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果てしなき流れの果てに



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果てしなき流れの果てにの評価: 4.22/5点 レビュー 120件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.22pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全120件 101~120 6/6ページ
No.20:
(3pt)

ともかくすごいスケールの話

小松左京の手による時空超越テーマSF。

1966年の作品である。軌道エレベータがきっちり描写されているなど、クラークの「楽園の泉」が1979年ということも考えると、なかなか先進的な作品なのか。

物語の発端が、白亜紀の地層から発掘された奇妙な機械装置、というあたりから、ははぁあの手のテーマかな、というところは想像がつく。しかし、当初ゆるやかに始まった(と思った)ストーリは、ある時点からどんどん視点を変えながらジェットコースタのように進んでゆき、そしてついに到達すべきところへ到達し・・・。という感じなのですが、ともかくすごいスケールの話です。SF、特にハードSFは、結構読みつけているつもりなのですが、これはなかなか話に付いていけなくて大変だった。そのあたりも含め、ベイリー作品などに通じるところがあるようです。

ともかく、どうやら名作と呼ばれている作品のようなので、SF読みならば一度読んでおくのが良いと思います。結構ハードですが。
新装版 果しなき流れの果に (ハルキ文庫 こ 1-33)Amazon書評・レビュー:新装版 果しなき流れの果に (ハルキ文庫 こ 1-33)より
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No.19:
(4pt)

幼年期の終わりは始まりだった

読むのに一番苦労したのは、第九章「狩りの終末」である。時空を無視した(股にかけたともいう)壮大な反進化と進化抗争の末に、反乱者は行(エン)の行者や果心居士やニュートンでしたでは、ここまで来て半村良かよ、と正直脱力した。「家畜人ヤプー」の後半の失速にも似ている。作者自身も追跡者マツラの口を借りて、―なんと(君たちは)みみっちくなってしまったのだ。宇宙の全秩序を律するものに叛逆をくわだてたルキッフの徒の裔が、一つまみの人間の反抗を組織するのか―と失望の弁を記している。しかしながら・・・

 内容は、小松流「幼年期の終わり」みたいだ。地球が熱死に至る直前、超高度生命体が地球人の一部をすくい、さらなる進化の階梯に導こうとする。しかし、進化の実体、正体は、「人間」を完全に放棄(または個の破棄・脱却)するという、無慈悲極まりない(非人間的なもの)だった。その高度生命体にしても、仕事でやっているに過ぎず、さらに上階があるらしい。彼らが受け持っている「進化」は、その上位の計画(趣味?)で、一種の果実の生育や取り入れ、気に入った盆栽つくりのようなもので自然にまかせたものではないようだ。

 宇宙の正体はわからないままだった。存在することの意味は、生きるという意味とは違うらしい。ここまで来ると「神」という概念を思い起こさせるが、本書にその言葉はない。「神」もたぶん進化の階梯の最終段階ではないのだろう。生命の意味ははたして多元宇宙的次元にとってどんな意味があるのか。進化の反逆者ルキッフとは誰か。進化の果てには何が。答えは示されてはいなかったように思う。

 この小説が宗教的奇書としてではなく、SF「文学」の傑作として残っているのは、読む者に「百億の昼と千億の夜」同様に「虚無」という言葉を思い知らせるところなのかもしれない。極北の想像力であり、限界かとも思える。
新装版 果しなき流れの果に (ハルキ文庫 こ 1-33)Amazon書評・レビュー:新装版 果しなき流れの果に (ハルキ文庫 こ 1-33)より
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No.18:
(5pt)

何度も読んでしまう。

何度も読んでしまう。単純に面白い。
1965年に書かれたものであるが、まるで一片の古さも感じない。
描写がすばらしく、風景、人や物の造作、見たこともないはずの「モノ」であるのに、何故か脳裏に浮かぶ。
言いすぎかもしれないが、最終章でさえもぼんやりとイメージが浮かぶ。
そして、何故か感動し涙腺が緩む。
人間は儚く、ちっぽけな存在だが、一人一人の愛情・人生は時空を超えたところにあり、悲しくも素晴らしいと思える。
新装版 果しなき流れの果に (ハルキ文庫 こ 1-33)Amazon書評・レビュー:新装版 果しなき流れの果に (ハルキ文庫 こ 1-33)より
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No.17:
(5pt)

小松先生はすごい。

何度読み返したかわからない。ともかくすごい。素晴らしい。

中生代の世界にぽつんとあった機械。現代日本では、発掘された普通ではない砂時計を前にとまどう学者達。古墳に見える不思議な存在。主人公野々村の行方不明事件。待ち続ける佐世子。100ページすぎたところでそれから年数が経ち、人々は死に、事件は風化し、一度話は終わり、そして第三章からいよいよ話の始まり、未来世界に。入り組んだ時空間。砂時計や古墳の謎がわかってくる。そして、野々村の秘密も。そして最後。また現代日本に戻る。野々村を待ち続けて老いた佐世子の世界に。

小松先生はすごい。ちなみに、日本沈没の第三部とおぼしきエピソードがこの中に出てくる。
新装版 果しなき流れの果に (ハルキ文庫 こ 1-33)Amazon書評・レビュー:新装版 果しなき流れの果に (ハルキ文庫 こ 1-33)より
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No.16:
(3pt)

日本的な叙情的SF

SFは中学生時代から大好きで数多く読んできたが、日本人の作品はさほど多くない。アシモフやハインラインといった巨匠の作品を始めとして海外の作品はどちらかというと明るくて論理が明快な作品が多い一方で、日本人の(少なくとも当時の)作品は内省的でどちらかといえば陰鬱な作品が多いイメージがあったからだ。

小松氏の作品も大ヒットした日本沈没以外は読んだことがなかったが、あるテレビ番組で本書を取り上げていたので興味を持って読んでみた。時間旅行・パラレルワールド・超能力といったSF的な素材を扱っているものの、それ自体を目的にした内容ではなく、これらを土台に人類の種としての行く末を描くことに挑戦した作品だ。

正直言ってストーリー展開はかなり強引で、論理的には無理がある部分も見受けられたが、作品の持っている叙情的な雰囲気に乗せられて最後まで読み進めることができた。主人公は野々村と恋人の佐世子の二人だと思うが、時間の流れに飛び込んで時空を駆け巡ることになる野々村が、最後に記憶を失いながらも佐世子の元に帰ってくるところは共感できた。

但し読後感がすっきりしないのも事実。比べること自体に無理があるかも知れないが、自分にとっては同じ時間物であればアイザック・アシモフの「永遠の終り」の方が素直に面白いし感動できる。興味がある人は日米の巨匠の作品を読み比べてほしい。
新装版 果しなき流れの果に (ハルキ文庫 こ 1-33)Amazon書評・レビュー:新装版 果しなき流れの果に (ハルキ文庫 こ 1-33)より
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No.15:
(5pt)

解説にひとこと

こんな複雑なものは、よっぽど事前に計画を立てて綿密なノートを作って書いたのだろうと想像していましたが、「作者あとがき」によるとそうでもなく、「エイ、ヤッ」みたいな勢いで書いたようで、それもまた驚きです。そのあとがきは、小松氏の人となりが伝わってくるような非常にいい文章でした。その中で、次は同じテーマでもっと満足のいく作品を書きたいと述べていらっしゃいますが、それは果たして実現したのでしょうか。非常に気になって、続く「解説」を読むとその事には一切触れられておらず、解説ならぬ感想のようなものが綴られているだけです。せめて小松作品やSF小説全体における本書の位置づけ(後者についてはわずかに触れています)を解くのが解説というものでしょうに、全く解説の用をなしていません。
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No.14:
(5pt)

タイムトラベルもの.傑作!

第一部
 舞台は,現在の日本.
 消えた主人公.謎の殺人者.遺跡に残る不思議な超技術の跡と「砂時計」.
 謎が深まり,興奮します. ところが ・・・
第二部
 舞台は,なんと,未来と過去,時間を自在に行き来し,
 宇宙の果て.さらには,パラレルワールドにまで広がります.
 登場人物は,時間犯罪者,そして,超意識を持つ「神」に近い存在,
 その2者の戦いになります.
 その戦いの「果て」にあるものは !
 そして,「第一部」の謎の決着は !!
 ここに,その落ちを書くことはできません.
 是非,読んでみてください.国産SFの傑作であり,最高峰の1つ.
新装版 果しなき流れの果に (ハルキ文庫 こ 1-33)Amazon書評・レビュー:新装版 果しなき流れの果に (ハルキ文庫 こ 1-33)より
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No.13:
(4pt)

「待ち人来たる」なんておみくじを信じたくなるような、そんな作品

大学教授の助手をつとめる主人公野々村は、

教授の友人から永遠に砂の落ち続ける砂時計を見せられる。

白亜紀の地層から出土されたと聞き発掘現場に向かった一行は、

十億年にも及ぶ時空を超えた戦いに巻き込まれ、驚くべき世界の仕組みと対峙する事になる。

全体の四分の一程の所でいきなり挟まれる、壮大で美しくも純愛に満ちたエピローグ。

そこで物語の結末が先に語られ、以降の章で未来の出来事を過去に遡って展開する

というネタバレのような不思議な構成ながらも、引き込まれる物語の力強さ。

古墳、ピラミッドの健造技術と造型の不思議。ダーウィンの進化論のミッシングリンク。

それらについてなされるSF的解釈は、何故今までその可能性を考えなかったのか

自身に疑問を抱かせるに充分な説得力と、時空を超える広大なロマンスを湛えた物語として展開されます。

「待ち人来たる」なんておみくじを信じたくなるような、そんな作品です。

最近涼宮ハルヒシリーズを併せて読んだせいなのか、

不思議な事に対して行われるSF的解釈を素直に受け入れてしまう自分を発見して驚かされます。
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No.12:
(5pt)

日本SFの最高傑作

時間SFだが、「歴史を変えて何故いけない?」と、

主人公側は時間犯罪者組織である。

果しなき時間流は未来から干渉してくる二つの力で作られてきたのだ。

タイムスケールは数億年レベルの物語だが、

プロローグその一が「象徴的事件」

プロローグその二が「現実的結末」

となっており、SF物語の果に到達するエピローグが、

世界一のSF作家のホーガンの「星を継ぐもの」級の感動である。

「それは長い長い夢のような、いや、夢物語です」

もっともスケールのでかい恋愛物語としても読めます。
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No.11:
(5pt)

半端ない。

「時間」、「空間」、「生命」、「宇宙」とは一体何なのか?

そもそも「宇宙における生命」の存在意義は何なのか?

肯定する根拠も否定する根拠も何もないこの命題に小松先生なりの答えが提示されています。

小松先生の思考回路、またそれを万人に読ませるため・理解させるために書かれた緻密な文章には感嘆せざるをえません。

現実世界に何かしら疑問を感じ、不自然と感じてる方は絶対に読むべき本でしょう。

余談ですが、アーサー・C・クラーク「幼年期の終り」の究極系の作品とも言えるかもしれません。
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No.10:
(5pt)

かんどーの原点

「ニュートンや 浜の小貝は尽きるとも 世にえすえふの タネはつきまじ」と、

ニュートンがいったかどうかはしらないが、

小松御大の大風呂敷には、つい丸めこまれますな。

 小松左京の作品をあれこれトレースしていると、結構これはあれの

アイデアを使い回し(失礼!)してるぞ、あれはこれの

リニューアルか。ということが、だんだんわかってくる。

 たとえば、衝撃的な大作「首都消失」は、短編の「物体O 」を

練り直したものだし、この「果しなき流れの果(はて)に」は、中篇の

「結晶星団」の構想と共通している(主人公格の人名が「アイ」ということ

からもバレバレ)。

 似ているのはそれだけでなくて、全宇宙の進化の過程において、

「超越者」によって刈り揃えられ、切り捨てられた「可能性」の牢獄(まるで

永井豪の「デビルマン」冒頭みたく)が宇宙のかたすみにあって、

それを解き放つか否かという、とてつもないテーマを臨月間際の妊産婦の

ようにはらんでいるのである。こんな大風呂敷がひろげられるのは、

小松御大以外にはちょっとこの世界には見当たらず、

その意味でも、彼はこの地球最大のSF作家と断言できる。誰がなんと言おうと、

絶対断言しちゃうもんね。

 しかし、小松ちゃんの小説のラストは、どれも切ないなあ。

 たとえば「日本沈没」のラストで、一人の女性が語る離島のエピソード。

 たとえば、「復活の日」で待っていた吉住を見つけた女性の叫び(映画とは全然ちがうけど)。

 そしてこの、「果てしない…」で描写された、「父よ、父よ」、「子よ…」

と呼びかわすシーン。

 世界の破滅に臨んで、なお断ち切れない人と人とのきずな。そして、

未知なるものに挑む、たちむかう者の果敢さ、この隠れたテーマを

執ように描き続けたのは、彼小松左京が、実際に戦争を体験した世代ならでは、

というところでしょうな。

 今年も8月15日が近いし、そんなことなどをおもいながら、

またこの「小松ワールド」へさまよいこんでみますか。
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No.9:
(5pt)

すごい

単純明快なお涙頂戴ものがいい、という人には

あまり向かないかもしれませんが

難しい論理的な部分はところは飛ばし読みしてもいいから

とにかく最後まで読むことをお勧めします。

大感動巨編です。ナミダちょちょ切れます。

ラストだけでも何度も読み返している自分がいます。

日本SF創成期にこれだけの作品が書かれていたことに驚きます。
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No.8:
(5pt)

人間のスケール

中学生の頃一度読んで、40代になって読み直しました。

中学生の頃はひたすら数十世紀という想像を絶する時間と

なんだかわからない階梯とか次元とかの言葉の感覚にくらくらして

すごいすごいと感じたものでした。

大人になって読み直してみて、別物のように感じています。

人生折り返し点にたどりついたせいか、人一人の人生の長さ、

果てしなさ、そしてその果てに見るものを想像してくらくら

している自分がいます。数十世紀をかけまわった主人公野々村と、

普通の時間の流れを生きたヒロインの時間が同じように見える

んですね。そして同じところに終着した、説明できない流れ。

作品の冒頭にネタバレしているような構成なのに、最後まで、

終着するまで感動が絶えません。不思議です。
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No.7:
(5pt)

小松左京の最高傑作

「人類とは?宇宙とは?時間とは? 」「我々は何処から来て、何処へ行くのか?」この永遠の問いについて壮大なスケールで考察した、巨匠小松左京の最高作。

海外のSF小説にも例のないほどのスケールと完成度。その後の日本のSF小説・マンガに多大な影響を与えた。

これを読むと「スターウォーズ」があまりにつまらなく見えてしまう。
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No.6:
(5pt)

果てしないです。

話の出だしは普通の日常の出来事から始まる。そこから次第に壮大な物語へ読者は誘い込まれるだろう。時間が前後する話の展開がとても面白かったです。ぜひ読んでみては。。
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No.5:
(4pt)

まだSFが特別なジャンルであった頃の・・

初出は1965年。まだSFが特別なジャンルであったころに書かれた作品。
奈良県葛城山中で発見された巨石古墳。その古墳の奥に露出した人類誕生以前6500万年前の地層から物理学の法則を無視した不可思議な「砂時計」が発見される・・。
だがその古墳に携わった人々は次々と行方不明になっていく・・。冒頭からオカルティックな展開で始まる。
恐竜が棲む太古から人類滅亡後の超未来まで時間と空間を越えた物語は、ジャンルとして拡散してしまった現代のSFにはない気宇壮大なストーリーを見せる。
本書に後付されている大原まり子の解説の中で、本作のような壮大なビジョンとストーリーを見せる内外のSF作品群を「ワイドスクリーンバロック」と総称している。確かにこの時代に書かれたSF作品には、小松左京をはじめ光瀬龍など、このような作品が少なくない。
久しぶりに、かつてのSFというジャンルが持っていた独特の雰囲気に触れることができ、ある種のなつかしさを感じた。
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No.4:
(5pt)

SFのフルコース・ディナー

非の打ち所がないとは言いませんが(特に一つのクライマックスである流れの果ての描写がはしょりすぎて甘い)エネルギッシュでドラマチックな作品でした。前菜(プロローグ)、メインディッシュ(1-10章)、デザート(エピローグ)それぞれが味わい深く描き分けられさながらフルコース・ディナー。そこらの作品とは食べごたえ満足感が違います。壮大な宇宙に比べれば人間の一生なんてちっぽけなものだよ、とはならない。1個の人間の短い一生と宇宙の歴史が最後の最後に等価に並べられる構成は圧巻で感動的です。
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No.3:
(5pt)

昭和40年かー。

1997年に出版と書いてあったにもかかわらず、「電子脳」とかちょっとおかしな言葉を使うなぁと思っていたら、やっぱり書かれたのは昭和だったんだ。でも発想はぜんぜん古臭いところはないと思う。時空間と意識の統一理論みたいな話なんだけど、うまいことまとめたなーと思った(矛盾も結構目につくんだけど)。いろいろな時間に移動した時に起こるイベントもオリジナルな視点から書けていて、読んでいてエキサイティングだった。高次の意識、階層性の話は、しばらく腕組みして考えさせられてしまった。難しいこと抜きにしても全体的に優れた本だと思う。
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No.2:
(3pt)

今読んでも古くさくない

この作品は、昭和40年のSFマガジンに連載されたものである。しかし、今読んでも古くささや不自然さは感じない。ただし、時間や空間の移動が激しいので、一気に読まないと混乱する。二度読みをしても良いが、全十章のうちの第二章の後に、一番感動的なエピローグ(その2)があるため、結末を知っているとその感動が薄れるかもしれない。

作者が言わんとしている宇宙や時間の概念を理解することの難しい、時空を超えた壮絶な戦いを描くSFであるが、純愛小説として読むことも可能である。
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No.1:
(5pt)

宇宙の支配者と、抵抗者の壮大な争い、そして時間を超える愛

私たち「第二階梯」に生きるものは、肉とともに生まれ、肉とともに滅ぶ。
この世界を、支配しないふりをして、支配している、第5階梯のもの「アイ」がいた。
無敵の彼らも、その存在に気付いた知的生命たる地球人の一部を取り逃がす。
逃げた主人公は、銀河をまたにかけた、時空を越えた戦いを行う。
しかし、最後には「アイ」の力に屈するが・・・
大変意外なことが、彼に起こる。
地球で彼を待っている婚約者、80代になっても彼を忘れず、ずっと待ちつづけている。
そこに戻ってきた彼は、全ての記憶をなくし、肉とともに滅ぶ体となっていた。
<何と不思議なことに>婚約者には、一目で「彼」が自分の恋人だったことがわかる。
最高に感動的です。
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