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(短編集)
クリスマス・プディングの冒険
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【この小説が収録されている参考書籍】
クリスマス・プディングの冒険の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.90pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全17件 1~17 1/1ページ
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本書『クリスマス・プディングの冒険』は、アガサのおとくい料理集です。 その「添えもの料理」としての「グリーンショウ氏の阿房宮」を読みたくて、購入。 「このクリスマスのご馳走の本」(3頁)では、 「グリーンショウ氏の阿房宮」という短篇は「添えもの料理」。 「グリーンショウ氏の阿房宮」にはミス・マープルが登場するのに、 <ミス・マープル>シリーズには入っていません。なぜでしょう? 本書は、クリスマス・プレゼント用の本です。 「グリーンショウ氏の阿房宮」は、 アガサ自身が「添えもの料理」にたとえ、位置付けしたものです。 「グリーンショウ氏の阿房宮」は、58頁の短篇小説。 本書『クリスマス・プディングの冒険』の巻末に、ひっそりと静かに収まっています。 「グリーンショウ氏の阿房宮」のタイトルにある「阿房宮」って何でしょう。 「グリーンショウ氏の阿房宮」は、英語では ”Greenshaw’s Folly” 調べると、《フォリー》とは、建物の様式の名前らしい。 遊び半分で建設した、偽物っぽい、目立つ建物らしい。 どこか人間の愚行を感じさせるような建物みたいです。 「まともな名前」(407頁)ではないようです。 「阿房宮」は、秦の始皇帝の時代に実際に建設されたお寺風の建物らしいです。 ”Folly” を「阿房宮」と訳すのは、中国的。 エジプトのピラミッド風の《フォリー》な建物というのも、実在するようです。 本書中から《フォリー》の使用例を拾ってみます。 「このばかでかい建物」(407頁) 「こんな途方もないもの」(407頁) 「ばかでかいあの邸」(424頁) 「ばかばかしいほど巨大な建物」(460頁) 「化けものみたいな家」(460頁) 《フォリー》とは、そんな意味で使われる言葉のようです。 | ||||
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綺麗な本をありがとうございました | ||||
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アガサの短編集で、やはりどの話も 内容が良く、満足感でいっぱいです。 | ||||
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1960年に発行された短編集。ミス・マープルが探偵役の「グリーンショウ氏の阿房宮」以外の5篇は、ポアロもの。「はじめに」では、クリスティー自らこの短編集全体を『料理長のお得意料理集』と名づけてもよろしいなどと書いている。メインディッシュとしてをあげられた表題作「クリスマス・プディングの冒険」と「スペイン櫃の秘密」は、設定舞台が華やかというか大がかりだ。「負け犬」は、疑わしい人物が複数いるので謎解きの面白さあり。「夢」は毎晩同じ夢を見るという被害者が出てくる奇妙な話で、トリックは巧妙。 イギリス料理のクリスマス・プディングはおいしいのだろうか。物語ではとてもおいしそうだった。 | ||||
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『クリスマス・プディングの冒険』…ある国の王子がロンドンで遊んだ女にルビーを盗まれた。ポアロはその女が潜む屋敷のクリスマスパーティーに参加する。 『スペイン櫃の秘密』…パーティーの翌日、スペイン櫃の中から男の死体が見つかる。ポアロが調査開始。 『負け犬』…ルーベン・アストウェル卿が殺害され、甥が逮捕された。 『二十四羽の黒つぐみ』…いつも店にいる老人が違う曜日に現れ、違う料理を注文した。老人は一週間店に来ない。 『夢』…有名な大金持ちがピストル自殺をする夢に悩まされているとポアロに相談。 『グリーンショウ氏の阿房宮』…グリーンショウ氏の阿房宮と呼ばれる建造物を訪ねたレイモントとホレイスは館の主に遺言書の署名を頼まれ、隠し場所を教えられた。レイモンドはミス・マープルを紹介する。 | ||||
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ミステリーの女王クリスティー女史がクリスマスの贈り物として著した名探偵ポアロ物5編と老嬢探偵ミス・マープル物1編を収録する傑作中短編集です。私の考えではクリスティー女史の殺人ミステリーが意外と暗さを感じさせずに楽しく読めるのは名探偵ポアロの道化師めいた滑稽な存在感に負う所が大きいと思います。本作では少々変わり者ながらも茶目っ気たっぷりな彼の意外な人間的魅力に触れられますので、読者は安心して読めるミステリーの素晴らしいテクニック以外の部分でも大満足される事でしょう。 『クリスマス・プディングの冒険』イギリス政府から異例の依頼を受けた名探偵ポアロは散々迷った挙句に渋々引き受け、とある親族一家のクリスマス・パーティーが開かれる田舎屋敷へと赴くのだが、またもや彼にはお馴染みの他殺死体に遭遇してしまう。本作は初めの内ポアロの目的がイマイチよく解らずにイライラする面があり、このお膳立ての情報の出所にも多少の疑問は残りますが、最後は完璧なハッピーエンドですっきりとして気分爽快になりましたね。エラリー・クイーンもある短編で似た趣向に挑んでいますのでやはり一流作家は同じ事を考えるのだなと思いますし、女史の解決の仕方にはさすがに女性らしい優しさが感じられますね。『スペイン櫃の秘密』スペイン櫃の中から見つかった死体の事件に強い興味を抱いた名探偵ポアロは自ら積極的に調査に乗り出して行く。冒頭ポアロが味も素っ気も無いミス・レモンの態度に失望して「旧友へスティングズがいてくれたら!」と嘆くシーンが愉快ですね。恋多き女を巡る殺人事件の真相を暴くポアロの鮮やかな心理分析に成る程!と目を開かされます。『負け犬』常に家族との口論が絶えない気難しい家長の男が殺された事件の調査を進める名探偵ポアロは意味深な言葉を発し容疑者達に圧力をかけて揺さぶるのだった。題名の意味が最後になってわかる仕掛けの巧妙な一編でポアロのエキセントリックな面が強調された面白さが存分に味わえます。『二十四羽の黒つぐみ』名探偵ポアロが友人と会食したレストランで見かけた常連客のじいさんが店に来なくなり自宅で死体となって発見される。珍しい料理ミステリーの逸品で(童謡殺人の趣向ではありませんが)題名に隠された手掛かりが誠に鮮やかですね。『夢』ピストルで自殺する夢を見るとポアロに相談していた男が奇怪にも実際に死体となって発見される。ポアロの観察眼の鋭さは天下一品で容易な事では騙せる物ではなく巧妙な欺瞞工作を見破る名推理に何時もながら惚れ惚れしますね。『グリーンショウ氏の阿呆宮』土地の人々から「グリーンショウ氏の阿呆宮」と呼ばれる巨大建築に住む一族の偏屈な老女が何者かに殺され、老嬢探偵ミス・マープルが長年の人生経験を生かして犯人を推理する。動機のある人間が全員犯行不可能と言う難解な謎を理路整然と解き明かして見せるミス・マープルの名推理はとても素人とは思えないプロの捜査官も顔負けの最高に天晴れな素晴らしさでしたね。 | ||||
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かみさんが独身時代に買った本で、読まずに本箱に寝ていたが、「字が小さくてもう読まないから処分する」といってたのを譲り受けて読んで見た。アガサ・クリスティは過去に「そして誰もいなくなった」しか読んだことがなかったが、ポワロに関してはTVドラマでよく見ていたので、読みやすいのではと思って読み始めたら、案の定、すっと入っていけた。 あれだけの名作と呼ばれる作品を数多く残した作者ゆえに、外れることはないだろうとの読みは当たって、どれもしっかりしたオチがあって、常識や思い込み、錯覚をうまく利用してきれいに読者を欺いてくれる。殺人事件でも読後感がいいのは、血なまぐさい描写を避けているせいだろう。「負け犬」ではご夫人に催眠術をかけて供述を引き出すという、ほとんど反則技も飛び出すが、供述内容は女性ならではの視点を描写していて思わず微笑ませる。全部で6篇の短編が収まっているが、作者が短編でも一流の書き手であることを物語る短編集である。 | ||||
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クリスティの短編集。ポワロもの5作(『クリスマス・プティングの冒険』『スペイン櫃の秘密』『負け犬』『二十四羽の黒つぐみ』『夢』)、マープルもの1作(『グリーン・ショウ氏の阿房宮』)併せて6作の短編が収録されています。 今更ですが、このハヤカワ文庫さんのクリスティ文庫は、世界初のクリスティ個人文庫全集ということで編集者さんも気合が入っていて、表紙のデザインもとてもお洒落ですよね。ちゃんと作品の内容をイメージした写真を使っているのも素敵です。他の版よりちょっと値段が高くても、この表紙で揃えたくなります。 クリスティの短編集はミス・マープルものの『火曜クラブ』、ポワロものの『ポワロ登場』(この全集文庫でのタイトル。10年くらい前に私が読んだ版はタイトルが違いました)に続き3冊目でしたが、個人的には本作が一番面白く読めました。 特に、トリックは見抜けたけれどクリスティ得意の<意外性>がしっかり楽しめた『スペイン櫃の秘密』と『負け犬』がお気に入りです。『クリスマス・プティングの冒険』は古風なイギリスのクリスマスの描写が詳細で、聖夜を包むきらきらとした賑やかな雰囲気が楽しく、探偵の登場にはしゃぐ子供たちも活躍しますし、かつ珍しく死人が出ないお話で、爽やかな読後感の秀作。プティングといえば、イギリス生まれの喜劇王チャップリンの映画『独裁者』にも、プティングとその中に入った銀貨を使った面白い場面があったなあ〜、と読みながら懐かしく思い出しました。一般にイギリス料理は美味しくないと言いますが、フィッシュ&チップスとスコーンとプティングだけは一度食べてみたい、とまんまと思わせられました(笑)。 それにしても少ないページ数でこれだけの情報と起伏ある起承転結を盛り込み、かつ決して説明が多いとか、文章がうるさいとは感じさせない作家クリスティの技量に感服します。 ただ本書は、他のレヴュアーさんも書いておられるように、僕等の愛する<ポワロものの良心>ヘイスティングス大尉が出てこないのがやはり寂しいです(笑)。作中の様子を見ると、ポワロもこのノリのいい、想像力豊かな友の不在が寂しいようです。今回は秘書のミス・レモンや従僕ジョージに助手としてスポットが当たりますが、想像力を働かせる習慣のない彼等とポワロの今ひとつ噛み合わないやり取りが、何とも言えず喜劇的で面白かったです。 全体に、<阿房宮>や<スペイン櫃><王家のルビー><塔の部屋>など、子どもが読んでも楽しめそうなワクワクする舞台や小道具の多く登場する短編集だと思います。 今は真夏ですが(笑)いつか<クリスマスにクリスティ>としゃれ込みたいものですね。 | ||||
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作者の短編集の中では上質の部類ではないか。ポアロもの5篇とマープルもの1篇、いずれも平均以上の作品が並んでいる。 その中で突出していると私が思っているのは、毎晩同じ時刻にピストル自殺する夢を見、そしてそのとおりの事件が起きる「夢」。オカルト的な要素を交えながら、シンプルなトリックと解決が小気味良い。 他では、表題作の「クリスマス・プディングの冒険」とマープルものの「グリーンショウ氏の阿房宮」が、いずれも読みやすくて面白い。やはり短編は推理よりも直感で真相を突き止めるマープルものの方が向いているような気がする。 表題作はジュブナイル的だが、それがかえってクリスマスの雰囲気に合ってて良かったのかも知れない。 「二十四羽の黒つぐみ」は、作品としてはまあまあだが、タイトルは無意味。マザーグースにちなんだタイトルのようだが、はっきり言ってポアロ(と作者)のこじつけでしかない。このマザーグースはマープルものの長編「ポケットにライ麦を」にも用いられているが、その使われ方は雲泥の差で、本作での使われ方にはちょっと呆れてしまう。 | ||||
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作者の短編集の中では上質の部類ではないか。ポアロもの5篇とマープルもの1篇、いずれも平均以上の作品が並んでいる。 その中で突出していると私が思っているのは、毎晩同じ時刻にピストル自殺する夢を見、そしてそのとおりの事件が起きる「夢」。オカルト的な要素を交えながら、シンプルなトリックと解決が小気味良い。 他では、表題作の「クリスマス・プディングの冒険」とマープルものの「グリーンショウ氏の阿房宮」が、いずれも読みやすくて面白い。やはり短編は推理よりも直感で真相を突き止めるマープルものの方が向いているような気がする。 表題作はジュブナイル的だが、それがかえってクリスマスの雰囲気に合ってて良かったのかも知れない。 「二十四羽の黒つぐみ」は、作品としてはまあまあだが、タイトルは無意味。マザーグースにちなんだタイトルのようだが、はっきり言ってポアロ(と作者)のこじつけでしかない。このマザーグースはマープルものの長編「ポケットにライ麦を」にも用いられているが、その使われ方は雲泥の差で、本作での使われ方にはちょっと呆れてしまう。 | ||||
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クリスマスに家庭でプディングを作る習慣があることを始めて知りました。 最初のクリスマスにプディングを作る話は、ポアロものにしては、つくりが丁寧な気もしました。 ただ、なぜ、ポアロがプディングの中のものが予測できたのかの説明が、なんとなく不十分で、消化し切れていない気がしました。 シャーロックホームズと違って、ワトソン役のヘイスティングがいなくても、平衡感覚は崩れないのが面白いような気がします。むしろ、ヘイスティングがいない方が、均衡がとれているかもしれません。 | ||||
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クリスマスに家庭でプディングを作る習慣があることを始めて知りました。 最初のクリスマスにプディングを作る話は、ポアロものにしては、つくりが丁寧な気もしました。 ただ、なぜ、ポアロがプディングの中のものが予測できたのかの説明が、なんとなく不十分で、消化し切れていない気がしました。 シャーロックホームズと違って、ワトソン役のヘイスティングがいなくても、平衡感覚は崩れないのが面白いような気がします。むしろ、ヘイスティングがいない方が、均衡がとれているかもしれません。 | ||||
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ポアロの話にヘイスティングが出て来なかったのは寂しかったですが、 おなか一杯になるストーリーでした。 そして唯一マープル作品の「阿房宮」の話も面白かったです。 彼女の初期条件を破壊し、新事実を構築したのが印象に残っています。 | ||||
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ポアロの話にヘイスティングが出て来なかったのは寂しかったですが、 おなか一杯になるストーリーでした。 そして唯一マープル作品の「阿房宮」の話も面白かったです。 彼女の初期条件を破壊し、新事実を構築したのが印象に残っています。 | ||||
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ある外国の王子が高価なルビーを女に騙し盗られてしまった。英国政府からルビーを取り戻す依頼を受けたポアロは、調査のために滞在客を装ってクリスマスを田舎の邸宅で過ごすことになった。ところがそこでポアロを待ち受けていたのは、新雪のなかに血まみれで倒れた少女だった。・・・ 今回、新たに出た「クリスティー文庫」版の表紙は、ドアの向こうに見えるクリスマスツリー。ドアの向こうにどんな物語が待っているのか、わくわくすること間違いなしです! 『クリスマスプディングの冒険』では、クリスマスの晩餐メニューの様子が丁寧に書かれていて、読んでいるうちに食べたくなってきます。特にプディングは「青と赤の輝かしい湯気」が立ち上って、中には独身用のボタン、指輪、貨幣などがこっそり入れられ、それで将来を占うという楽しい場面もあります。もちろん、外には大きな雪だるま!ポアロと一緒に古風な英国のクリスマスを満喫できます。他の物語にも、スペイン櫃、夢、黒いちごのパイなど、小道具の利いた短編ばかり。どの物語もユーモアがあって、ミステリーながら読んで楽しめます。 | ||||
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ある外国の王子が高価なルビーを女に騙し盗られてしまった。英国政府からルビーを取り戻す依頼を受けたポアロは、調査のために滞在客を装ってクリスマスを田舎の邸宅で過ごすことになった。ところがそこでポアロを待ち受けていたのは、新雪のなかに血まみれで倒れた少女だった。・・・この『クリスマス・プディングの冒険』をはじめ、ポアロ物が5篇、ミス・マープル物が1篇収録されている短編集なのですが、ミステリーの出来はもちろん、何と言っても細部に至るまでの描写が見事に描かれています。『クリスマスプディングの冒険』では、おやつのホットケーキ、ケーキ、サンドイッチなどの軽食から牡蠣のスープ、2羽の七面鳥のロースト、果物が詰まったクリスマス・プディングなどのクリスマスの晩餐メニューの様子が丁寧に書かれていて、読んでいるうちに食べたくなってきます。特にプディングは「青と赤の輝かしい湯気」が立ち上って、中には独身用のボタン、指輪、貨幣などがこっそり入れられ、それで将来を占うという楽しい場面もあります。もちろん、外には大きな雪だるま!ポアロと一緒に英国の伝統風のクリスマスを満喫できます。他の物語にも、スペイン櫃、夢、黒いちごのパイなど、小道具の利いた短編ばかり。どの物語もユーモアがあって、ミステリーながら読んで楽しめます。 | ||||
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ある外国の王子が高価なルビーを女に騙し盗られてしまった。英国政府からルビーを取り戻す依頼を受けたポアロは、調査のために滞在客を装ってクリスマスを田舎の邸宅で過ごすことになった。ところがそこでポアロを待ち受けていたのは、新雪のなかに血まみれで倒れた少女だった。・・・ この『クリスマス・プディングの冒険』をはじめ、ポアロ物が5篇、ミス・マープル物が1篇収録されている短編集なのですが、ミステリーの出来はもちろん、何と言っても細部に至るまでの描写が見事に描かれています。 『クリスマスプディングの冒険』では、おやつのホットケーキ、ケーキ、サンドイッチなどの軽食から牡蠣のスープ、2羽の七面鳥のロースト、果物が詰まったクリスマス・プディングなどのクリスマスの晩餐メニューの様子が丁寧に書かれていて、読んでいるうちに食べたくなってきます。特にプディングは「青と赤の輝かしい湯気」が立ち上って、中には独身用のボタン、指輪、貨幣などがこっそり入れられ、それで将来を占うという楽しい場面もあります。もちろん、外には大きな雪だるま!ポアロと一緒に英国の伝統風のクリスマスを満喫できます。 他の物語にも、スペイン櫃、夢、黒いちごのパイなど、小道具の利いた短編ばかり。どの物語もユーモアがあって、ミステリーながら読んで楽しめます。 | ||||
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