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カナリヤ殺人事件
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【この小説が収録されている参考書籍】
カナリヤ殺人事件の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.05pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全37件 21~37 2/2ページ
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ヴァン・ダインのファンとして昔読んだ本ですが、最近は入手困難でKindleで読めてよかった。いろいろな評判はありますが、今でも面白い作品だと思いました。 | ||||
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こんなに面白い小説なのに、五つ星の評価が無いなんて悲しいです! 私は我ながら変な読者で、一連のヴァン・ダイン作品をミステリーだと思っていません。私はこれらを、「1930年頃のアメリカという暗い森の中を、ヴァンスとマーカムの二人が駆け抜ける冒険物語」だと思っています(ヒース部長も入れると三人ですが)。はっきり言えば、トリックの部分はどうでも良いです。もちろん、読んで行く目的のひとつではありますが、それ以外のところが面白過ぎるのです。昔からペダンチックと言われていますが、そのペダントリーも含めて、小説としてこれほど面白い読み物は滅多にあるものではありません。 その魅力はなんといっても、ユーモアとペーソス。社会批判精神。アメリカ社会をとことん軽蔑しながらも、その具現のようなマーカム検事を心から愛している、ヴァンスの人間臭さ。そんなヴァン・ダインの愛すべき作風に、私は若い頃夢中になりました。何か面白いものがないかと探していた若い私を、第二次大戦前の、なにかしら社会の空気が澱んでいるような時代のアメリカという別世界へ、手を引いて連れて行ってくれた小説、それがヴァン・ダインでした。 ヴァンスはひねくれ者で、毒舌だけれど、その言葉は胸のすくようなものばかり。性格は、実はちょっとシャイで、たまにマーカムに真心のこもったことを言われたりすると、すごく照れる。夢枕貘さんの『陰陽師』の、安倍晴明と源博雅の関係に少し似ているので、『陰陽師』ファンの方は楽しめるかも知れませんね。 私は評価の低い後半の作品まで全部好きですが、一番はやはりこの『ベンスン』で、次が『ケンネル』と『ガーデン』です(どなたからも賛同は得られないラインナップですね。笑)。 『ベンスン』は第一作なので、やはり作者の気合いの入り方が違います。まだの方は『グリーン』や『僧正』から読まないで、是非ともこちらから。面白いですよ! (ちなみに、新訳が刊行され始めましたが、やはり私は井上勇先生の翻訳が好きです。) | ||||
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ヴァン・ダインのミステリィには、魅力的な犯人が多い。 本作では、欲望の虜となって破滅した自分を嘆く姿が印象的だ。 思わず同情してしまう。 そんな所にすごく惹かれる。 | ||||
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ヴァン・ダインのミステリィには、魅力的な犯人が多い。 本作では、欲望の虜となって破滅した自分を嘆く姿が印象的だ。 思わず同情してしまう。 だから好きだ! | ||||
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探偵のウンチクがわずらわしいと思えるときもありますが、刊行から半世紀以上経過した 今になって読んでも、それなりに楽しめます。 物語の終盤に探偵はそれぞれの容疑者の不利な点を次々に明らかにする一方、犯人が 見つかったと喜ぶ警察を尻目にその片端から犯人であることを否定していきます。 ここで作者が示したかったことは、物的、状況証拠から提示される犯人がいかに 曖昧であるかという点と、翻弄される警察陣の対比としての神のごとき名探偵の姿かと 思います。 作者が意図したかは分かりませんが、これはテクスト(=証拠)の解釈について、 ミステリーが前提とする一義性を否定するもので、ミステリーについての根源的な 問いにつながるのではないでしょうか? 一方、訳文の漢字/ひらがなの使い方が、私の慣れた文章と大分異なるようで、読み にくかったため星は一つマイナスとしました。 | ||||
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ポーカーの件などで、賛否両論があるみたいですが、僕的にはこれはまったく問題ないと思っています。 私立…というより、趣味の名探偵ですから、犯人がわかればそれでよい。動かぬ証拠などは、その後の検事などの仕事ですから。 そういう意味では、レコードの証拠は蛇足。 グリーン家や僧正は、高く評価されすぎて類似品?…(横溝やクイーン)が多発しているのに比べ、大戦後のバブリーなアメリカが伝わってくる「カナリア」や、前作の「ベンスン」の方が、僕としてはヴァンダインの「アク」が出ていて楽しめる。 キザでイヤミで"そんなばかな!"的名探偵という意味でも、この作品を持ってヴァンダインの代表作としたい。 | ||||
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ポーカーの件などで、賛否両論があるみたいですが、僕的にはこれはまったく問題ないと思っています。 私立…というより、趣味の名探偵ですから、犯人がわかればそれでよい。動かぬ証拠などは、その後の検事などの仕事ですから。 そういう意味では、レコードの証拠は蛇足。 グリーン家や僧正は、高く評価されすぎて類似品?…(横溝やクイーン)が多発しているのに比べ、大戦後のバブリーなアメリカが伝わってくる「カナリア」や、前作の「ベンスン」の方が、僕としてはヴァンダインの「アク」が出ていて楽しめる。 キザでイヤミで"そんなばかな!"的名探偵という意味でも、この作品を持ってヴァンダインの代表作としたい。 | ||||
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ヴァン・ダインの記念すべき処女作。本作以前にも長編ミステリは存在したが、現代風の骨格を持った長編ミステリとしては嚆矢と言える。それまでのミステリでは当然のごとく"物的証拠"を重視していたが、本作と次作の「カナリア」では"心理的証拠"を前面に押し出しているのが特徴。 作中で、「ウサギが走っているのを見た10人の大人が白いと言い、1人の子供が黒いと言ったら、どちらを信じる」と聞かれたヴァンスが「僕は10人の眼の悪い大人も、眼の良い子供も信じない。信じるのは心理的証拠だけだ」と答えるのが真骨頂。 また、結末近くで、容疑者の所を次々と廻り、一見犯行不可能な人物が実際には物理的には犯行が可能だったことを示す。しかし、皆、"心理的"には犯人ではないと切って捨てる。そして、最後に訪れた人物(検事マーカムの友人でもある)に対しても、そのアリバイを崩し、"心理的"にも犯人である事を告げる。ヴァン・ダインから国外ミステリに入った読者には痺れる展開である。 心理的証拠を前面に出し、現代ミステリの骨格を創った記念碑的作品。 | ||||
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シリーズの第2作。デビュー作に続いて「心理的証拠」を前面に押し出している。このため、容疑者を集めてカード・ゲームをするのだが、それがポーカーなのだ。ヴァンス程の知識人ならより論理的なブリッジ(コントラクト・ブリッジのこと、セブン・ブリッジではない)を選びそうなのだが、そうではなく賭博性の高いポーカーを選ぶところが興味深い。そこから得られる結論は強引過ぎる気がするが。このせいか、3作目以降は「心理的証拠」は影を潜めた。 そして、本作の特徴は長編ミステリとして(私の知る限り)初めて機械的密室を扱っている点だ。現在でこそ、機械的密室は嫌われる傾向にあるが、当時は「黄色い部屋」、「ビッグ・ボウ」等の心理的トリック、「モルグ街」、「まだらの紐」等のある物にしか通用しないトリック等が主流で、本作のように外から機械的に密室を構成し、もう一つの仕掛けを使って、犯人のアリバイを築く手法は当時は斬新だったろう。 また、上記の「もう一つの仕掛け」が暴かれるキッカケがヴァンスのハイブロウな趣味だという点も皮肉が効いていて面白い。ヴァンスの衒学志向が活きる時もあるのだ。全体的に洗練されたストーリー展開で、デビュー作と本作とで長編ミステリの基礎を築いた記念碑的作品。 | ||||
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シリーズの第2作。デビュー作に続いて「心理的証拠」を前面に押し出している。このため、容疑者を集めてカード・ゲームをするのだが、それがポーカーなのだ。ヴァンス程の知識人ならより論理的なブリッジ(コントラクト・ブリッジのこと、セブン・ブリッジではない)を選びそうなのだが、そうではなく賭博性の高いポーカーを選ぶところが興味深い。そこから得られる結論は強引過ぎる気がするが。このせいか、3作目以降は「心理的証拠」は影を潜めた。 そして、本作の特徴は長編ミステリとして(私の知る限り)初めて機械的密室を扱っている点だ。現在でこそ、機械的密室は嫌われる傾向にあるが、当時は「黄色い部屋」、「ビッグ・ボウ」等の心理的トリック、「モルグ街」、「まだらの紐」等のある物にしか通用しないトリック等が主流で、本作のように外から機械的に密室を構成し、もう一つの仕掛けを使って、犯人のアリバイを築く手法は当時は斬新だったろう。 また、上記の「もう一つの仕掛け」が暴かれるキッカケがヴァンスのハイブロウな趣味だという点も皮肉が効いていて面白い。ヴァンスの衒学志向が活きる時もあるのだ。全体的に洗練されたストーリー展開で、デビュー作と本作とで長編ミステリの基礎を築いた記念碑的作品。 | ||||
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現在のミステリーの水準で過去の作品を評価するのは危険です。この本も60年以上昔の作品なんですから、そういった視点は持っておくべきです。 使われているトリックは今では定型化したものですが、当時は目新しいものだったのでしょう。特に語ることはありません。 "カナリア"のポイントとしてはストーリー運びの巧みさを上げるべきかと思います。作者が第二の殺人が起こらざる得ない状況を作り出したのは、単に作品に連続殺人の様相や中盤のアクセントを与えるためだけではなく、殺人犯の心理的足跡を鮮やかにする目的も兼ねていると思われます。 そして、犯人の目星がつかないまま行われる4人の容疑者を一堂に集めてのポーカー。そのプレイスタイルから犯人を割り出すことに成功するが、その人物は物理的に犯行は不能だった。いったいどうやって犯行を行い得たのか?といった風に話は進みます。普通のミステリーであればトリックが解けて犯人にたどり着く流れですが、カナリアではその逆で、犯人が分かってからトリックが解けるようになっています。 カナリアでは犯人の名前が分かってもまだトリックが解けません。通常のミステリーの到着点(読者に犯人の名前が明示される)が、この作品では過程の一つであるというのも構成の妙というべきかと思います。単に、(当時の)独創的なトリックのみで一世を風靡した作品では無いという事でしょうか。 | ||||
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現在のミステリーの水準で過去の作品を評価するのは危険です。この本も60年以上昔の作品なんですから、そういった視点は持っておくべきです。使われているトリックは今では定型化したものですが、当時は目新しいものだったのでしょう。特に語ることはありません。"カナリア"のポイントとしてはストーリー運びの巧みさを上げるべきかと思います。作者が第二の殺人が起こらざる得ない状況を作り出したのは、単に作品に連続殺人の様相や中盤のアクセントを与えるためだけではなく、殺人犯の心理的足跡を鮮やかにする目的も兼ねていると思われます。そして、犯人の目星がつかないまま行われる4人の容疑者を一堂に集めてのポーカー。そのプレイスタイルから犯人を割り出すことに成功するが、その人物は物理的に犯行は不能だった。いったいどうやって犯行を行い得たのか?といった風に話は進みます。普通のミステリーであればトリックが解けて犯人にたどり着く流れですが、カナリアではその逆で、犯人が分かってからトリックが解けるようになっています。カナリアでは犯人の名前が分かってもまだトリックが解けません。通常のミステリーの到着点(読者に犯人の名前が明示される)が、この作品では過程の一つであるというのも構成の妙というべきかと思います。単に、(当時の)独創的なトリックのみで一世を風靡した作品では無いという事でしょうか。 | ||||
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心理的証拠を重視する探偵ヴァンスの活躍する第二作Broadwayの名花カナリヤが殺された・・ヴァンスはポーカーによって犯人の性格を読み事件を解決するトリックは今となっては陳腐ですが当時は先鋭的だったんでしょうね | ||||
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心理的証拠を重視する探偵ヴァンスの活躍する第二作 Broadwayの名花カナリヤが殺された・・ ヴァンスはポーカーによって犯人の性格を読み 事件を解決する トリックは今となっては陳腐ですが 当時は先鋭的だったんでしょうね | ||||
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ヴァン・ダインと言えば第3作「グリーン家殺人事件」・第4作「僧正殺人事件」が有名ですが,本作品はそれらに先立つ第2作です.プロットの完成度は3・4作に一歩譲りますが,主要人物のキャラクター,ペダントリーに満ちた重厚な文体は,既に1・2作目で完成されていました.主人公ヴァンスは,凶悪な犯人にポーカーを利用した心理分析で立ち向かう!是非「グリーン」・「僧正」の前に読んで下さい. | ||||
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ヴァン・ダインと言えば第3作「グリーン家殺人事件」・第4作「僧正殺人事件」が有名ですが,本作品はそれらに先立つ第2作です.プロットの完成度は3・4作に一歩譲りますが,主要人物のキャラクター,ペダントリーに満ちた重厚な文体は,既に1・2作目で完成されていました.主人公ヴァンスは,凶悪な犯人にポーカーを利用した心理分析で立ち向かう!是非「グリーン」・「僧正」の前に読んで下さい. | ||||
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「グリーン家殺人事件」・「僧正殺人事件」が有名なヴァン・ダインですが,「ベンスン殺人事件」は彼の記念すべき第一作です.プロットでは「グリーン」・「僧正」に一歩譲りますが,主人公ヴァンスの心理分析の醍醐味,読み応えのある重厚な文体,そして著者の博学ぶりが伺えるペダントリーは一級品です.これからヴァンス・シリーズを読まれる方,始めに「ベンスン」をお薦めします.単品としても一級品ですし,登場人物の性格もわかって他のヴァンス作品をより楽しめますよ. | ||||
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