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日の名残り
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日の名残りの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.46pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全402件 101~120 6/21ページ
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全て聞き終わった後、田辺誠一のナレーションが意外に良かったので驚いています 退屈そうな内容なので聞き流そうと思い試しましたが 作品自体も非の打ちどころがなく非常によくできており文庫本でも買おうと思っています 「執事」とか「貴族」に詳しくない人は、事前にダウントンアビーなんかを見ておいたほうが イメージが抱きやすく作品自体楽しめると思います | ||||
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スティーブンスは英国のサムライだ。 彼は気の利く唐変木で。自らの任務の遂行に忠実なジェームス・ボンドのような執事だ。 だがボンドと違ってスティーブンスはあえて学習しなければジョークひとつ言えないような、洗練されてはいるが無骨で、微笑ましい愚直さを持つ。 しかし、その最大の長所である主人への忠誠心があるが故に、悪しきファシズムに傾倒していくダーリントン卿に反対することは出来ない。ファシズムの帰結を理解していただろうスティーブンスは主人を諌めることは無くどこまでも忠実だった。 そんな彼が新しい主人から旅行を薦められる。その旅で思い出されるのは、ミス・ケントンとの男女の友情。繁栄していた頃の屋敷での出来事。理想の執事はどのようなものかという問答等。 小説の語り方がスティーブンスのサムライ性を存分に味あわせてくれる。 | ||||
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初めてカズオ イシグロを読みました。抑制された文体、一見起伏を期待できないような設定でありながら、話が進むに連れて「あの時、ああしていれば・・・しかし」と思わず自分の人生に重ね合わせてしまいました。世界史、イギリス伝統文化の勉強にもなりました。 | ||||
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こんなに内容のある話を読んだことが無かったので、感銘しながら時間をかけて読ませて頂きました。 とっても素敵なお話でした。 | ||||
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「イギリス」、「執事」という言葉からドラマ『ダウントンアビー』をイメージして、購入。 読み始めてすぐに私のイメージとは違ったことに気づいた(イシグロさん、すみません | ||||
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カズオ・イシグロの小説はいくつか読んでいましたが、この「日々の名残り」は有名作品にも関わらず今回初めて読みました。 うん、噂に違わぬ名作でした。 この小説のキーワードが「品格」で、英国伝統の品格を追い求め実践を続けた、執事スティーブンスが人生を振り返る話です。 スティーブンスが自分の人生の絶頂の瞬間と思い、品格を達成したと感じたまさにその行動が、執事として使えるダーリントン卿に最悪の判断(ナチスへの協力)を招き、人生を共に歩むべきパートナーを失う結果をもたらした事は、(これも英国風の?)アイロニーですね。 しかしそんな人生のアイロニーにも関わらず、それでも一日の中で夕日が一番よい時間、と言うエンディングに、著者の強いメッセージを感じました。 (かなり強引ですが、ララランドが好きな人には特にお勧めです) | ||||
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1930年代のイギリス名家に仕えた過去を持つ初老の執事が、数十年来の主人を亡くし、アメリカ人の主人に仕えるようになったのち、かつて屋敷を去った、自身のよき理解者であった女中頭を訪ねる旅に出る。その道すがら、執事振り返る過去の日々、変わってしまった現在の状況、そして過去の仲間。 カズオイシグロの作品は、ほんとうに繊細で、細やかな心理描写に唸らせられる。 自身と同じく執事を生業とした父を模範として、自身の感情を表に出さぬことを「よき執事の品格」と信じ、仕事のために人生を費やした執事がその置かれた境遇、求められるものが大きく変化する人生の後半期に差し掛かり、過去をどのように振り返るのか。そして、自身の人生の夕暮れをどのように受け止めるのか。 原題「The Remains Of The Day」。 読後は質の高いロードムービーを見終えたような、心地よい余韻に浸らせてくれます。 ※本書においては大恐慌時代から立ち直ろうとする英国を、時代の政治的背景、そしてその時代における英国紳士あるいは良き執事の品格といったものが大きく描かれることもあり、我々日本人にはなじみにくいかもしれない。素晴らしい一作ではあるが、カズオイシグロの初めの一冊として読むなら、私は「わたしを離さないで」に軍配を上げます。本書は読者の年代が上がるほど楽しめる作品かもしれません。 | ||||
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読むタイミングが早かったかなという印象です。 執事として働いてきた、老人が過去の仕事を振り返るお話。 私は本に啓蒙や共感を求めているのですが、共感を得るのはもうちょっと年をとってからかなと思いました。 | ||||
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最初の100ページに達しないころ、「こんな話を読んだことがある」と、ぼんやり思った。何だったろうと、本を置いて考えてみると、アガサ・クリスティの『春にして君を離れ』に似ているのだと思い出した。あれは、個人的にはとても読後感の悪い話だった。主人公の結論のつけ方にぞっとしたのと、強い嫌悪感は自分にも似たところがあるからだろうと気づき、さらに気分が悪くなったのだった。 この話も、そんなオチだったら嫌だなぁと思いつつ、ここまで読んだのだからと読み続ける。「同じような結末を読みたくない」という気持ちがあるためか、ますます似ているような気がしてくる。いやいやノーベル賞を取ったくらいなのだから、そんなに後味の悪い話でもなかろうと、自分を励ましながら話を辿る。 一言で言ってしまえば、どちらも日常生活に満足している主人公が旅に出る話だ。日常生活を離れた一人きりの旅行は、旅につきものの非日常への対応のため、自分にとって何が大切で何を優先させるかなどを考え直す機会となり、嫌でも内面に目を向けざるを得ない。 一人きりでいると、記憶の奥に沈めたはずの思い出が、どんどん蘇る。楽しかった日々の思い出。しかし、どこかに違和感を秘めた記憶は、日々の忙しさに押し込めていたはずの闇を、遠慮なく暴きにかかる。仕事に対するプライド、一流となるために重ねた努力、何が自分にとって大切なものか、思考をあちこちに彷徨わせた結果、旅の終わりに自らの人生がどういうものだったのか、やっと気づく。 幸いなことに、この小説はクリスティのものとは異なる方向に結論を出した。いや、そうだろうか。日常に戻った時、この主人公は旅に出る前の自分に戻ってしまい、単にまた「いい旅だった」と思い出すだけに留まったりはしないのだろうか。私が、クリスティの小説を「後味の悪い話だ」と片付けてしまったように。 | ||||
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イギリスの貴族社会のことなどが書かれていて面白かったです。最後には素晴らしい話で感動しました。 | ||||
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ジェフベゾスが読んだと聞いて読んでみた。自分の事と照らし合わせて見ると小さいことでもそれに全力を注ぐこと、それが大事なのかなと。そして後ろばっか見ないで今を楽しむこと。 | ||||
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2017年のノーベル文学賞 受賞で再注目された本書 ノーベル文学賞の作品、というと堅苦しくて 楽しめないというのが個人の印象がありましたが(川端康成の「雪国」の印象でした) この作品はとても面白かったです。 最初でこそ、主人公の堅苦しい物言いに 難しさを感じましたが、全体的にユーモラスに描かれてますので 前半から楽しめるかと思います。 ミステリではないのですが、物語を楽しむためには 前知識なしで読むことをオススメします。 読了後に、著者が仕掛けている技法などを読むと 作品をより深く楽しめるかと思います。 | ||||
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日本人が英国で評価される見本のような本であった。 ①英国の山には品格がある。 ②過去を悔いても仕方がない、権威のあるお方にお仕えして、 自分が少しでもよかれと信じる道を進むことにはそれなりの意義がある。 ③見ず知らずの他人でも、大自然の美のなかでは、旧友と話すように話し合えるということは素晴らしい。 | ||||
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英国の由緒ある大邸宅で長年執事を務めてきた主人公。米国人の富豪がその邸宅を買い取ったのを機に短い休暇をとり、結婚で引退したかっての同僚に会いに行く。道中、様々な回想を重ねる。第一次世界大戦後に締結されたベルサイユ条約の見直しに動く欧米各国の華やかな社交界、執事という仕事に対する職業人としての誇り、同じ邸宅で働き互いに刺激を与え合う同僚。そして、かっての主人であった英国人貴族の不幸な顛末。。。巧みで流麗な文章、謎解きの様に徐々に明かされる事実、繊細に描かれた人情の機微。最後に、職業人ではなく個人としての本当の気持ちに気付く主人公。その瞬間の胸を締め付けられるような衝撃の強さを日記の空白期間が物語る。読みやすい翻訳も素晴らしく、ここ数年読んだ中で最も心に残る作品の一つだった。 | ||||
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※Audibleで読了 ストーリーも非常に面白かったですが、それ以上に考えさせられる話でした。 人を信じることと自分を信じることについて、政治、父子、男女、旅先での出会い等、いくつもの関係を通じて、あえて矛盾を混ぜ込みながら書ききっています。 特に私には、「忠誠心と良心の関係」が、突き刺さりました。 政治のアマチュアとして正義を貫いて、結果として人の道を外れた人 アマチュアでも正義を貫くべきだと信じる人 アマチュアだからと良心を放棄し、人の道を外れることに何も感じなかった人 3人がそれぞれの説得力を持って現れ、読者に判断がゆだねられます。 「人類の進歩に貢献する作品」だと思いました。 読後何日たっても頭の中をぐるぐる何が正しいのか、回っています。 こういう作品の著者こそこそノーベル文学賞にふさわしいと心から思いました。 | ||||
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イギリスの大邸宅の執事として働いている一人の男の物語で、時代描写もよくて十分に楽しめる。 休みをもらって一人で旅をするなかで、伯爵に仕えて考えてきたこと、やってきたことを回想しては、それまでの人生を振り返る。 ひとつのお屋敷に何十人もの権力者を招いての何日にもわたる会議や、執事たちの生活や働き方など、今とは違う世界が垣間見れる。 わずか今から100年ちょっと前、その頃のイギリスの生活が分かり面白い。 | ||||
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(ちょっと自意識過剰気味と思われる)主人公の執事が、元同僚の女性に会いに行くという、ただそれだけの話なのですが、その道すがら、様々なところで回想が挟み込まれます。 職業観、哲学、政治、ロマンスなど、様々な要素が絡んではきますが、それらを深く掘り下げたりするわけではなく、また一貫したテーマ性を主張するわけでもなく、回顧録のような形で淡々と話は進みます。 エンタテインメントではないため、ハラハラドキドキするような展開も、早く先が知りたい!と思うようなミステリー要素もありません。 読みやすいのですが、面白いかと言えば、少なくとも私にとっては面白くはありませんでした。「ノーベル文学賞」という看板がなければ、最後まで読むこともしなかったでしょう。 これは行間を読みながら楽しむ種類の作品で、インスタントなレクリエーションを求める人にはむかないが、スルメのようにゆっくりと、じっくりと作品を味わうことが好きな人には良いかも知れません。 | ||||
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主人公のような人間になってはいけない、主人公のような人間とは縁を切らなければならないと、強く思いました。 | ||||
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イシグロ氏の作品。89年、今となっては30年前、なんと35歳の時に書かれた作品ですね。なぜこの作品、この設定で書こうと思ったのか。いわゆる人気作家の作品と違って、このような作品には作家の「これを書きたい」という極めて強い意思が存在していると思うのだが。 表面的な体裁は他のレビュアーも指摘されている通りの、老境を迎えつつある、ある人物の独白と回顧録。作者の観察眼の鋭さ、時代背景などもよく調べて執筆していると思います。 旧と新、建前と本音、規律と自由、権威と凡庸、知と無知、信頼と誤解。人はこだわりゆえに向上し、かつ後退する。対比を巧みに用いて、人の営みの複雑さを丁寧に書き上げていると思います。 理想だけでは動かない。何か一つの要因で決まる事象などない。国・社会・個人、各レベルでまるで違う様相に見えて、共通して持ってる人間の特性を、執筆当時の視点で描いたのではないだろうか。 それでも作者はそれをポジティブに捉えていると思うが。 「夕方が一日でいちばんいい時間」、終場面で語る相手の男の言葉。この場面をわざわざ描いたのは、悲観するためではないだろう。なぜならそこに明日へのつながりが隠されているから。 漠然と読んでしまうと何が面白いのか分かりにくいと思うが、個人的には読後に充足感を感じました。 | ||||
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執事の仕事、品格に対する深い洞察、そして淡いロマンス。 「私どものような人間は 、何か真に価値あるもののために微力を尽くそうと願い 、それを試みるだけで十分であるような気がいたします 。そのような試みに人生の多くを犠牲にする覚悟があり 、その覚悟を実践したとすれば 、結果はどうであれ 、そのこと自体がみずからに誇りと満足を覚えてよい十分な理由となりましょう 。」 | ||||
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