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黒革の手帖
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【この小説が収録されている参考書籍】
黒革の手帖の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.25pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全124件 101~120 6/7ページ
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舞台は、欲望と愛憎が渦巻く夜の銀座。 主人公は、平凡なOLから銀座のママへと華麗なる転身を遂げた原口元子。彼女は、銀行の架空口座リストが載った一冊の“黒革の手帖”を武器に、次々と裏口座を持つ大物たちを獲物に銀座の頂点へとのし上がって行く。しかし、そこには罠が。。。 | ||||
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後半の、どんでん返しであっという間に元子が転落していくところは、テンポ良く書かれていることもあって、元子が転がり落ちていく様を疑似体験しているようだった。 どうせみんな汚い金を作っていて、狡賢く金儲けしている人がいっぱいいる。今まで、(特に女性で昔の銀行だと)まじめに働いてもあまりいいことがなかったんだから、その汚い金でいい思いくらいしたって、別にいいんじゃないか、そう思い始めた頃、元子と一緒に転落を味わうことになる。 半ばまで、理不尽な世だし、悪知恵でやりあうのも当然か、と思ってしまっていたが、やっぱり最後は悪いことはしないに越したことないと思ってしまうくらい怖い。 怖いのは、怖い人がたくさん出てくるからと言うだけじゃなくて、ふとしたことから、その怖い人や悪い人に自分もなる可能性がないとは言えないからかもしれない。 | ||||
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社会の底辺にうごめく人間がのし上がっていくストーリーや、悪党が本物の悪を相手に己の力だけを武器に対決するようなストーリーが大好きです。 読み始めた時は、そうしたピカレスクロマンを感じてワクワクしました。 その期待感が裏切られたのは、後半、主人公が罠にはめられてからです。 反撃するには残りのページ数が少ないな〜と思っていたら、結局反撃できないまま終わってしまいました。 結局作者が書きたかったのは、最後のシーンなんでしょうね。 最高に怖い結末。 ただし、僕のようにピカレスクロマンを期待した人には不充分な内容かな(作者は別にそれを狙っていないだろうけど) ちなみにピカレスクロマンの最高傑作は、大藪春彦氏の(蘇える金狼)と思っています。 | ||||
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昔、母が松本清張の小説を好んで読んでいたのを思い出し、先日購入しました。 銀行員による預金の横領はつい先日もニュースになったばかりで、20年前も今もあんまり変わらないなぁ、なんて。 横領した金を元に銀座で成功していこうとあれこれ悪事をはたらくストーリーが面白く、ぐいぐい引き込まれましたが、最後の結末は (悪事をはたらいた天罰だといえばそうなのかもしれませんが) 同じ女性としては、なんとも後味悪かったです…。 | ||||
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平凡な女性が銀座のママへと上り詰めていくストーリー。。。人間模様がとても怖いです。。。 | ||||
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ドラマと小説のクライマックスが微妙に違うところに注目!! | ||||
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先に米倉涼子主演のドラマを数回観て、是非原作も読みたくなった。最近あまり小説を読めなくなっていたのは、加齢による想像力の枯渇と感情移入が出来なくなってきたせいだと思っていたが、先にドラマを観ていたので本書の登場人物のイメージ作りは極自然に出来た。ただ原作とドラマでは多少キャラのイメージ・ギャップもある。まず主人公原口元子は米倉涼子では美人で背も高すぎ、もっと地味で狡猾なタイプだ。一番イメージが違うのは柳葉敏郎の橋田医進予備校理事長だ。背が低くずんぐりした、頭の薄い中年(初老?)のスケベオヤジでなきゃ。一方、小林稔待の楢林院長や、釈由美子の波子なんかは正にピッタリの役で、読んでる間ずーっと彼らの映像を頭に描いていた。 | ||||
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お見事!鮮やか!としかいいようがない、銀座ママ 原口元子の成り上がり、伝説。しかもその手口が、圧巻!これでもかこれでもかと、畳み掛けるように、華麗に抜かりなく悪事を働く。彼女の罠に、男達がいとも簡単に、はまって行く。 もちろん上・下巻でね! | ||||
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時代背景も違う、もちろん金銭の価値も異なる。しかし、そういったことを感じさせない力強い作品である。黒革の手帳を元に男達から金を引き出すしたたかな原口元子。そして驚愕のラスト。十分に堪能させて頂いた。20年以上経ても全く色あせない作品。作者に脱帽である。 | ||||
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原口元子という稀代の悪女を巨匠が容赦なく描くピカレスクロマンです。 地方在住の貧乏サラリーマンには銀座のバーのことはわかりませんが、詳細に取材したことが窺えます。 また医師の脱税や政治家およびその秘書のあくどい行為に関する描写には著者の正義感をひしひしと感じます。 あまりに面白いため、ついつい夜更かししてしまいました。「下」もこれから読みます。睡眠不足が続きそうです。 | ||||
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男の不法行為に目をつけ男を脅迫することで財産を得る、一種正義の味方である主人公の末路がああで、男に寄生することで地位と財産を築いていく女の運命がああなる、というのは全くもって納得がいかない。今時の女性はこの結末に腹を立てないのだろうか。ほんとは面白かったのだが、その一点だけで評価×。 | ||||
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テレビで黒革の手帳の最終回を見た で夜の銀座の世界に惹かれ 思わず読みたくなり買ってみた 主人公が一人で身を処すため 架空口座をメモした手帳を人質にした公金横領 それに続く 医者と医大予備校理事長の脱税と隠し財産のメモを人質にした恐喝 シチュエーションが想像できるだけに 読み進むうちに本の世界にどっぷり引き込まれてしまった しかし騙し恐喝していたはずが 店を追い出した女性キャストのパトロンの計略にはまり いつのまにか大掛かりな芝居にひっかかり 逆に騙されて全財産を奪われる この展開が最後の最後まで見えずハラハラドキドキしどうしだった 油断大敵ということか 自分の人生の中でもありえない話で無いので ひときわ恐い テレビでは小説の続き風にその後 主人公が仕返しをし大どんでん返ししているが ここまでのストーリー展開で十分おもしろかった | ||||
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かつて、ある読書好きの水商売の女性と清張のベストワンは何かという話になった。彼女が言下に挙げたのが本書。未読だった(未熟だった?)当方は、さっそく開いてはみたものの、主人公元子にも銀座の生態にも、当時それほど興味は湧かなかった。当方は『張込み』のような短編、長編なら『Dの複合』や『ゼロの焦点』のような、旅情に裏打ちされた悲劇が好みだった。 あれから10年近く。最近のリバイバル熱にほだされて久しぶりに清張ワールドに近寄ったところ、その磁力の相変らず強いこと。そして今回は、読み耽ってしまった……。くだんの女性は、とっくに元子よりも年を重ねているだろう。当方も、本書に登場する男性では若いほうに属するとはいえ、充分オッサンの安島に近い年齢になった。銀座には相変らず縁がないが、男のえげつなさ、そして金の魔力にさんざん痛めつけられて読んでみると、20~30年前と現在との風俗の違い、男女観の違いを超えて、どろりと胸に迫ってくる。清張は恐ろしい。いや、女性が恐ろしいのか。 | ||||
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名著の著者は有名なだけではない、このことを改めて実感。昔のものであることは時代背景を考えても明白。なのに読みきらせる面白さ。オチはちょっと先に読めてしまうが、仕込みオチでも面白い。しかし、著者はやはり男性だなあ・・女性の生理には微妙な理解の浅さが・・・上巻ともども一気読みがベストです。 | ||||
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最後の1ページまでは、お水の裏世界を覗いている楽しさ。最後の1ページは、背筋が凍りました。 | ||||
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…さっき読み終わったのですが。なんとも言い辛い結末。ちょっと言葉で説明し辛い小説ですね。凄く。この結末のクソ重さ…ちょっと厳しいですね。かなり精神的に大人じゃないと。…「自業自得」「因果応報」「身から出た錆」「策士策に溺れる」この物語を形容する言葉はいくつか思い浮かびますが…一番「因果応報」が近い様な気がしますな。なんとなく。そしてそれこそ一番著者の言いたかった事で伝えたかったこと…ではなかろうかと。個人的感想。星五つ。 | ||||
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TVドラマ化に触発されて手に取りました。物語の進行具合も楽しめますが、あぁ、この当時って、こういう感じだったよなぁ、という世の中の様子や価値観のようなものが思い出されたりして、なんだか懐かしく感じられます。元子が、狙ったターゲットからいろいろ情報を引き出していくくだりは、「おぃ、そんなにしつこく聞いたら、絶対怪しまれるぞ...。」という気がしないでもないですが、話の展開が読めず、十分に楽しめる内容となっています。 | ||||
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の本の時代は、携帯電話がなかったので、よく公衆電話を使っているが、特に気にならないと思う。物価も法務局の謄本の取得は今は1000円だが300円くらいになっているところが気になったくらいでそれ以外の、クラブの購入資金などは特に気にならない。ドラマを途中から見たのでストーリーが気になり購入したが、さすが松本清張だと関心した。特に、上下刊の下は迫力あり。特にドラマではわかりずらい元子の心理描写(なぜ医大理事長の橋本がそんなにきらいなのか?など)が、よくわかる。おれおれ詐欺も今は演技力、複数の時代。いつの時代も変わらない。 | ||||
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女性が美しく着飾り、それを男性が酒とともにめでる、自然なことでそれを理解し商売にしている女性は賢いと感じた。が、それ相当の危険、落とし穴もある。 本書に登場する元子は元銀行員。男性優位のお堅い社会の職場から一転、夜の水商売に三十路を超えて入っていった。私は別にお堅い職場で働いていないが三十路を超えていることもあり元子の考えも女性ととして共感できる部分が多々あった。とても約20年前の話とは思えないリアリティがあって面白い。 元子の経営するバーに来店してお金を落とす男性には医師などお堅い職業の人たちがいる。普段の仕事をしている自分の精神のバランスをはかるために派手な遊びもするという話のくだりもあり、男性心理の一端も覗けた面白さもあった。 元子はパトロンを持たずに自ら得た知識、知性を武器に華麗に資金を獲得しバーを切り盛りし次の野望へと計画を練っていく。そこがまた魅力的に思う。しかし、いつ誰と色恋沙汰になるかなどそんなハラハラする展開もあり、元子の考えの行方とともに非常に気になる。 下巻もテレビドラマの方も行末が楽しみです。 | ||||
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あまりにもテレビドラマが面白かったので先に読んでしまおうと上下巻あわせて購入しました。この小説は1980年の作品で日本経済がこれから頂点をきわめようとしていたドロドロしていた時期です。自分もその頃会社員の経験があるのでよくわかりますが、男社会の中では地味で一生懸命仕事をする女子社員は便利な部品のように踏みつけにされてきました。主人公元子は銀行であってはならない架空口座の担当をしたことをきっかけに、銀行や架空口座により脱税をしている男たちから金をまきあげ、銀座のバーのママという自分の城を築きあげます。彼女の行為は悪なのですが、もっと悪い人たちを懲らしめるという意味で胸のすくような、珍しい女性を主人公としたピカレスク(悪漢)ロマンです。20数年前の作品とはいえ、悪はいつの世にもはびこっているものだと痛感、また著者のみずみずしく、洞察力あふれた筆致が古さを感じさせません。読書の楽しみを十分味わえる作品です。 | ||||
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