■スポンサードリンク


煙か土か食い物



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
煙か土か食い物 (講談社ノベルス)
煙か土か食い物 (講談社文庫)

煙か土か食い物の評価: 4.11/5点 レビュー 124件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.11pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全124件 81~100 5/7ページ
No.44:
(4pt)

誇大広告じゃなかった

めずらしく帯の売り文句に「たしかにその通りだ」とうなづける作品。
文圧がすごい。これでもかこれでもかと休む暇もなく押し寄せてくる
文章は圧倒的であるし、それが気持ちいい。
文体だけがすごいのかといえばそういうわけでもない。
決して考えつくされた構成とはいえないものの、
作中に出てくる挿話はどれも唸るほどよくできていて、
どんどん登場人物に肉付けされていく感覚が味わえる。
最近の作家にはない深い人物考察力があり、
ひさしぶりに小説の醍醐味を味わえた。
終わりで印象がすこぶるよくなる小説もあれば、
終わりで興ざめる小説もある。舞城王太郎の小説はもっぱら前者。
といっても全体を通じてうまく書けていて飽きずに一気に読める。
舞城王太郎の小説にはつきもののグロテスクな描写はあるものの、
思いの外読後感はいい。これがほんと不思議。
煙か土か食い物 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:煙か土か食い物 (講談社文庫)より
406274936X
No.43:
(4pt)

すすめられて読みましたが

タラタラ無駄に進むのではなく軽快にテンポ良く進んでいくので読みやすかったです
主人公のノリが独特なテンションなので飽きずにラストまで読めると思います
文章もうまく読み応えありの作品です
煙か土か食い物 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:煙か土か食い物 (講談社文庫)より
406274936X
No.42:
(4pt)

チャッチャッチャと進む

舞城王太郎のデビュー作。
相変わらず(というかデビュー作から)冒頭がかっこいい。
<サンディエゴにはおよそ三百万人の市民が住んでいるが、そいつらがどういうわけだかいろんな怪我や病気を背負い込んでホッジ総合病院にやってくるから、ERにいる俺は馬車馬三頭分くらいハードに働いてそいつらを決められたところに追いやる。チャッチャッチャッ一丁上がり。チャッチャッチャッもう一丁。やることもリズムも板前の仕事に似ている。>
舞城の文章はリズムがよい。物語のテンポもいい。だいたい50ページに一回くらい事件が起こる。人が死ぬ。外科医と板前が似てたら、ついでに小説家も似ていてもいいかもしれない。チャッチャッチャッって小説は進んでいって、それでいてすごく面白いから、この人はこれでいいんだと思う。
煙か土か食い物 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:煙か土か食い物 (講談社文庫)より
406274936X
No.41:
(4pt)

改行せずにびっしりですね。('-,_ω-`)プッ

はい、帯にも書かれてある通り、「圧倒的文圧」を感じました。そしてものの見事に打ちのめされました。('-,_ω-`)プッ
癖の強い文体で、読み始めた時「あっ、苦手なタイプかも?」と思いはしたものの、作者の文圧によるものなのか、するすると夢中で読み進めていくことができました。
一応、ミステリということですが、あまりミステリっぽくはないなぁと感じました。
暴力的なシーンが多々あって、それが読者を惹きつけるか、あるいは引き離しているんでしょう。僕は惹き付けられましたけどね。
どっちかというと本編より、主人公が家族の昔話を延々とするシーンがあるのですが、そちらの方が面白かったです。
暴力を振るう父親。それに屈することなく睨み続ける次男。
少々嫌悪感を感じながらも、夢中で読めました。
続刊が出ているそうですが、今作よりパワーダウンしている模様なので、読むべきかどうかと悩んでいます。ここで止めておくのもいいかもしれません。('-,_ω-`)プッ
煙か土か食い物 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:煙か土か食い物 (講談社文庫)より
406274936X
No.40:
(5pt)

甘〜いロマンを夢見る人にはお薦めできない、かな

 血に彩られた、四郎の華麗なる復讐劇。屈服したゼ四郎さん。
 舞城氏の物語は勢い、というか迫力がありますね。くだけた一人称(まあ人間、心の中ではこれくらい粗雑な口調になっているでしょう)で書かれる文章はそれ自体が暴力で、それも苦痛じゃなく衝撃だけの暴力。そしてそれで描かれる、人生と、人生で大切なもの。
 美しいものを使い美しいものを描くのは簡単ですが、現実世界を生きる人間はそう簡単にはいきませんよね。煙か土か食い物で、どうやって純愛物語が書けるんでしょうか? 舞城氏が書くものは正々堂々としていて、だからこそお世辞にも繊細とは言えません。愚かなものや汚いものが表面にこびりついていて、読む人によっては眉を顰めるでしょう。
 それでも、この物語の、そして奈津川家の、愚かな部分や悲しい部分を削ぎとればあとはきっと美しいものしか残りません。それこそ、舞城氏が、煙か土か食い物を使ってでも伝えたかったものではないでしょうか。
煙か土か食い物 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:煙か土か食い物 (講談社ノベルス)より
4061821725
No.39:
(3pt)

未体験のインパクト

スピード感、グルーブ感にあふれ、「文圧」と評されるのもうなずけます。
チープなのかゴージャスなのか良くわからないトリック、常軌を逸した感情の
爆発、ジャンクな言葉の選択、唐突な展開、とにかく未体験の感覚を味わえる
ことは間違いありませんが、是か非かはまた別問題です。
戸梶圭太に近いノリはありますがアクは強め。
楽しめましたが、私はちょっと疲れてしまいました。
煙か土か食い物 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:煙か土か食い物 (講談社文庫)より
406274936X
No.38:
(4pt)

境界線上の作家・舞城王太郎

  舞城王太郎は境界線上の作家である。だから彼にはミステリー領域に留まらず、純文学、そして今日的なライトノベル的な要素(直接世界と対峙する私)も感じる。極めてアクティブな作家である。それは中上健次とも違う。「煙か土か食い物」で中上のサーガ郡「岬」「枯木灘」「地の果て 至上の時」との親和性は感じるが、連続性は感じられない。「岬」「枯木灘」は結果として秋幸からそして中上からもその主題を遠ざけたと言える。もはや至上命題としての力(大きな物語)はありえないと悟ったからではないか。だからこそあのような形として帰結したのだろう。物語を破壊したとも言える。こうした形は舞城にも見える。既存の枠組みを壊し、超えて進む。これはミステリーにおいて近年になってようやく出てきた要素だ。ただ、ここまで徹底したものはミステリーにはなかった。世界からそれぞれ脱出しようと試みるが、できない。逃れ得ない何かからの脱出、そこでもがき苦しむ舞城作品は不可能性の領域を扱った小説でもある。                                                                                  二郎と丸雄の確執は永続的だが、来るあの事件での接合は深い亀裂を与えながらも、それでもそこから離れ得ないものを示した(好悪はあっても)。今になって......。いや、違う。恐らく、ずっと傍らで見てきたのだ、離れてかれもずっと。四郎は時にあざとく、時に自己中心的ですらあるが、内向きなそれと同時に時折溢れんばかりのほとばしる感情が見える。奈津川家は決して幸福とは呼び難いが、それでもささやかなあの時はあったのだと信じたい。絶望的に暗いが、前を歩くことでしか先は見えない。ここには哀愁があり、得られなかったものへの愛執があり、私たちにはあの郷愁が与えられる。切実な小説だ。この眼鏡、4つ星(4+)と見た。眼鏡を二つばかりシンチョウしてきましょうか。この爆発的な野心,悪くない。新しき担い手に付き合ってみては。
煙か土か食い物 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:煙か土か食い物 (講談社文庫)より
406274936X
No.37:
(5pt)

デフォルメされた世界

家族の確執や絆とは何か、暴力とは何か、このようなテーマは非常に自然主義的に映る。が、この作品は敢えてリアリズムから離れることで、それらのテーマを表現しようとしている。ブラックジャック並の腕前を持つ医師の主人公、執拗に暴力にとり憑かれている弟、ステレオタイプなまでに厳格な父親、日本の誰もが衝撃を受けた現実の事件、とってつけたようなトリック。どれも、レゴブロックの世界のように完全にデフォルメされている。威勢の良い文体もその一環か。かつて高橋源一郎が漫画のキャラクターを用いて作品を作ったが、その手法に近いものがある(オリジナルはバーセルミだろうか?)。しかし伝わってくるものは決して軽くない。非常にリアルで重い。作風は全然違うが、ミステリーという枠を換骨堕胎して完全にオリジナルな作品を書いたという点ではP・オースターにも通じるものがあるかもしれない。
煙か土か食い物 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:煙か土か食い物 (講談社文庫)より
406274936X
No.36:
(5pt)

叩かれ続けた舞城の原点

乱暴で粗暴で句読点や改行の少ない特徴的な文体。それだけでなくノベルス出版のときは表紙の特殊な柄(蛇皮のようなあれです)で揉めに揉め、編集者もピンチにまで陥ってしまったこの作品。今騒がれて、評価も急上昇した舞女王太郎の全国区でのスタートはこれでした。 ゼロの波(1980年以降生まれの作家)として講談社の新人賞で世に出てきた舞城王太郎ですが、ただでさえ西尾維新という化け物のような新勢力と比べられる立場におかれ、佐藤友哉とともにスタートの地点では評価は当然高いわけでなく、その上内容的に決して誰にでも進められるとはいえない。結果として小説のレビューのサイトなどでも散々ダメだと言われつづけた時期を乗り越え、今では皆が手のひらを返したようにこの叩かれ続けた「土か煙か食い物」でさえすばらしいと言っています。 その理由は何か、ということでは「文章の勢い」これに尽きるのではないでしょうか?(本を読まない人は特に)あまり面白いと思えない本や、いいところまでいくのが長い本などは途中で読むのをやめてしまいますが、舞城の文体は読者に息継ぎをさせず、一気にゴールまで持っていく勢いがあるため、何冊か本が出版されるたびに、そんなに好きでもないのについつい最後まで読んでしまうという矛盾。そして人間の裏にある欲望である暴力性と性的表現が多々使われている文章。そのようなことからこの作家には何かがあると、皆が思わされていったのではないでしょうか?とんでもなく人間くさい文章に私も魅かれています。 小学校の図書館などには決して置けないような本ですが、最近の少し故意的に勢いを落としている舞城作品よりもずっと個人的には好きな作品ですので、良かったら読んでみてはいかがでしょうか?(敬称略)
煙か土か食い物 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:煙か土か食い物 (講談社ノベルス)より
4061821725
No.35:
(3pt)

キモい・・・精神異常者の妄想日記みたい(;'Д`)ハァハァ

この小説は主人公がイッちゃってるだけに、非常に読みづらい・・・(笑)やはり・・・主人公は普通の感覚と思考を持った人間でサブキャラが基地外でないと 異様さが際立たないという典型的な見本だらう。推理が㌧でおり・・・まるで 電波みたいな主人公の妄想が真実になっているところなど・・・ 精神異常者の日記みたいで 気味が悪い・・・。最後のアナグラムとかも 主人公の妄想なんだらうなぁ・・・とつくづく思う。出てくるキャラの殆どが気持ち悪い・・・。
煙か土か食い物 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:煙か土か食い物 (講談社文庫)より
406274936X
No.34:
(4pt)

鎖のような文体

舞城王太郎はちょっと前にハマってました。あんな読点少ない小説は村上龍「トパーズ」以来です。「煙か土か食い物」の英題かっこいいですねえ、韻踏んでるし。この英題には逸話がありまして。とあるファミレスで舞城王太郎と講談社ノベルスの担当編者が「タイトルなんにしよう」と話してたところ、舞城氏がナプキンの表にさらさらとボールペン走らせ「smorke,soil or sacrifice」と書きつけたそうです。まったく無造作に。そういえば、少し前に読んだ「われらの狂気を生き延びる道を教えよ」(大江健三郎)収録の「父よ、あなたはどこへ行くのか?」に「戦時中のとある事件がきっかけで外界と交渉を絶ち、暗い土蔵に座り込んで暮らす父親」の挿話があったのですが……舞城王太郎がこの話から着想を得て「煙か土か食い物」を執筆した、というのは考えすぎですかね?舞城さん自身とんでもなくたくさんの本を読んでる方なのでそういうこともあるんじゃないかなーと想像を逞しくしてるんですが……大江健三郎と舞城王太郎の文体って似てる気がします。両方ともじゃらじゃら鎖みたいにつながった文章で、執拗な粘着性がありますし。ひょっとしたら手塚治虫の「奇子」を土台にしたか、先行作品を知らなかった舞城さんのオリジナルという可能性もありますが。「煙か土か食い物」の意味、深いです。ラスト間近、泣きじゃくる四郎を諭した女医の言葉に涙腺が緩みました……。人は死んだら思い出になるんですね。
煙か土か食い物 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:煙か土か食い物 (講談社文庫)より
406274936X
No.33:
(5pt)

最強の1冊

スピード感のある文体、魅力あるキャラクターにどんどん引き込まれていく。謎解きは当てるというより純粋に楽しめる。どこまでも想像力が広がる作品。既存のミステリーのイメージで読むととんちんかんな感想を持ちがちだが、最高級のエンタテイメント小説といえる。
煙か土か食い物 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:煙か土か食い物 (講談社文庫)より
406274936X
No.32:
(4pt)

めっきりファンになりました。

 おもしろいっす。結構厚いけどテンポがいいので一気にガーっと読めます。町田康が好きな人にお勧め。ポップでジャンクな町田康?ってイメージ。ミステリとゆーよりもハードボイルドエンターテイメント。 サンディエゴで働く凄腕の救命外科医の奈津川四郎のママが連続主婦殴打生き埋め事件の被害者に。復讐に燃え謎に突き進む四郎に奈津川家の歴史と今が絡んで… 家族の描き方がすごく細やかで濃いです。DNAレベルです(笑)。ずんずん引き込まれていきます。それに比べて謎は凝っているのに謎解きが惜しげもなくあっさりしていたりするのも意外でおもしろい。でも何よりの魅力はジャンクなジョークなので、堅苦しいことは考えずに一気に楽しんですっきりしてください。ただ暴力表現が多少グロいので血や痛いのが苦手な人には厳しいかも。
煙か土か食い物 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:煙か土か食い物 (講談社文庫)より
406274936X
No.31:
(4pt)

これはミステリーか?

事件が起こり謎がある。一応名探偵も出てくる。しかし、この作品はミステリーなのだろうか?途中、これほど、犯人探しがどうでもよくなった作品は始めてだ。よい意味で。荒削りな部分も感じたが、面白い。お勧めだ。
煙か土か食い物 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:煙か土か食い物 (講談社ノベルス)より
4061821725
No.30:
(4pt)

全てを壊した。

 ミステリの可能性をぶっ壊した。既存の作品が作り上げたきたミステリというフィールド自分のフィールドに取り込み、自分の中のものとミックスさせ、ぽんぽんと投げ落とす。 今までこんな作者がいたか? 何だこの文体は? これだけでも読む価値あるぞ。 ミステリにあるまじきことをガンガンやる。謎を提示した次の行には主人公がわかったって言って全てといてしまう。ああ、文体と絡み、溢れるスピード感。ミステリに出来なかったことをついにやってのけた男が現れた。
煙か土か食い物 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:煙か土か食い物 (講談社ノベルス)より
4061821725
No.29:
(4pt)

推理小説?じゃないよね

どんどんページが進むのがわかるでも話のほうは、どんどん脱線…そして突然気づく。話の本筋だと思ってた犯人探しが実はおまけ?自分たちの家族の話。こっちがメインなのか。最後に気づく。やられてしまった
煙か土か食い物 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:煙か土か食い物 (講談社文庫)より
406274936X
No.28:
(4pt)

これがうわさの・・・

おもしろい。"ゴッド・ファーザー"がマフィア映画というジャンルでくくられがちだがその辺は単なる舞台設定に過ぎなくて実は「家族」の物語だったんだ…と実際に見ればすぐ分かるように、これも読み始めてすぐ、「あっこれもしかしてミステリじゃありませんね?」と気付く。目も眩むような暴力と冗舌の合間に突然、ものすごく真っ当な言葉がはさみこまれる。それがまた、奇妙に説得力に満ちていたりする…時折、実は教養あるんだぜ、的な見せ場があって、ある種の人々の批評心をくすぐる。わかってるじゃん…この作者、下品で乱暴なのはあくまでポーズであって、本当は繊細で博学で真面目なんだね。みたいな。ホメロス、チョーサー、メルヴィルを出されちゃあかなわない。ましてやダンテをもちだされた日には、泣く子も黙る。そう、そのめちゃくちゃさにもかかわらず、作者の言わんとすることは思いがけなく真っ直ぐで正しくて、思わず子供にも読ませたくなるほど…でも、おっとっと、本作品はグロテスクなシーンが含まれています!のコーションマークがそれを阻んでいる。残念!―ギリギリ、18禁…ぐらいかなあ?
煙か土か食い物 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:煙か土か食い物 (講談社ノベルス)より
4061821725
No.27:
(5pt)

きらめきMMMBOP!

本格好きは読まなくていい。痛快なエンタメを求める人にお薦め。かといってありがちな「符丁をうまく切り貼りしたフェイク」じゃあない。粗雑な設定、数式から動物占いまで動員する狂った推理、突然のB級アクション、なつかしのベタなヒットソング、ジャンクワーズ、ミステリーのクリシェの放棄、血みどろの血縁+方言、ハードS的行動、ナイーブな独白、破綻寸前のストーリー。したたかな文体を掛け合わせることで、これらのどうしようもない個々の要素からかつてない疾走感が生まれている。チープな小道具は全て作者の計算なんだろう。だから、舞城を懲らしめたい人は、「ミステリーじゃねー」「ありえねー」ではだめだ。島田雅彦が言うように「自意識の崩壊現象が緻密に...」とあえて真面目に言ってやるしかないのだ。この本に高尚な意味などどこにもない。けどとにかく面白い小説を求めている人は是非!ウサギちゃんもかわいいしね。
煙か土か食い物 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:煙か土か食い物 (講談社文庫)より
406274936X
No.26:
(3pt)

心臓を貫かれてのパクリですよね

この小説のことは好きだったんですが、村上春樹が訳した『心臓に貫かれて』という本を読んで見方が変わりました。奈津川サーガはこのパクリみたいです。この本も、機能不全家庭に育った四人兄弟の話です。著者は四男で、長男は割とまともに育ち、次男は殺人を犯して死刑になり、三男は失踪します。石狩鍋ならぬチキンの皿をひっくり返したり、長男と次男の喧嘩のときに母親が長男を非難して驚かせたり、ってエピソードがあって、びっくりしました。舞城、そこまで露骨にパクんなくてもいいのでは、と思いました。
煙か土か食い物 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:煙か土か食い物 (講談社ノベルス)より
4061821725
No.25:
(4pt)

Can't stop xxxing.

 疾走独白ミステリィ。一言で言えばそんな感じ。確かに今までこんなスピード感のある小説は読んだことがなかった。もっと早く読めば良かった。そして物語の進行と同時に一人の男がありのままの自分をさらけ出していった。…それは裏を返せば、失踪毒吐くミスリード。ひとつ間違えば読者を置いてきぼりにしかねない勢いで、えげつないくらいに人間の内面を畳み掛けていることにもなる。でもそこでギリギリ裏返らない絶妙のバランス感覚がこの本には備わっている。と、思う。 途中で笑いがとまらなかったし、最後まで読むのを停められなかった。そしてこの物語の主人公であるところの奈津川四郎は最初っから考えるのをやめられなかった。微睡みの中でさえ。パターンを考え暗号を考えトリックを考える。犯人について、自分について、セックスについて、兄弟について──その先にある家族について。そうやってたどり着いたところには何があったのか。そこで得たものは果たして真実正しいのか。それは読んでのお楽しみ…。
煙か土か食い物 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:煙か土か食い物 (講談社ノベルス)より
4061821725

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!