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清張の迷宮 松本清張傑作短編セレクション



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    初公開日(参考)2024年07月
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    短編集

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    清張の迷宮 松本清張傑作短編セレクション (文春文庫)

    2024年07月09日 清張の迷宮 松本清張傑作短編セレクション (文春文庫)

    数百作におよぶ松本清張の短編の中から、 ミステリ界の旗手二人が各々のベストを厳選! 二人をして「文句のつけようがない」と 唸【うな】らせた傑作ミステリや、 人間への鋭い洞察が深い余韻を残す名作、 編者のセンスが光る意外な逸品など、 大作家の魅力を存分に味わえる10作を収録。 〝清張入門〟にもうってつけの珠玉のアンソロジー。(「BOOK」データベースより)




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    清張の迷宮 松本清張傑作短編セレクションの総合評価:9.25/10点レビュー 4件。Bランク


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    (9pt)

    清張の迷宮 松本清張傑作短編セレクションの感想

    大御所作家2名によって厳選された珠玉の短編集。
    特に考古学を題材にした作品は、清張氏の真骨頂ともいえるのでは。どの作品も読みやすく、情景が浮かびやすく、まさしく清張作品入門編としても読みやすいと思います。
    掉尾を飾る有名な「天城越え」(アンチ伊豆の踊子ともいわれているようだが)は、それにふさわしい作品でした。
    当短編集を選択されたお二人に感謝を伝えたいと思います(なんて大げさかな?)

    本好き!
    ZQI5NTBU
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    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
    未読の方はご注意ください

    No.3:
    (4pt)

    松本清張作品を読み込んだ人に読んでもらいたい。

    これまで読んできた松本清張作品よりも文章がやや難しかったです。
    『佐渡流人行』『月』『田舎医者』など、情景が浮かび上がり怖くもなりました。清張地獄はあまりないです。
    北村薫・有栖川有栖が選んだものということで、彼らの色が出ていました。対談もよかったです。個人的にはオチに清張地獄がないので、残念に思いました。どれもラストに意外性があって魅力的でした。
    これも個人的な主観ですが初心者向けではなく、松本清張作品を結構読み込んだ人におすすめしたいとも思いました。
    清張の迷宮 松本清張傑作短編セレクション (文春文庫)Amazon書評・レビュー:清張の迷宮 松本清張傑作短編セレクション (文春文庫)より
    4167922444
    No.2:
    (5pt)

    一冊で2度、いや3度も4度も楽しめる

    松本清張の昭和の短編集なので、もちろんすべて既読の作品ばかり。という長年の読者が大半なんだろうなと思いつつ。
    最後にお読み下さい、とわざわざ書かれていたのに、どうせもうネタバレしてますからね、と巻末の有栖川有栖さんと北村薫さんの対談から読み進めてしまい、軽く後悔。
    あの短編ってそんな内容だっけ?と慌ててページを戻す。読み終わってもう一度、巻末の対談に戻る。懲りずにまた次の短編の対談部分まで読み進めてしまい、あれれ?と短編に戻る。
    そんなこんなで、あちこちページをめくりながら一気に読了。そしてまた、じっくり作品だけを通し読む。
    歳を重ねて記憶が薄っすらしてきたけど、令和になってまた改めて清張を味わえる!と思えばそんなに悪くはない
    清張の迷宮 松本清張傑作短編セレクション (文春文庫)Amazon書評・レビュー:清張の迷宮 松本清張傑作短編セレクション (文春文庫)より
    4167922444
    No.1:
    (5pt)

    小説を読む楽しさ。

    松本清張の短編を、有栖川有栖と北村薫が5編ずつ選び出したもの。
     さすが清張といいたくなるほどに各短編のレベルは高い。
     1956年(昭和31年)から1972(昭和47年)まで書き綴った短編。今年(2024年)
    に上梓されている。清張の人気衰えず、読み継がれる作家として遇されているよ
    うで嬉しい気持ちになる。

     人によって読み取り方は様々だろうが、清張の面白さは短編にあるかと思って
    いる。出世作の「或る『小倉日記』伝」もむろん短編であるし、長編よりは短編に
    才が光る。長編は必ずしも質が高いとは限らない。映画化された「砂の器」も、作
    品自体としてはどう評価されるだろうか。緊張感のある映像はよくできていたが、
    小説とはその内容が大きく異なる。

     清張の長編は「間延び」感がある。しかしこの短編集は、そのストーリー展開の
    早さ、最後の一ひねりも効いていて、小説を読む楽しさを提供してくれる。さす
    がは清張。
     本短編集に収載されている作品は、(多少あやふやな記憶であるが)2編ほどを
    除いて読んでいる。そのため途中で「オチ」に気づくこともあったが、それでも面
    白かった。

     作品の舞台は多くは昭和だが、江戸期や明治期を描いた作品もある。バラエテ
    ィに富んだ編集となっている。重苦しさも感じさせる清張の筆から生み出される
    作品は、どれもが「実話」であってもおかしくないリアリティがある。清張のこの
    作風が高度経済成長期に愛されたのは、高度成長期の裏側にあった「酷薄さ」「残酷
    さ」を示しているのかもしれない。今の時代に新しくこの短編集が編まれたのも、
    未だに一皮剝けば「貧困」が存在していることも一因だろう。
     ごく簡単に各作品の感想を。

     「理外の理」は売れなくなった作家と、作家の「恨み」を描く。最後の意外な結末
    に、これと類似する「地蔵背負い」を想起するが、これは実際にあった殺害方法を
    小説化したものだろうか。人間の暗い怨念もここにある。

     「佐渡流人行」は江戸期の、「月」は敗戦直後を舞台とする。清張が得意の、あっ
    さりしているようで実はドロドロしている男女関係を根底に据える。「月」の最後
    の一行、「流人行」の最後の3ページほどは息をのんだ。会話文の少ない「月」は丁
    寧に組み立ててある、

     戦後直後の動乱期を舞台とすると、清張の筆は止まらない。陰鬱な物語が急展
    開し思いがけない結末へと繋がる「白い闇」。清張はまるで東北生まれのように、暗
    さの漂う北日本がよく似合う。
     「詩と電話」は哀しさばかりが目立つ。清張らしさもあるが、どうにも収まりが
    悪い作品。

     「装飾評伝」は初めて読んだ作品だった。緊密な文体で一つ一つ事実を積み上げ
    る。少しずつ真実が見え始めると、そこには恐怖が姿を現す。
     「強烈な太陽に灼き枯らされた育たない植物」であった主人公。何という、読む
    者の心を冷えさせる物語であることか。

     旧石器偽造事件は2000年に露見した。考古学は果たして学問たりうるのかと、
    考古学自体の「科学性」すら危うかった事件だった。清張没して8年後の事件。
     清張が取り扱う学問は、古文書を元としたり、考古学を元としたり、清張自身
    が古代史から日本の歴史に造詣が深かった。清張は学会の中で不遇な者を好んで
    取り上げた。アカデミズムの持つ「胡散臭さ」がよく出ている。
     「鳥居竜蔵」の名前が出てくるが、この作品には何かモデルがいるのだろうか。
     清張は学歴のないことでかなりの苦労をした。主人公もやはり学歴の言う名の
    壁に立ち向かっている。
     収載作品随一の出来映え。清張の「怨念」すら感じた。

     底流に、人間の心の闇がある「田舎医師」。
     「天城越え」は少し捻った推理物。

     清張が描くと、どの作品も娯楽作品としてよりも、人間の弱さや仮借なさ残酷
    さ醜さ、が際だってくる。経済成長の陰になるような物語をいくつも紡いできた。
    物語はどれも物悲しい。
     清張亡き後(もう30年も経つが)、ついに清張を嗣ぐ人はいなかった。これは
    森村誠一がいる、こう反論する人もいるだろうが。
     ゆっくりと味わいながら本書を捲るのがいいと思う。

     私はこの短編集を読んで、久々に「読書の楽しみ」を味わった。
     そして今は絶版となった、「宮部みゆき責任編集 松本清張傑作短篇コレクショ
    ン」を思わず3巻とも購入してしまった。
     文句なしにお勧めです。
    清張の迷宮 松本清張傑作短編セレクション (文春文庫)Amazon書評・レビュー:清張の迷宮 松本清張傑作短編セレクション (文春文庫)より
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