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魔術の殺人
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魔術の殺人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全14件 1~14 1/1ページ
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〇電子書籍版発行……2012年2月10日 Kindleの「メモとハイライト」「栞」機能……×(章名なし) Kindleの表紙……〇(Amazonの表示と同じ) Kindleのページ表記……〇(あり) この邦題は、米国版のMurder with Mirrorsに準じたものだろうが、英題と同様に、舞台のマジシャンが鏡を使って観客を欺くところからきていると思われる。 ならば、日本語の語感から云って、魔術ではなく『奇術の殺人』とすべきだったろう。 あるいは、『手品の殺人』――とするのは安っぽくなってしまうが、『マジックの殺人』あるいは『マジシャンの殺人』でも、本題名よりはよかった。 舞台と配役が、犯罪者となるハードルが低い大勢の少年たちを脇に置いて、やや不穏な重苦しさを感じさせる邸宅の立地と、そこに集う関係の多少複雑な準家族を扱っていることもあって、この邦題にも多少は引っ張られたのだろうか、霜月蒼はクリスティには珍しく、横溝的おどろおどろしさも感じると書いていたような。【注1】 読み始めると、やはりクリスティ的に明るくて、横溝正史の岡山もののような雰囲気はなにも感じなかったwので、やはり誤解を与えないように、オカルトではなくマジックを喚起させる題名にすべきだったと思う。 題名に拘ってしまうのは、この『奇術の殺人/鏡を使ってそれをする』というのも一種のレッドへリングになっているからだ。ミス・マープルが気づいて関係者に説明するために援用するもの、それは著者が大好きなアレである。 解決に至るまでに三件の殺人が発生するが、驚くべきことに、終盤の二人が死んだ事件は謎として吟味されず、この推理小説は最初の事件のみのワンイシューでできている。 【注1】ドラマや映画の演出はともかく、横溝正史の原作小説自体にそれほどおどろおどろしさはないw | ||||
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中心人物は、キャリイ(キャロライン)・ルイズ・セロコールド。「富豪」。 最初の夫から相続した遺産で、私設少年院を経営する理想家。善人。 キャリイの最初の夫は、エリック・グルブランドセン。死別。 キャリイの二番目の夫は、ジョニイ(ジョン)・リスタリック。離婚。 キャリイの三番目の夫は、ルイス・セロコールド。自殺。 最初の夫との実子の娘は、ミルドレッド。 最初の夫のときの養女は、ピパ。死去。 二番目の夫の連れ子は、アレックス・リスタリック。長男。 二番目の夫の連れ子は、スティーヴン・リスタリック。次男。 三番目の夫との間には、実子はいない。(三番目の夫と前妻の連れ子は?) 養女ピパの娘(キャリイの孫娘)は、ジーナ。美人。 実子ミルドレッドには、子どもはいない。 キャリイを囲む家族関係を整理しておくと、殺人事件の犯人を推理しやすい。 キャリイをはじめ家族全員が、少年院の経営理念に理解を示す善人たち。 しかし、実際の運営では、金が必要・・・ 射殺されたのは、クリスチャン・グルブランドセン。 最初の夫エリックの子。 お金の面に詳しい。 「とびぬけた善人になれることのできる人間は、やっぱり極悪人にもなれるものなのね」(370頁) キャリイの言葉です。 「とびぬけた善人」と「極悪人」とは、まったく正反対のもののはずなのに・・・ | ||||
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トリックやミスリードなどの、ミステリーにおいては肝となる部分が精彩を欠いており、クリスティにしてはかなり質の落ちる作品ではないかと思います。 個人的にクリスティの作品を読む上でとても楽しみにしている人物描写も、残念ながらとても底が浅く、頭の中で姿や表情を上手く思い描けないばかりか、登場人物の誰にも好意や共感、嫌悪といった感情を抱くことはありませんでした。 そしてストーリーは緊張感も盛り上がりもないので、全体的に薄味というか雑というか、何の印象も残らない作品でした。 唯一良かったなと思えるところは、キャリィとマープルのやりとりくらいでしょうか。 こちらを読もうか迷われている方には、他の作品をおすすめします。 | ||||
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おもしろかったですよ。 | ||||
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アガサクリスティがもともと大好きです。この本もおもしろかったです。 | ||||
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ミス・マープルは、TV版から入りました。その時、最初に視たのは、今作を原作とする「魔術の殺人」でした。言わば、それが、私にとっての初マープル作品だったわけです。 それ以降、シリ-ズの原作をなるべく発行順に読んで、やっと、今作にたどり着きました。それだけでも個人的には感無量です。 さて、マープルの魅力は、どこでしょう? 私は、一見、物腰の柔らかそうな老婆に見えるマープルが、実は鋭い観察眼を持ち、たちまちに事件を解決に導いてくれる事だと感じます。 又、今作に限れば、友人に頼まれて隠密行動というか潜入捜査的な事までこなしてしまう切れ者というイメージもあります。 今後も彼女の登場作品を読んでいきたいと思います。 | ||||
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現代の読者は魔術という言葉から何を想像するだろうか。魔法使いの唱える呪文を連想するのではないだろうか。 原文に何度も出てくる「conjure」という単語は、帽子の中からウサギを取り出すような手品や奇術でよく使われる単語で、「奇術の殺人」の方が内容に相応しい。 「lively one」を「陽気なひと」 「merry one」を「陽気な奥さん」と訳しているのも疑問。 これは誤訳というよりも、どう訳していいのかわからなかったのかもしれない。 翻訳の問題だけではなく、トリックも平凡である。 (ネタばれになるのであまり触れたくないが、トリック自体は魔術でも何でもない) 相変わらずの外国人に対する蔑視的表現、特に目立つのは(他の作品でもよく見られる)イタリア人に対する差別表現、あるいはロシア人の名前を変な名前だと言ったり、ロシア人関係はろくなことがないと言ったり、作者の意見ではなく登場人物の意見だったとしても鼻につく。 イタリア人やロシア人がこの作品を読むとイギリス人のことが嫌いになるかもしれない。 1953年にクリスティは「葬儀を終えて」という傑作を書いているので、この時期の50年代の作品がやっつけ仕事ばかりだったとは言い切れない。しかし当たりはずれのはずれがマープルの方に多いのは残念だ。作者はポアロよりもマープルの方が好きだったらしいが、マープルは短編でこそ生きるキャラクターなのかもしれない。 | ||||
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ミス・マープルの少女時代の友人に妹の様子を見てきてと頼まれて出かけていくマープル。 妹は3回結婚して今は億万長者になってる。3人目の夫は未成年犯罪者を200人以上も預かる施設を経営していた。 3回の結婚で複雑な人間関係のたくさんの親族がいる。 施設と同じ敷地に同居していて異様な雰囲気。ミス・マープルの到着を待っていたかのように事件が起こる。 でも、この話子供だましのようなトリックだ、犯人は逃亡に失敗して死んじゃう。 | ||||
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ゆがみが見て取れる問題作。 ここまでやられてしまうと 本当にうわああと引いてしまいます。 そしてそんな環境下で起きてしまう 殺人事件。 もはや何がおきてもおかしくはないです。 とにかく人間関係のそれが 強烈過ぎて誰が犯人かは おそらく最後まで推測は難しいでしょう。 でも最後はそんな環境下でも 犯人には同情せざるを得ませんでした。 確かに悪人だったけれどもね… 人間関係がとにかくくどいので 読むのはつらく感じるかも。 | ||||
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本書の殺人現場にマープルではなくポアロがいたならば、その場で犯人と犯行方法が分かったことだろう。 なぜなら、本書のメイン・トリックは、ポアロものの有名作品のトリックをほんの少しアレンジしただけに過ぎないからだ。 そして、現にそのポアロ作品を知る私は、今まさに殺人が行われたページで真相が分かってしまった。 本書を客観的に評価するなら、そのポアロもの有名作品を知らない人にはそのトリックのおかげで結構楽しめることと思うのでいったん星4つとした上で、そのポアロものの二番せんじということで評価をひとつ落として星3つぐらいが妥当かも知れない。 しかし、作者自身によってネタばらしされたも同然の私には、残りの200ページ以上が苦痛でしかなかった、ということで星2つとした。 | ||||
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ミス マープルものだと知らずにテレビで見て、それから数年たってから小説を読んだ作品です。 本を読むときには、結果を知っていたので、映画と文学の違いを楽しみながら読みました。 結論がわかっていても、そこまでの筋を文学としてはどのように記述するのかということを楽しみました。 細かいところはもう忘れていたので、あ、そうだったんだと思いながら、読みました。 事前に見ていても、登場人物が覚えきれずに、何度も表紙の裏の登場人物一覧をみながら読み進みました。 ps.ミス マープルものの種明かしは、最後の最後が多いので、もう少し最後は書き込んでほしいものもあります。 英語の表題の鏡を生かして「鏡の魔術」という方がいいように思いますが、いかがでしょうか? | ||||
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ミス・マープルは フェレンツェの寄宿学校に在学していた女学生時代からの友達「ルース」から、 共通の友人「キャリイ・ルイズ」のまわりに 「なにかよくないことが」おきそうだから確かめて欲しい と依頼されます。 「あなたがそうする必要があると考えたのですもの」 と快く引き受け、キャリイ・ルイズ夫妻の経営する少年院に赴きます。 ミス・マープルがその場についてほどなく、犯罪歴のある少年達や夫婦の連れ子その子ども達、精神科医などがいっしょに生活している「少年院ストニトゲイト」は、連続殺人事件の舞台になってしまいます。 ミス・マープルは友達のためにその事件の真相をつきとめようとしますが…。 たくさん、容疑者が居る場所での不可解な殺人事件。 各人物がそれぞれ個性的でいろんな出来事がおこるので、いったいどれが伏線なのか予測がつかないままにラストまで読みました。 見事に収束していく様子はさすがです。 舞台が少年院で、女学生時代のお友達といるせいなのか、この小説は全体には寂しい雰囲気がただよっています。 | ||||
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クリスティの作品の中では最低ランクに位置する長編ではないだろうか。 いつものような、ストーリーテリングの冴えがない。読んでて、のれなかった。 物語設定が変で複雑で魅力がなかった。 三度も結婚したお婆さんの子供達やら、旦那さんやらが入り乱れるいつものようなメロドラマなんだけど、本作は人物に魅力がないし、プロットもつまらなかった。 | ||||
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ミス・マープルといえば、安楽椅子探偵のイメージを持っていましたが、意外に自ら危険に飛び込んで事件解決に挑むこともあるのですね。ある日学校時代の旧友が、変わり者の男と結婚した妹の身を心配してミス・マープルに捜査を依頼します。マープルは友人が抱いた漠然とした不安を信じ、その信頼に応えるべく彼女の妹の邸を訪れ、不可解な殺人事件に遭遇するのです。この発端がまず面白かったです。旧友は、妹の邸にマープルが滞在する口実として「生活に困り、三度の食事にも事欠く有様だ」と説明済みだと言うので、マープルは快くその設定にのり、わざとみすぼらしい服装で出かけていくのです。なんていい人だ!そして後は、邸に集う人々からじっと話を聞きながら、私たち読者に謎解きを披露してくれるというわけです。魔術を見ている観客のように欺かれていたのが、さっと種明かしされたときの爽快感はやはりさすがクリスティだと思います。 | ||||
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