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(短編集)
アンボス・ムンドス
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アンボス・ムンドスの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.98pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全44件 21~40 2/3ページ
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7編の作品からなる短編集. 文庫の帯には「おんなたちの・・・毒」と書かれているが,内容的にはすべての人間に共通する,弱さ,醜さ,汚さを描いている. キャラクターたちのセリフや独白にぞくりとさせられるのは,どんな人間でもけして無縁ではない心の弱い部分を刺激されるからだろう. さすが,この種のテーマを書かせたら右に出る者はいないと思わせる. | ||||
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長編ばかり読んでいたので、桐野の短編も読んでみた。結構面白いじゃないの。やはり読後感はすっきりとはいかないけれど。印象に残ったのは、子供の毒を描いたアンボス・ムンドス。小学生のいじめのたちの悪さは経験してみないと分からないものだが、それをここまで描けた作家はそうそういないと思う。子供の悪意のたちの悪さは、描かれたとおり、残酷なまでにひどいものだと思う。でも、やはり作者は長編作家なのかな。 | ||||
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この作品もまた、「桐野氏にしか、書けない」毒の詰まった短編集である。このような人間の心からわき出る「毒」を書きながらも、そこに何らかのポジティブな共感を読者に持たせる術は、さすがとうならされた。 一方で、「毒童」を除く6編については、結末をあえて書かず、読者にゆだねるという手法を用いており、ここには少し消化不良を感じた。 7編の中では、やはり表題作の「アンボス・ムンボス」が最もよかったように思う。 | ||||
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ねっとりと濃厚な女性心理の奥深さと滑稽さを巧みに描いた短編集。 それぞれの作品に個性が際立っていてゾクゾクして読みました。 | ||||
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短編なので一つ一つがあっという間に読み終わる。 桐野作品の「意地悪な毒」は長編では自分自身が暗く重い気持ちになるが 短編で話の展開が速いので軽妙ですらある。 | ||||
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底意地の悪い女たちが登場する。 物凄くデフォルメされているけれど、現実にこんな人いないよね?と否定仕切れないところが怖い。 誰しもネガティブな感情を持っているが、脳内で「そんな生産制のないことを考えるの止めようよ」と突っ込みが入るはず(と思いたい)。 が、その突っ込み役がいなくなり、歯止めが効かなくなったら……… 男の劣等感や鬱屈が暴力に現れるとしたら、女のそれらはどう表面化してくるのだろう。桐野さんが描く女たちのように、どす黒く沈澱し続け、ひどく屈折した形で現れるのかしら………毒気にやられすぎて星5つ。 | ||||
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OUT以来に読んだこの人の作品。 相変わらずダークな感じと、ちょっと終わりを読者にゆだねる感じと…。 今回は初めて読んだ短編集だった。 唐突に始まって唐突に終わる感じがあるのに、読んでいて楽しく引き込まれてしまう。 ちょっとアダルトな内容でもあったけど。^^; それもこの人らしさと言う感じで。 爽やかとは対象の、影の部分、特に女性独有のどろっっとした部分に触れる小説。 | ||||
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かわいらしさにも毒がある。そういう意味の装丁でしょうか。。 数々の賞を受賞している桐野夏生。知ってるといえば「Out」を映画で観たくらい。。。 初めて本を手に取ったが、装丁のデザインやタイトルから感じられる印象とはうらはらに、 なかなかどうして、大変面白い作品だった。本書は、7つからなる短編集で 人間の本質を描いてあり派手ではないがグッとくるものがある。 タイトルの「アンボス・ムンドス」の意味は、”裏表””正義と悪”など対極の意味。 読む側を引き込ませる文章力は圧巻!! 自分自身の境遇を嘆き、しかしどうにも好転していかない主人公が多い。かといって、 いい方向へ終わるわけではない。"現状を見つめなおしどう把握し対処していくか"が鍵だ。 激しい動きなどはないが、7つとも全く違う場面展開で読み応え充分です。 | ||||
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エログロであった。 女性が読んでも男性が読んでも、興奮するであろう性描写がうまいと思った。 女の裏の生々しい部分が、時に不快なまでに描かれている。 個人的には、好きである。 | ||||
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女の心の裏側を描かせれば超一流の桐野さんの短編集です。 どの短編も長編にしてもおかしくないぐらいの濃さで描かれています。 全ての女性(人間)の持っている2面性を、ここまで表現されると、ただ圧倒されてしまいます。 | ||||
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桐野夏生は本当にうまい作家です。 研ぎ澄まされ、作品の中の空気も情景も手に取るように伝わってきます。 表には出したくないような“負”の“汚い”部分。 女性のそんな内部事情、つまり“真実”を忠実に描いている。 言い当てられたようなバツの悪い気もしつつ、 逆に開き直って読んでいたような気もします。 人を利用すること 人を妬むこと 人を恨むこと これっていけないこと? 自分の醜さを意識しつつ、 「私はこういう女」と自覚して潔く生きることの方が もしかしたらかっこいいのかも。 一見、くずれていっているように見える主人公の女性達を 私は醜いとは思わなかったもの。 なぜか、すがすがしく思ってしまったもの。 どれも短編で読むのはもったいないくらい粒ぞろい。 長編で書かれなかったのが残念です。 | ||||
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桐野夏生作品を読んだのはこれが初めてだ。 日々誰もに生じてしまう汚い部分をすごく丁寧に表現する作家だと思った。自分自身にもこういう気持ちあるなぁ、という風に納得しながら読めた。 次はグロテスク三部作をぜひ!と思っている。 | ||||
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桐野夏生は基本的に長編の人だと思う。その溢れ出す想像力、二枚腰、三枚腰の体力、すべてにおいて過剰だ。デビューが遅かったことによる人生経験の蓄積が才能の枯渇を恐れないアグレッシヴさに繋がっているのだろうか?とにかく埋蔵量がハンパじゃない。 それは、この7作品を収めた短編集を読めば手に取るように分かる。はっきり言ってどれひとつ取っても短編のフォーマットに収まっていない。大きくはみ出してしまっているのだ。本来なら長編として書かれるべきはずの短編。濃縮果汁を素で飲むような、もったいなさと消化不良感がある。 桐野夏生自身も桐野夏生が描く女たちも、まさに「女」だ。そこに誇張はなく、リアルだ。俺は男だけど、桐野夏生が描く女が「女」なんだろうなと思う。俺も「女」になってみたかったよって憧憬と、反面、男で良かったよっていう安息と。 リアルに対するヴァーチャル側からの挑戦って著者の意図もますます鮮明だ。やっぱ「アンボス・ムンドス」。確か、なんかの事故だか災害報道がきっかけで教師の不倫旅行がばれたってニュースを耳にした気がする。でも、それが「アンボス・ムンドス」発表の前だったのか、後だったのか、自分の中でわからなくなっているし、そんなことどうでもよくもなってる。とにかく、桐野夏生はリアルの素材をほんの取っかかりとして、まったく別の物語を構築し、我々に放り返してくる。“リアルを超えてく創造力”こそ、今、誰しもが意識して身に着けなくちゃ生きていけないサバイバルスーツなのだと思うし、その前衛として桐野夏生を尊敬もし、信頼もする。まぁ、やっぱ、桐野夏生は、とことん深く、長く、しっぽり、ねっとり長編で味わいたいけどな。 | ||||
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この作品もまた、「桐野氏にしか、書けない」毒の詰まった短編集である。このような人間の心からわき出る「毒」を書きながらも、そこに何らかのポジティブな共感を読者に持たせる術は、さすがとうならされた。 一方で、「毒童」を除く6編については、結末をあえて書かず、読者にゆだねるという手法を用いており、ここには少し消化不良を感じた。 7編の中では、やはり表題作の「アンボス・ムンボス」が最もよかったように思う。 | ||||
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なんてこの人は文章が上手なのだろう。いつも感心する。女のどろどろした心の奥底をこれでもかという位に見せつけてくれる。どの登場人物もグロテスクで汚らしい一面を覗かせて、同じ女として自分にももしかしたらこんな顔があるのかもしれないと考えてしまう。女って怖い。男は好きじゃないけど、まだ男のほうが可愛いのかもしれないね。 | ||||
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あいかわらず上手い。 女たちの邪悪さを描くのにかけては第一級である。 とりわけ「アンボス・ムンドス」は傑作。 女たちの力関係の世界ってつくづく怖そうだなあと思う。 その点、男は単純で鈍感で、女から見たら本当に扱いやすいだろうなあ。 | ||||
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7編すべてが女性の怖い内面を冷徹に描いていて(男には)ショッキングな出来上がりである。 表題作は小学校の高学年を担任する24歳の女教師が主人公。不倫中の教頭と一度だけの贅沢と地球の裏側キューバへの旅行から帰った彼女を待っていたのは、担任の女生徒が友人たちと行った山で転落死したという事実。当然不倫も白日の下にさらされてしまう。しかし、同級生たちの態度は不審きわまりないものだった…。というもの。 「植林」はブスで男にもてない女の幼い頃の不思議な記憶。 「ルビー」はホームレスに身をゆだねる奔放な女の本性。 「怪物たちの夜会」は不倫相手の不実を詰り、相手の家まで行ってしまう独身女。 「愛ランド」は過去の奇妙極まりない性愛歴を披露しあう女たち。 「毒童」は寺の私生児として生まれた女の焦りと超自然的体験。 といった、まさに奇妙な味わいの(というか女の頭の中の裏側を表面に引き出したような)小説ばかり。 異質なのは「浮島の森」で、佐藤春夫と谷崎潤一郎の間の妻譲渡事件を妻とともに譲られた立場の娘の視点から描いたもの。通常の桐野タッチとは違うがなかなかの力作だ。 どの作品も、怖いもの見たさで読み進んでしまうのだが、男にとっては、まさに恐怖小説と表現するのが相応しいかな。僕の周りの女性たちが、この本みたいなコトを考えていたら、どうしようかな、と思わず考えてしまいました…。 | ||||
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'99〜'05 までの短編集が、彼女の作品の軌跡を見事に表し、'05前後から、急に作風が変わったというか、迫力が増したというか、筆が乗りに乗ってるようで、読みながら、呑み込まれていくようだった。意味ある短編集といえるのではないだろうか。同時代を生きる読者でいられる幸福感が読後感 | ||||
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短編の7作品全部女の自己愛が詰まっている。 読後の印象として、こういう女達と関わりを持つと面倒そうだ。 手にしたものに執着する女の業がひきおこす数々の事柄に辟易した。 他人のことであれば冷淡になる女が、自分の問題になると失笑をかう行動もする。 平凡に生きているようで胸の内で毒を吐く。 自分が女であるが故に、この本で女が嫌になった。 | ||||
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「直木賞受賞後の著者の変遷を示す刺激的で挑戦的な作品集」と言う言葉に惹かれて購入しました。 七編の短編が収められている本書のタイトル「アンボス・ムンドス」とは最後の作品を読めば解りますが、両方の世界とか新旧ふたつの世界と言う意味だそうです。 人の心には常に二面性が有り、優しい笑顔の裏を覗けば底意地の悪さの様なものが垣間見える。人の弱さの陰には芯の強さが見え隠れし、強引さの陰にはひ弱さが見える。虫も殺さぬ顔の裏には人をも殺しかねない残虐さが見える事も有る。 そして幸せの絶頂期は失意のどん底への前ぶれかも知れない。 そんな事を思いながら読ませて頂きました。 でも、日常生活の中で周囲に目を馳せれば、悪意しか感じられない人も居れば悪意を少しも感じさせない人も居る、しかし本当の素顔は誰も知らない。 ひょっとすると当の本人さえも気付かないでいるのかも知れません。 そんな私も・・・・・ざわっとする一瞬!! | ||||
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