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七瀬ふたたび
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七瀬ふたたびの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.41pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全69件 41~60 3/4ページ
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主人公は、火田七瀬という女性。 彼女は、精神感応能力者(テレパス)であり、他者の思考(心)を読むことが出来る。 彼女は、本作の中で、同じ精神感応能力者や予知能力者、透視能力者、念動力者、時間旅行者(時間を遡れる)たちに出会うこととなる。 基本的には、七瀬を含めた超能力者たちが普通者に自分たちの能力を悟られることを恐れる心情が描かれる。 また、時には危機を逃れるため、超能力を使用する場面がスリリングに描かれもする。 展開は早く手に汗を握るような場面もあり、読み応えがある。 超能力という普通と異なる能力を持つが故に迫害を受ける場面は、人間の醜さを表現させている。 ただし、七瀬を通し、一般男性のエロチックな思考を、汚らわしいものとして、また何度も描く所は鼻についた。 | ||||
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一気に読めました!面白かったです。続編が欲しいですね ぜひどうぞ | ||||
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30年ぶりに筒井作品を読み直している。これは火田七瀬シリーズ三部作の2作目。でも三部作の中でこれが一番好き。一作目の家族八景を読んでいなくても十分に楽しめる。筒井康隆のドタバタもハチャメチャもすべて好きだけれど異色に感じるこの作品は私にとって全作品中TOP3に入る。筒井康隆って誰?って人に是非読んでほしい本。 | ||||
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七瀬3部作のうち「家族八景」「エディプスの恋人」に比べると本作はあまり好きではありません。「家族八景」は各家族を通して人間関係の複雑さを、「エディプス」では神の存在を描いたのに対して本作はエンターテイメント性は高いがメッセージ性にかける気がしたからです。しかしその分登場する七瀬の理解者たちは非常に魅力的に書かれており、前半2/3ぐらいは3部作通してもっとも安心して読んでいられました。 ところで本書が問題提起している「なぜ神は超能力者を生んだか」と言う命題は投げっぱなしな印象を受けますがその回答は「エディプス」に持ち越されます。そういった意味では3作は全く性格は違いますが順番に全て読まなくては全体は見えてきません。 | ||||
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今年公開の映画では芦名星という女優さんが七瀬を演じています。 彼女の画像を何枚か観た後に、本作品を読んでみるのも一興です。 やはり小説で「美人」を表現するのにはある程度の限界があると思います。 その限界を芦名星のビジュアルイメージで補完します。 すると、もしあなたが男性なら七瀬が登場する度に 作中の男性陣とまったく同じことを心に浮かべているはずでしょう。 | ||||
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「七瀬ふたたび」が刊行されたのは昭和50年、今も手元に残るその文庫版を見ると、今作を読んだのはその3年後の17歳の頃だ。 筒井康隆は、10代から20代に掛け最も好きだった作家で、当時文庫化されたものは、エッセイを含め読み漁っていたのだが、これは代表作のひとつである「家族八景」の続編にして七瀬シリーズ3部作の第2弾に当たる。 筒井文学の作品群の中でも珍しいSF超心理サスペンススリラーだが、実は、短編「我が良き狼」と並んで、エモーショナルで涙なしでは読めない作品として、今も心に残る大好きな小説だ。 今回映画化されると知り、懐かしく読み返してみたのだが、久しぶりに初読時の興奮と悲しみが甦ってきた。 人の心を読めるテレパス火田七瀬が主人公。彼女の周りに存在する“健常者”たちの悪意、恐怖、嫉妬と言ったネガティブな感情。特殊能力を持った者が感じる絶望的な疎外感と孤独感、苦悩。 マイノリティな者たちが心を通わせ合いながらも、彼らに迫る危機。21歳のか弱き女性の、同胞を守ろうとする健気さと、テレパスゆえに同胞からも敬遠されてしまう孤立感。そして、次々に彼女の身代わりとなって殺されていく者たち、、、。 最終章での痛切極まりない主人公の憎しみと悲しみの情に胸を締めつけられながら、総ての“マイノリティ”に対する社会からの偏見、差別への、作者の激烈なメッセージを読み取るべし。 (追記)後に、あるアメリカの人気作家による有名なエンタメ小説を読んでいる際、今作の事を思い出した。 やはり超能力者の少女が国家的組織の思惑で執拗に追われ続ける。 少女がラストで選択したオチが、カウンターカルチャー世代として感動したその小説の名は、スティーブン・キングの「ファイヤー・スターター」、こちらも是非一読をお薦めしたい。 | ||||
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30年も前に書かれた本なので、携帯電話でのコミュニケーションは出てきません。 そういう意味では、現代の技術がSFを一部超越しているようにも思います。 でも、人の心は変わりようが無く、どんな能力を持っていても、その能力を持つゆえの悲しみや苦しみがあるように思います。 超能力者同士で仲良くなれる場合もあれば、いがみあい殺しあう場面もあり、人間同士の情緒の交流を描いた一級の物語のように思います。 予知能力を持っていても、自分の死は予知できない現実を見せ付けられるのは、辛いです。 人生の悟りを開いた人しか七瀬とはお付き合いできないような感じもしました。 欲を言えば、ハッピーエンドで終って欲しかったのですが、なかなかそういうわけにもいかないですね。 | ||||
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家族・国家・神(宇宙)とテーマが拡大した三部作の二作目。「時をかける少女」と並ぶ代表作でドラマ化も何度かされているため、思い入れの多いファンも多いだろう。登場人物がチェスの駒のように配置されて動き回る一方で、内面の掘り込みが浅い小説が多い筒井作品の中では、最も読者に主人公が感情移入された小説ではないだろうか。 僕が筒井康隆を認める理由に、小説という表現形式の型を自己言及的に壊しにかかるモダニスト的な資質がある。(例えば、漫画のようなコマ割りを採用した「上下左右」のような短編作品を思い出してほしい。)漫画家でいうと赤塚不二夫のような仕事をしてきた人なのだと思うが、この作品はそういうメタ小説風味の味は抑え目だ。(唯一、テレパス七瀬が複数の思念を読み取る時に、それまで一行だった文が二行に分かれて{}で並行して書かれるところなどに、「らしさ」が現れる。)そのような実験性がもう少し加わっていたら星は満点つけたが、それは僕がこの作者に変に「(通俗的な)文学っぽさ」を求めてしまっているからで、純粋にSF娯楽小説としての完成度は文句のつけようがない。国家の暴力装置の不気味さを織り交ぜるあたりは、さすがに巧いと思う。 TVドラマの焼き回しよりは、いっそのこと「時を〜」のようにアニメ化した方が新しい読者もつくし、海外での評価も高まるのではなかろうか。 | ||||
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「七瀬ふたたび」というタイトルだけは、 何故かこの本を読む前から知っていました。 七瀬3部作のなかで、1番おもしろいし好きです。 七瀬以外にもエスパーが登場して仲間になり、 エスパーVS国家権力という戦いが始まります。 手に汗を握る展開にページをめくるスピードが早くなり およそ1日で読み終わってしまいました。 あと、1975年にこの本は出版されているんですね。 33年前・・・本当にいま読んでも色あせない物語だと思います。 | ||||
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わくわくどきどきしながら読みすすみました。 スリル満点とてもおもしろかったです。 七瀬のように他人の心が読めたらどんな人生になるので しょう。 やはりひっそりと世を忍ぶ生活をおくるのでしょうか? | ||||
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蓮佛美沙子主演のNHK連ドラは原作の攻撃性を矯め平和主義的、家庭的に変えている。 原作に出てくる大抵の男は姦淫の想像たくましくするが、七瀬はそれに慣れていて、どんなビューティーコンテストでも3位には入れると思う自信家。 蓮佛のようにいつも眉根にギュッと皺をよせることはないだろう。列車で出会った若い男恒夫も原作では塩谷瞬のようにハンサムな自信家でもない。小さな男の子は原作では3歳、ちょっと幼すぎる。真弓瑠璃も原作の方が派手。 マカオのカジノで七瀬は荒稼ぎして日本に帰る飛行機の中で微弱ながら誰かの念を感じる。 これから先、エスパー殺しらしき者があらわれ話の脈絡が乱れる。ゾンビーというかハリーポッターの死喰い人みたいなのが増えてくる。結構人が死ぬ。 最後の舞台はきっと北海道の七飯町、大沼だな。 | ||||
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前作に続いて読みました。 こっちのが好き。 孤独な観察者から、 仲間と共に生きる姿を描く。 さまざまな“能力”を持った人たち。 それぞれが抱える寂しさを、 一緒にいることで癒すことができる。 しかし、 その彼女たちを脅かす敵が現れる。 徹底的に強いと思ってきた七瀬が、 大きなピンチを迎える。 おそらく3作品中、 もっともSF色の濃い作品。 | ||||
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筒井ストであった、なつかしいとおもった。 七瀬は今も通じる、いや今の時代にピッタリだ。エスパー少年も今必要とされている。 こんなうれしいことはない。筒井さん、まだ老け込むのは早いですよ。 なんて、叱られるかな? わたしはおそらく全巻持っている読んでいると胸張って言える。 それほど多才であり時に脳が私と同じに世間と違う動きをしているのではないかとさえ おもうような、奇想天外な作品も多い。その中にありて、ふたたびこの作品が 日の目をみるというのは大歓迎だ。皆様、ぜひお買い求め、お読みになってください。 ぐいぐいひきこまれますよーー 推薦いたします。 | ||||
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他人の心を読むことのできる精神感応能力者(テレパス)、火田七瀬(ひだ ななせ)を主人公にした三部作、『家族八景』『七瀬ふたたび』『エディプスの恋人』。その第二部にあたるのが本書『七瀬ふたたび』で、七瀬のような超能力者の孤独感と苦悩、同胞意識が、スリリングに描き出されています。 七瀬サイドに立つ超能力者として、同じ精神感応能力を持つ男の子、未来を予知できる青年、物体を遠隔操作できる念動力(サイコキネシス)を持つ黒人青年、時間旅行者(タイム・トラベラー)の娘の、総勢五名。特異な能力を持つが故の彼らの孤独感と葛藤、互いに心を許し合える同胞にめぐり会った喜びがリアルに描き出されていて、読みごたえがありましたね。なかでも、時間旅行者という超能力者を登場させたことが、話に変化と深みを生み出す上でバツグンの効果を発揮しているなあと思いました。 <とてもいい書き出しだ。夜汽車で火田七瀬の見た予知場面なのだな、と気づいたとたん――それは最初のページで気づくのであるが――スイと作品の流れに乗っていける。>にはじまる平岡正明の文庫解説文も、作品のツボを押さえたナイスな語り口。読みごたえ、あります。 | ||||
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主人公の魅力による人気で、作家としても予想外に続編を書くに至ったのではないかという気がする作品だ。 今度の作品では、主人公は孤独から解放され仲間を得る。それぞれ特殊な能力を持つ、エスパーたちだ。エスパーものの作品では能力を持つが故の不幸、迫害、逃避というのが付き物だが、本作品も例外ではない。特殊能力を有する仲間たちとの邂逅から始まって、彼らを狙う謎の組織からの逃避が始まる。 全国を舞台にした逃避行は映像的なドラマ性十分だ。三部作の中では、第一作が二時間ドラマの連作とすれば、この第二作はサスペンス映画かSFアニメと言ったところで、一番映える作品だと言える。それだけに結末は非常に悲しい。 続編であれば、七瀬の生い立ちをたどったりすることで、いくらでも再度ストーリーは創作できそうに思える。敢えて七瀬を追われる立場にして物語にけりを付けたかったというような意志を感じるあっけない作品だ。 | ||||
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超能力を題材にした作品。人の心が読めるとは、こうゆうことなのですね。筒井さんの作品はどれも飽きさせない。特にこの作品は感動がある。読んでいると、まるでSF映画を見ているような感じ。 | ||||
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ラストは、涙なしで読めません。 七瀬達の悲劇には。 | ||||
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なぜ、「ふたたび」なのか。『家族八景』という前作があるのを知ったのは随分あとの事でした。 さらに、超能力者の皆がひとりひとり倒れていったあとにまさかの更なる続編があるのを知ったの はもっとあとでした。だってタイトルだけじゃ判らないんですもの。 そんな『七瀬ふたたび』。やっぱり三部作の中では一番好きです。少年漫画や、長く続いた超能力 小説の様にどこまでも強さとスケールがインフレ化せずにうまくまとまっていたのが傑作との誉れ が高い所以だと思います。そういった意味では三作めは好きではないし、蛇足だと感じたのですが。 余談ですがこの作品が好きな理由を自分なりに分析してみたところ、一つの結論にたどり着きまし た。この物語の構成は、『水滸伝』です。ひとりひとり社会を追われたアウトローが集まっていき ユートピアを夢見るが、最後には奸計に遭い滅んでいく。個性的な主人公たちが集まっていく過程 のワクワク感や、滅びの悲壮感まで描いているところが水滸伝的で心に残るのだと思いました。ア メコミの『X-MEN』を好きなのも多分、同じ理由(笑)。 | ||||
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三回TVドラマ化されているが、 水野真紀主演のが一番好きです。 「邪悪な目」では筒井先生自身が透視能力者として登場しまっせ! 予知能力者の袴田吉彦も良かった。 多岐川裕美版はギリギリ許容範囲だが、 ショートカットの新人が七瀬を演じた作品は問題外。 火田七瀬(このネーミングセンスも抜群ですよね)は長髪美人なのが不文律である。 前作「家族八景」では孤独だったエスパー七瀬が、他の超能力者達と巡り合い、 敵対したり仲間になったりする話だが、 国家権力に敵視され、負ける話です。 七瀬たち超能力者にとどめを差すのが、 名無しの警官たちというラストは素晴しい。 雑魚でも集まれば、超能力者たちに勝てるという、 超能力をマンセーしていない素晴しいSFである。 超能力なんてものは悲劇の種にしかならんのだ。 死に行く七瀬が夢見た、超能力者が幸福に暮らせる国はまさに夢でしかない。 サイコアクションとして楽しんで、ラストは思い切り泣け! でも、続編あるけどなw どうでもいいが、赤塚不二夫が漫画化した「家族八景」はファンの間では無かったことになっているのか?w | ||||
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本作で七瀬ものはシリーズ化される事になった。前作では、エスパー七瀬を介して様々な家族の人間模様を描くという筒井にしては地道な作品だった。しかし、七瀬の魅力に抗し切れなかったのだろう、七瀬を中心とした超能力合戦を描くという本格SF風作品を次作として発表する事になった。 しかし、内容を見ると七瀬を中心とした超能力者達の孤独感、焦燥感等が中心に描かれ、やはり人間模様の描写がテーマだと思われる。特に七瀬を愛する超能力者が七瀬を庇って死ぬシーンは悲哀が漂ってくる。七瀬の苦しみは、むしろ諦観に近づいているように見える。こう考えると前作「家族八景」のテーマを引き継いでいるように思える。そして、七瀬の煩悶、孤独感は前作より強まっているのだ。 超能力合戦というSF的設定の中で人間ドラマを描き出した秀作。 | ||||
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