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魂萌え!
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魂萌え!の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.06pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全111件 21~40 2/6ページ
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今までも桐野作品は堪能してきましたが、どれも自分の身には降りかからないだろうと思う(思いたい)、 ダークなものに対し、この作品は余りに身近すぎて主人公の気持ちの推移、決断、また、子供たちや 友達の反応がとてもリアル。 「自分にはまだ先過ぎて」なんて理解しようとも思わなかった私。 しかし昨年、自身の義父が亡くなり、浮気こそなかったものの義母が現在、残された主人公と同じ心境だと 思い知りました。 老老介護の悲惨さにばかり目を向けてしまいますが、ある日突然元気だった配偶者が何の前触れもなく死んでしまう。 その時、自分だったら・・・?と、つい感情移入し、その後の主人公が「恙なく」老後の生活を送っていることを 願わずにいられない作品でした。 | ||||
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やっぱり一気に読めてしまう。OUTや残虐記などに比べると描写に残酷性がないのですっと読めてしまうのがお薦め | ||||
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まだ途中ですが、第三者の立場からの意見の様で、どのように展開していくかが楽しみです。 | ||||
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「アラカン女性の大冒険」です。 桐野夏生さんにしては、ドロドロ度は控えめかな。 「人生は長くて、本当に色々あるよね。」と思い知らされます。 | ||||
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これまでにはなかった「ひとりの女性の成長物語」だ。なぜなかったかと言うと、主人公が59歳の女性だからだ。「成長物語」が描かれるのは通常、主人公が子供〜青年期にある場合である。しかし、この作品を読んで思ったのは、壮年〜老年にかかっても人間は成長するのだと言うことである。 主人公は59歳になって夫が急死するまで、「何も知らない」「何も出来ない」「自分の意見もはっきり言えない」、いわば「箱入りおばさん」だった。それが夫の死と共に、これまで世間から自分を隔絶してきてくれた「壁」が良くも悪くもなくなり、世間と直接、対峙しなければならなくなる。 子供たちが遺産目当てで喧嘩したり、母親の取り分にケチをつけたりする。「こんな子供たちだったのか?」と悲しくなる。あるいはまじめ一筋と信じていた夫には、実は長年にわたる愛人がいた。それが、葬式後に発覚する。「自分が信じていた夫は、一体何だったのだろう?」と思う。人間不振になりそうになる。 その一方で、今まで「壁」があって接することがなかった世間の人々、たとえば夫の友人その他の人々と直接、知り合うことになる。そして、そこからさまざまな行動の輪が広がっていく。 夫の友人その他の50〜60代の男性たちと知り合い、そこには恋の鞘当があったり不倫があったり、青年や中年と変わらない楽しくあるいはドロドロとした男女関係があったりする。そこで、主人公は自分というものを改めて知り、そして「妻」として「母」としてでなく「ひとりの人間」として行動し発言していくことを学ぶようになる。 夫がいなければ何も出来ない頼りない女だった主人公が、自分の頭で考え判断して発言・行動できる人となっていく。女59歳の成長物語だ。彼女の成長がすがすがしく気持ちよく、新しいジャンル(老齢)の青春物語として非常に楽しめた。今、力をなくしそうになっている中年・壮年のみなさんに是非読んでいただきたい作品だ。 | ||||
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桐野さんにしては、穏やかです・・ 本当に、隣にありそうな話しです。 自分に起きそうな話です。 だから「引き込まれる」のでしょう・・・ いつもの大事件はないのですが、人間に一生の中では 大きなことが起きているのです。 普通の人の大事件が・・・ | ||||
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50歳、60歳になるまでに沢山の恋愛を経験した人と、「恋愛」を知らずに来た人では差が出ます。この場合の恋愛とは、勿論異性経験の多寡を問うのではありません。どれだけ人間に対する理解を深めて来たか、どれだけ自分と向きあって来たか、と言う事です。なかなか難しい。「恋愛」を知っている人にはツマラナイお話。恋愛と縁の無い人生を送って来た人には目新しい話。故に作者は、恋愛経験の乏しい人々の眼を開くお手伝いをしているのです。作者は社会に貢献していると言えます。 | ||||
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1回読んだ時はまだ少し若かった事もあって、ここまで考えさせられると思っていなかった作品でしたが 読み返してみて、これほど面白い作品だったかと驚きました。 現在30代子持ちの専業主婦をしていますが、 主人公の敏子(59歳)とは歳が離れているので、入り込んで読めるかな?と思ったけれど そんな心配どこ吹く風! 夫を亡くし気弱だった主人公が強くなっていく様が、めちゃくちゃ気持ちが良い! 自分の人生を考えるきっかけをもらった気がします。 今の私には求めていた作品でした。 子供を持っている主婦方々にぜひ読んで頂きたい作品になっています。 | ||||
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60前のおばさんが夫を突然死で亡くしてどうのこうの…という話。夫との関係とか、老後のセックスとか、巣立ったようで巣立ってない子供との関係とか、ウケそうなテーマがてんこ盛り。けれども、しょせん最近多い「日常生活を切り取る」系のネタで、いつもの桐野夏生氏を期待しているといまひとつ満足できないのではないでしょうか。 救いとしては、桐野夏生氏も連載しておきながら、主人公のおばさんのことを嫌ってるだろうってこと。他の作家が書いたら、普通の主婦の悩みを肯定的・好意的に扱う小説になるに違いない。そんなもん読みたくない人には、桐野氏の「嫌ってそう」な文章が心地いいと思います。 | ||||
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夫の死後、もうひとつの青春を生き始めた主婦。 リアルでそこそこ面白いとは思った。 でもタイトルから想像していたぶっとんだ要素は全くなくすこし肩すかしをくらった気分。 | ||||
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どこにでも、とは言わないが、ありそうな主婦の話。でしかない。 「ありそうよね〜」と四十代以降の主婦が思う話。 現実ならうわさ話としてもってこいの話かもしれないが(オバサンにとって)、小説としては刺激がない。 ありそう以上のことは何も書かれていない、鋭くない、何も突いていない。 テレビドラマ程度の内容。 | ||||
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んー、読み出しは「さすが、いいかも」とか思ったけど・・・。 読んでる途中からいらいら&不快だった。 無知・世間知らず・お人よし 甘え・裏切り・自分勝手な思い込み こうした私の大嫌いなエッセンスが凝縮された本だった。 こう思わせた後で「それでも人生を精一杯生きる」とか ありきたりなことを訴えたいのだろうか、作者は? 桐野さんってそんな平凡なことを書く人なの? 人生がどおしようもなく悲しくて、どおしようもなく楽しくて やっぱりどおしようもなく悲しくて・・・なんて考えながら 人は死んでいく・・・誰だって分かっていると思うんだけど。 | ||||
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葬式の後には、いろいろなドラマが生まれる。それも突然に。心の準備もないままに、過去の人生で蓋をしてきたものが、飛び出し、暴かれる。経験してみないと、そういうジェットコースターに知らないうちに乗せられたような気持ちは分からないものだが、ある日、暴風に巻き込まれ、傷つき、そして成長する初老?の女性の心理を、やさしく、時に毒を盛りつつ、描き出している。作者の力量に感服。主人公のこういう気持ちは若い人には分からないだろうな(恐らく)。 | ||||
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59歳の敏子さんが夫を突然失い、生前の夫の秘密を知り、子どもとの距離感を設定し直し、自身の人生を生き始めるストーリー。 「生前の伴侶に愛人がいた。」十代の携帯小説なら、この裏切りへの葛藤に終始してしまうでしょうが、傷つき迷いながらも日常を続け、理解し許し、爽やかに新たな覚悟を持つに至るのは、「守られていた」とは言えさすが59歳、歳を重ね成熟していくことへの賛歌に感じられました。 偶然ケーブルテレビで観た映画の、吹雪ジュンさん三田佳子さんの説得力のある演技に打たれて本も読んでみたのですが、映画にも「OUT」にも負けていません。 「思わぬ出来事に大きなショックを受け、左脳の思考過程が麻痺し、右脳で考え始めることがある。一歩身を引いて人生を見つめ、本当に大事なのは何なのか、と人生で最も重要な質問を自分に投げかける。」 長年家族に尽くしてきた母が、父に去られた時の孤独と覚悟を、20年後に読んだこの小説で実感として理解出来ました。 優秀な小説の中では、ひとの人生も体験出来る。母への理解が深まりました。 | ||||
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夫を亡くした還暦目前の専業主婦が世間という荒波にもまれながら成長していく物語。夫の死による家族との遺産相続問題、夫の浮気問題、そして蕎麦食べ歩きの会での情事など、話がきれいにまとまっていてとても読みやすかった。息子、娘ともにいまだに半人前で、特に息子はお金をせびることしか頭にない最低で冷たい男だったが、息子に臆することなく立ち向かっていく敏子を応援したくなった。 | ||||
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解説にもあるが、作者桐野夏生によると、この「魂萌え!」は「白い作品」なのだそうだ(それに対し「OUT」などの他作品は「黒い作品」と呼ぶ)。NHKでドラマ化されたと思うが、たしかに、桐野作品の中では映像化が可能な内容だ。物語の表面だけをなぞれば映像化しやすい作品と言ってもいい。 思ったよりあっさり終わったな、というのが読み終わってすぐの感想だったが、ちょっと考えてみると、本当の物語はここから始まるのではないかという思いが湧き上がってきた。開放された敏子のその後はどうなるのか、そして彼女を取り囲む人たちはどうなるのか。「ダーク」での村野ミロ達のように本能をさらけだし、ドロドロの世界に引きずり込まれていくのか。 是非、続編を書いて欲しい。 | ||||
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本当に桐野さん?ってくらいに、毒がない(笑 ただ、子供たちの身勝手さとか、突然死した旦那に長年の愛人がいたとか、 カプセルホテルで知り合った人たちのしたたかさとか。 随所に軽い毒はちりばめられています。 よく、旦那さんが早く死ぬと、奥さんは長生きする。 奥さんが早く死ぬと、旦那さんも早死にするって言いますが、 確かに、女性はしたたかだなと。 ぜひ男性に読んで欲しい本ですね。 | ||||
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多くのことを考えさせられる本でした。 読み手が男性か女性かで、感想が大きく違ってくることと思います。 この本は、夫を突然亡くした主婦の立場から書かれていますので、女性の心理が本当によく表現されています。 敏子を取り巻く人間の感情がストレートに描写されていて、最後まで興味深く読み進めていくことができます。 とくに敏子と愛人の昭子との対決は、双方の立場や言い分、感情・・・それぞれにものすごい説得力と迫力があります。 敏子の夫は、突然に逝ってしまったけれど、ある意味とても幸せなヒトだったかもしれませんね。 | ||||
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とても爽やかな、これまでの桐野作品とは全く大きく違います。 夫に先立たれた敏子さん。世間を知らずに、いいたいことも言わずに、というか言えずに日々を送る様は、イラっとします。自分勝手な息子は少々自分に照らして、恥ずかしくもなるが、考えていることは結構等身大です。サザエさんの頃とは変わってしまったんだと、こういうところでも実感しました。 夫の不倫相手の登場に、アルツハイマー疑惑、子供の結婚やら、自分のボーイフレンドなどなど、意外と還暦前後は忙しいようです。その中で、60歳を目前にしても、たくましくも価値観やスタイルを修正しつつ、あらたなフェイズに入ってゆける女性が描かれていることが何より心地よいです。 夫の不倫相手とのやりとり、そしてそのしこりの発展はすばらしいです。ラストがいまいちだった桐野作品も大きく進化しました。 | ||||
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彼女の作品は、「黒い作品」にしても本作のような「白い作品」にしても、閉塞的な状況にある現代女性の解放ということをテーマにしています。 この小説には「OUT」や「グロテスク」に見られたようなサスペンスや非日常はありませんが、それゆえに、読むものと等身大の話題であり、自らを問い直すことになります。上巻は見ていられないほどに無知で世間知らずであった彼女が、最後は清濁を含めて受容しながらも生きていけるようになった事ということは、小説的ファンタジーです。しかし、何かをきっかけとし、自己を問い直し、「不満」という言葉で片付けて見ないようにしている現実と向き合うこと、そして、そんなネガティブな要素から逃げては損であることを、この小説は教えてくれます。 | ||||
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