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スクラップ・アンド・ビルド
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スクラップ・アンド・ビルドの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.56pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全190件 161~180 9/10ページ
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『火花』の影に隠れてしまった感じがしますが、こちらの方が読みやすく、ユーモラスです。 本当にぼけているのかよくわからない祖父、その祖父に早くお迎えがくるように介護する孫。 口の悪いわりに父親を引き取った母親。 これまた本音がよくわからない恋人。 ただ、ラストが唐突なうえ、これといった解決もないのは不満が残ります。 この点は『火花』と同様。 | ||||
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今の日本で起きているリアリティある内容が、ユーモラスに書かれていて面白いなと思いました。 | ||||
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ストーリーとしては地味かもしれないのですが、 主人公が仕事がうまくいかない/家族に問題がある/未来に閉塞感がある という悪循環から、 どうやって少しでも抜け出していこうか、と模索していて、 最後は少しだけ明るい兆しが見えて終わる感じでした。 主人公が介護を補助したり、体を鍛えたりして、徐々に自己肯定感をはぐくんでいく様子は、 少し滑稽な分とてもリアリティがあって、 祖父と自分を比較して共感を持ったり、優越感を持ったりする場面は妙に説得力がありました。 同時受賞で色々注目された作品ですが、やはり「家族」というテーマは文学において一つ、不動のものだと思いました。 主人公が実家を去ることは、親や祖父にとって試練でもあるかもしれませんが、 家族にとって必要な変化であり、彼が彼の人生を生きるには欠かせない決断のだと思います。 | ||||
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介護職としては祖父の状態に時々首を傾げたけれど、全体は面白く読めた。 主人公と恋人の関係がどうなったのかも気になるところ。 ただ芥川賞を読んだのが何十年ぶりで、最近はこういう傾向なのかと驚きもした。 | ||||
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正直そんなに爺さんいじめなくても と思った。 読んでいて可哀想に思えた。 リアルにうちの隣のおばさんと爺さまも こんな感じで、おばさんのでっかい怒った声が しょっちゅう聞こえてくる。 時代を反映させた読み物でした。 | ||||
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祖父、孫息子(主人公)、母。 母は主人公の母親にして祖父の実の娘。 血縁三世代の切羽詰まった家族愛が主人公の中で妙な熟成を始める。 主人公の感情の振れにかどっぷり付き合わされて一気に読み終えた。 羽田ファンになるかも。 | ||||
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羽田圭介は17歳で純文学の登竜門である「文藝賞」を受賞し、その後、30歳を待たずして、芥川賞候補4回目の本作品で見事受賞した。いわば純文学作家としてのキャリアは凄いのだが、同時受賞のお笑い芸人又吉直樹に注目が集まり過ぎ、可哀そうな面もある。 選評や新聞記事などを見ると、若年層とお年寄り世代の対立をユーモラスに描いた物語と書いているが、10年ほど前、父の介護に若干携わった身としては、本書の祖父の介護に、肉親としての主人公と母親の対処の仕方は、安物の映画やテレビドラマっぽくなくリアル感があって良いのだが、ユーモラスとは感じなかった。 20代の作家でこのような作品を書く才能は認めるが、細かくストーリーを追うと、恋人というよりセックスフレンドの亜美との交流の中で、無職の主人公に愛想を尽かしたのか、後半、誘いに乗らなくなり、ラスト、主人公が新天地へ向かう電車の中で、祖父のことは思うが、亜美に対して一言もないのが不自然で、取るに足らない存在だとしても、何か一言ほしかった。 | ||||
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純文学と言うのは、自分の内側でウジウジ悩んでいることを語って行くのがスタイルかと誤解してました。 主人公には行動力があり好感が持てました。 とても、面白かったです。 暗くなりがちな介護をテーマに、これまた暗くなりそうな就職活動中の若者の視点から描くと言うのは、とても新鮮でした。 そして、暗くならずに明るく読めてしまいました。 賛否あるかも知れませんが、私は、ラストが爽やかでスッキリしました。 作者の他の作品も読もうと思いました。 | ||||
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芥川賞作品は当編を含めダダイスム的な作品が多いと感じる。小生は高齢者であるためか割り勘でラブホテルを利用したセックスで憂さを晴らすとか、セックス描写で編を飾ることは好きでない。母親が認知症の祖父をいじめる描写も現代日本の世相かもしれないが、主人公の置かれた環境を表現するには格好の表現方法かもしれないが感心しない。編の終盤でそこそこ大手の会社に中途採用が決まったこと。国家試験のための受受験勉強が波に乗ってきた様子が主人公の中途採用決定に直接影響していないとしても、彼の未来に明るい兆しが見えてきたことと合わせて読者を安心させる。認知症の祖父を消極的にでも介護する姿勢は彼の置かれた状況を割り引けば技ありと評価できるのではないか。 | ||||
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読後感が良く、読んで良かったと感じられる作品でした。題材は暗いにも関わらず、“おじいちゃん”も“孫の健斗”も生きることについて貪欲で前向きだという共通点があると感じました。 私は健斗ほど若くはないけれど、だからこそ身体を鍛えたり、学んだりすることは必要なことだなと改めて感じさせられました。 芥川賞同時受賞の「火花」を先に読んだのですが、「スクラップ アンド ビルド」は流れる様なストーリーや登場人物の魅力もあり、流石にプロだなと感じました。比較すると「火花」は素人感が拭えませんでした。違いを感じたのは女性との別れの場面でした。本作ではさりげなく別れを連想させるのですが、「火花」ではこれでもかといったしつこさがありました。読後感も全く違い、読んでよかった本作と、読まなくてもよかった「火花」ぐらいの差がありました。(又吉さんごめんなさい。) | ||||
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「火花」が注目されてるがもう一つの芥川賞の本書は28歳の主人公 と87歳の祖父との微妙な愛憎を描いてるが介護という重いテーマを 笑いの要素を交えて表現しており全体的に読みやすい、特に死にたい を口癖のようにいう祖父、孫息子は死を叶えようとする、しかし一般的 に老人になると生にしがみつくというように、この祖父も同様であること を孫息子は気づく、この表現等は作者の技量が高く個人的には「火花」 より「スクラップ・アンド・ビルド」に軍配を上げたい。 | ||||
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特に悪くないと思うけど、絶賛するレビューが多かったので、感想としては物足りなかった。 | ||||
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小説は常に時代を反映したものだ。 そんな誰かの言葉を思い出しました。その言葉を尺度とするなら、これはまさに小説。完全に時代を反映しきっている。読者を惹きこむ設定のもと、淡々と描ききって、気づいたら読み終わっていました。 羽田さんの著作はデビュー作の「黒冷水」以来。受賞の報道で、羽田さんが芥川賞!?と正直驚きました。偏見かもなのですが、なにせ読みやすくて、文体に純文学らしい奥行きある表現は割と控えめな方だな、という印象で(純文学ってなんだ?よくわかんないけど)。 今回も、さっぱり読めました。介護、年金、戦争、若者の負担。ある程度政治や経済に関心を寄せる若者であれば共感できる内容がてんこもり。 ただ、そうした重々しく語られるテーマを、人を惹き付けるユニークな発想や設定で、わりかしさっぱりと書いていく。かといって、その文体に微塵も雑さを感じない、むしろ読者を引き込むように練られている、というのがとても好印象。 あれはどうなったんだろう?と終わりまで分からないこともあるのですが、逆に主人公の視点になりきるなら分からないままなはずで。リアルを書くならそれでいいわけですね。 正直、何でも分かりたい知りたい読者の人にとっては消化不良を起こすかもしれません。そういう方にとっては「どうなったの?」「結局この話どういう展開だった?」と感じてしまうかも。 ただ、それでも最後までページを進めてしまうっていうのは、もはや文体の技巧以外の何物でもない。そういう意味では、やっぱり羽田さんって巧いんですね。 すごく欲張ったことを望めば、登場人物をところによってはもっともっと人間臭くして奥行きを出すシーンが欲しかったです。さっぱりしすぎていて。終始ドライでいくので、黒冷水の時に見せた泥臭い雰囲気とか、羽田さんなら絶対に書ける生々しさっていうものが欲しかった。テーマがテーマだけに淡々としすぎず一つのシーンくらい汚すと広がり豊かになったのかなあと。もちろん欲をいえばですが。 ともかく、おもしろかったなあ。 芥川賞受賞、おめでとうございます! | ||||
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28歳の健斗が主人公です。 務めていた会社を辞めて、中途入社の応募と資格取得で日々を過ごしています。 そんな彼と毎日過ごすのが、87歳の祖父です。 祖父の介護に明け暮れる中で、「早う死にたか」と言う祖父の言葉に、介護の中で「安楽死」と言う言葉を胸に秘めます。 実際、「介護」の場面にあたるといろいろな問題に直面します。 この物語にある様に、自分の実の娘に介護される場合には、どうしても甘えようとする病人と、それに対しきつく当たる娘と言うのは、良くあることです。 それに対して、主人公が甘えさせて体力や精神力を萎えさせる方法を取ったりします。 この物語は、祖父の面倒を見る孫と言うスタイルをとっていますが、実は、孫にこそ「スクラップ・アンド・ビルド」が起こっています。 祖父の介護をする中で、主人公は自らの生活を再建してゆきます。 それまでの甘ったれの若者から、責任ある社会人への成長の物語と言えると思います。 | ||||
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東京・多摩ニュータウンに住む27歳の健斗は 母・祖父と3人で暮らしている。 健斗はカーディーラーを5年でやめて求職中で 認知症ではないけれでも、健康ではない祖父には それなりに手がかかっている。 祖父は口癖のように「早く死にたい」と言う。 そんな日々が描かれている。 私にとって、それほど興味を惹くテーマではなかった。 話題作でなかったら、手に取らなかったかもしれない。 しかし読み始めると、はまっていき 作者の力量をとても強く感じた。 自分の親が老いたら、 ひいては自分が老いたら、 特にやることのない日々を どう過ごすことになるのだろう。 薄々気になってはいたが目を背けていたことに 本書を読んで向き合うことができた。 | ||||
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作品の冒頭から最後まで、同じ表現が乱発されている。 数ページに一度、「つまり」、「つまり」、「つまり」 作者の表現をそのまま借りるなら、つまり、自分の表現に自信がないから、 「つまり」という言葉を使って、数行ごとに端的な表現を繰り返さないと、読者に伝わらないのだ。 芥川賞は文章の美しさ、独特の表現で読ませるもの。 しかし、この稚拙な文章表現は芥川賞候補とすら呼べないレベルの低いものである。 12年のキャリアというが、この著者はただ時間を浪費していたに過ぎないのではないか。 インタビュー記事を読んだけれど、「公務員を考えたがやっぱり辞めた」と。 これもステレオタイプだ。公務員もピンキリだろう。 それに、公務員は手続きをすれば作家になれるはずだ。 なのに、記事ではあたかも、 「オレは安定した世界に行きそうになったけど、ギリギリで足を踏みとどめて無頼の小説家の道を選んだぜ」 という、いまどき、誰も感動しないようなニュアンスの寄稿をしている。 この作品、作者の底の浅さ随所に感じる。 若手だけど、10年以上のキャリアだから、そろそろ賞をとらせてあげようという 公務員以上の年功序列主義のなかでの、「がんばったで賞」的受賞。 つまり、つまり、つまり、 何の価値もない受賞である。 これからこの作品を読まれる方は「つまり」という表現が何度出てきたか 数えてみてください。ほかの小説に比べてびっくりするくらいに多いです。 | ||||
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芥川賞受賞作。 「火花」を読み終え、やはり、もう1作も読まねば、片手落ちかと購入。 読み始めて、買ってよかったと思った。 いい小説だと思う。 最初、題名がめんどくさいと思ったが、読後に納得した。 平易な文章ながら、静かに深く描かれていていいと思った。 「火花」はいいのだが、どこか、過剰な修飾がされている文章だなと思えたのだが、この小説は、「abさんご」の雰囲気に似ていて、できるだけ平易な文章で書くというような決心を感じさせた。 そして、この決心は、この主題を見事に浮き上がらせていると思った。 終盤の仕舞い方も無理がなく、過剰に書きすぎてもいないところがよかった。 とても読後感のいい作品だと思う。 | ||||
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ほとんど下調べもしないで書けてしまう、物足りないストーリーでした。 知的好奇心を全くくすぐらない、全部聞いた事ある話しで、こんな感じで芥川賞って穫れちゃうんですね、という感想です。 無理に受賞者出さなくてもいいんじゃないでしょうか…。 | ||||
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又吉直樹の火花が予想外に安定した執筆技術を発揮していたのでこちらの作品も読んでみました。しかし句読点の使い方がおかしかったり、センテンスの長さがバラバラだったりとかなり読みにくい作品でした。明らかに又吉の方が純文学に触れてきた量が多いのでしょう。表現や言葉の使い方には、雅語的〜実務的とか文語的〜口語的あるいは専門的〜一般的といったグラデーションがあると思いますが、結構気にしてないですね。その結果、医学用語の突然の登場や、聞いたこともない横文字など、ここでその表現を使うかと驚く(悪い意味で)ことが多く、「痛い」文章も所々あります。言葉を自由に使うこともテーマの一つのようなのでそれもありですが、読者が恥ずかしくなる文章はダメでしょう。それと性描写が露骨かつグロかつレトリックなしなので、非常に気持ち悪いです。こういう性描写は村上春樹などでよく見かけますが、個人的には好きではないです。谷崎や三島をよく読んでからトライしてもらいたいところです。(グロい性描写が好きな方もおられると思いますのであくまで個人の意見です)。ストーリーとしては新しい発想に基づく安楽死の提案で、若干ユニークです。しかし最後はお約束の予定調和で、要介護老人とフリーターを大々的に配置して、生々しくその生活を描写したことに対する総括がなされていません。私小説だというならそれでも良いのですが、その割には読者に社会的な問題として受け取ることを期待しているような節があります。極端な結末に持っていくことを躊躇ったためとは思いますが、よくわからん小説というのが正直な印象ですね。 | ||||
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芥川賞受賞作品ということで興味を持ち先ほど読み終えましたが、とにかく若いなという印象です。 決して崇高な文学作品じゃない、自分と同じ年頃(私は25です)の青年のリアルな感情そのものが読み物となったものです。 家族に甘え、日々「苦しい」「死にたい」と弱音を吐く祖父への主人公の苛立ち、憤り、恐怖、そして祖父の「本当の望み」への理解。 物語自体は泣かせにくるようなものでもなく、劇的な結末を迎えるでもなく、この世の中のどこかには居そうな主人公と、その祖父の日常があるだけです。 物語の内容如何ではなく、このリアリティこそがこの作品の凄みなのだと思います。 | ||||
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