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過ぎ行く風はみどり色
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過ぎ行く風はみどり色の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.11pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全19件 1~19 1/1ページ
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普通でした。 | ||||
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奇怪な事件も、裏にまわれば呆気ないトリック、しかしあんなんで騙されるのかねって? という気もするし、動機がウヤムヤ、あんなにあっさり殺してしまうもんかね? でも現実の事件を考えれば、そこにリアルがある気もする。 ミステリーとしてはうーむ。 その後の猫丸先輩の作品群と照らし合わせれば、ど~も違和感を感じてしまいます。 三点なのは映像化不可能という作品に敬意をこめたつもりです。 映像化したら噴飯もんだよ。これ。 | ||||
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推理小説としての"謎"の部分と、文学としてのテーマが密接に絡み合っていて読んだ当時感心した(そして少し泣いた) | ||||
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巻末に『新版刊行によせて』によれば,好きなものを全部ぶち込んだとのことですが, 確かにあれもこれものてんこ盛り,約600ページとかなりのボリュームとなっています. ただ,事の始まりだったとはいえ,オカルト周りは派生する話題も含めて少しクドく, 衒学趣味も意図的だったようですが,さすがにダレてしまったのは否めないところです. また,ある人物らが行う『真相解明』も,露骨な『死人に口なし』の言い分をはじめ, 穴のあるトリック解説など,明らかにいつらが…となり,流れが削がれてしまった感が. とはいえ,それに続いての主人公の独断場は,こちらも強引な部分は見られたものの, グッと引き込まれるものがあり,いつもは気まま,飄々としている彼がなぜ動いたのか, ややもすれば変わらないように映りますが,頭を下げ,苦々しく漏らす言葉が印象的です. そして,夏の訪れを告げる爽やかな風は,籠もる熱を冷まし,洗い流してくれるようで, それだけに,読後感とは繋がらない,動物人間(?)のカバー絵が何とも残念に感じます. | ||||
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実は長編小説は苦手であります。 長編小説には読者を最初から最後まであきさせない技術が欠かせないと思います。 そういった意味で本書は物語の進行と伝え方等の語り部としての技術が見事でした。 あきたりしません。 例えば「この部分短くしてくれないかな」という章は短くてストレスになりませんし また物語をつづるにあたり交互に観点を変えて描くというのも悪くないですし 展開も面白く文章が何ともいえず読みやすい。 唯一猫丸先輩が事件後の物語になかなか現れない事が辛かった(笑) よくわかりませんが焦らしなのかもしれません。 ですが後半ではこれでもかと十分に猫丸先輩が登場し大活躍を演じてくれます。 トリックに関してですが予想がつかない推理と結果を与えてくれる事が 猫丸先輩に私が期待している事ですので満足できました。 | ||||
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本書では3件の殺人事件が起きるが、いずれも、誰の眼も触れずにに犯行を行うことが不可能ないわゆる不可能犯罪と言える状況で起きた殺人である。 しかし、探偵役の猫丸先輩が「犯人にとって幸運が重なった」と評している通り、第一の殺人・第二の殺人で犯人にとって失敗する可能性の高いトリックが使われており、評者は本書のトリックに無理があると感じる。とりわけ第一の殺人にその感がある。 また本書で作者の倉知氏が最も力を入れたのは犯人のアリバイ崩しだと思われるが、評者はこの点に手掛かりが少なすぎアンフェアであると感じた。アリバイ崩しの前提となる点(ネタバレの恐れがあるので、このようにしか書けない)について、手掛かりとなる情報をもっと読者に与えると良かったと思う。 また第一の殺人・第二の殺人について、犯人の動機が弱いという問題点もある。 また、これは評者の趣味になってしまうが、探偵役の猫丸先輩にあまり魅力を感じない。 以上より、他のレビュアーの方と異なり低評価とさせていただく。 | ||||
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どこの古書店を探しても見つからないと、知人に頼まれて購入しました。予定通り受け取れました。 | ||||
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古い本(20年前)でしたが、状態は良かったです。脳科学分野も書かれているので、確かに時代の古さは否めませんが、その時代では、一番新しいものを描いていたのではないでしょうか… 読後感がさわやかで、読書、課題本に疲れた人におすすめです。 もちろん「脳科学」系にご興味のあるかたにも。 又、法月綸太郎氏の解説によると「ディクスン・カー」を模しているとか(!?) 日本人が書くとどうなるのか(!?)の比較として読むのも楽しいかもしれません… | ||||
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猫丸先輩初の長編作だが、読み応え充分の出来に仕上がっている。密室殺人、降霊会、超心理学等、カー(というよりはタルボット「魔の淵」を想起させる)ばりの舞台を用意しながら、全体として心優しい世界を構築している。主に猫丸先輩の後輩(主人公?)の視点で描いた三人称の章と主人公の従妹(ヒロイン)の一人称(独白)の章とで構成されるのだが、ドロドロとした雰囲気(そちらが好みの方には物足りないかも)ではなく、題名通り、爽やかな風が吹く様なホノボノ・タッチの読後感が味わえる。その意味で、猫丸先輩は探偵役としてまさに適役である。 上述の舞台設定の他に、あるミステリ的趣向が用意されているのだが、これも物語の中に上手く溶け込んでいる。むしろ、こちらが本作の主眼であろう。超心理学に関する講義(読者への説明)が長過ぎる点にはやや閉口するが、これも降霊会を盛り上げるための必要悪なのだと思う。本来、猫丸先輩は短編向きだと思うのだが、猫丸先輩の登場(活躍)シーンを後半に集約するという工夫によって、巧みに長編小説として構成している。 普段はフザケた印象しか与えない猫丸先輩だが、「殺意と転生は両立しないので、自分は超常(心霊)現象を信用しない」といった人生哲学を披歴するのも中々の見もの。ミステリ的アイデア、猫丸先輩の個性及び作者の優しさが見事に融合した秀作だと思った。 | ||||
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少々卑怯でしたが、まあいいと思います。 猫丸が好きならオススメです。 | ||||
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語り口が3人称と1人称と、交互に出てくるので、これが本編のトリックと密接な関連はある、と最初から予想は付くものの、ラストのオチで、「そう来たか!」と、やられたしまった。 そのオチに行きつくまでに、丁寧な伏線が張られている。が、途中、少々中だるみ気味で、長く感じられる。 そのかわり、降霊会の件からラストまで、一気呵成である。 「星降り山荘」では、初期の段階で、大胆な叙述トリックが施してあったが、本著は、丁寧に用心深く、全編にわたって叙述トリックを仕掛けている、という印象だ。「ちょっとした違和感」などの、細かな演出もうまい。 叙述トリックがあって、犯人のアリバイが成立して、不可能犯罪が成立する、という、多層的な構成になっていて、よくこんなストーリーを思いつくな、と感心した。 | ||||
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長編で登場人物一人一人が個性的で味がある。おどろおどろしい霊媒師、マニアックかつ怪しい大学院生、薄幸の美女佐枝子にそのいとこの主人公の一人成一などなど。成一の父親だけは影が薄かった。 ある程度の動機を持ち3件の殺人事件が起きますが、ラストのやつは防げたか、防いで欲しかったなあ。だが読後感も爽やかで満点 | ||||
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亡き妻に謝罪したいと願う富豪の方城兵馬は、霊媒師の穴山慈雲斎を屋敷に招く。 いかにも怪しげな慈雲斎に不信感を募らせた兵馬の家族は、超常現象 の研究者である神代と大内山を招き、慈雲斎のインチキを暴こうとする。 そんな中、密室状況下の屋敷の離れで、兵馬が何者かに撲殺された。 かつて兵馬に反抗し、家を出ていた孫の成一は、たまたまその日、 十年ぶりに帰宅していたために、事件の当事者となってしまった。 成一は、先輩である猫丸に、事件について相談することにする。 しかしその後、慈雲斎が開いた降霊会で、第二の惨劇が勃発し……。 本作は、成一の視点と、成一の従妹で交通事故によって身体に障害を負った 藤重佐枝子の視点が、交互に、小刻みに切り替わっていくという叙述形式が 採られています(成一パートは三人称の語り、佐枝子パートは一人称の語り)。 そうした語りの構造が、メイントリックに直結しているわけですが、それだけでなく、 読後には、ヒロインである佐枝子の人物造形の巧みさも十二分に思い知らされる ことになります。 今どきフィクションにおいても見かけることのない「ナイーヴでセンチメンタルな片想い に悩むお嬢様」という佐枝子の人物像が、なぜそのように造形されたかについては、 真相を知ると、深く腑に落ちると思います。 | ||||
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1995年に出た単行本の文庫化。 猫丸先輩の活躍する長編ミステリ。著者は基本的に短篇でキレを見せる人だと思うが、たまに書く長編も人間味にあふれていて良い。本書でも、猫丸先輩が珍しく細やかな配慮とか思いやりを見せている。叙情的な作品で、読後感も爽やかだった。 ミステリとしてもなかなかの出来。最後に来て「ああ、なるほど」と驚かされる。トリック自体は単純だが、すっかりだまされてしまった。 ただ、こんなに厚い本にする必要はなかったと思う。余計な部分が多すぎる。 | ||||
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~金持ちの一族の偏屈な祖父、遺産、霊媒師、連続殺人、複数の視点人物など、まさに本格のコードづくしでありながら、文章もさらっとしていてしつこさもくどさもない、読みやすいミステリーです。なぜに成一とその従妹の佐枝子の視点の2つがあるのか、という部分は新本格ファンならいろいろ勘ぐってしまうところですが、そう来たか…と良い意味で~~裏切られるラストになっています。割と大きな仕掛けですが、伏線もちゃんとありますし、丹誠に仕上げられているので“アンフェア”感はなく、気持ち良く騙されました。~ | ||||
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ミステリは何十冊も読んできましたが、読んでて涙が出たのはこの本が初めてです。フッと世界がくるりと反転する、鮮やかな手際。ネタバレになるので詳しくはヒミツ。猫丸先輩の出番は少ないので、他の短編を読んだ後にぜひぜひ読んでもらいたいと思います。 | ||||
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この作品、方城成一と藤重佐枝子の両者の視点から交互に語られていきます。そして、ある箇所であることが明かされる件りで、「えっ? えーっ!」と、思わず天を仰ぎました。してやられたっ!倉知淳さんのミステリ。『星降り山荘の殺人』『猫丸先輩の推測』『日曜の夜は出たくない』『過ぎ行く風はみどり色』『幻獣遁走曲』と読みましたが、一番好きなのは本書です。読後感がいつにも増して心地よく、爽やかだったのと、上記第一パラグラフに記した呆然とさせられる驚きというのが、寝転がって読んでいたのをむくりと起き上がらせてくれるものだったから。しっかし、思いがけなかったなあ。詳しく書くと、勘のいい方だと見当がついてしまうかもなので、奥歯にものの挟まったこういう言い方しかできないのだ。作者の仕掛けにまんまとしてやられちまったいっ(笑) | ||||
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庶民派名探偵、猫丸先輩シリーズの初長編が文庫になりました。ミステリファンでも騙されるトリックと、倉知さん特有のミステリーなのにやさしい文体。そしてなんといってもひょうひょうとした猫丸先輩の魅力的なこと!ミステリー初心者の方にもオススメします。 | ||||
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デビュー短編集『日曜の夜は出たくない』で、いつもしゃしゃり出て?きては、飄々と、かつ鮮やかに謎解きをしてみせた”猫丸先輩”の初長編。あいも変わらず、猫のようにまん丸の目を輝かせ、猫のように身軽に猫のように勝手に?謎を解き、猫のように去っていく・・・前作同様にさわやかでいて面白く、推理小説としてもよくできており、読み応え十分の長編だった。不可能犯罪の連発という贅沢な物語の中に、どこか救いのあるテイストはこの著者の持ち味らしく、重くならずに楽しめた。トリックも、ものすごく新しいとか鮮やかとはいう言葉は当たらないにしていても、よく考え抜かれていて自然にはまっている。今回も先輩は、一旦頼まれるや当の後輩も辟易するほど張り切りまくり。後輩の祖父が密室そ!れ!!も周囲に足跡もない離れで殺され、続いて、彼の霊を呼び出そうとしていた霊媒師も、降霊会の最中に殺される。といっても、猫丸先輩は、冒頭で強烈にいつものごとく後輩に毒舌をふるって以後は、最後の謎解きまでは電話や短い会合でしか登場しない。じらされて一気に読んでしまう。本当のところ猫丸先輩は何を考えて生きているのやら、周囲の人間にもまるでわからない。自分自身の中にも誰も入り込ませない・・・結局のところ、一貫しない趣味にアルバイト、何にでも首を突っ込む好奇心、怖ろしいまでのアクの強さ・・・猫丸先輩という人は、誰よりも自分自身という人間を、とてつもなく面白がっているのかもしれない。続く短編集も、大変に面白い。おすすめ。 | ||||
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