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不自然な死体
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不自然な死体の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1件 1~1 1/1ページ
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気分転換にまたまた在庫の中から古いミステリ本を一冊選んで読むことにした。 ランダムで選んだのがP・D・ジェイムス著『不自然な死』であった。 読み始めて主人公がダルグリッシュ警視であり、昔このシリーズものを二三冊読んだ記憶が蘇ってきた。 どうもこの物語にすんなり入り込むことができず、発行年を奥付で調べたら1989年である。 それにしても内容がなんだか古臭いので本書原作の発行年を調べたら1967年の作品であった。(’30年代の作品のように感じてしまったのです。) 著者が女流現代本格ミステリー作家の代表格の一人であることは知っているが、かって何冊か読んでみて評者の好みの作家ではないことも本書を読みながら思い出してしまった。 何故なのだろうと思いながら著者のプロット構成や登場人物の性格描写や現場となったイギリス東部サホークの情景描写など流麗な文章で描かれた物語を冷めた目で読み進んだのです。 このようなフーダニットものでは、物語前半に読者に一つか二つ犯人あてのヒントを布石するのが定石なのです。 が、本書ではこのようなヒントなどほとんどなく、ただ残された遺産を誰が受け取るかで犯人を想像することができるだけでした。 ましてその人物に強固なアリバイがあればなおさら手練れの読み手は、この人物が犯人だろうと探偵してしまうだろう。 結末も不自然な構成であり、ネタバレになってしまうが、あの男を、あの女が手足のごとく使いこなすことができるだろうかとの違和感は免れない。 読み進みながら、なぜ面白くないのかをよく考えてみたら、評者が主人公であるアダム・ダルグリッシュ警視に感情移入できないからだと気がついたのです。 どうも著者が人物造形するこの警視の性格などが評者にとって好きになれないタイプなのです。 休暇で訪れる叔母のジェイン・ダルグリッシュも類型的にストイックな性格として著者が描写することにも違和感を覚えてしまった。 大御所を貶すようなので気が引けるのだが、とにかく評者には好きになれない作風なのである。 そういえば半年ほど前に読み始めて途中で止めた本が著者の『女には向かない職業』であったのではないかと思いだし、在庫を調べたら見つけることができたので納得してしまいました。 評者は、再読する本でもほとんど読み終える主義だからよほど面白くなかっのだろうと思う。 他のレビュアーが書いていましたが、「障害者に対するあからさまな嫌悪感が書かれていて非常に不快です。」とのご指摘は評者も同じように感じていたから同感してしまいました。 著者は、アダム・ダルグリッシュ警視という人物を使って上から目線でこの物語を書いているように感じるのだが、これは評者だけが感じたことなのだろうか。 | ||||
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