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(短編集)
生霊の如き重るもの
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生霊の如き重るものの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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本格のためなら、悪魔に魂をうってもかまわない とおもわれる作者の意気込み。ここまでやられたら脱帽。「凶鳥…」では、解決編で本が手から滑り落ちた。そこまではいかなくとも短編として十分楽しめる。 | ||||
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こわいのに引き込まれる作品です。現代ではないですが、そんな村や家があるような気がしてきます。 | ||||
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以前、買ったことのある、つまり読んだことのあるミステリーでした。 お金を出して再読した、ということになるわけでありますけれど、「タイヘンな損をしてしまった」という気持ちはなかったです。 全てのストーリー、全ての物語の犯人は知ってしまってましたが、それでも面白く読むことができました。 プロットとかトリックとか言う前に、ワンパターンではあるかもしれないけれど、この作家の表現力の巧みさに読み入ってしまうのだろうな、と思う次第であります。 しかし、このシリーズは似たようなタイトルなので紛らわしくてしようがない。まさか、「二度買い」を増長するために勘案されたものではない、とは思うけれど… | ||||
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著者、三津田信三が生み出した風変わりな怪異譚蒐集家探偵、刀城言耶ルーツの一端を垣間見る短編集。 短編と言っても、五作品共存外ボリュームがありますがそこは刀城言耶がまだ学生時代の怪異事件だけに 「厭魅の如き憑くもの 」からのシリーズ作品の様な唖然とする様なホラー・ミステリー大作とは異なり 名刺代わりのライトな「ホラー・ミステリーっぽい作品」が自分の感想です。 この作品は粗も多いし、かなり強引とも言える結論に達する作品もあるので評価は極端に分かれるかもしれませんね。 人によっては怒ってしまったり、呆れてしまったりする方もいるかも・・・ じゃあ面白くもないのに☆4つか?と問われれば、矛盾を承知で自分は面白かったと答えます。 理由は単純。 自分は刀城言耶が好きなのだと解ってしまったから! この一点で今作は このシリーズのファンである自分にとって大変に意味のある作品となったのです。 古今東西、名探偵の活躍する作品数有れど、結局は好みの国、時代背景や作風、空気感・色彩感と主人公である 探偵、明智小五郎や金田一耕助の有名どころから御手洗潔、神津恭介、京極堂、江神二郎、桑原タタル等 読者がシンパシーを感じる探偵との出会いが全てなのではないでしょうか。 自分にとって刀城言耶はこれから何度でも会いたい探偵さんになっていたのでした。 今作のレビューに戻りますれば、刀城言耶シリーズの空気感は感じる事が出来ると思います。 そして個人的に鬱陶しくて堪らない阿武隈川烏も登場しイラつかせてくれます。 思うに今作は第一子が生まれた友人からニコニコ顔で子供の写真と子供ネタを語られまくる状況に似た 感覚を覚えました(笑) つまり著者、三津田信三が可愛くて堪らない刀城言耶の過去のエピソードを怪異譚を交え楽しそうに 語るのを聞きたいか、聞きたくないか。 聞きたい人は楽しめ、興味無い人は詰まらないと云う作品なのかなと。 | ||||
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刀城言耶シリーズの短編集 刀城言耶が学生時代に遭遇した5つの事件が収録されています メインの事件は解決しますが、周辺の出来事で不可解な事柄が残ってしまう 基本は本格ミステリですが、ホラーとの融合を強く意識した(と思われる)作品ばかりでした 作品内の時代は戦後まもなくです 土着的な風習がいまだに残っており、戦争の暗い影も引きずっています これらの時代背景が醸し出す雰囲気と民俗学的(または伝奇的)なネタの相性が非常にあっています スグショウ族の死霊、天魔、即身仏(屍蝋)、生霊(ドッペルゲンガー)、(顔無)地蔵といった風に比較的または非常にマイナーな事柄が揃っているのも良かったです シリーズの長篇は力作揃いの反面、多少、読むのに労力がいるように思います 本著は短編でとっつき易いですし、時系列的にも最初の方の話ですので、まだシリーズを読んでいない人にも是非読んでいただきたいと思える作品でした | ||||
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タイトル作の他、「死霊の如き歩くもの」、「天魔の如き跳ぶもの」、「屍蝋の如き滴るもの」、「顔無の如き攫うもの」の全5編を収めた中編集。何れも学生時代の刀城が遭遇した事件を連作中編集風に綴ったものである。作者の持ち味である本格味と民俗学を背景にした濃厚な伝奇ホラー味との融合を私は愛好しているが、中短編ではホラー風味がやや薄くなるのは止むを得ない所か。 「死霊の如き歩くもの」は、透明人間(!)が残した雪の上の下駄の足跡で構成されたカーばりの密室物。四阿が舞台なので、チェスタトン「犬のお告げ」風の処理をするのかと思ったら、新しい趣向に挑戦している。だが、それにしては事件の構造が単純で偶然性の高い物である上に、ホラー味の出し方に曲がない。最後の数行で無造作に投げ出されるだけで、怖さが滲み出て来ないのだ。その数行で事件の様相が反転するならまだしも......。「天魔の如き跳ぶもの」も足跡を利用した人間消失物だが、トリックが弱い上にホラー味の出し方が「死霊」と同工異曲で頂けない。この傾向は最後まで続く。「屍蝋の如き滴るもの」は今度は足跡のない犯人物。前二編に比べて伏線の張り方や雰囲気の醸し出し方に工夫が凝らされている。刀城が持つ怪異譚に纏わる異能を強調している辺りも可笑しい。本作で一番の出来に映った。タイトル作はドッペルゲンガー物。これに、「犬神家の一族」や安吾「復員殺人事件」的要素を絡ませた物だが、インパクトが弱い印象を受けた。登場人物や舞台となる旧家に関する書き込みを増やせば濃い長編となり得る素材なので惜しいと思う。「顔無の如き攫うもの」は子供消失物。小品だが少年探偵団を思わせる懐かしさが漂う。トリックも時代背景に即していて無理がない。 全体として禍々しい雰囲気を醸し出すよりは刀城と共に怪異譚の楽しさを追求している印象を受けた。どうしても「厭魅」レベルの作品を期待してしまうので物足りない面も感じたが、中編集としては中々の出来に仕上がっているのではないか。限られた分量の中で本格・ホラー味双方を出そうとする作者の腐心が伝わって来る。今後も期待したい。 | ||||
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