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蒼ざめた馬
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蒼ざめた馬の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全20件 1~20 1/1ページ
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事件の首謀者が明らかになった瞬間、呆気(あっけ)にとられてしまいました。全くのノーマークだったんで。読み終えた今でも、なんか詐欺にでもあったような気持ちです。誤誘導っつっても、これはなあ。たいてい、騙されると思います。 ちょいとわくわくしたのは、マーク・イースターブルックってぇ語り手の男が、怪しげな事件を自分ひとりで調査していくのではなく、ある人物とコンビを組んで二人三脚、調べていくところ。著者の〈トミーとタペンス〉シリーズを彷彿させる味わいがあって、思わず、うきうきしちゃいました。 シェイクスピアの『マクベス』に出てくる〝三人の魔女〟みたいな人物たちとか、彼らが開く降霊会の様子とか、秘密組織が関わっているっぽい犯罪の不穏なとことか、そうした怪しい雰囲気の醸し出し方は、なかなかのものでしたね。 そんななか、クリスティーを模しているのだろう登場人物アリアドニ・オリヴァに、もっと舞台を引っかき回してほしかったかなあ。って、これは私の勝手な無い物ねだりっす。 | ||||
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とても、面白かったです。 | ||||
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1961年の作品。アガサ71歳。 本書のタイトル『蒼ざめた馬』って、何でしょう? その由来に興味を持ちました。 「(聖書に出てくる死神は蒼ざめた馬に乗っている)」(152頁) 「蒼ざめた馬(ペイル・ホース)……」(213頁) 「『ヨハネ黙示録』第六章、第八節。 ″われ見しに、視(み)よ青ざめたる馬あり。これに乗る者の名を死と言い、陰府(よみ)これに従う……″」(418頁) 聖書から来ているようです。邪悪なカモフラージュかも。 本書の中では<蒼ざめた馬>は、昔の「宿屋」(101頁)の名前です。 いまは、ただの「民家」。 「<蒼ざめた馬>なんて、ただの隠れ馬でしかない」(379頁) カバーの写真は、LE PENDU(吊るされた男)のタロットカード。 「逆さの十字架も」(379頁) 今の努力が報われず、徒労に終わる可能性を示すタロットカードかも。 『恋の骨折り損』になるかも。 語り手の「ぼく」は、マーク・イースターブルック。学者。 本書の各章に、副題「マーク・イースターブルックの物語」が無いのは、 第二章、第三章、第八章、第十章だけ。 本書には全部で二十五の章があるのに、副題が無いのはたった四つの章だけ(16%)。 四つの章の語り手が、「ぼく」マークではないから、副題が無いようです。 「おそらく、ぼくがこの物語の大部分を書くことになる」(5頁、<序文>より) 本書の 86% を「ぼく」が書いています。「大部分」も大部分の 86%。 正題『蒼ざめた馬』と、副題「マーク・イースターブルックの物語」とが、逆位置です。 逆位置で開かれた<吊られた男>のタロットカードみたいで、なんとも不吉です。 正題を『マーク・イースターブルックの物語』に、副題を「蒼ざめた馬」にしたら? 長くアガサの愛読者をやっているので、毒殺ものの小説には、少々飽きてきました。 「毒物なんて! そんなのはもう時代遅れですよ。幼稚なやり方」(131頁) 「なんの芸もないただの毒殺」(381頁) アガサは分かっているのです。確信犯的捏造小説作家なんです。 「あたしには昔ながらの猫いらずか砒素で十分」(28頁) 本書は、タイトルとカヴァー写真からして、宗教的、呪術的です。 魔法で呪い殺すのは、「黒魔術」(27頁)。 「黒魔術」殺人事件。 かなり期待しました。 ところが、本書の冒頭、ゴーマン神父がいきなり棍棒で撲殺されます。 なーんだ。毒殺ではないけれど、かなり平凡な殺人。 「あたしが書くのはごくありふれた殺人だけなのよ」(136頁) やれやれ。アガサ、いなおり? でもガマンして最後まで読んでみました。 いつものアガサ小説の面白さ満載。楽しく読めました。満足でした。 で、殺人犯人は誰か? 「登場人物」リストに注目しました。 「ハーミア・レッドクリフ……マークの女友だち」 「ジンジャー……マークの女友だち」 あらら。どちらが、マークの本命の女友だちでしょうか? どちらも犯人とは関係ないと思いますけど…… ジンジャーが本命の恋人でした。 結末で、マークは結婚をジンジャーに「ちゃんと申しこんだ」(419頁)のです。 本書は、マークとジンジャーが協力しながら犯人探しするの巻。 ついでに二人のロマンスも生まれました。 どうか「恋の骨折り損」になりませんように。 | ||||
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犯人にするにはかなり無理があり、話を面白くするためなら何でもありかと思いますが、 でも何故か楽しめました。それがアガサのすごいところなのか? | ||||
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種明かしされるまで、謎めいていて楽しめます。イギリスでTVドラマ化されていますが、原作と全く違う脚色で、断然原作がおすすめ。 | ||||
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仰々しい悪事も行われてるし、重い……かと思いきや、悪事の裏側に迫る若い男女、見守る理解のある大人、というクリスティお得意の軽く楽しく読めるトミーとタペンス的なお話でもありますね。 | ||||
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何でもない日常に潜む殺人。人の記憶が当てにならないけど、その記憶と人の思い込みが奇妙に絡まった不思議な事件。心霊現象を巧みに操って人を呪い殺すと言う人達の行動が面白い。土地柄などは関係ない。やっぱり人が事件を起こす。 | ||||
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どうも私はアガサの小説では読書中に犯人に良い印象を持つ癖があるようです。 なので3分の2程読んだあたりで「ん?...これは怪しいかも」と感じました。 いやでも面白かったです。 | ||||
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築300年を超えるマナー・ハウスに集う3人の魔女。彼女たちは黒魔術を用いて依頼人が望む人々に死をもたらし、報酬を得ていた。この許されざる悪に挑むのは、海外で長く暮らすうち、母国の社会の変化に着いていけなくなった若き歴史学者マーク・イースターブルック。何らの探偵的素養も持たず、どちらかといえば消極的な性格をしているマークだったが、ごくわずかな理解者に、ときには励まされ、ときには叱咤されながら調査を進め、次第にその正体へと迫っていく…… 1960年代、英国では経済の停滞をはじめとする社会不安を背景に、第二次世界大戦以前に人気を博していたクラシックなホラーが、ときにSF的な視点も交えながら息を吹き返します。そうした風潮の中で、70歳代に入ったクリスティが久々にオカルト要素を盛り込んで描いた作品です。 原題にある“The Pale Horse”は、新約聖書、ヨハネの黙示録第6章第8節が出典で、黄泉を従え、飢饉や獣たちの力で人々を殺す“死”と呼ばれる乗り手がまたがっている馬。作中では、魔女たちが暮らす屋敷の名前として用いられています。タイトルからしてわかりやすい禍々しさで、通俗的な怪奇小説の趣向に則っているのがうかがえます。 しかし、侮るなかれ。 クリスティはこの懐古主義的な物語を、すでにコンピュータやロックンロールが存在している60年代にきっちりと埋め込んでみせます。 特に見事なのが冒頭で、ポップカルチャーの発信地であるチェルシーや、かつての面影をなくして寂れてしまった下町を描きながら、時代の雰囲気を醸し出していきます。そして中盤、クリスティが得意とする地方の田舎町に舞台を移すと、次々と登場人物を繰り出し、ストーリーを核となる“蒼ざめた馬”へと収束させていきます。散りばめられたいくつもの事象が、ページをめくるにつれて相互に結びついていくさまはまさにストーリーテリングの妙で、クリスティの衰えぬ技量を存分に味わうことができるでしょう。 ジャンル的には、ミステリーというよりサスペンスに属し、謎解きは志向されていませんが、クリスティの代名詞でもある犯人の意外性は変わりません。もっともクリスティといえど、作風にはクセがあり、20作以上を呼んでいる人であれば、犯人がわかってしまうかもしれません。しかし、謎解きがメインではないため、結末を知ってからでも読み直す楽しみがあります。むしろそうすることで、丁寧かつ複雑に構築されたプロットの巧みさを実感することができ、なるほどこうやって伏線を忍ばせたり、ミスディレクションを誘っていくんだなと、新たな興味をかき立てられると思います。 また、クリスティ作品を読み慣れた人にとってお楽しみといえるのが、過去の諸作に登場していた人物たちとの再会です。 主人公マークの従姉妹として出てくるローダ・デスパート(Rhoda Despard)とその夫ヒュー・デスパード(Hugh Despard)は1936年刊行のポアロ物『ひらいたトランプ』から。このときはまだ恋が芽生えたばかりだった二人の25年後の姿を見ることができ、しかもヒューは少佐から大佐に昇格して(おそらく引退して)いたこともわかります。 地方教区の牧師とその妻である、デイン・キャロスロップ夫妻(Rev Dane Calthrop & Mrs Dane Calthrop)は1943年刊行のマープル物『動く指』から。このとき事件にマープルを呼び寄せる役を担ったキャロスロップ夫人は、今回もまた聖職者の妻とは思えない、善悪を超越した冷徹さを発揮して存在感を示します。 そして何といっても、推理作家のアリアド二・オリヴァ(Ariadne Oliver)。クリスティ自身がモデルとされ、後期の作品に頻繁に顔を出す彼女もなかなかおいしい役どころを授かっています。第1章での執筆中の苦悩っぷりや、最終盤での電話のシーンなどはとりわけ忘れがたい印象を残すでしょう。なお、アリアド二・オリヴァはパーカー・パイン物の短編で初登場した後、本作を含めて7作の長編にバイ・プレイヤーとして出演しています。末尾にその登場作品をまとめておきますので、興味のある方は参照になさってください。 懐かしいキャラクターたちとの旧交を温めながら、老いてなお冴えを見せるクリスティの妙技を味わう。彼女に関心を持つ方であれば、きっと楽しい時間を過ごせる一作だと思います。 【アリアド二・オリヴァ登場作品リスト】 1.パーカー・パイン登場(1934年、短編集) 2.ひらいたトランプ(1936年、ポアロ物の長編33作中の13作目) 3.マギンティ夫人は死んだ(1952年、ポアロ物の長編33作中の24作目) 4.死者のあやまち(1956年、ポアロ物の長編33作中の27作目) 5.蒼ざめた馬(1961年、本書) 6.第三の女(1966年、ポアロ物の長編33作中の30作目) 7.ハローウィン・パーティ(1969年、ポアロ物の長編33作中の31作目) 8.象は忘れない(1972年、ポアロ物の長編33作中の32作目) 【補足データ】 初版:1961[昭和36]年11月 初版刊行時点でのクリスティの満年齢:71歳 長編として:全66作(Mary Westmacott名義で刊行された非ミステリ長編6作を除く)中の52作目 ノン・シリーズ物の長編として:全17作中の15作目 | ||||
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本格物ではなく、冒険的要素を兼ね備えたサスペンス小説という感じだ。カトリック神父殺人の背後にある大きな謎を、主人公の学者と友人女性が調査して暴く物語。クリスティーの作品でおなじみのオリヴァ夫人が登場するが、ポアロは登場しない。ポアロが登場しないのは、推理よりも調査過程がメインの話であり、素人探偵の視点で物語を描きたかったためであろうか。 殺された神父が残したメモの謎、3人の魔女による呪法の儀式と遠隔殺人の謎、「車椅子の男」が歩いて牧師を尾行していたという目撃者の証言の謎、主人公たちによる偽装潜伏調査など、ミステリーとしての読みどころは十分。事件の背景にある謎は、ドイルの「赤毛組合」を彷彿させる。 オリヴァ夫人は、主人公に対して、「青ざめた馬」という事件につながる符号を与えたり、真相につながる重要な手掛かりを示すなど、脇役として、存在感を示している。 最後にひねりがあるのだが、このひねりはあまり効果的ではないと感じた。その人物が黒幕である必然性に乏しいし、面白味がない。私は、別の人物を黒幕だと思っていた。 | ||||
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さすがにアガサ・クリスティーいろいろなものを小出しにして・・・あとはお読みになってから。 | ||||
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魔女に呪いをかけられた相手が妙な死に方をする。 マークは謎をとこうとする。マークは覇気がない。 マークを手伝うシンジャーは元気だ。 | ||||
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べつに気にしなければいいだけのことだが、翻訳のちょっと流行語風の表現が気になった。日本語の仕上がりとしては前の訳者 H 氏のほうが(会話の訳しかたに癖はあった点をのぞけば)おもしろく読めた。ただ H 氏の訳の中の Mogul を「蒙古」としてしまったのがまずくてこの新訳が出されたのかと思ったけどちがうだろうか? | ||||
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私にとっては長編の最高傑作の一つである! デイン・カルスロップ夫人が、マークに闘いを決意させる際に語る「誰かが残酷にならなければいけません・・・(略)」という言葉は、今でもたまに自分を鼓舞する為に思い出す。 (しかも友人達の相談に乗った時にも引用し、友人達を感動させていた。勿論私ではなくクリスティーが。) 聡明で豪胆で、時に全て見透かされているような恐さも感じるが、私の理想の女性である。 それからオリヴァ夫人。彼女の電話のシーンが大好きだ!先ず「あたし」で分かれという横柄さの後に、大ピンチで急いでるマークに世間話、更には脱線話・・・堪忍袋の緒が切れたマークに「よくお聞きよマーク!」そして物語は一気に加速して行く。 因みにオリヴァ夫人のぐるんぐるんに巻いた髪には色んなものが挟まってるらしいが、どうしてもそこだけ想像出来ない。 一体どうなっているんだろう? | ||||
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一見すると、怪しげな人物ばっかりなので、 その人が犯人のように思えてしまうことでしょう。 特にある人なんかはやっていることがやっていることなので 一番疑いたくなるはずです。 だけれども疑ってしまうと 最後の予想外の展開に 「あいや!」となりますのでご注意を。 しかしながらこの作品は どこか神秘めいていますね。 「死の猟犬」を読んでいるような錯覚に 陥ります。 犯人は上のとおり、 予想外なはずです。 ふっと不意打ちをされたような感じになること まちがいなしでしょう。 | ||||
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オリヴァ夫人が登場しているので、ポアロはいつ登場するのかと待っていましたが、 最後まで登場しませんでした。 連続殺人事件を追う人が、警察医、学者、警部と、連携していく。 自分を標的にして操作をしようとする女性の危険な賭け。 最後のハピイエンドは、なんとなく途中から想像ができました。 主犯が誰かが、最大の山場のはずですが、 説明が少し物足りない気もしました。 | ||||
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本書は、殺された神父の靴の中から見つかったリスト9人のうち数人が最近死んでいるという事件を発端として、これらの死と関係があると見られる〈蒼ざめた馬〉に住む魔女と呼ばれる3人の女たち、降霊会、呪いによる殺人と、まるでディクスン・カーの作品を思わせるオカルト趣味に満ちた作品。 だが、読んでいる間はそれなりに面白かったが結末はというと、カーの大半の作品のように肩すかしものであるばかりでなく、主人公が真相に気づいたニューヨークで読んだ記事はそれまでどこにも出てこないため、読者が真相を推理するのは不可能。 なお、本書はレギュラー探偵の登場しないノン・シリーズだが、主人公の友人として推理作家のオリヴァ夫人がポアロものの「死者のあやまち」に次いで再登場している。(オリヴァ夫人は本書の後、ポアロものの「第三の女」に登場する) また、デイン・キャルスロップ牧師夫妻もマープルものの「動く指」以来の再登場。(「動く指」では「キャルスロップ」ではなく「カルスロップ」と表記されている) 直接ではないが、こうしてポアロとマープルの世界が結びつくのは作者の遊び心によるものだろう。 | ||||
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真相までぐいぐい引っ張ってくれます。しかし、謎が解き明かされると少々がっくりしました。 というのは、すっきりしない部分が結構あったからです。犯行手口とか犯人とか。 まあしかし、オカルトを取り入れた本格推理ものとしてまあまあの作品だと思います。 | ||||
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クリスティーといえば、緻密なトリックを駆使した本格派ミステリの代名詞のような人なのだが、そんなクリスティーが、その対極にあるようなオカルトを、結構、自らの作品にも取り入れていたという事実は、オカルトに対するクリスティーの意外な関心を示すものとして、なかなかに興味深い。 クリスティーは、「死の猟犬」に、オカルトを題材とした短編11作を掲載しており、「シタフォードの秘密」では、「交霊会」を事件の大きな鍵を担う設定とし、ついには、オカルトとミステリを見事に融合した長編として、この傑作「蒼ざめた馬」を書き上げるに至っているのだ。この後、「終りなき夜に生れつく」でも、不吉な予言をする不気味な占い師の老婆を重要な役割で登場させており、これらを見る限り、クリスティーのオカルトへの関心は、半端なものではなかったのではないだろうか。 さて、物語は、病で死に瀕した女に呼び出され、途方もない奇妙な話を告白された神父が、9人の名前を書いたメモ書きを残して撲殺されるところから始まる。学者マークは、そのうちの数人が病死していることを知るのだが、マークは、一方で、「誰かを消したければ「蒼ざめた馬」に行けばいい」という噂を耳にしており、そこに住む、3人の魔女に会うことになる。魔女から、超能力で潜在意識に働きかけて病気を誘発し、人を殺すことが可能だという話を聞かされたマークの心の中には、この二つを結びつける疑念が浮かび上がってくるのだった…。 徹底してオカルトに彩られた本書は、読み進めるほどに、「オカルトパワーによる殺人としか説明のしようのない病死事件を、どうやってミステリにまとめていくのだろうか」と心配になってくるのだが、最後には、見事に、本格派ミステリに仕上げてみせるクリスティーの技には、脱帽するしかない。クリスティーは、本当に凄い人だ。 | ||||
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最初なかなか物語が進まないなぁと思っていたら、途中からの急展開に驚かされます。主人公のマーク・イースターブルック青年は、設定としてはあまり面白みのない、事件の渦中に巻き込まれそうにもない位置付けなのですが、これを事件の真っ只中へ取り込む作者の手腕に感服するばかりです。呪術を用いて不気味で不思議な空間へ導いてくれます。主人公の心のゆれとともに、読む人の心までゆれる、そんな不思議な体験ができる本です。もちろん事件のスケールも大きく、慎重で少し頼りないマーク青年と裏でうごめく組織との駆け引きには、胸を躍らせます。 | ||||
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