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深海のYrr



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深海のYrrの評価: 3.44/5点 レビュー 77件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.44pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全44件 41~44 3/3ページ
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No.4:
(5pt)

エピローグの日記は秀逸

読了まで6日かかりました。
上巻は冒険小説、中巻は謎解き、下巻は収束といったところでしょうか。
他の人の感想を読むと、中巻でへこたれているようですが、理解するにはDNAや蛋白の機能などの生物学の知識がないとしんどいかもしれません。かなり平易には書いているのですが。強いていえば、人間が脳内で行っている判断は細胞の集合で実施していますが、それを生物の集合で行っていることが概念的に理解できれば下巻にいけるのではないでしょうか。
日本人には衝撃度は少ないでしょうが、キリスト教圏の人にはきつい小説でしょうね。そのショッキングな内容をまとめたエピローグの日記は秀逸でした。
深海のYrr 〈上〉  (ハヤカワ文庫 NV シ 25-1)Amazon書評・レビュー:深海のYrr 〈上〉 (ハヤカワ文庫 NV シ 25-1)より
4150411700
No.3:
(4pt)

SF映画のような小説

物語はノルウェーとカナダの海を中心に展開する。
2003年の春、海に生息する生き物たちの起こす異常な行動が
確認された。海洋生物学者らが謎の解明に取り組むのだが、
その間にも海の異変は人間に影響を与え始める。
クジラが人を襲い、ロブスターが爆発して得体の知れない液体を
放ち、人を死に追いやって行く……。

海底天然ガスを開発しようとしている企業、環境保護を唱える
運動家、クジラ研究家などさまざまな立場の人たちの思惑が入り乱れ、
さらに後半になるとCIAや米軍なども絡んできてますます面白く
なってくる。登場人物も多く、生物・科学系の専門用語も難しいので、
この小説のスタイルに慣れるまでは結構大変だったが、スリリングな
場面展開と魅力的な主人公たちに引きつけられて一気に読めた。
本書は映画化されるらしいが、まさにこの本は迫力あるSF映画を
見ているような気分になる作品だった。

著者のシェッツィングはよほど映画が好きなのだろう。
登場人物たちのセリフの中に、『アビス』、『タイタニック』、
『インデペンデンス・デイ』、『ET』、『コンタクト』、『鳥』など
多くの映画作品名が出てきていた。これらの映画が好きな人たちは、
さらに本書を楽しめるだろう。
深海のYrr 〈上〉  (ハヤカワ文庫 NV シ 25-1)Amazon書評・レビュー:深海のYrr 〈上〉 (ハヤカワ文庫 NV シ 25-1)より
4150411700
No.2:
(5pt)

熱中のあまり、思わず電車乗り間違えました。

読み応えは充分な力作だと思います。最初、専門用語の多さと難解な言い回しが読むスピードを鈍らせましたが、良作のつねでしょうか、100ページ過ぎたら、読むのがもどかしくなる位、物語世界に引き込まれ、うっかり、反対行きの地下鉄に乗ってしまいました。要約すると、古典的なコンタクト系物語です。ただ、作者の述べる地球物理学的なアプローチによるストーリー世界の構造化、いくつもの場面が織り成す重層的なコンテンツの連鎖、やはり本国で200万部を超えたベストセラーだけの力量を感じます。科学技術系の論文に匹敵する情報と、様々な人間模様の描写、そろそろ、日本人作家でもこの人位のレベルで、私たちを楽しませてくれる方が出てこないかなぁ。電車の中で読む本としては、危険かも。ぜひ、じっくり座って読まれることをお勧めします。
深海のYrr 〈上〉  (ハヤカワ文庫 NV シ 25-1)Amazon書評・レビュー:深海のYrr 〈上〉 (ハヤカワ文庫 NV シ 25-1)より
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No.1:
(4pt)

Yrr(イール)との遭遇

ノルウェー沖の油田開発域で、新種のゴカイが発見される。
そのゴカイは、新世紀の新燃料と目される「メタン・ハイドレード」の層を齧っていることが判った。
カナダ沖では、クジラたちがホテール・ウォッチングの観光客を襲い、フランスではロブスターに宿った謎の病原菌が人びとを次々に死に至らしめていく。
メタン・ハイドレードの層がゴカイに破壊され、大陸棚もろとも崩落。
余波でヨーロッパは史上かつて無い大津波に襲われ、壊滅。
オーストラリアや島々には、毒性の強いクラゲが大量発生し、船の排水口をふさぐことで航行不能に追い込むほどになる。
アメリカ西海岸には、仏ロブスターの毒素を強力にしたウィルスを、おびただしい数のカニが運び込んできた!
各地で異変を感じ、各地で調査に取り組んでいた科学者たちが、事態の深刻化からアメリカの要請で一同に集められる。
様々な分野から、様々なアプローチ。
異変の影にある共通点は、外洋の深海、薄青く光る靄。
それは、人類殲滅を目論むナニカからのコンタクト……?

惜しむらくは、多彩すぎる科学者たちの余禄にもなる人生の過去、遍歴が書き込まれれば書き込まれるほど、背景がぐちゃぐちゃになって、ページを戻ることになったり、混乱することになってる気がした。
十余人も科学者が登場するが、2人(ヨハンソンとアナクワ)が主要視点保持者だとわたしは感じた。
しかし、この二人の孤独を、それぞれの書き込み強調していたが、それはカタストロフィ云々の中で結局昇華されたのだろうか。
知的生命体がホモ・サピエンス以外に存在するのかどうか、という宇宙に向けて人類が問いかけ続けたロマンを、閉ざされた宇宙、深海に向けることで、人類が攻撃されるに足る理由が真実味を増した気がする。
それは人類が自分達に「罪」があることを、痛いほど把握しているからだ。
ここ数年のエコ・ブームだけれど、「不都合な真実」が真に「不都合」な国々にはさぞかしショッキングだろう。
物語の中で、しきりに日本の「捕鯨」と「メタン発掘」を悪役のようにモチーフ化していたけれど、微妙に違うというか……ステレオタイプで過激保護団体に寄った書かれ方だったのが残念だ。
探査船「しんかい」だって、それなりに頑張ってるんだけどな。
やはり欧米から見て日本は、極東の生意気な小国なのだろうか。とどうでもいい部分で落ち込んでみたりもした。

作品内で、しきりに過去の宇宙モノ映画に対する批判や揶揄が登場するが、結局本作もその枠から大きくとび出すことは叶わなかったと感じている。
それでも、Yrrがわたしと遭遇したとき、わたしを生かしてくれるとはとても思えないので、非常に勉強になった。//
深海のYrr 〈上〉  (ハヤカワ文庫 NV シ 25-1)Amazon書評・レビュー:深海のYrr 〈上〉 (ハヤカワ文庫 NV シ 25-1)より
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