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日の名残り
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日の名残りの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.46pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全402件 301~320 16/21ページ
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気品を感じる作品。 登場人物誰もが色濃く記憶に残る。 皆それぞれ気高く描かれているからだと思う。 ラストが近づくにつれ切なさを増していくが、 スティーブンスはこの歩みの速度でも良いのかもしれないとも感じた。 | ||||
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ノルウェー・ブック・クラブが選んだ 『世界の文学100』冊の中に、 日本人の作品が3冊入っていた。 紫式部の『源氏物語』 川端康成『山の音』 カズオ・イシグロ『日の名残』 正確に言えば、カズオ・イシグロは 1954年に長崎に生まれ、5歳で英国に渡り 英国籍を取得し、以来英国に住んでいるので 日本人と言って良いのか分からないのだが、 分類的には英文学になる。 原題は『The Remains of the Day』で フロイトが使った言葉で『夢』という意味なのだが、 日の名残という直訳はあまりしっくりきていない。 一流の執事とは、執事の品格とは、 というのが作品のテーマで、 戦前のダーリントン・ホールの主に仕えていた スティーブンスという執事の回想録。 ハラハラ・ドキドキするような 劇的なストーリーの展開はない。 それはないが、じっくりと考えさせる作品だ。 しかし、一流の執事というのは何と過酷で 何と献身的なのだろうか? 父との別れ、ミス・ケントンとの切ない恋 自分の一生を犠牲に、主に捧げ、常に一歩下がって、 100歩先を読んで、日本の『おもてなし』に通じる。 エンディングでは夕日の中の桟橋で 「私にはダーリントン卿が全てでございました。 ・・・私には、振り絞ろうにも、もう何も残っておりません」 という独白と共に街灯がともるのを待っている。 これは、作品全体を通じての『日の名残』だ。 主人公の心境の何か切ない感情が深い。 しかし、自分に執事は無理!というのが素直な感想だ。 了 | ||||
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栄光の英国・良き時代の残り香が漂う旅日記である。品格のある名家の紳士たる主人に仕えたと自負する執事の短い旅の物語。主人への敬慕と自身の仕事への誇らかな自負を持って語られる思い出と 徐々に明かされる無残な真実の間に涙する主人公はさびしく美しい。 | ||||
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執事に期待される職務に忠実で、雇い主であるダーリントン卿の、職務・生活全般の円滑な運営に 全身全霊を捧げ、お互い信頼を寄せた優れた女中頭ミス・ケントンとの微妙な感情も職務のためには 律し、距離を置き、自分を押し殺す(本人にはその意識はないが…)スティーブンス。 しかし時の経過とともにダーリントン卿も亡くなり、老年に差し掛かる彼は、新たに屋敷を購入した アメリカ人の富豪ファラディに続いて仕えることに。 一部は閉ざされ縮小された屋敷を少ない人数で運営し、彼の年齢からくる集中力の衰えなのか、細かな ミスが気になり始める。そこにミス・ケントンから手紙が届き、文面に「屋敷に戻りたい」意識を感じ たスティーブンスは、ファラディに相談し、初めて休暇を取り、ミス・ケントンに会う車の旅に出る。 そこで出会う数々の出来事、ミス・ケントンとの懐かしく楽しい会話。そして別れて一人見る夕景色。 これだけでも十分に興味深く、心理の綾を描いた小説だが、しかし英国の年間の最優秀作品に与えられる ブッカ―賞を受賞した背景には、第二次大戦前の一時期、英国においてもナチス・ドイツとの関係を強め 欧州の平和と安定を目指した有力な貴族・議員・官界人が、様々な活動を行っていたことを、今一度認識 し、優れた知性による善意が必ずしも意図した結果に結びつくものではない世界の現実をダーリントン卿 の生涯に表現した部分の深さをも、合わせて評価されたものではないだろうか。 ホプキンスの執事姿が記憶に薄れている…これを読んで映画をもう一度見たくなった。 | ||||
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「人前で決して衣装を脱ぎ捨てないこと」、すなわち私情を押し殺し建前を常に貫きとおすことこそが執事としての「品格」であると信じてきた本書の語り手スティーブンスは、読者である我々に対しても、なかなかその本心を明かそうとしない。ミス・ケイトンに対して長年抱いてきた恋情や、自ら道徳的判断を行うことを放棄しダーリントン卿に盲目的な忠誠を捧げてきたことへの悔悟といった本心を、彼は繰り返し読者に対して否定しようとする。しかし、彼の行動や周囲の人々の発言から推察される彼の本心は、隠そうとしても隠しきれるものではなく、読者である我々は、認めたくない真実から目を逸らそうとするスティーブンスの内面の葛藤を間接的に知ることになる。そして物語の終盤、彼が遂に自分の本心を路傍の人に吐露する場面で、我々は彼の後悔の念に深く共感するのである。 細部に至るまで巧みに構成され、悲しみや優しさ、美しさやユーモアといった様々な人間的要素を一連の流れの中で表現することに成功した本書は、正しく傑作の名にふさわしい。そして土屋政雄の「見事」というほかない翻訳は、本書の魅力を余すことなく伝えている。 多くの読者は本書を、老執事スティーブンスの人生に、凋落していく大英帝国の姿を重ねて描いたものと理解したようである。それはそれで勿論正しいのだろうが、多くの傑作がそうであるように、読者は本書に様々なものを投影することが可能である。例えば日本の読者は、本書に、(特に東芝や三菱自動車のような不祥事で凋落した企業に)滅私奉公してきたサラリーマンの悲哀を重ねることもできるのではないだろうか。 | ||||
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最初はとても退屈に感じましたが、読み進むうちに入り込んでしまいました。 イシグロさんの他の小説も読んでみたいです。 | ||||
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ゆっくりとした時間の流れと意識の流れを感じさせるよい作品である。長編小説であるが、読み進めるうちにストーリーにひき込まれしまい、執事である主人公の語りに吸い込まれてしまう。作品が終わっても、もっとその先を知りたいと思う。長編小説であるが退屈しない。イシグロさんの作品の中にはいつも過去の記憶と意識の流れが織りなす独特の世界が描かれている。土屋さんの翻訳の技術もすばらしい。 | ||||
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注文したその日のうちに配送の手配をしていただき、 およそ3日後には到着しておりました。 商品の状態もとても良く、梱包もきちんとしていて、新品のように感じました。 また、商品とは別に可愛らしい栞もついていたので、 此方も一緒に使わせていただこうと思います。 ありがとうございました。 | ||||
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映画を観て原作を読みたくなりました。主人公の執事としての人となりがより鮮明になり、すぐに読みきりました。 | ||||
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海外小説の翻訳らしい文章が苦手とか、もしくは読書そのものが苦手、という人は結構いると思いますが、この小説にその心配はありません。何も考えず、ただ読むだけで物語が頭に入ってきて、気付いたら読み耽っています。 もちろん物語も素晴らしいです。 主人公は執事の中の執事 スティーブン。今は主が替わってしまいアメリカ人の富豪に雇われています。そのスティーブンはちょっとしたきっかけで、屋敷のスタッフのリクルートも兼ねた小旅行に出掛けることになります。その中で思わず自分自身の人生を見つめ直していき…… とまあ、そういうお話なのですが、まるで本当にスティーブンという執事がいたのではないかと思ってしまうほど、この小説の世界は緻密で丁寧な広がりを感じます。僕は今でもスティーブンが豪奢なホールで執事として仕事を全うしている姿が容易に想像できます。また在りし日のミス・ケントンがスティーブンに突っかかっている姿も。 | ||||
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「失われつつある伝統的な英国を描いて世界中で大きな感動を呼んだ英国最高の文学賞、ブッカー賞受賞作」 こんな紹介文があったら誰だって期待してしまうだろう。 本当に大げさすぎる!これを読んで世界中が感動するわけがない。 物語はスティーブンスという執事による一人称で語られる。 時代は1920〜30年代辺りまで遡る。 彼はダーリントン・ホールという、かつてあのダーリントン卿が住まいにしていた館を取り仕切っていた人物である。 今は新しい主人に入れ替わっており、しばらくの暇を与えられた。 そこで、スティーブンスは主人の車を借りて旅に出るのであった。 旅の道中では、素晴らしい景色に出会いながら過去の郷愁に浸り続ける。 働き詰めの時代は、主人やそこに集まる紳士たちの話を聞くだけで世の中を知った風に思っていた。 敬愛するダーリントン卿に尽くすことこそが彼の全てであったし、 それに疑問を持つこともないまま仕事に熱中していた。 しかしながら、今や栄光の時代は終焉した。 主人がアメリカ人に変わったことは象徴的である。 新主人の勧めで外の世界に踏み出した時、スティーブンスは現実をにわかに受け入れることができなかった。 彼は執事としての品格を追求してきた。 それにはどんな名家に仕えているかが肝になってくるのだが、ダーリントンという家名はそれを支えるに十分であった。 だが、ダーリントン卿は対独融和を図った人物として、実は世界的には評価は低い。 スティーブンスは卿を擁護しつつも、執事としての立場を言い訳に自分は悪くないと言い張る。 自分は政治に首を突っ込むべきではないだろうと。 それは至極尤もなことなのだが、考えること全てが言い訳に満ちていて自分だけは正当化するのである。 しかも、彼が西へ向かう理由はかつての女中頭、ミス・ケントンに再会するためと言っても過言ではない。 考えれば考えるほど昔ミス・ケントンに自分が好かれていたのでは、と気づくようになり、 あわよくばダーリントン・ホールに戻ってもらおうと画策しているのである。 彼女はすでに結婚しており、何度か家を出ているとのこと。 何とも汚い男である。 途中、自分のコミュニケーション能力の無さを嘆いてくよくよしたり、 練習したジョークを試して心配してみたり、態度が陰気臭い。 結局、ミス・ケントンが幸せでいることを知ったスティーブンスは、昔の気持ちだけ確かめて彼女を見送った。 スティーブンスは特に政治に対する意見も見識もないにもかかわらず、 ダーリントン卿の威を借りてプライドばかりを育てていた情けない男である。 当時、女中の恋心にも気づかず、今更淡い期待を寄せてしまう可愛そうな老人である。 だから、旅の最後に出会った男の言葉が耳に刺さる(350ページ)。 今を生きることが大事であって、過去に頼ることは決してしたくない。 本書は黄昏期の老人たちを慰めるために書かれたのだろうか? 今を楽しく生きようとする若者には全く響かない物語であった。 | ||||
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「わたしを離さないで」を読んで、もっと作家の本が読みたいと思い購入しました。 感情を抑えた語り口で、淡々と語られる描写が好きです。 ドラマの「ダウントンアビー」の世界観も感じます。 | ||||
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イギリス貴族の屋敷で執事を務めるミスター・スティーブンスの物語である。僕が彼に親近感を抱くのは、僕と同じように不器用で生真面目で、そして日の名残りを迎えつつある年齢であるからだろう。彼は執事に必須の弁舌を磨くために小説を読み、ジョークを研究する。少し滑稽な感は否めないけれど、人生観は共感できる。大仕事を成し遂げると同様に、小さくあろうとも自分の領分に全力を傾ける。そして、物語のアクセント、女中頭のミス・ケントン。彼の余りに不器用な愛は、仕事に専念する余りかそれとも女心を理解できなかったのか。僕はもう少しましだな。 | ||||
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素晴らしい小説。執事の役目とは?から始まり人の品格を問う名作です。 臣下の在り方として重なるのは、春秋時代の斉、暗君景公が最も近づけている佞臣に「お前だけが私と和するなあ」と言います。すると名宰相晏嬰が「彼は和するのではなく、君と同しているだけです。君が暑いといえば暑いといい、黒といえば黒というのです。君子、臣下、はすべからく和して同ぜずべきなのです」 いかに和する事が至難の業か、この小説を読めばわかります。 | ||||
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人生の夕方が一番良いというもの。誰かに物語を語らせて、話しを進めていくのは、カズオ・イシグロ的。『わたしを離さないで』の方が好み。 | ||||
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言葉使いが美しいので読んでいて清々しい気持ちになります。朝の通勤時などにおススメです。 スマホにダウンロードできるのでカバンが重くならなくて、いいです。 | ||||
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読み終えて、ただただ、「素晴らしい!」の一言です。 本の内容は、旧き良き時代から英国のとあるお屋敷にお仕えする「老執事」の一大回想録なのですが、 その「老執事」が回想する一つ一つの出来事やアクシデント、同じ使用人たちとの日常生活、同業の父親との確執、お仕えする卿への忠誠心など、 まるで著者イシグロ氏に、この「老執事」のこころが乗り移ったかの如くです。 この老執事は、まるでこの現代にもイギリスのどこかのお屋敷で働いているかのように感じられてなりません・・・。 どなたかも書いておられましたが、翻訳のまた素晴らしいこと。 この執事の立ち居振る舞いや喋り方、その他細部に至るまで、ただ上手に翻訳しているのではなく、 執事が訳者の傍にいて、手取り足取り翻訳を手伝っているかのようです。 また、仕事で職場の同僚との日々の付き合いに悩んでいる方がおられましたら、 この本をぜひお勧めします。 「執事と女中頭」のやり取りがとても参考になるでしょう。 こんな心温まる、心豊かな小説を読んだのは、久しぶりです。 読書の醍醐味を教えてくれる数少ない貴重な忘れられない一冊になりました。 | ||||
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何事かをなしたと思いたがる人間ほど逃げ込もうとする欺瞞が、国の没落を準えたタイトルにも集約されている。 | ||||
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中古の単行本ですがとてもきれいで、表紙の下にほんの少し傷があるだけです。 原文とともに読むのが楽しみです。 | ||||
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素晴らしいサービスと商品を提供しています。使ってください. 全く問題ありませんでした。This is a great product by a great seller. | ||||
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