グルメ警部キュッパー



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初公開日(参考)2008年02月
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長編小説

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グルメ警部キュッパー (ランダムハウス講談社文庫)

2008年02月01日 グルメ警部キュッパー (ランダムハウス講談社文庫)

大富豪インカが何者かに殺された。事件を担当するのは、いつも料理のことばかり考えている警部キュッパー。殺害現場の食べ物もつまみ喰い。容疑者を相手にレシピの交換。刑事としては優秀だけれど、こと料理となると盲目に。そんな彼が、味音痴の部下と一緒に難事件解決に挑む!ビアホールで呑むケルン名物ケルシュ、美人秘書の焼く魅惑のタルト・タタン…。美味しい料理とドイツ・ケルンの魅力たっぷりのグルメ・ミステリ。 (「BOOK」データベースより)




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グルメ警部キュッパーの総合評価:5.40/10点レビュー 5件。Dランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(3pt)

「グルメ」警部と呼ぶほどには…

フランク・シェッツィング第2作目。1作目が13世紀のケルンを舞台にした歴史物で、2作目はグルメ警部が主人公のコージー・ミステリとガラリと趣向を変え、多彩振りを見せている。

文体も1作目に比べると軽妙だが(まあ、訳者も違うのだが)、どうもこの作家の文章は私には合わないように感じた。

今まで私は数多くの海外作品を読んできた。従って普通の読者がよく云うような、人物の名前の区別がつかない、舞台が海外で馴染みがないので解りにくいといったような抵抗感無しに物語に入っていけるのだが、この作家の場合は少しばかり勝手が違うように感じる。

一番感じるのは、本書で作者が前作にも増して散りばめているウィットやユーモアがこちらに頭に浸透してこない事。そのため、各章の最後に書かれた締めの台詞が私にはビシッと決まらず、頭に「?」が浮かんだり、もしくは「ふ~ん」という程度で終ってしまうのだ。

もしかしたらこれは作者のユーモアセンスではなく、ドイツ人共通のユーモアセンスなのだろうか?アメリカやイギリス、そしてフランスの作家の作品を読んできたが、これらの国のユーモアに比べて、洒落てはいるとは思うが、機知を感じるとまではいかない。

ではミステリとしてはどうかというと、2つの殺人事件が起きるわけだが、この真相はなかなかに入り組んでおり、なるほどとは感じた。

さて題名に「グルメ警部」と謳われているように、主人公キュッパーは美味い物に目がないが、この手の作品にありがちな料理に関する薀蓄が展開されるわけでもないため、際立って美食家であるという印象は受けない。
むしろ、普通に美味い物が好きで料理も出来る男が警部だったというのが正確だろう。

また巻末にはケルンの街の有名な店の名前と料理のレシピが載せられているが、これらが作中に登場したのか確信が持てない。読み慣れないドイツ語表記の料理名は私がドイツと料理の双方に疎い事と相俟って、想像を掻き立てられなかった。
そんな私はこの本を読む資格がないと云われれば素直に認めざるを得ないが。

登場人物も個性があり、例えばドイツ人なのに、イギリスの執事に憧れる召使いシュミッツを始めとして―ただこの特異さについては日本人である私にはいささか解りかねるところがある。なぜならドイツも城が多くあり、貴族も多いため(「フォン」とは貴族の称号だし)、執事がいることがさほどおかしいとは感じないのだが―、被害者インカの夫フリッツとその影武者で元俳優のマックス、絶世の美女であるフリッツの秘書エヴァに大富豪の娘でありながら、動物園の飼育係であるマリオンなど、役者は揃っているが、彼ら彼女らの台詞が前述のようにこちらの頭に浸透してこないので、作られた紙上だけのキャラクターとしか映らなかった。

しかしこの作者はきちんとクライマックスシーンをアクションで見せるところに感心する。『黒のトイフェル』にも大聖堂の屋根上での迫力ある格闘シーンがあったし、今回は動物園を舞台に追跡劇とライオンの柵の中での攻防ありと、サービス満点だ。
この2作に共通するのはこれらアクションシーンが非常に映像的だという事。広告業界で働いた経歴を持つ作者だから、こういったお客に“魅せる”手法を常に意識しているのだろう。

まあ、しかしまだ2作目。この作者の真価を問うにはまだ早すぎるか。次の『砂漠のゲシュペンスト』で上に述べたような不満が解消されるのか、はたまた世評高い『深海のYrr』まで待たなくてはならないのか。
ともあれ、過大な期待をして臨むことだけは避けて、次作に取り掛かることにするか。


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No.4:
(3pt)

ケルン発ミステリー

殺人現場の食べ物をつまみ喰いしたり、容疑者とレシピの交換をしたりと今までの警部像とはかけ離れた警部でした。
まぁ〜実際にこんな事をしてたら懲戒免職になってしまいそうですけどね(笑)。
容疑者が多くてみんな何か隠し事をしてる雰囲気があって最後まで犯人探しを楽しめたけど、最後まで読んで真相にたどり着いた時に動機がイマイチしっくりこなかったです。
物足りないって訳ではないけど読後スッキリではなかったです。
ドイツのケルンという街を舞台にしてるのですが、料理以外でケルンの良さをアピールしてないのが残念でした。
グルメ警部キュッパー (ランダムハウス講談社文庫)Amazon書評・レビュー:グルメ警部キュッパー (ランダムハウス講談社文庫)より
427010158X
No.3:
(2pt)

グルメ警部?

食べものがふんだんに出て来る軽めのミステリーが好きなので、タイトルを見て即購入したのですが、
期待はずれでした。
まず登場人物の感情表現がドイツ的なのか、私にはよく分かりませんでした。
「!?」マークが多用されていて、みんなが常にいがみ合っているような印象を受けました。
それに主人公のキュッパーにしても、グルメ警部と謳っているのにそれほど「グルメ」を実感できる
シーンが出て来ずがっかり。
食事のシーンや食事の描写は期待したほど出てこなかったように思います。
またドイツの作家の作品を読むのは初めてだったので慣れていないせいかもしれませんが、状況描写が
あまりなく、どのような場面かを頭の中で思い描きにくい部分もありました。
肝心の事件や推理の過程もぱっとせず、登場人物に感情移入できるほどの魅力も感じなかったので、
星2つとさせていただきました。
グルメ警部キュッパー (ランダムハウス講談社文庫)Amazon書評・レビュー:グルメ警部キュッパー (ランダムハウス講談社文庫)より
427010158X
No.2:
(4pt)

グルメ・ミステリとしては弱いですが、巧妙で楽しめる良質のミステリです。

ミステリーだけでなく幅広いジャンルの作品で絶賛されている現代ドイツの大人気作家シェッツィングの日本初紹介作です。まず文庫帯に書かれている、とんでもない警部という部分なのですが、ちょっと誇張され過ぎているように思います。キュッパー警部は確かに殺人現場でつまみ喰いはしますが林檎一個だけで深夜の捜査で空腹だったからでしょうし、容疑者とレシピ交換するのも相手が求めたからです。彼は食べ物の事を考えると夢中になってしまうのを自覚して懸命に抑えていますし、事件初日から不眠不休で事件に取り組んでいく熱血刑事です。彼が今回の事件に遭遇したのは6年間暮らしていた彼女から逃げられた直後なのですから最も悪い心境であったでしょうし、ですから部下のラーベンホルストに最初辛くあたったのも仕方ないかなとも思えます。しかし流石に警部だけあって推理は鋭く、一見歴然としている事でも懐疑的に考察し見事に真実を突き止めます。やはり警部に一日の長があるのですが、無器用で少し生意気な部下のラーベンホルストとの掛け合いは面白く本書の読み所です。富豪夫人インカの殺害は動機があまりにも多過ぎて難航しますが、続いて第二の殺人事件が発生し事件が一気に動き出します。本書はミステリーとしては堂々とあからさまな趣向を見せながら巧みに読者を誤魔化す構成のテクニックに秀でていて十分に健闘していると思います。幸薄い富豪の娘マリオンとキュッパー警部との友情とクライマックスの動物園でのどんでん返しに続くスリリングな追跡劇が圧巻で読者を最後まで飽きさせません。グルメの興味は小道具に過ぎず、多彩な才能を持つ作者のサービス精神が随所に見られる良く出来たミステリーですので、ぜひ一読をお奨めします。
グルメ警部キュッパー (ランダムハウス講談社文庫)Amazon書評・レビュー:グルメ警部キュッパー (ランダムハウス講談社文庫)より
427010158X
No.1:
(3pt)

どことなくユーモラス

グルメもののミステリです。
 たぶん、このシェッツィング、邦訳は初めてされる方ですが本国ドイツではベストセラー作家さんであるとか。そういう予備知識なしに、グルメな警部が大活躍する本ということで食いしん坊でミステリ好きな自分は手にとってみたんですが、、、ちょっと中途半端な感じでした。
 実際にシェッツィングが住んでいるケルン(ローマ帝国の退役軍人が入植して築いた都市として、また大聖堂があることで有名)を舞台にしたミステリなんですが、たぶん土地っ子が読むとすごく面白いんだと思うけれど、行ったことやイメージが湧かない人からすると普通のミステリで、あとはその主人公のキュッパー警部のキャラがよく出来ていないと厳しいんだけれど実はそのキャラ造詣がちょっと弱い。
 グルメで料理に関するこだわりがすごくありそうな紹介だったけれど、これくらいのレベルならそのあたりに掃いて捨てるほどいそうで、グルメ警部というにはちょっと物足りない。これならば、ご当地+美食グルメの探偵・刑事ということでいえば、シチリアのモンタルバーノ警部、アメリカのネロ・ウルフ、日本の高野聖也のほうが圧倒的にキャラがたっていてプロットも強いです。 
 ただ、そこはかとなく漂うユーモアという点では、奇抜な登場人物たちも勘定にいれるとけっこういい味を出しているかも知れません。物語冒頭で殺されるインカという大富豪の妻、彼女は性格も極悪だけれど男達を虜にしないではおかない極めつきの人物。その主人と影武者のフリッツとハルトマン。インカの娘で、虎の飼育係のマリオン。彼女の恋人でたえず宇宙からの電波でライフスタイルを変えるバンドマン。どれも一風変わっています。まぁ、主人公のキュッパー警部からして、母親の死を告げにいった相手にビンタを食らわされて何故か娘のような年の女の子に心惹かれたりするのだから、この世界の基準では普通科もしれませんが、そのあたりのへんてこな感じもユーモアとして取ればいい雰囲気かも知れません(キュッパーという名前もなんかユーモラスといえばユーモラスかも)。
 ただし、ミステリとしてのプロットはわりと単純すぎるのと、ミスリードさせる材料のつめこみすぎはバランスが悪いんじゃないかなと思います。もう少しバランスよく入れば評価は変わったかもしれません。 
 評価は5の3。次回本訳本に期待です。
グルメ警部キュッパー (ランダムハウス講談社文庫)Amazon書評・レビュー:グルメ警部キュッパー (ランダムハウス講談社文庫)より
427010158X



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