。
人生の艱難辛苦にもがく主人公ふたりの、窮地に追い詰められた所からの逆転劇は、痛快です。

【不満点】

・2億ドルもの価値がある企業の経営者とは到底思えない、マフィアも後塵を拝するほどの被告人の極悪っぷり。
その手下と弁護士もしかり。
このコメディ的とも言える悪役の造形が、作品の質を若干下げてしまっている。

・悪役弁護士が、師である主人公の大学教授を裏切る理由と、大学の理事会が、彼を汚い手を使ってまで学校から追い出す理由。
これが、はっきりとしません。

・絶対的な被害者として描かれる、原告側の左折車。
こちらの車にも多少は非がある気がします。
幼い子供を乗せているのだから、もう少し慎重に運転しても良かったのでは。

・原告とは別の、もうひとつの被害者家族の悲惨な結末。
他の善人側の人物全員がハッピーエンドを迎えるのとは、あまりに対照的で救いがなく、後味が悪いです。

【ストーリー以外の問題点】

・段落ごとの人物の視点の統一の不徹底。
新人作家のデビュー作にありがちな残念ポイント。

・同一人物の名前表記が、姓、名、愛称と、同じ場面でも頻繁に変わる。
これ、混乱します。
他の翻訳作品でもそうですが、話に影響があるような部分をのぞいて、表記を統一するように意訳してもらった方が、読者としてはありがたいです。

・他の出版社の文庫本と比べて文字が小さい。
もう若いとは言えない年齢の自分には読みづらく、結構なストレスでした。
できれば改善してもらえると、嬉しいのだけれど。
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4094066152
No.10:
(3pt)

すれっからしの老いぼれ読者には向かない

善悪が白黒のように明確に分かれており、やられて、やられて、やられてからまとめてやり返すという、プロレス的・半沢直樹的なストーリーです。いかにもハリウッドが好み、アメリカと日本で受け、フランスや北欧では受けなさそうな物語。善役弁護士については報酬契約の中身さえ明かされず、まるでボランティアでやっているかのよう。
 途中からラストが(犬の役割まで含め)明確に予想でき、予想できたとおりのラストを読んでカタルシスを得るのが好きな読者にはたまらないでしょう。私にはあまりにも逆の意味でたまらなかった。最後に認定された賠償額って何?日本円で換算してもなおしらけずに読めますかと言いたい。
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4094066152
No.9:
(3pt)

100ページ程は我慢

第2部までは、おもしろくない!裁判に向けて調査----このあたりから、あれ面白いとあれよあれよと読み進めました
登場人物が、似たような名前で登場人物紹介欄を何回も見直す羽目に!
作家には、名前の選択をもっと考えてほしい
ザ・プロフェッサー (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:ザ・プロフェッサー (小学館文庫)より
4094066152
No.8:
(5pt)

優れた小説です

面白い。
教授の人となりが素晴らしく描かれている。
リックも。
ストーリーも素晴らしい。スピードも良い。
残酷さもあります。

犬の最後で泣けてしまいました。

爽やかさもあります。
読後は晴れ晴れと気持ち良いです。
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No.7:
(5pt)

心からエールを送りたくなる傑作!

骨のある小説かどうかは、どういうわけか最初のページからわかってしまう。その期待はたいてい裏切られない。ストーリーではなく、作家が書こうとしているものが、文体の後ろからにじみ出てくるような、そう、気配のようなもの、小説の持つ気品のようなものだ。

 そうなるとストーリー展開も楽しくなる。なかなかタフな物語になることは、書き出しで摑めているからだ。

 南部出身の法律家出身の作家は誰? 大抵の読書子ならば、ジョン・グリシャムと答えると思う。この新手の作家ロバート・ベイリーも実は南部出身の法律家なのである。先人グリシャムの権威を傷つけないばかりか、やはり米南部生まれのリーガル・サスペンスには骨がある、との好印象を深めたのが、この作品だ。

 主人公は、元アラバマ大のフットボーラー、法律家として一年間、法廷経験を積んだと思った途端、母校の法律の教授として招かれたため、以後、多くの法律家を世に送り出す役目を果たすことになり、現職を続けている68歳。しかし彼に四十年ぶりの法廷という転機が訪れる。

 彼が育てた法律家の、悪い種子のような若手弁護士が彼を大学から追い出した上に、醜聞の熨斗まで付けて世界から追い払おうと試みたのだ。妻に先立たれた上に、膀胱癌まで患ってしまう人生最悪のタイミングの状況下で、一件の訴訟が持ち込まれる。一家が全員巻き込まれてしまった惨たらしい交通事故、その原因となった過重労働を常態化させていた悪徳運送会社を訴訟する遺族は、教授の学生時代の恋人だったのだ。

 教授生活で課題を残してしまった青年弁護士リックに託して、世間から隠遁した教授だが、彼の再生は如何に? 悪徳企業が次々と打ってくる卑劣で残酷な包囲網に対し、チームはどう闘ってゆくのか。

 人生の再生を賭ける人間たちを骨太に描いて、疾走するストーリー展開が読者を巻き込んでゆくパワフルな小説。こういう小説が読みたかった。しかもこの作家は知っている。どうすれば読者が、悪党どもに怒りを感じるかを。どうすれば読者が犠牲者たちに悲しみの情を抱くかを。どうすれば、悔しさに歯噛みする想いを抱くかを。そういう悪党どもに、どのように闘ってほしいかを。

 そしてどうすれば、60代後半の癌治療中の世捨て人が、難関に立ち向かおうという気持ちを再び持つほかを。どうすれば読者が心からのエールを送りたくなるかを。

 本書は、翻訳者が出版社に原作本を持ち込んで出版の運びとなった作品だそうである。翻訳者の吉野弘人のグッド・ジョブに深い感謝を。さらに未訳は現時点で三作。すぐにでも次作を読みたい作家がまた一人ぼくのリストに加わった。

 最後になるが、世捨人がもう一度頑張ってみることにした、その気になる転換点なのだが、最後の最後に明かされる。粋な構成である。

 さらに実在のアラバマ大フットボール・チーム、クリムゾン・タイドの伝説のコーチの登場に始まり、実在のチームメンバーたちも共演する。なるほど。作者のフットボール愛の熱さが、確実に作品の熱さに繋がっていたのだ。
ザ・プロフェッサー (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:ザ・プロフェッサー (小学館文庫)より
4094066152
No.6:
(3pt)

(2019年―第50冊)裁判の相手側の人物造形が少々荒っぽい点に不満が残った

2009年9月、アラバマ州の路上で18輪トレーラーと乗用車の衝突事故が発生する。トレーラーの運転手と、乗用車に乗っていた若い家族4人全員が犠牲となる。乗用車側の被害者の遺族である祖母ルース・アンはかつて恋人だったアラバマ大法学部の老教授トム・マクマートリーを頼り、運送会社側の過失を認めさせる民事訴訟を起こそうとする。しかしトムは大学側から職を追われ、しかも癌の告知を受けたばかりだ。そこでトムはかつてひと悶着があった教え子リック・ドレイクにこの件を預けることを決意する。しかし運送会社側の隠蔽工作が進み、裁判は原告側にとって難しい局面を迎える……。
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 2019年4月12日現在、本国アメリカのAmazonでは原書『The Professor』に対して3321人の読者がレビューを投稿し、そのうち71%が5つ星、23%が4つ星をつけるほどの高評価を誇る作品です。このアメリカでの評判を目にして手にしないではいられません。

 主人公トムとリックをはじめとして原告側の登場人物が真摯に正義を求める熱血漢ぶりには魅了されます。突如として命を奪われた若い一家のために、トムは身も心も満身創痍といった状態でありながら、花も嵐も踏み越えて真実へと突き進みます。68歳の体に鞭打ち、そして人生の谷底からの再出発を期す姿は読ませます。
 恩讐を越えて裁判を共に乗り切ろうとする旧教え子リック、裁判をサポートするシングルマザーのドーン、忠犬ムッソなど、役者はきちんとそろっています。
 訳者である吉野弘人氏の日本語文は実に読みやすく、500頁を超える大部の書も難なく読み通すことができました。

 しかし不満もあります。
 この小説はリーガルサスペンスではありますが、リーガルミステリーの要素はありません。自動車事故がなぜ起こったのかについて秘密はないといってよいでしょう。事故原因はかなり早い段階で主人公たち――そして読者に対して明らかにされます。それを司法の場で堅固な事実として認めさせるための証拠と証人をどう確保するかに物語の比重が置かれます。しかしその証拠と証人の確保の仕方は泥臭いものであり、読者を驚かせるほどの手際の鮮やかさは見られません。
 また、法廷劇の相手側である運送会社社長が極悪非道の人非人すぎることにも不満が残ります。この社長のあまりのひとでなしぶりに読者の多くは辟易するでしょうし、だからこそ読書の果てに大いなるカタルシスを得ることにはなるでしょう。ですが、事故原因の背景には、運送会社の置かれたビジネス上の窮状があるはずです。こうした事故は日本でもトラックやバスなどの輸送企業で見られるものです。その経済的・社会的背景はもっと複雑であり、企業の社長もその窮状をなんとか打開しようと社員とともに額に汗する様子が報道されているのを私も目にしてきました。だからこそ、この小説の社長の事故までの無為無策ぶりと、事故後の隠蔽工作の非道ぶりがあまりにも現実離れしすぎているのです。勧善懲悪の物語をこしらえんがために、人物像を極端に類型化して、あるいは戯画的に描きすぎているように思えてなりません。

 本国ではトムとリックの弁護士コンビが事件解決に奔走する小説がシリーズ化されているようです。果たして小学館文庫で続編は読めるのでしょうか。

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*133頁:ボーセフィスがアラバマ大の学生時代に闘った試合相手を「アーカンサス大」と表記していますが、正しくは「アーカンソー大」です。Arkansasと書いて「アーカンソー」と発音します。なぜ語末のsを発音しないかというと、フランス語式の発音を採用しているからです。ビル・クリトン大統領の出身地なので、彼が現役時代は日本のメディアで「アーカンソー」の表記は頻繁に見かけました。一方、Kansas州は英語式に「カンザス」と語末のsを発音するので、注意が必要です。

*379頁:「ミュールは彼の妻が出ていって以来」とあるので、この「彼の妻」とは誰の妻のことかと首をかしげましたが、どうやらミュール自身の妻のことのようです。であれば「ミュールは妻が出ていって以来」とすれば十分だったと思います。

*523頁:ここでも「アーカンサス大」と表記されています。

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ザ・プロフェッサー (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:ザ・プロフェッサー (小学館文庫)より
4094066152
No.5:
(5pt)

リーガルスリラーの新たな傑作

読みごたえ十分の新たなリーガルスリラーの傑作の登場だ。

大きな謎はなく、単純なストーリー展開だが、師弟愛や友情、裏切り、対立、和解など登場人物同士の人間関係を巧みに配し、結末まで一気に読ませる。犬好きにはたまらないカタルシスも用意されており、余韻のある読後感は最高!
私は好きなシーンを何度も読み返して元気をもらっている。お気に入りは、ボーが教授を戦いの場に戻そうと挑発するシーンと、法廷にかつてのチームメイトがそろいのブレザーを着て集結するシーンだ。ほかにも眼がしらが熱くなるシーンや思わずガッツポーズしたくなるシーンが用意されていて、読者それぞれのお気に入りシーンがきっとあるはずだ。

ミステリ好きでなくとも十分楽しめるエンタメ小説である。ぜひ多くの人に読んでいただきたい。
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4094066152
No.4:
(5pt)

「老いぼれ」を支える若者たちへの感謝

職を追われ、癌を患ったアラバマ大学ロースクールの老教授トムとその教え子であり、新米弁護士でもあるリックが、真実が隠蔽されたままの大手運送会社のトラック事故で家族を失った女性のために<巨悪>と立ち向かいます。
 第91回アカデミー賞脚色賞を受賞した「ブラック・クランズマン」(監督:スパイク・リー)が俄然面白くなるのは、KKK(白人至上主義団体)の元幹部であり、ホロコースト否認論者であり、ルイジアナ州議会議員でもあったデービッド・デュークが画面に登場したあたりからでした。
 今回、KKKが描かれているわけではありませんが、この小説「ザ・プロフェッサー("The Professor")」、(作:ロバート・ベイリー 小学館文庫)を読んでいる中で<悪の側>が少しうっとしいぐらいに戯画化されているように思える場面がありました。しかし、第三部早々、ナッシュビルの南で最も恐れられる原告側弁護士、ボーセフィス(トムとリックに続く3番目の主人公と言ってもいい)が登場してきた段階で、この物語にもより重層的な伴奏が加わります。
 そして、第五部においては、引きこもり、小川で釣り糸を垂らす生活に安住していたトムのもとを再度、ボーセフィスが訪れます。彼は、ふたたびトムを法廷という名の戦いの場に引きずり出すために全力で挑発します。
 「。。。死ぬことが選択肢だって? そりゃ失礼しました、教授。だが、くそったれだ。おれの父はおれが5歳の時に死んだ。シーツとフードをかぶった20人の白人にロープで吊るされたんだ。あんたはおれがなぜプラスキで開業したのかと訊きましたよね。。。。。。」
 この言葉が「ブラック・クランズマン」のデービッド・デュークとクランを想起させ、アメリカ南部16州が持つ負の歴史の或る一面へとリンクし、この小説で描かれている滑稽で、少し極端だと思える<悪の側>が実在してもおかしくはないと思えるほどの説得力を生み出したこともまた確かだと思います。それは、ボーがトムを説得し、読者(私)を説得した瞬間だったのだと思います。
 背景を納得できたがゆえに、その後の物語は、ジョン・グリシャムの旧作を引き合いに出すまでもなく緻密で、熱っぽく、深い感動を読者にもたらします。
 今を生きるすべての「老いぼれ」たちへの応援歌、そして「老いぼれ」を支える若者たちへの感謝の物語。
 何処からかジョージ・ストレートのカントリー・ソングも聞こえてきました。
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4094066152
No.3:
(5pt)

法廷ドラマでありヒューマンドラマ

面白かったです!
打ちのめされた教授が、40年ぶりに法廷に立ち、その教授の因縁の相手である元教え子達と裁判を展開していきます。
最初から最後まで読みやすく、飽きない。
法廷モノであり、ヒューマンドラマでした。
師弟愛やチームメイトとの友情、親子の関係やなど、人と人(犬も!)のつながりに焦点が当てられています。
愛犬ムッソのエピソードは胸が熱くなりました。
その一方で、極悪な無法者達の影がちらつくので、かなりハラハラもしました。

この作品の大きな魅力は、キャラクターが魅力的なこと。
ボーが大好きです。
続編があるとのことで、楽しみにしてます!
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4094066152
No.2:
(5pt)

胸熱、法廷ドラマ!

新人弁護士と人生に見切りをつけた熟練老弁護士がタッグを組む法廷ドラマ。
年末ミステリ雑誌で出版社の隠し玉としてあげられた一作、その言葉に狂いはなかった!

派手なミステリー仕掛けがなくとも、師弟愛、友情に曲げない矜持と十分な魅力がある。逆境に追い込まれようとも正義は必ず勝つ!読んでいて、池井戸潤さんの味を彷彿としました。
脇役も輝いている、ボーセフィスも大好き!忘れてはいけない愛犬ムッソに勲章を!最後は感涙です。

熱い展開と清々しい読了感、「疲れた日々だけど、自分もまだまだ頑張れる」と元気をもらいました!
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4094066152
No.1:
(5pt)

還暦を過ぎた男たちへのエール

文句なく☆5つです。
私は昨夏60になり、この3月で今の職場を定年退職しますが、訳あって大学の職を追われた、まもなく70に手が届こうという老教授が紆余曲折を経て40年ぶりに陪審法廷に立ち、見事勝利の陪審判決を勝ち取る、そんなストーリーを読んで、帯にもありますが、まだまだ頑張らねばと意を新たにしました。
若い頃から法廷ミステリーが好きで、J・グリシャムやP・マーゴリン、S・マルティニらの作品を好んで読んでいましたが、近ごろは、流行らないのか、このジャンルでの力・秀作が見当たらず、時代小説にどっぷり浸かって、しばらく遠ざかっていました。
作家を褒め称える言葉の一つに「ページターナー」がありますが、人生の第4クォーター、病を抱える主人公の奮闘や彼を取り巻く人々の心強い応・支援、また緊張感のある法廷等などに頁を繰るのももどかしく感じつつ一気読みしました。
訳者が翻訳出版企画を出版社に持ち込んだ想いが判ります。
こんな作品なら訳出して世に出したいでしょう。
私のように、このジャンルが好きな人にも、またそうでない人にもおススメの作品です。
2019年4月には、本国では4作目が刊行されるようですが、日本でも早く2作目(翻訳もの)が出版されることを切に望みます。
吉野先生、頑張ってくださいネ!
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