逮捕に必要なのは、記憶、視力、そして直感。

国内篇2001年、新聞社を辞めたばかりの太刀洗万智は、編集者から海外旅行特集の協力を頼まれ、事前調査のためネパールに向かう。

1975年、偉大なる総統の死の直後、愛すべき祖父は何者かに殺された。17歳。

すべての女は男の携帯を見ている。男は…女の携帯を覗いてはいけない! 話題の芥川賞作家による、家庭内ストーキング小説。

太平の世に行き場を失い、人生に惑う武家の男たち。身ひとつで生きる女ならば、答えを知っていようか―。

ようこそ。ここは地球の歴史がいちど終わったあとの新しい世界―弱肉強食の大西部。

謎のカルト教団と革命の予感。自分の元から去った女性は、公安から身を隠すオカルト教団の中へ消えた。

9歳のさきちゃんと作家のお母さんは二人暮し。毎日を、とても大事に、楽しく積み重ねています。

1944年6月6日、ノルマンディーが僕らの初陣だった。

1972年夏、キクとハシはコインロッカーで生まれた。

「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性が気になって仕方のない〈わたし〉は、彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で彼女が働きだすよう誘導し……。

伝えられなかった言葉。忘れられない後悔。

一つ年上の幼馴染、千種と付き合う十七歳の遠馬は、父と父の女の琴子と暮らしていた。

六本木のコンプレックスビルで開催される国際映画祭。

長谷川初実（ハツ）は、陸上部に所属する高校1年生。

ロケットエンジンのバルブシステムの開発により、倒産の危機を切り抜けてから数年――。

35歳。起業しポルシェを購入した太郎。

死刑制度が廃止された近未来の日本。

高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律に魅せられた外村は、念願の調律師として働き始める。

俺、28歳。金もなけりゃ、女もいない。

世界大戦をきっかけに、人工授精が飛躍的に発達した、もう一つの日本(パラレルワールド)。

この仕事、ブラック過ぎて腹が減る――敵はヤクザ、刑事、そして国家権力。

友もなく、女もなく、一杯のコップ酒を心の慰めに、その日暮らしの港湾労働で生計を立てている十九歳の貫太。

36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。

映画製作への出資金を持ち逃げされたヤクザの桑原と建設コンサルタントの二宮。

編集者須賀は渋谷のスクランブル交差点で女性を襲うゾンビを目撃する。

無活用ラテン語で書かれた小説『猫の下で読むに限る』で道化師と名指された実業家のエイブラムス氏。

出産を巡る女性の実状を描く社会派ミステリー 「子どもを、返してほしいんです」親子三人で穏やかに暮らす栗原家に、ある朝かかってきた一本の電話。

今から100年前、殺人は悪だった。10人産んだら、1人殺せる。

7年前、25歳で死んでしまった一樹。

華やかでモテる女子高生・愛が惹かれた相手は、哀しい眼をした地味男子。

クラスでは目立たない存在の結佳。

完全に奴隷の状態にならなければ見えてこない世界を見たい―クラブの女王様とのプレイを重ねるうちに、究極の快楽を求めるようになった証券マンが見たものとは?表題作のほか、アナウンススクールの講師と生徒、奴隷と女王様、ふたつの世界が織りなす奇妙な交錯を描く「トーキ

3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。

秋田の貧しい小作農に生まれた富治は、伝統のマタギを生業とし、獣を狩る喜びを知るが、地主の一人娘と恋に落ち、村を追われる。

新たな代表作の誕生! 20年ぶりの書き下ろし あたしは、月のように死んで、生まれ変わる──目の前にいる、この七歳の娘が、いまは亡き我が子だというのか? 三人の男と一人の少女の、三十余年におよぶ人生、その過ぎし日々が交錯し、幾重にも織り込まれてゆく。

天才ギタリストの蒔野(38)と通信社記者の洋子(40)。

受験を控えた私の元にやってきた家庭教師の「先生」。授業は週に2回。

英雄を失った島に、新たな魂が立ち上がる。固い絆で結ばれた三人の幼馴染み、グスク、レイ、ヤマコ。

娘の緑子を連れて大阪から上京してきた、「わたし」の姉でありホステスの巻子。

魔犬の呪いで妹を失った三きょうだいは、ママと一緒にパパが残してくれた別荘に移り住む。

読み終えた後、目の前の世界が変わる。芥川賞作家が書き続けてきた日常と想像のあれこれ。

きっと誰にでも「やり直したい」ことがある。

就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから――。

かけがえのない人間関係を失い傷ついた者たちが、再び誰かと心を通わせることができるのかを問いかける短編集。

27歳のタクシードライバーをいまも脅かすのは、親に捨てられ、孤児として日常的に虐待された日々の記憶。

同情は美しい? それとも卑しい? 優しくたって、美人だって、幸せになるのは一苦労。第6回大江健三郎賞受賞作。

僕はこの世界に左足から登場した―。圷歩は、父の海外赴任先であるイランの病院で生を受けた。

「この世界にアイは存在しません。」入学式の翌日、数学教師は言った。

あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。

舞台は近未来の島国・R帝国。ある日、矢崎はR帝国が隣国と戦争を始めたことを知る。

玄武書房に勤める馬締光也は営業部では変人として持て余されていたが、新しい辞書『大渡海』編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられる。

埼玉県行田市にある「こはぜ屋」は、百年の歴史を有する老舗足袋業者だ。

「突然のメッセージで驚かれたことと思います。失礼をお許しください」―送信した相手は、かつての恋人。

宮沢賢治は祖父の代から続く富裕な質屋に生まれた。

極端に臆病な幼い有里の初恋の相手は、文房具屋で買った銀のステッキだった。