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日の名残り



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【この小説が収録されている参考書籍】
日の名残り
日の名残り (中公文庫)
日の名残り (ハヤカワepi文庫)

日の名残りの評価: 4.46/5点 レビュー 402件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.46pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全402件 141~160 8/21ページ
No.262:
(2pt)

これが文学賞か〜

読書後に取り立ててなんの感慨も沸かない、ただただ淡々とした後味が残るだけ。
正直なところこれがノーベル文学賞とは…とても違和感を感じた。
穿った見方をするなら貴族階級のある社会に生まれ育った人々にとっては、私の様な日本人には感じ取れない機微がこの本にはあるのかも知れない。
日の名残りAmazon書評・レビュー:日の名残りより
4120019470
No.261:
(3pt)

『うざい執事と、面倒くさい女中頭の恋心』 のほうが、タイトルとして相応しいのでは?

この小説は物語を紡いだものではなく、ある種、イシグロの私的な論説と感じることを抑制できなかった。 (おそらく) 彼は自身の考えを論説という狭く、誤解を受けやすい形ではなく、得意分野である、小説の形で表現した、のでしょう。日本にもこの種の小説は、もちろん、たくさんあるが、議論好きのイギリス、アメリカ人は、とりわけ大好きな感じがする。 

もちろん、この作品に物語がまったくない訳ではなく、ひとつは【第一次世界大戦後、そして第二次世界大戦前夜における各国の主要人物たちの活動、ここに主人公である執事達がどのように関わっていたのか】、ふたつ目は【執事と女中頭の不器用なプラトニック・ラヴの行方】。 正直な感想では、一つ目の主題、お屋敷での各国の高官同士の行動と執事の活躍に、この作品の殆どのベージが割かれているが、乱暴(極端)に言わせていただければ、そこはむしろ、サポーティング・エピソードであり、イシグロが主題としているのは、「執事」と「女中頭」の中学生どうしのような恋愛模様がメイン・エピソードのような気がしてならない。

最期の10数ページに、執事(たぶん、イシグロ自身でもあるのでしょう)の人生の晩愁における―――それでもなお、まだ未来志向であることの大切さ―――心の持ちようを提示している。 この形式、この内容のイシグロ自身の論説(的小説)では、ここでは、物語の総括・結語を書く大切な部分ですので、このような作者の御高説を伺うのも、作家イシグロの熱い信者なら嬉しい部分となっているのでしょう。

[追記]
この物語の最後に執事が自らを省みて 「自分もこれからはユーモアの勉強もしなくては・・・・」 という要旨の部分があります。 「イシグロさん、ユーモアは勉強して身に付く類いのものではなく、その個人が生来的に有しているか、否かです」 と言いたい (笑顔)。
日の名残りAmazon書評・レビュー:日の名残りより
4120019470
No.260:
(4pt)

ひんやりとした情熱

始めて読んだカズオイシグロ作品。静かに惹かれる芯の強い小説で、つい他作品も読み始めたところ。映画もみてみたい。
日の名残りAmazon書評・レビュー:日の名残りより
4120019470
No.259:
(4pt)

セピア色の時代

今では味わうことのできなくなってしまった遠い子供の頃を思い出す作品でした。近くの門構えの立派な家にいたあの人のことを懐かしむそんな作品でした。ゆったりとして縁側で陽光を浴びているような緩やかな時間があったことを脳裏から引き出せました。
日の名残りAmazon書評・レビュー:日の名残りより
4120019470
No.258:
(4pt)

不思議な本だった

アンソニーホプキンスが大好きで、映画は観たことがあった。
カズオ・イシグロがノーベル文学賞をとったと聞いて、俄然興味が湧き
たまたま古本屋で手に取るまで、この本が原作だとは知らなかった。
映画同様、淡々と進んで往き、最後10ページくらいまでごくごく平凡の本
のように感じた。ところがラストの締め括りで、なんだろう、原作と映画とは
違うのかな?見事な描写、終わり方、とても秀逸だと感じた。
まさに余韻、名残である。不思議な本だった。
日の名残りAmazon書評・レビュー:日の名残りより
4120019470
No.257:
(5pt)

感動的な読後感でした

読後感は感動的だった。読み始めは平板な感じがしたが、次第に引き込まれていった。どの小説でも同じかもしれないが、本の中で、ある出来事が前の部分と関連しているので、前に述べられていた箇所をいちいち探し出さなければならない。たぶん著者は前もって綿密に筋を描いているのだろう。
では、感動した箇所を3カ所抜き書きし、個人的に説明してみる(→のところ)。いずれも小説の最後の方だ。
1 さよう、ミセス・ベン、私どもは、みな、いま手にしているものに満足し、感謝せねばなりますまい。
→「自分は幸福ではないとずっと思っていても、長いスパンで見ると案外幸せだったことが分かる。足るを知ることが大切だ」と主人公が自分の大切な女性に述べている。
2 夫婦にとって、引退後の生活こそ人生の華だと言います。
→勤めている間、変に気配りをしてしまう私だったが、退職後、自分の自由になる時間が大幅に増え、ストレスも半分以下になった。
3 しばらく前までこのベンチにすわり、私と奇妙な問答を交わしていったその男は、私に向かい、夕方こそ一日でいちばんいい時間だ、と断言したのです。
→古希を迎えた私は早朝の空気が好きだが、中学高校生時代は夕暮れ時が好きだった。勉強部屋から見える屋根のはるか向うに、夕日が沈んでいく光景が懐かしく思い出される。なにせ日が沈んでも、希望が感じられる明日が来ることをほとんど疑っていなかったのだから――私は幸せだったのだ、だがそれに気づいていなかった。
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4120019470
No.256:
(5pt)

素晴らしかった

文体が心地良かった
イシグロさんの書いた日本語なのか翻訳された日本語なのかは分からないけれど心地良い文体だった
執事のあるべき姿、人間としての感情2つがあり主人公の滅私奉公?(少し違うか)ぶりに、また歳の衰えに伴う悲しさ
とにかく素晴らしかった
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4120019470
No.255:
(4pt)

イギリス人のマインドを知ることができました。

イギリス人のストリクトなマインドを知ることができました。イギリス文学だと思いました。
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4120019470
No.254:
(5pt)

時の流れに揺れ動く儚い記憶を丁寧に描いた秀作

老執事の思い出話を通じて人の記憶の儚い美しさを丁寧に描いていく小説です。
英国の美しい田園風景の描写と観念と理性の間で揺れ動く老執事の心情から人生の機微を味わい尽くせます。
様々な切り口から何通りにも読める秀逸な作品だと思います。
ラストの切ない美しさは流石としか言いようがありません。
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4120019470
No.253:
(5pt)

大切にしたいこと

品格とはなにか。人とはなにか。読み進める内に深く心に残りました。
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4120019470
No.252:
(5pt)

楽しみながら〜ゆっくり読みました。

気がつかないうちに、時間がたってしまう。。。
引き込まれる作品です。
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4120019470
No.251:
(4pt)

良い

第二次世界大戦前後、イギリスのとある邸宅での様々な出来事が、執事の回想形式で語られる。一般庶民には殆ど縁がないイギリス上流階級の生活ぶりも興味深いが、執事の個人的な感情の機微(というより、感情を抑えてばかりいるのだが)をイシグロはみずみずしく描いている。土屋政雄氏の名訳も光る。
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4120019470
No.250:
(4pt)

難解です。

昔読んだことがあり、英語版を購入して読みましたが、難しく、日本語版を購入して併読しました。日本語訳も素晴らし。一読を。
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4120019470
No.249:
(5pt)

素晴らしい

素晴らしい作品です。
カズオイシグロの作品の中で一番と言ってもよいくらいのものです。
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4120019470
No.248:
(4pt)

日の名残り

Goodでした。所々の様子が映像として自然に描き出され、イメージとして記憶に残っています。
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4120019470
No.247:
(5pt)

読み返して楽しめそう

ストーリーの展開というより、情景や心理描写が細やかで、(土屋政雄さんの訳も素晴らしいと言える)ゆっくり文章を味わいながら読めた。私にとっては、しばらくしたらまた読み返したくなる愛読書系小説に違いない。余談だが、執事のスティーブンスと女中頭のミス・ケントンの「ココア会議」の部分では、英国ドラマ「ダウントン・アビー」の執事カーソンと家政婦長ヒューズが一日の終わりに紅茶やワインを飲みながら語り合うシーンを思い出し、当時はそういった使用人同士の習慣があったのだと納得した。
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4120019470
No.246:
(5pt)

一読、巻を置くあたわず。傑作。

イギリスという階級社会に今も生き続けている(?)執事のストーリーは、そのまま私たち小市民の人生にほかならない。自然界の動植物が、一定の環境にしか生息できないのに似て、私たちもその階級に生まれ、(よほどの素質や能力がない限り)その階級の中で、人生をまっとうするのだろう。

主人公のミスタースティーブンスも、父子二代にわたる執事稼業に何の疑問もなく、その限られた環境の中で自らの能力を精一杯生かし、信用の厚い
トップレベルの執事であることを周囲からも認められている。しかし、この執事の慇懃で丁寧でエレガントな口調で語られる物語は、自ら「品格」を追い求めながらも、その狭隘な視野や偏向した視点から、一小市民の日常から決して出ることはない。

彼が(自ら気づくことなく)品格を帯びるのは、彼なりに思慕を寄せていた女中頭のミス・ケントンに、数十年ぶりに再会する場面である。思いを打ち明けることもなく、悲しみを耐えるその姿に、読者は初めて品格の何たるかを知ることになる(何という構成の妙!)

品格は、追い求めて得られるものではなく、悲しみや苦しみを耐えるところに生まれ、次の瞬間に消え去るものなのだ。
最後の場面は何のために必要なのかと一瞬不思議な感じがしたが、これがないとおそらく画竜点睛を欠くのだろう。小市民はこうして絶望の中から這い上がり、日常を取り戻して生を続けるのである。

その昔、紫式部は宮廷言葉を使って、普遍的な人間性の物語を語ろうとした。尊敬語や謙譲語の複雑な綾錦。ふと思い至った。

翻訳独特の読みにくさがなく、すばらしい訳であることも付け加えたい。
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4120019470
No.245:
(5pt)

たまには周りを見ること。自分の立ち位置が分かります

日本には執事という職業についている人はいるのだろうか?それとも私の知らない上流社会で相変わらず活躍されて
いるのだろうか?スティーブンスは偉大なるイギリスの紳士ダールトン卿に仕えることによって、能力や品格は申し
分のない一流の執事の仲間入りを果たした。がしかし、旅の4日目の事。カーライル医師が彼に尋ねるシーがある。
「どこかのお屋敷の召使いという・・・」と。結局医師というクラスからみれば所詮「召使い」にすぎない。

また数十年間共に仕事をしてきた女中頭の彼に対する気持ちを感じていなかったのだろうか?おそらく知っていたのだ
と思う。一流の仕事をこなすプライドの高い男は、女性の扱いに慣れてない姿を曝すのが耐えられなかったのだろう。
(私の邪推かな)
そんな堅物な男をアメリカ出身の新しい主人は彼に旅を勧める。広い世間を見てきなさいと。今のイギリスを見てきな
さいと。氏の作品は何故にこうも静かな余韻を残すものが多い。
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4120019470
No.244:
(5pt)

再読後のほうが感動しました

年齢を重ねるごとに主人公に感情移入してしまいます。60代はまだまだ先ですが、その時、この作品を読んで自分がどう感じるのか、楽しみのような怖いような。
日の名残りAmazon書評・レビュー:日の名残りより
4120019470
No.243:
(5pt)

その裏に潜むもの

執事としての崇高なプライドや、イギリスの伝統的な名家や美しい田園風景などの描写とともに、自身の人生を肯定的に振り返ろうとする主人公の一人称語りであるが、それは作者の張り巡らせた巧妙な表面的仕掛けにすぎない。その裏に作者が潜ませたのは、もっと巧妙な仕掛けである。それは非常に厳しく、悲しい、恐ろしくすらある眼差しである。
それは、言ってしまえば、晩年を迎えた人間の過去に対する独善的、欺瞞的態度、ということになる。
小説内では、主人公の執事は、困難な判断を要求された時に、「私は執事ですから」と言い逃れる。また、大衆の前では自分を高い位置に置いて悦に浸ろうとする。
執事のこうした態度が恐ろしいのは、誰もが自然にやってしまうだからだ。しかし、時と場所によっては、こうしたことが人生を決定づけてしまうほどの重大な意味をもってしまう。これは悲劇である。そして、恐ろしいことである。
しかしこの作品が秀逸なのは、こうした切実で、ある意味重大なテーマを、オブラートに包んで実にさりげなく提示していることである。イシグロはこの作品を三十五才で書き上げたようだが、尋常ではない。決して声高ではなく、穏やかな日常を描きながら、その奥に人間が人間である所以であるかのような何か宿命的な業のようなものをとらえようとしているように、ぼくには見えた。そしてそれは、イシグロの作家人生の出発点からずっと、頑として揺るぎなく貫き通されてきたのだと思う。
イシグロは、強い信念に貫かれた作家である。
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4120019470

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