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老人と海
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老人と海の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.13pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全245件 201~220 11/13ページ
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この作品の筋は実に単純だ。老漁師が一人でカジキを釣り上げるが 帰港の間に魚をサメに食べられてしまう。それだけだ。 「単純」な話と「簡単」な話は似ていて非なるものだ。この作品が その良い例だと思う。 この話は漁師の「敗北」を描いているのか、「勝利」を描いているのか。それすらはっきりと断言できない。それほど 難しい話なのである。 カジキを持って帰れなかったという筋だけを見ると「敗北」の話だ。但し 老人はカジキを釣り上げた点を見ると これは紛れも無く「勝利」と言える。特に 老人は 既に漁師としての盛りを過ぎたと言われていた環境を考えると「大勝利」であると言ってよいと思う。 但し、と思う。 但し この話は やはり「敗北」の話なのではないか。そう読む方が 味わいにぐっとコクが出てくるような気がしてならない。 「敗北」には ある種の甘美さがつきまとう。負けっぷりの良さ という言葉もあるが 僕らは どこか敗北の中に美を見る部分があると思う。「老人と海」という シンプルな話が美しく煌くとしたら その漁師の敗北の美学ではないだろうか。 繰り返すが この話は単純で 難しい話なのだ。色々な読み方が出来る。そんな本は余り多くない。 | ||||
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ヘミングウェイの作品を読むのは、若き日に書かれた短編集以来二作目だが、本作は幾分ハリウッド的な、大衆受けを打算しての作品ではないかと思いました。 プロットが解り易く、枚数も短いので、いささかアメリカ人受けしそうな作品です。 とはいいつつ、≪氷山の理論≫を用いたヘミングウェイらしさも、もちろん失われてはいません。 「しかし、おれは考えずに入れない。だっておれに残されたことといえば、それだけだからな。それと野球だ。」 「おれにはよくわからない、罪を信じているかどうかもはっきりしないんだ。たぶん罪なんだろう、魚を殺すってことは。たとえ自分が食うためであり、多くの人に食わせるためにやったとしても、罪は罪なんだろうな。 でも、そうなれば、なんだって罪だ。罪なんてこと、考えちゃいけない。」 と、船に乗りながら自問自答を繰り返す繊細な老人サンチャゴは、まさにヘミングウェイの投影であるに違いありません。 巨大なカジキマグロを仕留めながらも、サメに肉をついばまれて、持ち帰った時には骨になってしまうという結末も、いわれもない虚無感を表現していて、逆説的に人間存在の罪に対するアイロニーを残していると思いました。 ただ、若き日のヘミングウェイの作品よりも、エネルギーが衰えているように感じてしまったことも事実です。 | ||||
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特に好きな作品で、日本語翻訳版(本書)と英語版原書とを何度も読み比べてみた。 結果として、日本語翻訳版の方が、心の中に、その神髄を真摯に訴えてくる様にも感じる。 英語版原書の英語は、表現にかなり口語的な部分があるが、翻訳はその部分も含めて、巧みになされている。 老人とかじきまぐろとの死闘が繰り広げられるが、その臨場感に汗まで噴き出す思いだ。 そして、意外かつ哀愁に満ちてはいるものの、こんな結末であっても、爽やかだ。 私はこの作品を、中学生の時に一度読んだ。 しかしその時は、老人をこの死闘に駆り立てるものが何か?という事を読み取れなかった。 その後、色々な事に挑戦してきた今になって、じっくりと読んでみると、無性にこの作品が愛おしい。 執念とは、こういうものなのだ。 重要なのは、結果ではなく課程と強い想いだ。 老人の闘志は、次第に友情に変化したのではなく、当初から友情だったのかも知れない。 そうでなければ、老人は、この様な強い執念を維持出来ただろうか? 執念を「情念」と言い換える事も出来る。 人生の節目節目で読み返したい作品だ。 | ||||
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あまりにも有名な作家だが、手に取ったのはこれが初めてだった。 薄手の文庫本だが、内容は非常に濃密である。 と言ってもストーリーはすべて裏表紙に示してある。 年老いた漁師が巨大なカジキマグロを釣り上げた後にサメに襲われる、というものだ。 しかし、その描写がすさまじい。これぞサバイバルだ。 年老いてはいても、老人は最後まで漁師であり男だった。 肉体と精神を極限まで酷使してなお、その尊厳を守りぬいた男の姿には後光すら感じられる。 ストーリー展開を楽しんだり人間の内面を掘り下げるタイプの小説ではないのだろうが、 肉体を使い込み、反復することによって生まれているスペクタクルを味わえることうけ合いだ。 | ||||
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ヘミングウェイの作品はいわゆるハードボイルドスタイルで書かれたものなので女性的な文学を主流とする日本には受け入れにくいものかもしれませんがやはり読むべき一冊だと思います。 老人と少年の強いつながり、老人の自意識が本当に客観的かつ簡潔に描写されているのですがよく伝わってきます。老人の内面を行動で表していて本当に淡白です。まさにヘミングウェイといった感じがします。 結末の皮肉も彼の厭世的な晩年の心境を反映しているようで良かったです。 訳者の福田氏が書かれた『老人と海の背景』にはアメリカの小説がなぜ通俗的であるかなど興味深いことがたくさん書いてあって勉強になりました。 | ||||
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よくも悪くも、非常に男くさい本。 翻訳家の柴田元幸氏は、ヘミングウェイを「思考がマッチョ」と述べたが、私も思わずうなずいた。 老人は海に一人漕ぎ出して、自己と海、魚に語り続ける。 そこに人の自然の関係、孤高の美を見出すというのも確かにあるだろう。 男のロマンと言えば聞こえはいいが、エゴイズム的なダンディズムぽさは拭えない。 内容は☆3つ、文学史上の一冊としての価値でプラス☆1。 手放しに褒めるのも微妙どころだが、かといって心をとらえるものがあるのも確か。 短いし分かりやすい文章なので、とりあえずは一読。 余談だが、ヘミングウェイ、もともと戦争中に電信の通信兵をしていたという経歴がある。 簡潔で分かりやすい文章は、短い語句で伝達事項をまとめなければならなかった、仕事上の経歴が関わっているとかいないとか。 というわけで、英語版で読むのもおすすめ。 | ||||
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短い作品である事も手伝って、ヘミングウェイでは一番読まれている作品であろう。孤高の老漁師とカジキマグロとの戦い(最早漁とは言えない)を通じて、目的を持って全力で生きる事の尊さを描くと共に、作者得意の理想と肉体の問題を扱った作品。 戦いの描写の他、海と空を美しく描く筆致は素晴らしい。釣ったカジキマグロを砂浜に挙げた時、カジキマグロがサメに喰いちぎられていた事が分かる。老人はショックで倒れこみ創造主の名を呼ぶが、この辺に作品の寓話的意味が潜んでいるのだろう。私は後で知ったが、喰いちぎられたカジキマグロを引きずって砂浜を歩く老人の姿は、聖書のあるシーンを模したものらしい。 寓話的物語の中で生きて行く事の尊厳を高らかに謳った傑作。 | ||||
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高校生のときに『武器よさらば』を読んでから、ヘミングウェイの、その人間の本性を 激しい息遣いの中に描く描写に惹かれています。 『老人と海』はその圧倒的な表現力を特化させたヘミングウェイの文筆そのものの 権化ともいうべき作品でしょう。 少年とのやりとり、孤独と孤高と誇りとを併せ持つ老人の戦い、どれをとっても 圧巻の一言です。 シェークスピア作品でおなじみの福田氏のかたい感じの、空間的なリズムのある訳も非常に あっていて、すばらしいと思いました。 老人の生の息遣いの迫力に圧倒され、また、情景が鮮明に浮かび上がり、 一気に読んでしまいます。 | ||||
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簡単にいっちゃうと自然の掟「食物連鎖」の話なんだけど。 老人という弱者を主人公に「弱肉強食」を描いてる。 いや、なんていうか…圧巻。読み終えて…。 「生命」って凄いな、と。 それを生み出した「自然」は、やはり偉大だな。 大魚との死闘の果て、老人が思いをはせた 「運とは…」「友、敵とは…」「罪とは…」 独白のカズカズが、深海の様に、含蓄ふかく。 ズシリと読み応えがあった。 PS●晩飯のオカズ…感謝してから、口に運ぶようになった。 絶望の老人に、少年は言い放つ「運なんてなんだい」 若者はこうあるべきだ、と俺も同感。 | ||||
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一度読んで10ページでやめて、今度は80ページくらいまで読んでやはりやめた。 いったい何がおもしろいのかさっぱりわからないのだが、どうしたことでしょう? 老人が海に出て、おっきな魚を釣り上げようと延々がんばっているだけの話で、深い思想も、特筆すべき描写も、何も感じられないのだが。いや、べつに深い思想がなければつまらないというわけじゃない。保坂和志だって柴崎友香だって、めちゃくちゃおもしろい。 でも、何か面白いのか、この話。この描写。 1950年くらいの古い作品だって面白いのはたくさんある。サリンジャー、カフカ、ジッド、レーモン・クノー、サローヤン。太宰だって、武者小路実篤だって、もっとおもしろい。 うーん、誰かにこの作品の良さを教えてもらいたい。 | ||||
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この老人にとって、このメカジキとは何だろう。 老いてもなお続ける漁とは何なのだろう。 そして私たちにとってのメカジキとは、漁とは? 本書121ページに現れる言葉は圧巻。 「魚をとるってことは、おれを生かしてくれることだが、 同時におれを殺しもするんだ」 戦わなければ生きているとは感じられない。勝たなければ生きる事はできないのだから。 勝った後に訪れるもの、何かを成し遂げた後に訪れるもの、それは無である。 徐々に醜く、容赦なく、削り取られてゆく「自分」 一度高い山に登ったからには、同じだけ低い場所へ降りなければならないのだろうか。 これほど強く訴えかけてくる文章を他に知らない。 これほど強く「戦って、勝って、生きて、死にたい」と思わせてくれる文章を知らない。 サンチャゴの帰還するベッドの傍らに、 彼から受け継ぐ事を待っている少年がいてくれることは 我々にとっても大きな救いである。 | ||||
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本書は、広大な海でおよそ常人では耐え難いような孤独を乗り越え、無事生還する老人の物語である。話のあらすじは次のとおりである。 老漁師のサンチャゴは85日にわたる不漁にもめげず、1人小さな舟に乗り込み漁に出た。そこで、久しぶりに大物のカジキマグロが網にかかった。引きが強く一度に引き揚げるのは困難だと判断した老人は、相手が弱るまでの長期戦を覚悟した。やっとのことで獲物を捕らえたのは、網にかかってから数日後のことである。その帰途で老人は彼の魚を狙った鮫に幾度となく遭遇し、銛やナイフ、その他ありとあらゆるものを駆使し敵を撃退していく。だが、陸へ無事に到着した頃には獲物はほとんど食い荒らされ、骨が残るのみであった。 本書で主人公は究極な孤独に置かれている。老い、一人、陸からは誰も助けの来る望みのない沖合い、巨大な獲物、鮫からの襲撃。しかし、これらの困難に対面しても最後まで老人は生還し、獲物を持ち帰ることにこだわりつづけた。老人は途方もない孤独を経験し、主人公を慕ってくれた少年を幾度も思いつつも、決して悲観的になるわけではなかった。作中ではこうした設定により、困難に果敢に立ち向かう老人の姿が一層際立たっている。 数ある無人島生活や漂流生活を題材にした小説の中でも、これほど救いようもない状況において雄雄しい姿で難局に立ち向かう主人公を描いたものはほんの一握りである。本書の読後には普段我々が経験する困難はさほどのものでもなく思えてくる。 | ||||
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何度読み返しても飽きが来ない。たぶん、作品の短さや、文章の簡潔さ、絞り込まれた登場人物によるのだろう。主人公である老人以外はまったくの脇役と言っても差し支えない。老人の生き様を徹底的に掘り下げた結果、全く贅肉のない傑作が生まれたのだろう。 | ||||
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皆さんは抽象画を見てどう思うだろうか?一部の人はともかく 一般的には「意味が解からない」だ。 しかし、それを「大変良い」と言う人の方が多くないだろうか? 何億もする絵の中には、昔は紙くずでしかなかった絵がいくら でもある。その当時の一般市民の感性と自分の感性が極端に違う か考えてみて欲しい。 価値観の大半は(残念な事に)周辺の環境によって作られ自分 自身の感性を信じれる人間は極めて少ない。 老人と海もその典型である。中学以来久しぶりに読み返したが やはり単純に「おもしろくない」。こんなものをありがたがる のはいかがなものか、と思う。 この小説を現在に「無名な誰か」が出版したとしたらノーベル 賞を取り得るのか?「老人と海」くらいは読んでおかないとな 的な発想の人以外がこれを読む価値は薄い。と「個人的」には 思えた。 蛇足だが所謂名作を全て否定するわけではない。むしろ名作は やはり名作が多い。 | ||||
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老人の一人での孤独なたたかいの中で自分と対話するこころの動きが上手に表現されていてすごいなぁと思った。 何度も何度も「あの子がいてくれたら」とくじけそうになりながら最後にはやりとげる老人。 読んで元気をもらいました。 大魚を釣り上げた後のサメとの攻防には、ついつい頑張ってほしいと応援してました。 短い話で淡々とストーリーが進んでいくが、奥が深そうだと感じた。 若い頃の読んで久しぶりに読むと全然違うとよく聞くので私もしばらくたったらもう一度読んでみようと思う。 | ||||
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この作品では、老漁師サンチャゴが巨大な獲物カジキマグロと長い間戦い、最後には勝利する事を通じて、人間が自分の信念を曲げずに、最後まで立ち向かう男性の精神力の強さが描かれている。 | ||||
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ずいぶん前に読んだときも、何とも言えない感動を覚えたが、 十数年ぶりに再読して、その思いを新たにした。 おそらく、この作品の魅力とは、矜持、ということだろう。 男が男であり続けること。 誇りを持ち続けて生きるということ。 誰が何と言おうと、誇りを持って生きることの美しさ。 そんなものが、作品の端々ににじみ出ている。 海という優しくも過酷な舞台に一人立ち、 物言わぬ敵との死闘を繰り広げながら、 老人は己の生き方を自分自身に問う。 自分の生き方を問い直したい時、 ひもといてみては? 歴史的名著です。 | ||||
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著者の作品には,ボクサー、猟師など一見、強くて男らしい男が登場する。しかしヘミングウェイ自信が第一次大戦に出兵し,そこで恐ろしさやショック体験をしたように内面は,非常に陰鬱で,絶望的な男達が多いような気がする。 本作の主人公サンチャゴも,「今日こそはカジキマグロを釣るぞ」といきがる物の,老体に加え、長い不漁が続いている。そんな痛々しさが独特の乾いた、無感情な文体で淡々と書き綴られていく。サンチャゴの漁を手伝いする,男の子の優しさもとても暖かくていい。 対自然の物語というと,何となく殺伐とした感じがあるけれど,何回も読んでいくと,各登場人物の,淡々としたキャラクターが,染み込んでくる作品だと思う。 | ||||
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「生きる」とはどういうことかを考えさせられる名著。 一人で細々と暮らす寡黙で年老いた漁師。自分を気にかけてくれるのはその老人を慕う少年くらいで、唯一趣味といえるものはラジオ・新聞によるメジャーリーグ観戦。それでも老人は毎日、少年のように目を輝かし、大海原に漁に出る。 主な登場人物は老人と少年、そして老人が数日間に渡って格闘する巨大な魚のみ。老人が抱く自然に対する畏敬の念や、その孤独との向き合い方から学ぶことは多い。そのまっすぐで力強い生き様に、知らぬ間にひきつけられていく。 | ||||
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老人と海は読みやすい作品であった。文字も詰め過ぎず、大きすぎず小さすぎなかった。作品の持つ面白さも読むスピードを加速させたが、このハード面のサポートも大きかったことを先ず述べておく。 老人と海。非常に綺麗な作品であった。へミングウェイは非常に上手い描写を行っている。少年サンチェゴとの会話、夢、そしてなんと言っても老人とかじきまぐろの戦い。非常に丁寧で、臨場感溢れる文章であった。それらは余を引き付け、次のページをどんどん捲っていた。 | ||||
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