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半島を出よ
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半島を出よの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全322件 221~240 12/17ページ
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とりあえず登場人物がやたらと多いです。はじめの登場人物紹介を見ただけで「マジで?」と思った人も沢山いると思います。でもそのほとんどは端役なので基本的には覚える必要なし!物語の本筋にはほとんど関係なく、一場面だけ出てくる人なども登場人物紹介のなかには入っているので。で、実際の物語ですが、上巻は基本的にはマクロの視点からの物語のように感じました。その頃の日本の財政状況や各国との繋がり、北朝鮮の現状など、小説の世界に読者を浸らせるための設定作りと小説の厚み(ページ数のことではありません)を増すためといったところでしょうか。作者が非常によく調べているなあ、ということに感心する巻です。しかし、それがつまらないということは全くなくて、改めて村上龍の文才を再確認しました。 | ||||
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上巻と比べると非常にミクロ的な視点で物語が語られています。やっと少年たちが活躍するのですが、やっぱり名前と特徴が一致しません。何度登場人物紹介を見返したことか。そして僕は彼らの人数とその特徴を完全に活かしきれてはいないのではないかとも思いました。登場人物が多すぎてひとりひとりの性格の違いも明確ではなかったし。しかし、やはり緊迫感のある描写や文のつなぎ方はさすが。気づくとのめりこんでしまいました。それでもやっぱり僕は『五分後の世界』のほうが上だと思うのですが・・・。 | ||||
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小説としてみれば最後の結末についてもう一ひねり欲しかった。上下巻読む間ハラハラドキドキの連続で、のめり込んで一気に読んだが、最後の結末は何か物足りなさ、あっけなさを感じたが、おすすめしたい本のひとつだ。 しかし、この本では単純な小説物語とは思えない。村上龍氏の社会に対する問題提起ではないか。 この本では、現在日本がかかえるさまざまで複雑な社会、政治、経済問題が、=(イコール)高麗軍という感じに見え、そしてそれらの問題に対する日本人の意識がその本に描かれた日本政府に見えてしょうがない。日本政府は、問題を認識し、その問題に対して自分はどうするのかという選択ができない、そしてその問題を先送りしその場をとりあえず取り繕うとする。まさしく今の日本社会の問題の本質を突いている。 その本の中では皮肉にも社会の危険人物あるいは異物達が、高麗軍を敵と見なし、果敢にもそれに挑む。“皮肉にも”彼ら社会の底辺にいる人物達が”正常な意識と判断力”を持っていたからだ。 しかし大多数の日本人は、”正常な人間”と社会常識的には思われていながら、その本に描かれている日本政府に象徴されるように、社会の底辺の異物達と同様な”正常な意識と判断力”を持っていなかった。 この本は、我々社会の大多数の、“正常と思われている人間”は、“本当に正常なのか”を社会に対して問題提起している気がしてならない。ここに村上龍氏が、この本の中でもっとも言いたいことではなかったのではないだろうか。 | ||||
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村上龍の作品は全部リアルタイムで読んできたが、残念ながらこの小説には入れ込めなかった。ディーテイルは確かに書き込んであるが、登場人物の行動にあまりに現実感がない。「普通そんなことしないだろう」と思われる反応があまりに多くて、途中であほらしくなってきた。今までの村上作品では、虚構の中にも現実感があったのだが、今回の作品では失敗している。村上龍も歳を取ったと言うことか。 | ||||
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北朝鮮問題にとどまらず,現在の日本が抱える経済・金融・政治・外交の諸問題や住基ネットの問題などありとあらゆる問題を題材にしてストーリが形成されており,非常にリアリティがあります.5年後という設定ですが,ありえないことではないという感じがします.読み始めて最初に驚くのは,登場人物の多さです.(本の最初に登場人物リストがあります)しかしながら,詳細な取材に裏打ちされているため個々のキャラクターがはっきりしており,また,各章でそれぞれ主人公が設定されているため,人間関係が混乱してストーリが分からなくなるということはありません.久しぶりに長編小説を読みましたが,息をつかせぬ展開で非常に読み応えがありました.ひとつ難を言うとすると,残酷なシーンがリアルに描かれているため,この手の事が苦手な人にはちょっと辛いかもしれません. | ||||
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ついに下巻も読み上げました。さすがにこれだけの作品になると、とにかく読み上げた事への達成感が出てきます。 福岡に入り込んだ北朝鮮軍、さらに大量の北朝鮮軍が九州上陸を企てている中、日本の政府も警察もお手上げ状態となり、九州を見捨てる。その状況下、世の中からちょっとはずれた集団がそれぞれの才能?をいかして福岡を救う、という内容。 上巻よりは、フィクション性が強くて、まるで映画を見ているような錯覚にとらわれました。その分、読みやすく、一気読みに近く読めました。只、意外と結末があっけないので、出来たら、もう一ひねり欲しかったかな、という感じでした。 | ||||
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正直な感想。取っ付きにくく、難しかった。しかし、読み終わり、頭の中で反芻する時、この作品がいかに偉大であるか、よく解る。内容は自分がそうなってほしい、またはそうなるだろうという予想をことごとく裏切り、あくまで淡々と内容が展開する。まるでただそこに偶然あったカメラに映ってしまった出来事のように。あらゆる角度から描写されるこの事件はあらゆる物語りを拒絶し、それにより生み出されるエネルギーはこちらの想像力の広がりがいかに狭いかを思い知らせる。貧困な想像力では決して読み解けない、単純なストーリーにしか感動できない人には、絶対に解らない。ファック!予定調和!的な著者の怪作だと思った。読者に対し、そして多分、著者自身に対し、馴れ合うことも、媚びることもない。本当の意味での想像力によって創造された一つのタマシイのような作品だと思うと同時に、こんな作品を描いてしまう著者に心から畏怖の念を抱かずにはいられない。 | ||||
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この本が売れているらしい。 春樹と違って龍は社会の大勢に受け入れられる作家ではないと思っていた。しかし、「13歳のハローワーク」もそうだが、ベストセラー作家になった。幻冬舎の力も大きいのだろう。 高校生の時「限りなく透明に近いブルー」を読み、衝撃をうけ 20代で「コインロッカー」でカリスマに憧れ 30代で「愛と幻想のファシズム」。この「半島を出よ」はこの流れの小説であるが、売れ筋ではないと思っていた。売れ筋は「69」や「人生における成功者の定義と条件」「ハローワーク」。「半島を出よ」の読者が「愛と幻想‥」に戻るkともあると思う。いや商売上手。 個人的見解:龍は長崎出身で「井上光晴」にかぶる。特に「他国の死」。年代も全くちがう作家が九州方言で物語を進め、普遍世界に広がっていく手法でかぶってしまう。「全身小説家:井上光晴」もっと評価して欲しい作家であった。うそつきミッチャン。 久しぶりに小説を読んだかからか、前半もたついたが後半「シノハラ」たちの潜入部分のスピード感は流石。爆破で終わらす事無く、「キム ヒャンモク」の記述を入れスローダウン。突然のスピードの違いに違和感を感じるが、読み進めると感じる「救済」。前半の福岡市と日本政府の官僚や政治家の無責任に憤り、何かに頼りたいという日本の総意に幻滅するが、北朝鮮における圧倒的武力や恐怖による圧制支配。未来に希望を持たそうというクロージングになっている。 寝不足で歯が痛くなる小説だった。 | ||||
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フィクションなのですが、限りなく現実味のあるフィクションでした。それも日本の悲観的な将来。 財政破綻、預金封鎖、世界(特にアメリカ)から見捨てられて危機的な状況の日本に北朝鮮が侵略してくるという話です。北朝鮮云々というのはともかくとして、ニュースで公費削減とか住基ネットの事などが取り上げられるたびにこの本の内容が現実味をおびてきます。 只、登場人物が多くて、読みあげた時の達成感はありますが、一気読み出来る内容ではありませんでした。 これから読む下巻に期待。 | ||||
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このシナリオが最悪であることを願いたい。 しかし、現実にはこれ以上のことが起こるかもしれない。 可能性は確かにある。 北朝鮮の精鋭部隊が、博多を占領するところから話は始まる。 中央政府の遅い対応、延々と会議だけ続き、何も決められない。 中央政府にお伺いをたてないと何もできない地方行政、困惑する博多市民。 様々の心境の人たちの心や思いを丹念に描いていく。 それがとてもリアリティーがあり、ああ、そうそうこういう対応をしそうと思いながら読み進めた。 時間が経つにつれて、人々の変化する気持ち、そして行動。 多様な人の考えの中から、衝撃のラストを彩る。 登場人物が異常に多いので、全体をつかみとるのが難しいかもしれない。 でも現実の事象は、当然それにかかわる多くの人の複雑な絡みかたで構成されている。 今回の作品で村上龍は会話に会話のかぎかっこをまったく使っていない。 あくまでフィクションであってほしい。単なる悪夢であってほしいという作者の”思い”があるような気がする。 これだけのものをまとめきった村上龍の筆力に改めて感心した。 是非読んでほしい。様々な感想をもつはずだ。 | ||||
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ニンニク臭くないか。どこから来たんだろう。中国人が自転車かっぱらったばっかりだ。駐在の吉村に来てもらおう。パパイアを箱入りで売りに来た親子の会話はそのようなものだった。アジア人蔑視も甚だしい。戦前の第三国人に対する態度とまったく変わっていない。地方へ行くほどとその傾向が激しくなる。教える教科書も教師もいない。文部科学省も教育委員会もリベラルな歴史観を嫌悪していた。朝鮮半島の分断が日本の責任であるという真実を誰も教えないし学ぶ者も極めて少数だ。隊長のソン・ドンヨルはパク・ススンにやれと眼で合図した。北朝鮮の特殊部隊の将校は素手で相手を殺せなければならない。パク・ススンはパパイアを売りに来た息子の目を手刀で突き刺した。息子の目から血と体液がほとばしり出た。腰を抜かしている父親を同じく隊員のイ・ドンチュンが後ろから羽交い締めにし首の骨を折った。隊長のソンは息子の目を突き刺したパクに馬鹿めと戒めた。返り血を浴びるではないか。隊員のホン・チャンスが死体をブッシュの中に速やかに隠した。急がねばならない。よくソウルが北のテロ攻撃で火の海になるとか言うが、博多、いや九州全域を火の海にすることぐらい九人の特殊部隊員にとっては造作もないことだった。おれたちは破壊に来たんじゃない、と隊長のソンは隊員に諭した。占領するのだと、小さくしかし確信に満ちた声で呟いた。 | ||||
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四条はヘネシーのVSOPを飲んでいる。安酒だか旨い。木元はどうしてこういうときにウェス・モンゴメリーなんか聴きたがるのだろう。モンゴメリーは楽譜が読めなかったからオクターブ奏法するしかなかったのだ。熱烈なマイルス・デイヴィス信者の四条はそう思った。マイルスの音楽があれば一生やっていける。ブートレグマニアの四条はジャズについてそう思っている。本当は梅雨時の蒸し暑いときにはバーでコニャックやシングルモルトを飲むよりも、枝豆片手に生ビールでも飲んでいる方が絶対に旨いのだ。長年酒とつきあってきた四条には酒に対する知識が頭ではなく身体でわかっている。カウンターには常連のブティック経営者と高級マンション経営者が並んで座っている。こんな季節には一見の客はまず来ない。マンション経営者がみんなで最後のメロンを食べましょうと言った。連れの女性のブティック経営者が、最後ってどういう意味と聞いた。九州が閉鎖されているのでもう二度と口に入らないかもしれないという意味ですとマンション男は言った。やれやれ看板にするかと四条は言って閉店の札を店の入り口にかけに行った。今団体が来たらメロンを分けることはできないと思ったからだ。それにしても、とソファに腰掛けネクタイを弛めていた山口は、日本はこれからどうなるのだろうと思った。みんなが思っていることだが口にすると何か悪いことをした子どものように思われるので誰も口に出さないだけだ。ただひとつ言えることは日本はこの先も百年先も千年先も変わらないという事実だった。 | ||||
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上・下巻ともに決して読みやすくは無いが、息つく間もない情報量とストーリーで、ぐいぐいと惹き込まれる。このアイデアは10年前から考えていたものらしい。 構想10年はさもありなんと思えるスケールで展開される。北朝鮮側に対する膨大な取材がそのまま物語にも現れていて、キャラクターそれぞれについて、とても深く描かれているのが印象的。著者が思う日本の現実の在り方、日本の個人の生き方、そういった部分は特に後半部分で強く感じる事が出来る。非常に多くの登場人物があり、それぞれについて収束できていない部分もあるが、読後感は決して悪く無い。この国について、自分自身について、大切な示唆と警鐘を与える一冊。 | ||||
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下巻では、さらにスピード感、臨場感がアップします。 読んでいる途中もドキドキがとまらず、あれだけの量を一気に読みきることができました。まさに舞台の一つとなった姪浜に住んでおり、福岡ドームもすぐ近く、本当に楽しむことが出来ました。 圧巻なのは、綿密かつ膨大な調査量!!!半端ではありません。シーホークホテルの構造一つにも綿密な調査がなされています。 ほとんど文句のつけようが無いのですが、私にとって一つ残念だったのは、ヒーロー達のあまりにあっけない結末。村上氏の狙いなのでしょうが、もう少し、ヒーロー扱いしてあげたかった。あっさり終わってしまいましたね。全体を通して言えば、本当に楽しめる作品でした。 | ||||
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本を読み終わると、本が現実なのか、現実がフィクションなのか違いがわからなくなるくらいすごい!!福岡に住んでる人間は特に臨場感たっぷりで読める作品ですね。秀逸でグロくてストレートです。 | ||||
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エンタテイメントとしても面白く読み出すと止まらない。 通常そのテの小説はモラルをもとにした善悪とか正誤とかをベースに読者を感情移入させるものだが、 この作品は北朝鮮の兵士や壊れた少年達という、およそ感情移入が出来ない登場人物たちばかりなのに 彼らの過去や現在の体験が、同情でも共感でもなくただただ胸に迫ってくる。そこが違う。絶対に映画化だけは許可しないでほしい! 北朝鮮兵士にアウトロー少年達が力を合わせて戦いを挑み、 それに兵士とアナウンサーのロマンスが絡むとかいう単純映画になるに決まってるから。 | ||||
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I hadn’t read a single Japanese book in the last 4 decades until I came across the Ryu Murakami’s most recent novel. With a pleasant surprise I was overwhelmed by his analytical/inductive ability that gives him a good insight into who we really are, and imaginative/intuitive ability that gives him a good foresight of where we are heading. And what a painstaking research work he did! He is particular about minute details because details are where the two different abilities meet. May 30 latimes online carried a report titled “Japan Focuses on One Enemy at a Time”in which the staff writer cited this book to prove his shallow view that the Japanese have a tendency to overestimate the threat from N-Korea while underestimating that from China. Obviously he hadn’t read this almost untranslatable book himself. Murakami doesn’t even think China is a more imminent threat. The real message he wanted to convey is: Our public enemy No.1 is inside ourselves. | ||||
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村上氏の小説を初めて読みました。 確かに力作です。 北朝鮮の反乱軍が福岡を占領するという発想には感服しました。 ただ北朝鮮人の一人一人の背景の長い描写は、単なる取材結果の 描写という感じで、すいません、読み飛ばししてしまいました。 過去に読んだ宮部みゆき氏著「模倣犯」の登場人物の詳細な描写 と比べると作家としての力量の差が感じるのですが。 でも大手新聞記者の無能さを露にしたエピソードには笑えました。 | ||||
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北朝鮮と日本の行く末という難しいテーマを扱った著作と聞いて、正直あまり期待していなかったが、見事に裏切られた。考えうる数多のシナリオの中から選ばれたストーリーは、リアリティと感動にあふれた作品に仕上がっている。とりわけ、生き物の使い方が抜群に面白く、ヤドクガエルを一度は見てみたいものだと思ってしまう。著者の出身地である九州は、古来から朝鮮半島との交流の盛んな土地であり、そこに生きる人々と北朝鮮の異分子との関わりには、敵味方を超えた奥深さが十分に描かれている。現実世界での日本と彼の国との関係がどのような方向に進むかは別にして、想像力を掻き立ててくれる傑作だと思う。 | ||||
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衰退してゆく近未来の日本経済 北朝鮮による侵略 本当にやりそうな弱腰の政府対応 なかなか面白い。 まったくあり得ない未来でもないし ただし、 チョイ役の人物にもいちいち どういう生活をしてきただとか どんな体験したなど 本筋とはあまり関係ない 説明文が多すぎ 下巻では生い立ち説明は 少し飛ばして読みました もう少し厚めの本にして 1冊で内容を濃くしたほうが良かったと思います。 | ||||
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