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半島を出よ
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半島を出よの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全322件 261~280 14/17ページ
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著者が取材して伝えたがっている情報が満載です。 まず、北朝鮮の庶民の実生活がどうなっているのか。 そして、北朝鮮の軍隊とはどういうものなのか。 そこから派生して、国家とは何か、軍隊とは何なのかということを、考えさせてくれます。 平和ボケした日本の政権が軍事組織と直接向かい合うと、どういうことになるのか。 荒唐無稽な設定なのですが、想像力を逞しくしてここまで描ききるところが、作家としての真骨頂なのでしょう。 有り得ないけど、有ってもおかしくないと思わせます。 いろいろな登場人物が出てきますが、章変わりすると、その人物からの視点での記述がなくなってしまうため、 中途半端な読後感が少々残念です。 | ||||
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村上龍の最新作。最高傑作という呼び声も高い。 昭和歌謡大全集には結構衝撃を受けたので、大いなる期待を持って読み始めた。面白い。結局足かけ二日で読了。 もう一人の村上である村上春樹がストーリーと文体で印象付けるとするなら、この本は、「文体だのなんだのウダウダ言ってんじゃあない」という、疾走・激走感に圧倒される本だ。確かに、テーマそのものはメールマガジン等で主張しているおなじみのものだし(日本に失望しているんだ、な)、枚数を感じさせない疾走感も、見方を変えれば、もっと枚数が少なくても伝わるものかもしれない。 膨大な描写は「取材の事実の自己確認」のように感じるし、章毎に視点が変わる構成も、「皆がその『場』の当事者」というリアリズムを念頭に置いたものなのだろうか。 その試みは成功していると思うが、かと言って以前の作品-例えば昭和歌謡座大全集-がリアリティの無い小説であるとは感じなかった(本当は無いんだろうが、、、)。しかし、、、 これらの何となくネガティブな印象を差し引いても、この本の迫力と疾走感は圧倒的である。最後の赤字のカネシロ、コリョには、、、何とも言えない読後感である。 | ||||
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龍さんの作品の中では最高傑作では。コインロッカーベイビーズを超えていると思う。中上健次にも読ませたかったんだろうな。映画『KYOKO』よりも泣けた。村上龍のテイストが100%発揮されている。 | ||||
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2003年頃、防衛庁は「北朝鮮のコマンドが全国250ヵ所に攻めて来る、その全部に部隊を貼り付ける!」とか言って予算を要求したそうだ。そんなことあり得ないと財務省に一笑に付されたこの気宇壮大な防衛官僚の作文は、2年程後に意外な人物によって手の込んだやり方でリライトされて帰ってきた。その巻末に並ぶ厖大な参考文献に名を連ねる「軍事評論家」なる人種はどうやって飯を喰っているのだろう。隣国の「飛翔体」なるものが列島はるか上空を通過する度にテレビに出て喧しく囀る一団の人々。専門馬鹿を通り越して「市ヶ谷方面」より伸びるヒモが腰に巻きついているとしか思えないが、さてこの本が今世紀初頭の自衛隊の予算獲得作戦に貢献したのか?しなかったのか?は、近い将来歴史家にとって中々興味深い研究テーマになる、と妄想してみるのも楽しい。 ドラッグとセックスとロックの作家としてデビューした村上龍は、マジョリティのために書かれる文学などありえないとどこかで言っていたが、ここで描かれたような「居場所のない」少年たちはこれを読んで果たして何を得たのだろう。 | ||||
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緻密な調査で得た、北朝鮮に関する確かな情報と、 現代日本社会と日本人が抱える問題点を鋭く提示した 見事なフィクションだと思う。 謎に包まれた、北朝鮮の生活や風俗、日本人と著しく 異なる北朝鮮人たち思考がとても興味深く描かれている。 また、近年深刻な問題となっている残忍で凶悪な犯罪を 引き起こす少年たちの細やかな心理描写が絶妙。 現代に生きる全ての人々、特に若者は必読!! | ||||
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福井の本に比べると、武器の知識は付け焼刃だし、戦闘シーンの描写も幼稚に思えた。しかし内容は堅苦しくなく、ストーリーもしっかりしているため、より幅広い読者に受け入れられるのでは。村上龍はどんなジャンルでもそれなりに書けてしまうところが素晴らしい。 | ||||
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いやあ~。ハラハラどきどき。一気に読みました。 ダンブラウンも真っ青のページターナー。 現在の北朝鮮との関係や北朝鮮の国内事情もリアルで、まさに超バーチャルリアリティ(ちょっと安っぽい語感だけど仕方がない)。 これは我々日本人と日本政府に突きつけられた村上龍からの挑戦状ですね。 読み終わったあと、レッド・ツェッペリンの「胸いっぱいの愛を」が頭の中でぐるぐる回っていました。 | ||||
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「この本に書いてあることは現実になるかもしれない・・・・」 一瞬、そのことが頭を過りました。 経済の崩落、孤立してゆく日本、反米運動、そして北朝鮮からの襲撃。 正直、少し不安になりました。本当にそんなことがありえるのか・・・・・・ 最悪のシナリオ、どうなるのか、日本は。 将来、これが現実にならないことを祈りたい。 | ||||
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まさにこの小説の舞台にに住んでいるので,臨場感ありまくり。ややもすると現実と小説の区別がつかなくなるほどでした。一気に上下巻を読みきりました。 綿密な調査に基づいて書かれているようで(巻末の参考文献,映像の量が半端でない)この小説のような日本(中央からの地方の離脱)になることも十分にありうるかと・・・。星が4つなのは,登場人物がしゃべっている言葉が博多弁ではなく,長崎弁(佐世保弁?)であること。小説の面白さの本質にはまったく関係ありませんが,一応,地元民なもので。 | ||||
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北朝鮮軍が、日本に上陸してくることは、まず政治的戦力的に 考えられない。 ただ、一部が工作員として国内浸入し、本国とは無関係の反乱軍と 名乗ってテロを起こすのは面白かった。まあ、思いっきり指示を受けているのだろうけど(笑)ただ、そんな起こりもしない非現実的なことよりも 日本で暮らしている一部の、在日朝鮮人工作員の仕業として 描けなかったところに、村上龍の限界を感じた。 | ||||
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とにかくたくさんの登場人物が出てきて頭の中を整理するには 役者や韓流スターを思い起こし、自分なりにあてはめながら GW期間中に読みきった。ひとつのイベントを複数の視点から 書き、ときに時系列が前後したりしましたが、そのブレがまた 新鮮な発見を生み、ストーリーに引き込まれていく。北とイシハラ 一族が抱えるそれぞれの重い過去や存在が、腐敗した日本を 舞台にアンバランスな混沌を生み出し、それをただ呆然と眺める だけの政府という3者の微妙な対立構造が、最後のシーホテルの 崩壊によって、あっけなく霧散していくしめくくりは、なんとも いえぬ後味を感じました。なんていうか悪い夢を見て目が覚め て、なんなんだろうと思い出そうとも思い出せないそんな感覚 でした。小説こそ事実より奇であるべき典型的な作品です。 | ||||
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細部までこだわって書いているので少々長めの作品です。もう少し、絞って書いたほうがよかったような気がします。 | ||||
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著者が「情報」を偏重するようになって久しい。 その参考文献羅列を眼にする度に、「世界中の宗教を完全に研究してここに至った。」と真顔で語っていたオウム幹部のことを思い出してしまう。 もちろん、村上龍の魅力は、そうした中途半端な「情報」とは無縁な、膂力あふれる文章の力にあることを再確認させてくれるのが本書である。 それこそが無惨にも弛緩を晒し続ける村上某との違いであって、一読の価値は十分にあろう。 cuff linksを「カフスリング」とする表記や、(会話ならともかく)地の文に散見する「ら抜き」といった瑕瑾を正すのは編集、校正の責務であろうが、それがなされていないのは本書だけではなくて、JR西日本の失態等と通底して日本の現状を象徴するものと感ぜられてならない。 | ||||
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本作で書かれたコリョ達は、実際の北朝鮮軍兵士の姿というより、 むしろ大日本帝国軍人の影絵をなぞったものだろう。 したがって本作で描かれた状況は象徴的に言えば、 旧日本軍が、現代の日本を暴力的に支配するという構図だ。 敗戦後アメリカに巧みに支配され続けている現実の劇画化でもある。アメリカに服従することで豊かさや見せかけの平和を得て、 それと引き替えに誇りや危機管理能力を失った戦後の日本。 そこに、家族愛と自信と緊張感に満ちた戦前の日本人のコピーが現れ、 現代の日本人達の卑屈さや欺瞞を暴き、その圧倒的な力を見せつける。 作者が本作でやろうとしてるのは、敗戦後の「日本人論」なのだ。もっとも作者は、どちらの日本にも可能性を見ていない。 故郷を離れたヤドクガエルが毒を失うように、 次第に高麗軍も日本の「退廃」に染められ、力を弱めていく。 最後まで危機感を失わず戦ったのは、社会の異物である危険人物達だ。本作の設定や結末が荒唐無稽であることは否定できない。 しかし日本人論として考えれば、あえて極端に描くことで、 主張と問題点を明確に際立たせていると捉えるべきだろう。 本作のテーマに即して言えば、 異質なものを排除して整合性を保った優等生の回答はつまらない、 むしろ過激な毒物を使わねば閉塞状況は突破できない、ということだ。 | ||||
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いやー、すごいんじゃないですか、この作品は。村上龍の最高傑作でしょ。頭のてっぺんから、つま先まですべての力をつかってこの作品を書き上げたのが伝わってきますよ。やっぱ、この人は小説家だったんだなー、と思います。もう小説家はやめたのか、と思っていたけど、この職業が彼のコーリング(天職)なんだ、と感じさせますよ。本気で作品に向き合ったんですね。辺境のもの、マイノリティが、危機感をもち、ブレークスルーを起こしていく、というのは、相変わらずだけど、それは彼にとっては、引き剥がせないものなのでしょう。思想面とかのことはどうでも良くて、作品を細部まで支配する彼の想像力にとりあえずカツ目すべし。 | ||||
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さもありなんと思わせる近未来の日本の姿、北朝鮮の侵略、日本政府の無作為、無能ぶり、全てが在りえるだけにぐいぐい読まされてしまいました。 見開きの登場人物の多さには驚きましたが、それぞれの視点に立ってテンポ良く進むので、全然気になりません。 若者達が立ち向かう動機が明確になっていないような気がするが、そんな疑問も吹き飛ばすくらい面白いです。 ある程度結末は判りましたが、帯には結末めいたことは書かないでほしかったな。 | ||||
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かなりおもしろいです。 ただ、サッカーの中田英寿選手も自身のHPでコメントしている 通り、最初の2、30ページは結構苦痛です。とにかく人物が たくさん出てきて、役職名も多いし、話の筋が読めないので 途中で投げ出したくなります。でも、50ページくらいから話の筋が見えてきて(もちろん クライマックスはわからない)、あっという間の読めて しまいます。緻密に描写されており、イメージが自然とわき ます。まるで戦争映画を見ている様です。とにかくとにかくおもしろいので途中で投げ出さずに 読んでみてください。かなりはまりますよ。 | ||||
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村上龍が考えていること、大切にしていること、譲れないこと。 その全てが詰まっている。 作者は、色々な作品で、色々な形で上記のことを繰り返し発表してきた。 今回も「危機感を持ち戦略を練って個人で行動できること」、「戦争と経済合理性」、「コミュニケーションの本質」など、 既に別の作品で書かれているようなテーマも盛り込まれている。 しかし、読んでいて飽きはこない。むしろ逆に新鮮である。 村上龍の作品が好きな人、まだ読んだことのない人。 この両者に特にお薦めしたい作品である。 | ||||
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荒唐無稽なフィクションだが、ありうると感じさせる。 アウトローを描くことから始まった村上文学と北朝鮮がうまくジャンクションした傑作といえる。 ドル凋落の事態に遭遇し、保有する米国債を米国の圧力で売却できず、日本の円、国債、株暴落、国民の預貯金凍結最悪のコースをたどる。 現在でも日本の財政赤字は国、地方合わせて1000兆円を超し、いつ破綻してもおかしくない。これがまずありうる第一のシナリオだ。次に、北朝鮮にその弱点をつかれ、福岡に北朝鮮の特殊戦部隊が上陸する。北朝鮮が日本を見透かしているのは事実だが、特殊部隊上陸以下は政治、軍事的にはまずありえない。 ここからが村上文学の真骨頂だ。アウトロー集団が北朝鮮特殊部隊に反抗し,かく乱するという筋立ては実に奇想天外で、面白い。 北朝鮮部隊の弱点をあぶりだしているのもリアルテイーがある。だが、どうだろう。 北朝鮮はもともとアウトローの抗日武装部隊を原点にしているし、よど号事件の赤軍派もうまく手なずけた。 ということは、福岡のアウトローも洗脳され、先兵に仕立て上げられる可能性が十分にありうるということになる。 その点への踏み込みがあったなら、もっとはらはらどきどきの展開になっただろうとやや惜しまれる。 | ||||
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ストーリーの面白さや意外性は十分に楽しめる作品でした. 個人的には「愛と幻想の~」、「コインロッカー~」が村上氏の ベストワークだと思っているので、それを超えるものではないと 確認させてもらった感じです. かつて、村上春樹氏との対談で村上春樹氏がジョンコルトレーン のことを「意識の集中化の権化」といいましたが、その言葉が そのまま村上龍氏の文章にも当てはまるようだと、当時感じてい ましたが、この作品に関していえば、物語の緊迫感と文章がずい ぶんかけ離れていてたんたんとして、逆に、気持ちわるかったです. その「たんたん」とさせていたひとつの要因は、細かいかもしれま せんが博多弁と佐世保弁の混同にあると思います.69のときと おなじ語り口調は、福岡ではありえません.リアリティにかけました. それほど売れる本だとはおもいません.時流に乗っているだけなのかも. | ||||
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