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(短編集)
死神の精度
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死神の精度の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.24pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全400件 361~380 19/20ページ
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「仕事だからだ」 人の死の1週間前に派遣され、その死について「可」または「見送り」の判断をするのが死神である彼の仕事だ。「人の死には意味がなくて、価値もない」。彼はどんな立派で愛すべき人間であろうとも淡々と「可」の判断を下す。そして彼はまた今日も対象者の下に派遣される。外はいつものように雨・・・ 伊坂節全開の短編集。伊坂ファンにはおなじみのクールでスタイリッシュな会話の数々や雰囲気を盛り上げる音楽の登場。表紙や各編の冒頭を飾る味のある写真たち。深遠でありながら軽やかな会話に酔いしれること間違いなしです。 構成も見事。ぱっとしない若い女からヤクザ、殺人犯、老女まで。一見つながりのないこれらのお話。でも実は・・・これは最後まで読んでのお楽しみ。なお、おなじみの「他の作品のキャラ」とのオーバーラップももちろんあります。伊坂ファンにとってはうれしい限りです。 死という重いテーマの作品でありながら、エンターテイメントとして十分に楽しめます。全部の章を読み終えたとき、あなたのこころは爽やかに晴れ渡っていることでしょう。 | ||||
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現代社会に死神が舞い降りる。業務として。こいつは死を与えるにふさわしいか否か査定するために。1話に一人の短編集。OL、やくざ等々。死神は人間じゃないから、会話がずれる。そこに妙味がある。ラスト1話でぐーんと視界が広がり、その瞬間が気持ちいい。 | ||||
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久しぶりに読み終わったとたんに初めから読み返したくなった一冊。主人公の死神は、いろんな姿の人間(名前はいつも「千葉」)になりすまして、1週間後に死ぬ予定の人間を観察して、死んでもいいかどうかを報告するのが仕事。そして、ミュージックが大好き。観察対象となる人間は、それぞれの生きる世界があり、思いがあり、(ほとんどの人は)1週間後に死ぬ運命にある。短編の集まりなのだが、それぞれが時空を超えて微妙につながっていたりする。特に好きなのは、恋愛に立ち会う章。そして最終章。ああ、とにかく読んでみてほしいです。伊坂作品の中でも特におすすめの一冊です。 | ||||
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あなたの近くに音楽が大好きで、彼が来ると必ず雨が降る、そんな人はいませんか?それは、もしかしたら死神かもしれない、らしいです。DEATH NOTE の愛嬌のある死神たちとは違って、ミュージックをこよなく愛するクールな雨男、それがこの小説の主人公です。彼が関わった数人の人間の死の宣告日までのドラマを例によってオムニバスで描いていきます。この小説の中心となるエピソードが最後に、またすばらしい〆になって戻ってきます。小説というよりはもう「読む映画」という感じですね。勝手に登場人物たちや台詞が動き回ってしまいます。精度ということば、表紙には英語でACCURACYとあります。たとえ、神様がこの人、終わり!と宣告しても死神たちに気に入られて、こいつはもうしばらく生かしておこうと思わせられれば、こっちのもののようです。ミュージック好きないい男が近くにいたらご用心ください。私のキャスティングでは死神はオダギリ・ジョーです(^_^;) | ||||
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“死”は定めであり、誰も身にも起こることである。何も特別なことではない。主人公である死神が人間の死を淡々と決定していく様は、そんな当たり前の事実を思い出させてくれた。今日から私は“死”を恐怖と思わない。死神は自分の担当する人間を7日間観察し、その人間の死を“可”か“見送り”かの判断を下す。恋愛や旅、やくざ絡みの抗争までありシチュエーションはさまざま。読者を飽きさせない。死神のキャラクターにコミカルな味付けをしている点もうまい。どの章もわずかに“寸止め”で完結している。気持ち悪いけど、でも評価すべき絶妙さがある。 | ||||
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うっかり紀伊国屋で手にしてしまったのが運のつき。いや幸せな偶然のはじまり??出会ってしまいました、この作家さんに。もうはまるしかない面白さでした。お洒落で知的で格好良い。なんて陳腐な台詞しか出てこなくてごめんなさい!そんな文章に久しぶりに出会えました。本から離れて久しかった馬鹿な私を本の世界に引きずり戻してくれました。この死神のキャラ最高。天然な死神は淡々と仕事をする。でも、死神なのに人よりずっと温かみを感じさせる。作品全体に流れる空気感、色彩、温度。とても良い。すぐに読み終わっちゃうあたりのよさ。もっと読みたいとすぐに思わせる後味のよさ。読みやすく洒落ていて、軽めの作品なんだけど、それぞれのストーリーはところどころで時間軸はしっかりずらして遺伝子のように絡み合っている。こんなにスマートで読者に読書の快感を与えてくれる作家はなかなかいない。好きか嫌いかは、読んでみてから判断して欲しい!伊坂幸太郎、できるだけ多くの人に出会って欲しい作家さんです。 | ||||
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この作者の本を読むのは初めてです。たまたま新聞の書評に載っていて、面白そうだと思い購入しました。実際に読んでみてとろかされました、このセンス!物語のリズム!スピード感!。読みながらゾクゾクした感覚を覚えたのはほんとに久しぶりです。非常に嬉しく思いました。まだこんな本に出会うことができたんだなと思いました。死神は当然この世ならぬものですから、どこかこの世界に対して第三者的な視点を持っています。6つの短編のどれもにいえると思いますが、それぞれの対象者(死ぬ間際の人)とその周囲の人物は、起伏のある豊かな感情を持ち、緊迫した場面も少なくありません。リズムの緩急は激しいです。それを死神の一定のリズムの視点から物語が書かれているので、全体としては淡々と物語が進んでいるように感じられます。これが非常に読みやすいし、その中に「早く頁をめくりたい」と思わせる力が潜んでいるんではないかと思ってます。死神は決して現実を斜に構えて見ているわけではなく、最終的にはほのかな愛着のようなものが見えます。この本の視点は、そんな現実世界をにぎわせる私達への好意的な思惟が匂ってきて、なんだか安心して読めるんです。6つの短編はほんのわずかにリンクしており、読み終えたときに独特の感情が生まれると思います。とても素敵な本、素敵な作者です。ちょっと日常に活力が沸いた一冊でした。 | ||||
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死神から見た、人間の世界。人間の死を客観的に見ていておもしろい。主人公の死神はちょっと機会っぽくてスタートレックのデータ少佐を思わせたが、どこか人間味(?)もありなかなかいい感じだった。6人の人生が終わるとき。死神はそばにいる。 | ||||
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そこそこの売れ行きを見せているが、基本的に面白い。死神というものがどういうものかという設定が興味深い。これについては漫画の「デスノート」と同様に幾らか考えられている。死神という職業をこなす主人公が何人もの人間と出会い、そいつを死に導いていいものか調査し判断する。「可」か「見送り」かそれが問題だ。小説は6人の調査対象ごとにオムニバス形式になっている。正直、章立ての仲には、稚拙(というと正確ではないかもしれないので、ありがちな話とも言える。)な話もあるのだが、最後の最後まで読みきると不思議と「あぁ、そうなんだ」と思えるところもある。もっと文章と言うか越す映画こなれてくれば相当面白くなるなぁ。 | ||||
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伊坂さんの本が大好きで、毎回読みながら「おもしれー!」って声を上げそうになるくらい、ワクワクしながら読みます。この本も本当に面白い。ただエンターテイメント的な楽しさとか、そういうのだけじゃなくて、考えさせられて、切なくって、きちんと感情をこめて読むことが出来る本でした。寝る前にふと“死ぬってどういうことなんだろう”と思い、恐くなってどうしようもなくなる事があります。でも、この本には死について、私にとってのヒントがたくさん書いてあって、少し心が落ち着きました。「死にたくはないけれど、でもどうせ死ぬなら・・・・・ 最善じゃないけど、最悪でもない」この意味が分かった時、涙が流れました。死ぬ事はもちろん“最善”とは言えない事だと、私は思います。でも、生きている限り、必ず死は訪れるものだから、“これなら最悪じゃない”と納得できる死に方をしたいものです。 | ||||
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話の受け答えが微妙にズレてて、雨にたたられている―。そんな死神と人間とのお話は、どれも人の「死」に関わるものなのだけど(当たり前)、でも優しくてあたたかい物語。「旅路を死神」と「死神対老女」が、なんとなく希望を感じるような内容で、好きです。これでこの人の作品はすべて読んでしまったと思うと何だかすごく残念。これからも、心があたたかくなるような作品をたくさん書いてほしいです。 | ||||
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読みやすく、比較的ページ数も少ないのですぐに読み終わりました。もうちょっと読んでいたかったな、と読み終わった方は皆さん思ったんじゃないでしょうか。短編集なので直接的に個々の話が絡み合う、ということはないですが、「あぁ、これ前の話に出てきた人のことだ」とかそういう関係性は持たされています。主人公の死神は、ちょっと変わった性格というか、でもこういう風に考えられたら良いだろうなと思うような人物像です。知らないことを知っている人には感心して、いつも冷静で、熱中できる趣味を持っている。ミュージックを聞くのが趣味、というのもなんだか変ですが。死神と人間のやりとりはちょっと変で面白いです。著作権のなんたら、にひっかかるのでここに載せられませんが、P213の肉と人参のやりとりは 思わず笑ってしまいました。伊坂作品を初めて読みましたが、しばらくは書店でこの名前ばかりを追ってしまいそうです。 | ||||
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この著者、人気ある割に自分に合わないのかあまり面白いとは思えない。本作品は短編だが、結局何が言いたかったのか不明瞭な感じのものばかり。オチも想像通りだし。あとは無駄が多すぎるのも気になる。「変人キャラ作り」のためだけの設定とかは要らないと思う。読みやすいという評価が目立つけれど、この人の場合は例えるなら子供の書いた作文のような読みやすさだし。ただまあ読んで損した気分にはならないので、星2つ。 | ||||
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伊坂幸太郎の魅力はやはりブラックでいながら、とことん優しく、すべての事を楽しい事として受けとめられるように、導いてくれる数少ない作家だというところだと思う。死神なんて、誰が聞いても不吉な感情しか持ち合わせないのに、伊坂の描く彼は友達にしたいくらい、愉快だ。自分のために死んでしまった人の事を、なんとなく見た事のある程度にしか覚えていないおばあさんも、やっぱり愉快だ。人間なんて、ある意味そんなものでしょう。 | ||||
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I Love Youという本で伊坂さんを好きになり、この本を購入しました。死、を扱っているにもかかわらず、重くなりすぎず、すんなりと読めてしまいました。今回は、主人公である死神が様々な人間の死とかかわったエピソードという形の本でした。主人公である死神自身は、人間の「死」に対して当たり前のこと、程度にしか考えていないのですが、彼の周囲で繰り広げられる人間関係や、死に対する人間の感情はとても興味深いものでした。泣いたり、笑えたりという場面は少なかったように感じますが、サスペンスのような感じがあって面白い一冊でした。今は家族、友人間で読みまわしているほど、私の周囲では人気の一冊です。 | ||||
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Accuracy of Death 、なんて魅力的なタイトルでしょう。帯のヒトコト(なんて言うんですか?ごめんなさい知りません)にも非常に惹かれました。正直、一話一話楽しく読めました。恋愛で死神(短編の一つ)、と最終話が気に入りましたが、、、ただ、全体的に童話っぽいですね。詰めが甘いところがところどころに見受けられました。読みやすいことは確かですし、おもしろいこともたしかです。でも帯にだまされたかな、って感じもします。すみません。電車の中で通勤時に読むにはいいかもしれません。 | ||||
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ストーリーとしては、特に感情を動かされることは無かったのだが、この主人公の死神存在が、とても面白いと思う。死神の性格や傾向、正体の設定がどれも面白く、かつ納得できるので人物についてはよくつくられていると感じた。死神のふとした一言や行動が重要になっていたりして、夢中になりながらもスムーズに読みきれた。ストーリーも、よく組み込まれているのにそれがあまり意味を成さないというところが死神の性格を表しているのかも知れないと思う。短編集なので、ぜひとも続きを読んでみたいと思う。または、別の死神視点でも面白いのではないかと思った。 | ||||
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事態は深刻なんである。例えば、表題作は第57回日本推理作家協会賞短編部門を受賞している。知ってるひとは知ってるように、この推協賞短編部門というのは、結構受賞作を出さない賞なのだ(ちなみに今年はナシ)。要は稀少価値がある――はず。露骨な本格ミステリパロディである「吹雪に死神」以外でも、「死神と藤田」「旅路を死神」の思いもよらぬ絶妙な反転劇、「恋愛で死神」は実は犯人探し、「死神対老女」は「赤毛(髪)連盟」以来連綿と続く「奇妙な依頼」モノの秀作――なワケである。ざっつ・みすてりい! なのになのに……帯、広告ともども「ミステリー」「推理小説」のミの字も推の字も出てこない!曰く「ミステリーと刷ったら売れなくなる」「ミステリーで売れるのは、このミスの1位だけ」「ミステリーは直〇賞では減点対象」等々一般読者にも漏れ聞こえてくるアノ噂はやっぱ真実だったのねん……もち、伊坂氏には出世してもらいたいと思うのですけれど、やはりミステリーにとどまってほしいとも思うわけですよ。――第二の『重力ピエロ』より、第二の『アヒルと鴨のコインロッカー』を。 | ||||
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正直にまず述べると、私はこの作家が好きである。しかしながら、好きだからこそなのか作品に対し冷静でいたいとも思う。そういった前提を踏まえて、この作品は最高と評価したい。伊坂幸太郎の作品における、醒めた視線、常に周囲の状況を観察できる主人公それが、今回は死神に設定したことで彼の特性が大いに発揮されている。容姿も年齢も時代も異なる6人を調査のため1週間関わる死神。6人の日常にさりげなく近ずきながらも、深入りも、説教も、判断も下さない。そう、あくまで部外者として傍観している。でも感動してしまうのは何故か?それは、絶望しているように見えて、応援してくれている作品だからではないか?作品のなかで恋愛について書かれた文章がある 自分と相手が同じことを考えたり、同じことを口走ったりすると、 何だか幸せじゃないですか。私は伊坂幸太郎ファンにこの言葉を捧げたい。恋せずにはいられない本の仕上りは、読後幸せな気持ちで一杯になる。この幸せをファンの方と分かち合いたい。 | ||||
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これも「チルドレン」ほどではないですが、短編集の形をとった連作一小説のような傑作です。エピソードごとに現れる小さな共通点。それが最後の最後の1ページを迎えたときに到達する、最高のフィナーレ。死神のお話で死をテーマにしながらも、これほど爽快なラストは伊坂作では久々でしょう。 相変わらず冴え渡る台詞。印象に残るキャラクターたち。そしてなんといっても予測不能の展開。伏線の張り方はもう脱帽。ほんのささいな台詞に仕掛けられている事柄に気づいたとき、読み手は「してやられたり」と爽快な気分に陥ることでしょう。 | ||||
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