(短編集)
ポー傑作選3 ブラックユーモア編 Xだらけの社説
- ポー傑作選 (3)
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良かった | ||||
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ポーの作品をどうこう言うつもりはありません。 いしずえを築いてくれたことに感謝です。 | ||||
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ポー全作品の中で、ポーのストーリー テラー(語り部)としての才能をいかんなく発揮した作品である 「 spectacles 」・・・和訳名 「 眼鏡 」 が抜けているのは残念。 劇場で垣間見た フランス人女性 Madame Lalande に一目ぼれするアメリカ人青年の顛末記なのだが、描写力と相俟って物語の展開が素晴らしく面白いのである。 内容や結末は、「読んでからのお楽しみ」 であるが、和訳がつまらなければ、名人の落語を下手な二つ目で聞きなおすようなものであるから、原文で読むことを奨めたい。 原文で拝読すると、たおやかな フランス貴婦人の話す「下手な片言の英語の可愛らしい魅力」が、遺憾なくポーの筆により描かれ、「女性の魅力」が読者の眼前に彷彿とする。 怪奇・推理作家としてのポーに、かかる才能があったとは・・・ポーファンであれば必読の短編と評し得よう。 | ||||
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本書に収められた大部分の短編は、19世紀前半のアメリカ文学界におけるポーの激しい闘争を反映した作品である。 訳者はこうした歴史的背景を巻末の『ポーの文学闘争』で詳しく紹介しているが、こうした背景知識がないと何のことかよくわからない作品が多い。冒頭の『Xだらけの社説』は、東部のボストンを中心とした超絶主義者への当てこすりだし(Xとは伏せ字のことだが、植字工の言葉がなぜか九州弁に訳されている)、次の『悪魔に首を賭けるな』もそうである。 それにしても、ポーは実生活ではまさに闘争的で激しい性格だったようで、敵も多かったことがよくわかる。 文学闘争関係以外では、『天邪鬼』が『黒猫』などで描かれた「やってはいけないと思うと、逆にやってしまう」人間心理を詳しく展開した作品である。自らが犯した罪を悪魔に魅入られたように告白してしまう最後の場面は、まさに鬼気迫るものがある。理性の警告にもかかわらず危険な断崖絶壁に吸い寄せられるように近づく心理についていえば、順風満帆な成功を収めている人がキャンダルの当事者になったり、予想外の陥穽に落ちたりするのは現在もよく見ることだ。 『鋸山奇譚』は怪談なのかミステリーなのか一見わかりにくいところにポーの巧みな創作術が感じられるが、小道具として医療用の蛭が用いられているのが興味深い。実際、20世紀前半まで医療用の蛭は広く用いられており、プルーストの『失われた時を求めて』でも描かれている。 なお、最後の『独り』と題された詩はポーが20歳の時の作品であり、ポーが早くから独自の強い感性を自覚していたことがわかる。それをポーは守護霊demonと結びつけているが、ソクラテスのいう「ダイモン」の声のようなものだろう。 | ||||
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一年前に刊行された前二巻と比べると、歯ごたえあり過ぎる?作品が多く、途中から読み飛ばした作品もいくつかありました。 収録された23品中、小説11、詩9、評論2、エッセイ1。一番楽しめたのは、巻頭の「✕だらけの社説」。とりわけ、〈よ〉の字が頻出する《前代未聞の社説》p.13が噴飯もので、何度か、ぷぷっと噴き出してしまいましたよ。そのくだり、ちょいと引用させてもらいやしょう。 《(前略)はよ帰れ、このひょっとこ野郎──あばよ! さよなら! よう帰らんか。よおよお、ジョン、ちょっとちょっと! よいこは帰れ。ここじゃ人はよそよそしいよ。よお、ジョン、ジョン、帰らないなんてよくよくのことだ。なら君は人じゃない。ひよこだ。コヨーテだ。ぶよぶよのレイヨウだ。よろよろのようかいだ。ひょろひょろのヨーヨーだ。ひょうたんだ。にんぎょうだ。びしょびしょでふにょふにょでべちょべちょの蛙がうようよしているコンコルドの沼からきた蛙だ。蛙は帰れ。よお、落ち着け──くよくよするな! なよなよするな! 身をよじるな。よお、ジョン、なんて顔だよ! よこくしたよ──よれよれの顔引っ込めて、よをすねて、よよと泣け》p.13~14 収録された詩の面白さはよく分からなかったけれど、訳者による巻末の「作品解題(ネタバレあり注意)」で、詩に読み込まれた人名とかが太字で示されていて、ありがたかったです。 訳者による巻末の「作品解題(ネタバレあり注意)」「ポーを読み解く人名辞典」「ポーの文学闘争」は、文庫本100頁超の力作。 殊に、「作品解題(ネタバレあり注意)」は作品を読んでいくうえで、大いに参考になりました。河合祥一郎(かわい しょういちろう)さん、グッジョブ! なお、文庫本表紙カバーの絵は、ロートレックの『パリの〈ディヴァン・ジャポネ〉』。 | ||||
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