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日の名残り
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日の名残りの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.46pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全402件 221~240 12/21ページ
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古いイギリスの貴族に長く執事として仕えた男が,新しいあるじから貰った休暇中の旅行記に過去の出来事を織り交ぜて一人語りの形で綴った物語である。多くは2つの大戦の間に起こった政治的事件に館の主人(ダーリントン卿)が巻き込まれていく模様とそれを取り巻く執事(主人公スティーブンス)や使用人の生活の描写に割かれる。 ダーリントン卿は格式の高い英国貴族で各国の有力者を自邸に集め,ヨーロッパの平和のため尽力したが,30年代になりドイツで台頭してきたナチスの影響を受けるようになる。また英国自体も貴族の力が弱まり,財力にものを言わせたアメリカ型の合理主義が支配する時代に移っていく。こうした中でスティーブンスは無私の心で主人に仕え続け,社会を自ら判断し行動する事を封印する。 第2次大戦も終わり,主家の没落とともに館はアメリカ人の所有に変わる。主人公は依然として執事の仕事に励むが,使用人も減り大きな屋敷の維持管理になかなか手が行き届かない。そんな中,嘗て女中頭として一緒にダーリントン邸を支え,今は結婚して英国西部に住むミス・ケントン(ミセス・ベン)からの手紙が届く。その内容から何かを自分に訴えてようとしている事を読み取った主人公は,彼女を再び同僚として迎え入れる希望をもち主人から借り受けた車を使ってドライブ旅行に出る。執事としての使命を果たすことだけに専心して,本心を押し殺して生きてきたスティーブンスであったが,旅の途中の田園風景の美しさや旅先での住民との出会いを通じてこれまでの人生を見つめ直し,頑な心がほぐれて行く。 目的地に着き,美しく時を重ねたミセス・ベンと再開した主人公は互いの近況やともに働いた思い出を語り合う。そして自分が彼女から激しい思慕を受けていたことを告白される。結婚してからもその愛は彼女を苦しめたが,今はようやく夫を愛する事ができるようになり新しい気持ちで夫との生活を始めようとしている事を知る。主人公はかって聡明なミス・ケントンが時折見せた感情的で不可解な行動が,押さえられない愛情の表現だったことに気づき,美しいウェイマス海岸の夕暮れの中で深い喪失感と悲しみにとらわれる。 端的に言えば大英帝国の落日と貴族社会に自己を同一化しすぎた男の悲劇である。 しかし,主人公の味わった悲哀が一つの国の一人の執事の体験に留まるならこの物語が広く世界中の人の心を捉えることはなかったと私は思う。人が社会の中で暮らす以上,会社や社会組織のために心身を捧げたとしても,その結果が自分にとってプラスの形で帰ってくることばかりではない。大英帝国の衰退に続いてヨーロッパの共産圏の崩壊,勝ち残った資本主義国もグローバリゼーションの大波の中で喘いでいる。いつの時代も人は同じように生きて行くしかないのかも知れない。また,ふとした誤解から愛する人と別れたり,友人と離れたりすることは多くの人が経験することだ。美しく平易な文章で綴られたスティーブンスの物語は人々の心の中からそうした記憶を揺さぶり起こすのだろう。 最後に,私がこの小説で最も魅力を感じるのはやはりミス・ケントンの描写だ。回想の中では気が強くて我がままな印象を与える彼女の言動の理由が,物語の最終盤の主人公に対する愛の告白から分かる。カードをめくるように過去の彼女を回想していくと,抑えに抑えた愛をそのような形で表現するしかなかったこの上なく可愛い女性の姿が現れて来る。その愛に応えることが出来なかった主人公の痛みが私の心にも突き刺さった。 | ||||
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近所の本屋に売ってなかったのでぽちっと。やっぱり便利ですね。 | ||||
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きれいな話でした。。泣けました。映画は見てないのですが、見てみたくなりました。 時代が変わってしまうことがこんな風に表現できるのだな。。と新鮮な思いもありました。 | ||||
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古き良きイギリスの伝統が感じられて、なかなか味のある作品でした。 | ||||
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ロンドン郊外をドライブ旅行した時のことを思い出し、楽しく拝読いたしました。 | ||||
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小説をあまり読まないのだが、ノーベル賞と聞いて読んでみました。確かに面白かった。 時の流れがテーマなのかなと思って読み進めました。(人の一生、物、思想、価値観などなどの移り変わり) 主人公の親が老いていき仕事が難しくなっていくとこは、今、私自身の周りでも親そして周りの人たちが老いていっているので、このように仕事が段々難しくなっているんだと感じた。また時代が移り変わっていき周りの環境の変化(人の老いについてもその一部)が回想と言うかたちで書かれているが、今の時代の変わり目とダブるとこがあった。古い価値・習慣がいつの間にか変わっていき新しい価値が生まれまた消えていってるんだとあらためて感じた。 | ||||
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文庫というところを見ないで、単行本だと思って購入。 でも高い買い物でしたが、相場だったのですよね。読むと、その価値が判ります。 とても状態が良かったです。ありがとうございました。 | ||||
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話題に、乗っかって読んでみましたが、大ヒットです。 文章が透明で、読後感も爽やかで、、、あー自分の文章力のなさに、情けなくなる。 ノーベル賞とか関係なく、とにかくぜひ、読んで下さい。 | ||||
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遠い山なみの光、日の名残り、わたしを離あないで、3冊を読破してのレビューです。先ず言えることは、外国の小説の翻訳書を今まで一度も読んだことのない方は、買うのをやめた方がいいです。多分、著者の小説はどれも同じ手法で書かれていると推察できる。このノーベル賞作家の小説はイギリス文学でありながら哲学的要素がひじょうに濃い文であり、構成で書かれている。同じノーベル賞作家、川端康成の小説と比べるなどしないことである。観点が異なるからであり、発想も次元も違う。起承転結は無いようで、隠されている。はっきり言うなら、面白くない、と言うことである・ | ||||
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『私を離さないで』で衝撃を受けて、『忘れられた巨人』は発売後すぐに読んだのに、次の作品に中々進めずにいたカズオ・イシグロ。小説自体が苦手な事はあるけれど、彼の作品はそんな事を言わせないぐらい、素晴らしいのは分かっていたのだが、何だか先送りしていて。 そんな中でのノーベル賞受賞。しまった!ここで「カズオ・イシグロ、元々大好きだったんだよね~!嬉しい!」と言っても、読んだ本が2冊だけじゃ説得力に欠ける・・。という、不純な動機で読んだこの本。既にノーベル賞受賞後すぐに『五つの夜想曲』『充たされざる者』は読んでいたので、この『日の名残り』を読んだことで、ようやく、5冊。立派に(?)カズオ・イシグロフの大ファンだと自信を持てますw で、おとっときにしていた『日の名残り』。いや~格別です。 ちょっと悔しいのが、映画版を以前ちらっと1シーン観てしまっていて、それが、アンソニー・ホプキンスなんて大好きな俳優だったのが響いて、読んでいて、何度もその映画版をアレンジした情景が頭に浮かんでしまい、「ちぇ~」と思ってしまった事。カズオ・イシグロに限らず、小説は、映像化されたものを見るか、小説そのままで読むかどっちかの方がいいかなぁ、と、思ってしまいました。 カズオ・イシグロの作品は何のワードを書いてもネタバレな気がして、筋に関してはもう書きません。 でも、時代設定、人物設定、描写、どれをとっても申し分なしです。私の中にも、本の名残りが消えません。 | ||||
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独特の世界で良いと思います。 kindle版しかなくて購入したので少し抵抗ありましたし 訳本ということもあり 原書はどういう言いまわしなのか興味があります。 | ||||
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以前に、「わたしを離さないで」を読んで、静かな文体の中にある何かに惹かれて、時折、読み返していました。ノーベル文学賞受賞を機に、気になっていた「日の名残り」を注文。映画は見ていないのですが、読むごとに映像が浮かび上がってきます。静かな語り口に、心落ち着きます。映画を見たくなりました。 | ||||
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与えられた持ち場の中で、最高を目指し続けたた主人公。思い出を手繰りながら旅をして、美しい夕焼けにたどりつく。太陽も、また、思い出で空を赤く染めながら沈んでいくのかもしれない。美しい情景が心に浮かんでくる。 | ||||
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非常に読みやすい、美しい文章です。少しできた余暇時間に何げなく読み始めたのですが、知らぬ間に読み進んでいました。作品を味わうためには、英文でも読みたくなる作品でした。それは訳者の土屋氏の素晴らしい日本語にも負っていると思います。訳者はきちんと勉強したプロの方のようで、訳者の貢献が素晴らしいことも知りました。執事は日本ではあまり一般に知られていない職業だと思いますが、わが国では コンヴェンション・サーヴィス+ホテルサーヴィスのごときものでしょうか。己を殺して主人の意図を理解し、参加者に最大限の満足を与えるうえで、非常に大きな仕事であり、使命感とプライドをもって目的を遂行するところがよく描かれている作品だと思います。 | ||||
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美しい言葉に心を癒されました。原文が品格ある言い回しだから、訳す方も気を遣われたと思います。訳者の日本語の選び方が最高だと思いました。優しい日本語を使っていきたいとも思いました。 | ||||
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期待はずれでおもしろくありません。話題の方だったのに残念です。 | ||||
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ノーベル賞作家の作品ということで知人に勧められて手に取りました。 1989年の作品で1920年〜1950年頃の話ですが、 最近のイギリスや世界情勢のことを念頭に書かれているように感じられました。 ブリグジットやトランプ大統領を信じた世界は10年、20年後にどのように現在を振り返り、 どのように前進してゆくのでしょうか? といったことを考えさせられました。 | ||||
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全く知らなかった石黒一雄Kazuo Ishiguroこの本を読んで、初めに何処かで読んだ気がすると思った。彼の考え方見方は日本人のものであるからだと読みながら分かって来た。相手の人のことを慮る気持、自分の使命を達成するために親には不義理をする。少し前の日本人なら自然にしていたこと日本人の特性でした。儒教道徳かもしれないが。今はアメリカナイズしたり、netの広がりや世界基準で亡くなりつつあること。読んだ後にそこはかとない気持になる良い本です。この感覚が英語圏の人に分かるとしたら素敵ですね。もしかしたら翻訳者が優秀なのかもしれないと思いenglishも買った。 | ||||
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本を読むのは苦手ですが、すらすらと読めました。情景や人物の顔、声色、イントネーションまで手に取るようです。美しいイギリスの風景が、人物たちのキャラクターを引き立てます。度々語られる品格なるキーワードによって、直接に語られないことも、読者に伝わってきます。 イギリスのブッカー賞なるものを受賞しているということで、なるほど、確かに素晴らしい、美しい作品だと思います。 | ||||
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すみません、まだ読みかけですが、ノーベル文学賞の作家作品なので期待しながら読んでいます。 | ||||
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