(短編集)
黒猫/モルグ街の殺人
- 怪異 (278)
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黒猫/モルグ街の殺人の総合評価:
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全1件 1~1 1/1ページ
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倒叙ミステリとして読むこともできる怪奇短編「黒猫」・本格探偵小説の原点「モルグ街の殺人」を表題とした短編集。表題作はどちらも現代のミステリの原型となり得る要素が散見されて面白かったです。 | ||||
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『モルグ街の殺人』が短編として収録されているので読んでみましたが、推理小説としては余りにお粗末な出来。 なぜこんなに有名なのか。それは、1841年に発表された史上初の本格的な推理小説だから。コナン・ドイルのホームズ作品は、『緋色の研究』が1887年発表。ドイル自身も、『モルグ街の殺人』で登場するオーギュスト・デュパン(探偵役)に触発されたと述べているので、余計に本作の評価を高めたのだろう。 確かに、『モルグ』で登場する名探偵・デュパンはホームズに似ている。というか、ホームズがデュパンに似ているのか(笑)。 また日本の探偵小説の先駆けとなった江戸川乱歩も、エドガー・アラン・ポーに影響を受けているし、日本の読者が『モルグ』を”評価せざるを得ない”点はおそらくここにある。 申し訳ないが、作品自体はどうしようもない。文庫本の裏表紙の内容紹介には大仰にも、”推理小説が一般的になる半世紀も前に、不可能犯罪に挑戦する世界最初の探偵・デュパンを世に出した「モルグ街の殺人」”と銘打ってある。やれやれだ。 簡単にあらすじを述べると、ワトソン役の男性が、パリの貸本屋でオーギュスト・デュパンと知り合う。デュパンは若い紳士で名家の出でありながらも、生活は厳しい。特に自分で事業を立ち上げるわけでもなく、わずかばかりの遺産で自分一人が食うにたるだけの収入を手にし、倹約しながら細々と暮していた。そんなデュパンと意気投合し、パリに滞在する間は一緒に生活することになった。デュパンは人嫌いらしく、幻想癖と言えるほど夜を愛していた。昼間は窓を閉め切り、蠟燭を2,3本。夜の世界を作り出し、読書に耽る。日光を浴びない生活だ。相手の思っていることを、表情や仕草からズバリと言い当てる。ホームズばりだ。 そうやって退屈していたであろう二人の前に、奇々怪々の殺人事件を載せた夕刊の記事が。モルグ街の惨劇ともいえる、陰惨な事件。4階建ての自室で母娘二人ともが残忍な殺され方をしていた。続報の朝刊には、事件前から付き合いのあるタバコ屋、洗濯屋、現場に踏み込んだ警官、銀細工師、目撃者の料理店経営者、事件の三日前に居宅を訪れた銀行員、他にも、警官となぜか一緒に現場に踏み込んだ仕立て屋だの葬儀屋だのの、10名近くの証言を縷々と書き並べている。彼らの証言は共通している部分もあるが、食い違っている箇所も多い。デュパンは非常に興味を持ったようで、子細な検討を加えていく。 最後は、警察署長と知り合いであるデュパンが直々に、現場検証にいって真相を解き明かすという筋立て。 しかし、1841年当時の警察のやり方が分からないので何とも言えないが、あまりに手抜かりが多い。現場保存と言う概念すらないらしい。警官が、町の住人ら数十名と一緒に現場に突入している点も現実離れしている。極めつけは、母親が握りしめていた犯人と思われる髪の毛を無視し、絞殺された娘のクビに残る、生々しい絞殺箇所さえろくな分析もせず、犯人の逃走箇所に対しても調査せずに、ただただ怪奇事件だと騒ぐ。警察の捜査に科学主義が持ち込まれたのは19世紀後半くらいか。1880年代のベルティヨン法(身体的特徴に依る個人識別)、指紋鑑定は1890年代、死因・毒物・血液などの法医学的アプローチは20世紀初め。1841年が舞台だからこそ、許される設定か。 しかし、デュパンは警察は無能であるとこき下ろす。やはり上記に挙げた点など、あまりに手抜かりが多いからである。やはり探偵小説そのものとしては、☆1つの評価で間違いない。 デュパンの常人離れした観察力と推理力、奇人変人ぶり、警察をあざける皮肉屋な面、証言や手がかりを分析し、有りえぬものを除外していって最後に残ったものが、いくら空想話のように思えても真実であるとロジックを貫く姿勢。ワトソン役という聞き手と、名探偵デュパンが二人で真相解明に奔走する。こういうホームズの原型なるものを最初に作り上げた。この点は評価されるべきだと私も思います。 とはいえ、推理小説としての評価は別にすべき。トリックがあるわけでもなく、アリバイ偽造や証言の嘘を見破るというわけでもなく、フェアプレイ精神もあまり顧慮されていない。☆1つが妥当な評価だ。 | ||||
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”モルグ街の殺人”は圧巻だった その他の作品も秀逸でした | ||||
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トリックが秀逸。 | ||||
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本の表紙にくっきり折れ線がありました。 がっかり。 | ||||
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自分のようにかなり時間をおいて本書を手に取る人が多いのではないだろうか。 モルグ街の殺人事件は読み進めるうちに犯人がよみがえってきました。 それにしても、ポーの構成力には古さを感じさせないものがあります。 そして、独特の怖さですね。 人物史を拝見するといろいろと苦労され、アルコール依存でもあり、人物像が見えてきました。 そして、解説にもありましたが、前置きが長い! しかし、この独話にまた惹かれるのであります。 | ||||
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