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猿の見る夢
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猿の見る夢の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.61pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全49件 41~49 3/3ページ
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もはや余裕で楽しむだけ楽しんで書いているのではないかと思うほど、筆ののりが軽やかで、終盤にいたっては、現代版シェークスピアかと思うほどだったのに、ラストがいかん、五つ星間違いなしだったのが最後で星一つ落とす。もったいない。 | ||||
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これまでの桐野夏生作品とは様相が異なる。 まず犯罪がない。 男が主役。 ややユーモラス、とてもペーソスな 辛い物語。 そんな桐野作品は記憶にない。 定年間近になると 誰もが考える将来への不安。 男の読者なら、その辛さに きっとどこかで共感するはず。 大手銀行員である薄井正明は 銀行エリートたちは決して出向しない アパレル会社に出向、その取締役。 その会社、運良くヒット作を生み出し、上場。 そこで薄井はなんとか生き残りをと 願っている。 銀行の社宅に住み、 20年近くのつきあいの愛人を持ち、 独立した息子と生まれ育った実家の土地に 二世帯住宅を建てて、老後を過ごしたいと 考えている。 そんな一見、セレブな感じの日常に 問題が発生する。 会社の会長はその娘婿である社長が 引き起こしたセクハラ問題を どう解決するか、薄井に相談する。 薄井には、会長に取り入る絶好のチャンス? ところが会長室に出入りするうちに 会長秘書に恋心。 一方、認知症で入院していた 母親が亡くなって大騒ぎ。 母親の介護を 実家の土地に家を建てて住む妹夫婦に 任せっきりだったため 薄井夫婦と妹夫婦が冷戦状態に。 母親の遺書には、財産のすべてを 妹にとあって、薄井大慌て。 ここに妻が連れてきた占い師が登場。 信じて従う妻。 なんとしても信じない薄井。 出向と出向先、 定年後の就職あるいは生活、 親の介護、遺産相続、・・・ 概ね日本の社会では55歳を超えると 一度にそれら諸問題が迫ってくる。 桐野はそれをあるときはユーモラスに あるときはオーバーに、そして、あるときは 哀しい現実としてとらえ 提示してくれている。 これは変だという部分もある。 それ以上に、いま抱えている問題を 素直に見つめてみようと思わされた。 | ||||
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なんだこりゃ、というのが正直な感想です。出てくる人、出てくる人、みんな自分勝手で非常識で感情移入できる人がいない。占い師の長峰がラスボスのように最後をさらうのかと思えば、中途半端に退場して、結局詐欺なんだか本物なんだかわからず。そういえば庭のゴミ投げ入れ問題はどうしたの? | ||||
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桐野夏生作品で面白さ星5が『グロテスク』星4『バラカ』星3『夜のまた〜』星2『だから荒野』とするわたしにすると、本書『猿の見る夢』は星3.5。 桐野作品の特徴である人間の欲望を剥き出しにした男性の話。 男性が主人公だからか、女性の時のような嫉妬やしたたかさの機微の描写が単純でした。毒は物足りなさもありますが、桐野さんファンとしては読み応えのある作品です。 | ||||
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一気読みできる面白さはあるし、最近の出来事、占い師による洗脳や後妻業的な恐さも取り入れていて世相を映している。ただ、59歳主人公とその愛人(こちらの人もキャリアウーマンで重要な仕事をしている様子)のメールのやり取りがキモい。実際そうなのかもしれないが、”みゆたん”、”まあさん”はないだろう。最後の方は、どたばた風の悲喜劇へと。連載が週刊現代なので、それに会わせて、2世代住宅、定年後の生活構想、熟年離婚、遺産相続等の話が出てくるのもご愛嬌。 | ||||
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久々に桐野作品で面白いと思った。 猿は薄井自身が描いた夢か長峰の夢の比喩か。 猿に化かされたのか。 もっと真相が知りたくなって ちょっと悶絶してしまったが 一気に読めて面白い。 「魂萌え」や「だから荒野」が好きな方には合うので おススメ | ||||
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あっという間に読み切った。面白いから、ではなく軽く、浅いから。59歳の主人公、元銀行マンの準エリートで今は上場会社の役員。その男が、諸々の落とし穴に嵌っていくというストーリー。現代ならではの具体的シーンが続く。が、肝心の主人公の男は如何にもというステレオタイプの初老のエリート。確かに男の脳の半分以上は”女”と”セックス”に埋まっているのは事実。だが、少なくとも繊細、緻密な人生を送る銀行マンにして、あるいは上場企業の役員になるほどの男がここまで浅はかに女に接するとは思えない。10年来の愛人との関係がこの程度に希薄で軽薄で浅い、とは到底思えない。直木賞作家、現代を代表する作家であるこの作家にしてこの作品?絶賛に値するのだろうか?どうしても疑問です。私も還暦を過ぎた初老のサラリーマンだが、どこまで読んでも没入できない主人公には呆れるばかりだった。 女性が思い描くイメージ通りの、軽薄な”男性像”がこれだ!ということなのだろうか!? 諸氏の感想をお聞きしたい。 | ||||
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主人公の薄井正明59歳は、仕事も順調、家庭もまあまあ、10年来の愛人もいるという、結構恵まれたアラ還のおじさんとして登場しますが、少しずつ雲行きが怪しくなっていきます。 愛人も10年経てば妻よりも始末が悪くなり、仕事では社長のセクハラ&パワハラ事件が勃発、病気療養中だった実母が亡くなり実妹夫婦と遺産相続で険悪な状態になる‥‥とまあ、この年代の人ならば(愛人はともかく)誰しも経験するような話なのですが、薄井の心情があまりに身も蓋もなく赤裸々に語られていて、笑ってしまうやら呆れてしまうやら。 一方、薄井の妻が突然友人の紹介と言って、長峰という初老の女性占い師を家に連れてきます。 徐々に歯車が食い違ってくる毎日。世間ではよくあるトラブルのはずなのに、薄井の場合ばかりこじれてしまう。占い師は助けてくれるのか、それとも薄井にとっては疫病神でしかないのか。 事態がどんどん悪化していくにも関わらず、なぜか妙にお気楽でおめでたい考えしかできない薄井が最後に見たものは‥‥。 本書のカバーは、鴨居玲氏の「出を待つ(道化師)」です。昨年、没後30年の巡回展がありポスターにもなりましたので、見覚えのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。心に潜む闇を自画像を通して描き続けた鴨居氏の絵と、薄井の最後の心情が重なったような気がします。 | ||||
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久々に一気読みした。女性に対する男の優柔不断な態度が遺憾無く描かれている。著者には男の気持ちが全て見透かされているようで怖いくらいである。得体の知れない占い師が登場するあたりから桐野ワールド全開である。猿の見る夢の意味も最後の方で明らかになる。最近のの著者の作品の中でもベストに入るのではないか? | ||||
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