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湿地
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湿地の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.87pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全44件 1~20 1/3ページ
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同著者によるシリーズ最新7作目『悪い男』を先に読み、よかったので、遡って1作目から読んでみた。 主人公のエーレンデュル捜査官は有能だし(7作目には登場しない)、読みやすい展開だし、情緒がある内容でよかった。 以下はネタバレかもしれない(新作ではないので、十分ネタバレ相応の内容は他のレビュアーも記述しているが)。 ――7作目と似ている。被害者がレイプ犯でかなりのくそ野郎であること、加害者に情状酌量の余地があること。そしてこの設定は作者が信念としていることに基づいているようだ。巻末の『訳者あとがき』に記載されているのだが、作者のアーナルデュルがスウェーデンの新聞インタビューで「殺人者が最悪の犯罪者であることはめったにない」「殺人者にはしかるべき理由があり、殺されるほうには殺されて当然と思える側面がある(以下略)」と述べている、とあった。 ……これにはかなりの違和感を禁じ得ない。偏っている。そんなことは絶対ない。私が読んだ二作とも前述の内容でいい小説を書いているのは確かだが、他も同様なのだろうか? 先入観をもたず、あくまでも小説として、とりあえず2作目以降も読んでみようと思う。 *ちなみに、主人公が娘に、事件の詳細を未解決の時点で語るシーンがある。倫理上問題はないものだろうか? *本欄で他のレビュアーが「レイプされてできた子供を出産するなんてありえない」と記述しているが、私は女性だがそれはアイスランドでなくても人それぞれの考え方だと思う。 | ||||
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孤独な老人の死はこのようにして起きたのか……と、読後には唸りを上げてしま いました。アイスランドというあまり馴染みのない国が抱える問題をテーマに、 様々な家族、そして親子のあり方を描いたとても読み応えのある一冊でした。 主役の捜査官エーレンデュルは鮮やかな推理や立ち回りではなく、粛々と地道な 調査を重ねていくことで真相を解き明かしていきます。そうやって一つ一つ事実 が明らかになる毎に、事件のあまりにも悲惨な背景が露わになってくるのです。 また、エーレンデュル自身のプライベートな生活も中々の地獄絵図です。それな のに仕事では吐き気を催すような事件を追う。気が狂ってもおかしくないくらい の環境にもがき苦しみながらも、なんとか前に進もうとする姿は心を打ちます。 とにかくどっぷりと北欧ミステリです。どこを切り取っても暗い世界で、救いを 見出すのは難しい物語です。個人的には全体を通しての重苦しさはトップレベル だと感じました。それがたまらない、という方には間違いなくお薦めの一冊です。 | ||||
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この耳慣れない名前の著者は、アイスランドという、これまた馴染みのない国の作家なのですが、スカンジナビア推理作家協会が北欧5か国(アイスランド、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、ノルウェー)の年間最優秀作品に与える、「ガラスの鍵賞」を2002年と2003年に連続して受賞するという快挙を成し遂げています。ちなみにこの賞の受賞者にはほかに、「ミレニアム」シリーズで知られるスウェーデンのスティーグ・ラーソンがいます。(1「ドラゴン・タトゥーの女」と3「眠れる女と狂卓の騎士」ともに死後受賞)そして、インドリダソンにとって初の受賞作となったのがこの「湿地」という作品です。 レイキャビク警察犯罪捜査官のエーレンデュルとその部下たちが難事件を解決していくシリーズ中の一作ですが、「湿地」ではあるアパートの地階の部屋で老人の死体が発見され、現場には謎の言葉が書かれたメモが残されます。その些細なメモを手がかりに犯人とその動機を追っていく物語です。 不明にしてまったく知らなかったのですが、アイスランドは世界有数の遺伝子研究の進んだ国だそうで、それはこの小さな島国が9世紀以降、他民族の侵入を受けなかった歴史があり、そのため、かなり均一の集団を維持してきたことで遺伝的変異が少なく、したがって遺伝学研究にはうってつけの環境なのだそうです。 「湿地」はあきらかにその点に着想を得て書かれたもので、まったく繋がりのない2つの家族の悲しい過去が、避けられない運命によって徐々に結びつけられていきます。事件が起こった10月のレイキャビクは悪天候で、捜査のあいだ中ひっきりなしに雨が降り続け、陰惨な事件の展開と相俟って、エーレンデュルの気持ちを滅入らせます。その上、彼には離婚した妻とのあいだに息子と娘がいるのですが、娘のエヴァ=リンドは薬物中毒で、金をせびるためだけに訪ねる父親とは喧嘩が絶えず、親子関係はどん底なのです。 けっして読後感のよい物語ではありません。ですが、逃れることの出来ない血の宿命を描いて、強く印象に残る作品です。 | ||||
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北欧ミステリー小説とくれば、1位ミレニアムでのリスベット、2位ヘニングマンケルのヴァランダー刑事が私の好きなキャラ。エーレンデュル刑事のキャラは3位になりそうな気配がある。映画では観ていたけれど、 小説の方が涙が出るほど、人間の心の深い悲しみが伝わってきました。しかし、アイスランドの地名や名前は、舌を噛みそうになるので、ご注意を! | ||||
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暗くて重い。世界有数の福祉国家アイスランドの人々が、少しも幸福そうに見えない。まぁ、警察小説なので、そうなるのは仕方ないんでしょうが。英米ミステリーの軽妙さとは真逆。クスッと笑える場面はほぼなし。好悪がわかれるのはそこかなぁ?なので星5つにしませんでした。でも、超一級のミステリーで有ることは間違いない。特に中盤からページをめくる手が止まらない感じ。予想も出来ない展開。ただ・・気持が凹んでるときに読むのはお勧めしません。心身共に余裕のあるときにぜひ。少し時間を置いて,次作を購入しようと思います。 | ||||
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ストーリーは面白かったのでシリーズ次作も購入しようと思います。ただ翻訳が直訳過ぎたり表現が古くさすぎたりして読みづらいです。それでも最後まで読んでしまうストーリーの面白さでした。 | ||||
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人口30万人の国。盛岡市と同じ。殺人率0、33人。1年に一人の殺人事件。これは日本の殺人率と同じという。年老いた男が一人殺された。殺したのは、幼い娘が脳腫瘍(だったかな?)で死んだ父親だった。追う刑事は離婚したろう刑事。あれ?よくあるミステリー?でも、全国民のヒトゲノムを管理できる国では様相が違うのですー。 インドリダソンの三部作?の中で一番好きですー。 | ||||
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エーレンデュルシリーズの第1作です。 私は逆に最新作から読んでしまいましたが、事件自体には大きな影響はありませんが、やはりこれから読んだ方がよいかな?と思います。 派手な推理のようなものはないですが、登場人物の関係やその背景が少しずつ解明されていくとともに、最後のはかなさ含め、シリーズの中で最も良いのでは?と思います(まだ、「声」は読書中ですが) 欧州ミステリーによくある過激な犯罪表現もないのも作者の特徴です。 欧州ミステリーのファンにはお薦めの一冊だと思います。 | ||||
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日本訳が読みやすくて、続きが気になって、早く読んでしまいました。 | ||||
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読みやすい。 聖書、裏にある神への問いかけ。血の呪縛。そうしたものを重くせず読めるように、訳されている。 | ||||
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私はほとんど推理小説を読んだことがありません。ある推理小説サイトのおすすめ本として、少しグロそうだな…とも思いましたが読みました。 この本は、刑事ものです。 主人公が刑事だからこそ罪とは何か?ということと向き合う内容のお話となってしまう。といっても、堅苦しい作りではないちゃんと面白い小説です。300ページほどある短くはない構成ですが、特に、中盤後半と話を回収していくところがうおお…という感じでした。 個人的な心情からすると、序盤一人の不良少女やもしくは若手刑事が出てくるのですが、私は主人公よりもそちらに年が近いので、そっちの葛藤や若手とベテランの衝突などが描かれるのかなと期待した部分もあるのですが、作者の方もベテランのようです(50歳くらい)、話を通しての心情的な座位は相当高かったかなと思います。ただそれでも面白かったので、推理小説好きなら楽しめる一冊であると思います。 私自身にとっては、集約する力の具現存在、として良いものを見たと感じました。 | ||||
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ストーリー展開を楽しみました。 | ||||
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アイスランドのミステリだと。人口三十万人の国でミステリが書かれるとは驚きだな。 湿地に建つアパートで、一人暮らしの老人が殺された。 粗暴で不器用な犯罪と思われたが、奇妙なメモが残されていた。 捜査が進むにつれて、おぞましい過去の闇が明らかになる。 真相と動機にはかなり驚かされた。 トリックや犯人当てではなく、人生を丸ごと巻き込んだ重厚なストーリーに引き込まれる。 松本清張の社会派推理に近いタイプだが、もっと重くて暗い。 主人公の捜査官エーレンデュルは離婚経験者だ。22歳の娘は彼を口汚く罵る。 おまけに薬物中毒で父親のわからない子を妊娠している。またかよ。 北欧ミステリには「主人公は不幸であるべし」とか「読者に不快感を与えよ」とかいう戒律でもあるのかね。 不幸が連鎖するプロットは良く出来ている。 | ||||
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文章に翻訳物にありがちな不自然さがなく、まるで最初から日本語で書かれたかのような自然な文章でした。人物紹介に不必要に尺を割かなかったためか、ストーリーのテンポが早く全く飽きませんでした。予想もしない新事実が次々に明らかになるので、ミステリーの楽しさを存分に味わえました。次回作も読んでみるつもりですq | ||||
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アーナルデュルの出世作。アイスランドのレイキャビクの北部、戦争前後に住み着いた移民が、湿地の下につくられた地下室に住んだ歴史をもつ。降り続く雨、陽のささない地下や墓地、モルグ。 「妹の自殺を思うとき、わたしの頭に何が浮かぶか知ってる?血で真っ赤に染まった浴槽じゃない。そこに沈んでる妹でも、手首の傷でもない。カミソリを買うために財布からお金を取り出している、お金を数えている姿なの」P83 日常にひそんだ恐怖、日常と並行するありふれた犯罪や死が、かえっておそろしい。謎をといていくのは地味な捜査官。 | ||||
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家族とは何か、遺伝子とは何かと考えさせられる内容でした。 お互いを思いやっているのに素直になれない無器用な家族の物語です。 | ||||
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素晴らしい作品でした。出だしからは想像もつかない方へストーリーはどんどん進んでいき、ページをめくる手が止まらなくなります。最後は・・・とても深いテーマのある内容でした。 | ||||
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気軽に短時間で読めるミステリーです。 特別斬新なプロットではないので,そういった部分でもお気楽。 登場人物の描き分けや背景の絡み合いも割とさらっと流しちゃってる感じなのもドロドロしていなくていいです。 その分物足りない,もうちょっと文体に深みが……,という意見もあるかもしれないけど。 「秋の夜長,濃いめのコーヒーを傍らにじっくりどっぷり,アイスランドの沈鬱な雨に謎解きを」 って方には不向きではあります。 | ||||
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北欧アイスランド・ミステリー界で活躍し世界中で高い評価を得ているキャリア15年のベテラン作家アーナルデュルの出世作となったエーレンデュル捜査官シリーズの第3作です。近年の北欧ミステリーブームの中で私がこれまで読んできた作品の国は、スウェーデン・デンマーク・ノルウェーに次いで本書のアイスランドが4ヶ国目となりました。(余談ですが残り1国フィンランドの作品も何時か読んでみたいと思います。)本書は本国で1999年に原書が刊行されてから5年後の2004年に英米に向けて紹介されまして、更に8年後の今年やっと日本版が刊行となりました。どうしてこんなに素晴らしい実力派の著者の紹介が遅れたのか?やはりまだ馴染みの薄い国の作品だから運に恵まれなかったのだなと思えますが、でも過ぎた事は振り返らずに未来に目を向けてこれから残された未訳の14作をどんどん紹介して行って欲しいと強く望みます。私が本書を読んで一番強く感じたのはヒューマニズムの部分で、久々に昔読んだ日本ミステリー「人間の証明」森村誠一著を思い出しました。この二作は内容的に見ると共通する部分がそれ程多くないとは思いますが、その人間の遣る瀬無い感情を生々しく描いている点に於いては似た雰囲気を感じました。 北の湿地ノルデュルミリのアパートで発見された老人の死体の傍らには意味不明のメッセージが残されていた。激情による突発的な殺人と見える状況の中でレイキャヴィク警察犯罪捜査官エーレンデュルは不審を感じ被害者の老人の過去を辿る内に新たな犯罪の手掛かりを得てある異常な仮説を立てるのだった。 本書は複数の容疑者の中から真犯人を突き止めるという形のミステリーではなく、確かに定石通りに終盤まで犯人の正体は明かされませんが、謎解きや推理する事にあまり意味があるとは思えません。とにかくこの心が張り裂けそうになる悲痛な犯罪ドラマと必然に思える悲劇的な結末の衝撃を全身全霊でもって受け止めてください。本書を読んで特に感心したのは著者がそれぞれの人物像を描く事に心を砕く方であり性格の造形が非常に巧みだという点で、重要でない端役の人々に至るまで登場する全ての人が生き生きとした印象を残し決しておざなりには書かれていません。そんな中でやはり何と言っても主役のエーレンデュル捜査官の人間的な魅力が最高です。同僚と全く意見を交換せずに行動する身勝手なオレ流の独断専行家タイプであり、当然の如く年下の若い同僚二人エーリンボルク(女性)とシグルデュル=オーリとの間にジェネレーション・ギャップが生まれ昔気質の捜査の進め方に不満を抱いたりもしますが、でも最後にはその実力と人間性に共感し完全にわだかまりを解いて心の底からの信頼を勝ち取るのは流石だと思います。またほとんど堅物でありながらも自分では意識しないユーモア感覚の持ち主で、妻が結婚式の場から失踪した品質管理責任者の夫に向かって「女は品質管理しがたいもの」と言う所などは皮肉も効かせて絶妙の味だと思います。警察官としてはほぼ完璧な彼も私生活では自信がなく悩みが多い50歳のやもめ男で、20年前に別れた妻との間に出来た二人の子供の不幸な境遇に負い目を感じています。本書では麻薬中毒常習者の娘エヴァ=リンドの荒んだ生き方を正そうと幾度も苦労した果てに遠慮を捨て去り真っ向からぶつかって心を通わせる父娘の人間ドラマが素晴らしいです。今回は名前のみ紹介された息子シンドリ=スナイルも次作以降に登場するのか興味を惹かれます。 本書は真実の意味での被害者と言える人々、特にカバーに描かれた幼い少女ウイドルの死が可哀そうで心が張り裂けそうになるあまりにも酷く悲痛な犯罪ドラマの完成度によって世界中から高い評価を得たのでしょう。私は一読して強い感銘を受け著者の才能は正真正銘の本物だと確信した次第で、ぜひとも全ての作品を読みたくて堪らない気持ちで一杯になりました。東京創元社様には努力して頂いて今後単行本でも文庫本でもどちらでも結構ですのでどんなに時間がかかろうとも着実に紹介を進めて行って欲しいと強く願います。 | ||||
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アイスランドが舞台の小説は初めて。 主人公の捜査官が不器用な中年男、離婚、娘がいて、関係がギクシャクしてる。 少し前に読んだヴァランダー刑事にそっくり、こちらはスエーデンが舞台だが。 被害者はレイプされ妊娠、その子は幼少で病死、そして自殺。遺伝の問題。臓器の盗難。 おぞましいましい内容だけれど、文章はすっきりとしていて読みやすい。 | ||||
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