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半島を出よ
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半島を出よの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全322件 301~320 16/17ページ
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まずはじめに、小説として非常におもしろかったです。高校生の頃から村上龍の小説が好きで読んでいましたが、 やはり今まで筆者が一貫して訴えてきたテーマが 姿形をかえて様々な場面で出てきました。 「優先順位を明確にする」とか「危機感を持つ」とか 「外部の視点を持つ」とかそういった事ですが、 単体で言葉にすると「なにが?」と思ってしまうこれらテーマも その比喩が話の随所に盛り込まれ、わかり易く表現されていました。 そして改めて自分のことを考えてしまいました。上巻では北朝鮮が侵略を始める場面あたりから、 読みながら胃が痛くなったり、怒りでムカムカしながら のめりこんでいき、同時に鳥肌が立つような恐怖感を覚えました。 この話が本当で自分が福岡市に住んでいたらとか、 もし自分が日本の総理大臣だったら(ありえないしやりたくないけど) どうするのかなとか考えましたが、 その自分の対応や行動を想像してぞっとしました。 今まで考えたこともなかった物資の流通のことや、 自分が親になったらとか色々なことを考え、 とにかく様々な意味で恐怖を感じた小説だったと思います。 もし実際に北朝鮮に侵略されたとしても、 私のような一般人にはどうすることもできないので、 一個人は自分の人生を充実させ、好きな仕事をして 楽しく生きる事しかないと思いました。寝る時間を惜しんでも読む価値ありです。 | ||||
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村上龍らしい、リアリズムと幻想の入り混じった描写が強烈で、とにかく先を読みたくなった。北朝鮮からの部隊が福岡を占領する状況は明日にも起こりそうなことだし、何もできない日本政府についてはさもありなんと思ってしまう。ホームレス、「反社会的」少年たち、北朝鮮将校兵士、官僚、市民がひとりひとり等身大に描かれている絶妙さ。 | ||||
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とにかく力作です。上下巻約1000頁を読ませる力は圧倒的です。 しかし、村上龍のベストワークは「5分後の世界」だと思っているので それには及ばなかったという感想です。 主人公は1人ではありません。結果的にそのことが物語りにのめり込む のを阻害します。次々に変わる視点が これは誰の考えなの? どの立場からの意見なの?とふと我に返ってしまうのです。 ただ、この本の根底にある日本への怒りには共感できます。 最優先項目を決められない、ひとつ選ぶことは他の選択を捨てること それができず、曖昧な状態で現状維持されて行く。 それは、日本が侵略された経験がないからなんでしょうか。 一連の村上龍作品にあるテーマを最新の情報でコーティングして あります。彼の持論に多少なりともうなずくことができないと、 読了は難しいと思います。 | ||||
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話題性や宣伝に乗せられて買ってしまうと、大いにがっかりします。 最初から分かってしまう落ち、どこにも無い意外性、我慢して読み通した個人像の積み上げが何も生み出さない虚脱感、およそ実用性の無い武器をわざわざ選んでそのしつこい紹介をしたあげくに、それらを使いもしないままあっけなく終わってしまう盛り上がりのない戦闘シーン。 我ながら投げ捨てずに最後まで読んだことに感心して星3個。もっとも、投げ捨てるには高かったということですけど。 | ||||
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これはあくまでもぼくの個人的な感想ですが、龍さんは後編を書くのが下手なのではないか? 上巻は見事なまでのスピード感、ドキドキ感があったが、下巻の途中まではうだうだ。コインロッカーベイビーズの悪夢の再現かと思われた。ところが「美しい時間」というところから、上巻のスピード感が復活した。 でも、そこまでに300ページ以上が費やされてしまっている。また、イシハラの使い方も不満です。 そういう点で星3つです。 | ||||
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まったく面白くない。登場人物が多いのはいいが、その背景は取ってつけたようなもので全然リアリティがない。描写も平板且つ貧弱で、内容が過激な割に感情移入ができなかった。 | ||||
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久しぶりに小説家としての村上龍氏の大作を堪能しました。 といっても、ヒュウガウィルスの時のように、専門用語の長い羅列は苦痛になってしまい、若干読み飛ばしたりしてしまったのですが。 読後感は人によって様々だと思われますし、ディテールを説明してもしょうがないのですが、今回僕が思ったのは、被占領者になることの意味を初めてイメージできたということです。 いくつかの過去の作品にもあるような著者独特の日本という国家に対するイメージや日本人のメンタリティというのは今回も文脈の中に表現されていますが、今回著者が言いたかったことは(勝手な解釈には違いないですが)占領される側になることとはどういうことか、ということではないか、と思ったわけです。 個人的な思想や概念をここで披露することは避けますが、隣国である韓国や北朝鮮、そして中国などが過去の歴史を持ち出して日本と対峙する時、僕はいつもそれは外交カードとして有効であるからだと考えていました。それほど日本はひどいことをしたのか、と。日本はある大義を持ってアジアに進出したはずで、結果として、良いこともあれば、悪いこともあったのだ、と。そう思っていたわけです。初めから侵略者ではなかったのだろうと。しかし、この作品に描かれる北朝鮮の軍人達も同様な大義を示します。むしろ、日本政府よりもシンプルで明確なビジョンです。ただそれは暴力が前提となった大義です。 正義であろうと悪であろうと、暴力を前提とした統治を他者によってなされることは、占領であり侵略であり被占領者にとっては精神的、肉体的な苦痛以外何でもないのではないか。そう思ったのです。時代背景も違いますし、一方的な判断や偏見は避けなければいけないのですが、正しいと思われることが他者にとって正しくないことがある、という当たり前だけれど見落としがちな事実。そして著者がよく言う「コミュニケーション」の難しさ、というの実感しながら最後まで一気に読んでしまいました。 あんまり参考にならなそうでスミマセン。。 | ||||
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偉大な建築家の巨大建築を見て呆然とした状態と言えばいいのでしょうか?完全に読みきって貰わないとこの気持ちは共有できないと思います。あらすじだけ見ると(お金さえあれば)映画化は簡単そうなのですが、映像が文章を凌駕する事ができない小説です。今までの作品の中で積み上げた圧倒的な情報量、培われた様々な技術、メールマガジンを通じて積み上げた人脈、幻冬社メンバーとの強力なタッグ等等、ありとあらゆるものを徹底的に駆使して築き上げられた、まさに「オペラ」だと思います。 | ||||
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昨日 購入。 兎に角 すごい。 この スピード 今夜 前刊完読予定。 | ||||
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おもしろい小説は、おもしろいゲームソフトに似ている。飯、寝ることさえも拒否し、ただひたすら読みふけってしまった。『何かを選ぶことは何かを捨てることだ』また、龍さんの言葉で気付かされました。 | ||||
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一気に読みすぎて寝不足になってしまいました。ラスト近くのある女性公務員が戯画的で印象に残りました。亭主を「自分で何も判断できず、結局状況に流され借金を抱え込んだろくでなし」と決めつけて離婚した。しかし、最後に彼女がとった行動とどこが違うのかな~。政府もみな状況しだい、状況を後から説明する理由をどっからか探してくることが第一義。借金大国日本が崩壊したとき、政府は後から懸命に理由を探してくるんだろうな。 | ||||
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上下巻あわせて900ページを2日間で読みきった。 たるみなど一切ない。特に後半のイシハラ軍団とコリョの戦闘場面では完全に文字と自分が一体化していた。村上龍の書いたリズムを共有できた気がした。 これはもはや小説という範疇ではないんじゃないのか? 村上龍はかつて3分間のロックレコードにはしょせん小説はかなわないというような発言をしていた。 しかし「コインロッカーベイビーズ」の詩は、 「愛と幻想のファシズム」というビートを刻み、 「5分後の世界」という極限の闘いと生というコードをかき鳴らし、 「希望の国のエクソダス」というベースを響かせ、 「半島を出よ」という奇跡的なロックを2005年のふやけきったこの国に大音量で流してくれた。 これはカート・コバーンの歪んだギター、血だらけのシド・ヴィシャスのベース、Aコードを半世紀近くかき鳴らし続けるキース、そういったロックアイコンに対して日本文学が突きつけた最初のカードだ。 小説のラスト、ネイルに刻まれた名前は、先人たちへのレクイエムでもあるのか。 美しく、震えるような感情を呼び起こす、現代に関わる全ての人間にとってのマスターピース。 | ||||
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■すべての村上龍作品を読んでいるわけではないのですが、いままでのさまざまな作品群を統合し、総括した作品といえそうです(うかつにも下巻後半の2ヶ所で涙してしまいました)。たしかに、上巻は「お勉強」会のような部分もありますが、それは下巻に入ると払拭。とくに下巻後半、「美しい時間」の60ページ、そしてそれ以降は、ただただ圧巻。「詳細に書く」ことがここまでリアリティーを生み、本来の意味でのドラマを創り上げていきます。セリーヌやジョサ、アレナスなどの最高の作品に匹敵するのではないでしょうか。 | ||||
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地政学的には、朝鮮半島は、大陸国家(ロシアや中国)からの日本列島への侵略に対する防衛にとって最重要地点です。それは戦前のエリートが死ぬほど気にしていた部分です。しかしながらアメリカ大陸と東アジア大陸との緩衝地帯と考えれば、それは別に朝鮮半島でなくともいいはずです。WW2末期のソ連の参戦で、日本が分断統治される可能性が極めて高まったことから考えても、むしろそのほうがありえる話です。北朝鮮の部隊が、九州にアメリカと中国という2大地域覇権国家の緩衝地帯を作って半島統一を成し遂げようとする発想は日本人にとって悪夢だがさすが世界戦略をよくわかっていると唸った。これは非常にありうる話だ。僕が軍事力を容易に動かせる朝鮮や中国の指導者ならばケースとして十分に考える得る話だ。村上龍は、時に預言者のように、様々な未来を先取りする小説を描いてきた。そう考えると怖い話だ。 | ||||
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あなたは日本の将来に漠然とした不安を抱いてはいないだろうか。 この国の繁栄と安逸がいつか根底から覆るのではないかといった…。 ならば、読むべし。 本書「半島を出よ」は、そのような「漠然とした不安」にリアルな形を与えてくれるものである。 そう、本書は日本人の悪夢そのものである。 そしてこの悪夢は限りなくリアルだ。 特に日本政府の右往左往、危機管理機能の不全ぶりは、痛いほどにリアルだ。 だが、悪夢を直視すること、それ自体に一種の爽快感がある。 「漠然とした不安」は、直視することで「解決可能な問題」に変わりうるのだ。 そして後半、物語は加速する。痛快極まりないカタストロフ! 上下巻900ページ、アッという間に読了した。読んで損はない一書。 (小説の本質とは関係ない注記) 些事ではあるが、作中の福岡住民が喋っている方言は、正確にいうと博多弁ではない。作者の出身である佐世保地方の方言である。大多数の読者には関係ない話で恐縮だが、九州人にはわかるもので。 | ||||
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村上龍の小説は、その類稀な想像力のせいか、膨らむだけ膨らませて、結末があやふやになってしまう傾向があった。しかし、本書はちがう。あの『昭和歌謡大全集』の生き残りたちが、驚くべき方法で、敵に立ち向かう。そして結末には、間違いなくカタルシスがある。何よりもディティールのすさまじさ。バルザックのリアリズムを髣髴させる、圧倒的な描写力。詳しすぎるほどのディティールに、上巻では正直、倦むこともあったが、下巻まで読み進めた読者は、物語のうねりに飲み込まれ、ページを繰る手をとめることができまい。系統としては『コインロッカー・ベイビーズ』にはじまり、『五分後の世界』『ヒュウガ・ウィルス』に連なるもの。この系列の村上作品のファンは、本書にその至高の姿を見出すだろう。もちろん村上作品を未読の人にも、自信を持って推薦できる。本書が村上龍の代表作となることは、もはや疑いようもない。 | ||||
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まず、本当に北朝鮮はこのようなことを計画しているのか? と考え、まさかねぇ、と自答しながら、1997年の同氏の小説『イン・ザ・ミソスープ』を思い出していました。神戸市須磨区で起こった少年による事件と、小説の内容が奇怪にシンクロしているという……。▼原作も映画も大好きだった『昭和歌謡大全集』のキャラクターがここで復活しているのに感動しながら日本経済破滅のシナリオの克明さに慄然とし、そして「最終的に日本の何かを刷新するのは共同体から『出た』若者なのだ」という、『希望の国のエクソダス』以降の共通テーマを思い出していました。怖くなる、そして希望も湧く小説でした。自分は54歳になりますが、きちんと勉強しなければ、目の前の生徒達や自分の子どもに数年後「嘘つき」と呼ばれたくないから夜は酒の量を減らして多様な書物を読まないと、と本気で考えました。今も不気味な印象が消えません。そして、『希望』も……。 | ||||
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拳を振り上げるカタルシスが内包する現状容認と思考の停止。それらを嫌悪する著者が、読了後の読者に安易なカタルシスを与えないことで「自ら考えよ、思考せよ」と現実世界での変化を喚起する。 | ||||
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本小説にはキクや鈴原のような圧倒的な主人公は出ませんが、 読ませます。 いきなり北朝鮮が日本に攻めてきたらどうなるか?! 決してありえない話ではありえません。日本に対しての龍さんからの挑戦状でしょうか。 アメリカの言いなりになっていても将来は保証されないぞ。 未曾有の危機時には日本の政治家、官僚はあてにできないぞ。個人情報保護案や住民コードなどの問題点についても 言及しています。 考えさせられる小説です。 | ||||
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ネタばれには尚早なので、詳しくは書きませんが、村上龍フリークの自分には、しょっぱなからかなり興奮状態に引きずり込まれました。 各シチュエーションも登場人物もとにかく濃い。コインロッカー、5分後、希望の国に血を沸かせた人間なら同じ高揚が得られると思います。 読者に疑問や揚げ足をとらせるヒマなく事態が濃厚に複雑に展開し、近年の村上龍作風に見られるのと同様に、パラレルな展開が急ピッチに加速していきます。1年半別荘に閉じ篭って書いたと熱弁されていた理由も分かる。最近ぱったり長編を書くのを止めていた著者の待望の新作。本を手にしただけで震えた人間は自分ひとりでは絶対ないと思う。 ただ、これはなかなか……緻密だけど小説というより「偽・政治学書」の部位が多い↓長くて聞き慣れない肩書きの役人たちを全員上げるだけで半ページが失われていることもある……。読者へなるべくリアルな状況をバーチャル体験させる為には、かけ離れた場所での大事も書き上げたいという著者の熱意や優しさは分かるけど、ちょっとだけ、もっと「小説」が読みたいとも思ってしまった。上中下巻であと1冊分日本人キャラの出番を増やして欲しかった。 従って、-☆1の☆4つで | ||||
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