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(短編集)

犯罪



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【この小説が収録されている参考書籍】
犯罪
犯罪 (創元推理文庫)

犯罪の評価: 4.21/5点 レビュー 114件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.21pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全114件 41~60 3/6ページ
No.74:
(4pt)

不幸な男、不幸な女

松本清張の短編のような、人生の歯車が狂ってしまった人たちのお話です。 実際に会った事件を元に書かれています。 簡潔な文章でありながら、余韻と哀愁があり、想像力を自然と刺激してくれます。 ネックはお値段でしょうかね。 読書量が多い人間からすると、もうちょっとお安いか、(早めに)文庫で出していただけるとありがたいですね。
犯罪Amazon書評・レビュー:犯罪より
4488013368
No.73:
(4pt)

ミステリ的趣向及び人間模様の機微を随所に織り込んで、単なる「犯罪」記録の枠を大きく越えた創造性豊かな秀逸な短編集

現役の弁護士(作者自身)が回想譚として自身が過去に係った異常な「犯罪」について語るという体裁の短編集。勿論、単なる「犯罪」記録の枠を大きく越えた創造性豊かな物語に仕上がっている。私は、作者の第一長編「コリーニ事件」、第二短編集「罪悪」も読んでいるのだが、「コリーニ事件」を読んで感じたのは、作者が「人間は人生において常に<gray zone>を歩んでいる」と考えているらしい事である。本作も、その<gray zone>を「一歩踏み外して」<black zone>へと落ちてしまった人々を描いて、個々の「犯罪」の異常性と同時に人間の悲哀あるいは人間模様の機微・奇縁を感じさせる内容となっている。

更なる注目点は、一見、「犯罪」記録の様でいて、ミステリ的趣向が随所に織り込まれている事である。「タナタ氏の茶碗」、「ハリネズミ」(一番の秀作だと思う)及び「サマーターム」等は特に巧い。また、<誤審>がこれまた随所に織り込まれている点も特徴で、第二短編集「罪悪」のタイトルに引きずられている様だが、作者が用意した設定において果たして「人間の『罪』」を問えるのかという問題を提起している様にも映った。

本作は作者の特長である簡潔な文体で綴られているが、「罪悪」や第二長編「禁忌」では更に文章は削り取られ(研ぎ澄まされ)、文学的深みを増している感がある。その二作に比べると、本作は物語性に富んでいる点も特徴である。本作の出来も良いのだが、個人的には、作者の研ぎ澄まされた感性が今後どのような方向に向かうかも興味津々である。
犯罪Amazon書評・レビュー:犯罪より
4488013368
No.72:
(5pt)

注文間違い!

取り急ぎ・・★評価は5。 それにしてもetcの作品が未だ未文庫化!(◎▽◎)
犯罪Amazon書評・レビュー:犯罪より
4488013368
No.71:
(4pt)

大人かつ最先端なミステリ。

こういう切り口で「犯罪」を描くとは…なかなか斬新な短編集でした。 主にホワイダニット? の視点で様々な犯罪が描かれますが、話者が弁護人であるという設定から、ホワイは永遠に藪の中…という結末の物も。 「サマータイム」と「正当防衛」がそれにあたりますが、この二編の存在が、この作品の奥行きを深くしていると思います。 作者が自分のトリックや世界観にウットリしてるおこちゃまミステリ(それはそれでオツな物ですが)とは一線を画す、冷静かつ知的なミステリが堪能出来ました。
犯罪Amazon書評・レビュー:犯罪より
4488013368
No.70:
(5pt)

まったく新しい犯罪小説に、背筋がヒヤリ……

私はドン・ウィンズロウをこよなく愛しており、『犬の力』などを何度も読むうちに、敵の内臓でメッセージを残すような残虐な描写にもおおかた耐性ができた。しかし、シーラッハの『犯罪』は、ある意味でウィンズロウなどよりよっぽど背筋が寒くなる話が複数収録されていた。しかもウィンズロウは長編であるのに対し、シーラッハは1話あたりたった数十ページで、ごくごく控えめな文章のタッチであるにもかかわらず、だ。これは、見事としかいいようがない。ドイツでも屈指の刑事事件弁護士とされるシーラッハは、自分の事務所が担当した事件をモチーフに『犯罪』を書き上げたというが、人間の奥底のさらに底を覗きこむような事件を扱い、それを小説にしてしまうとは、よほど心が強く、また人間を愛しているのだろうと思った。その証拠に、シーラッハが犯罪者を描く視点はいつもどこかあたたかい。そしてそのことは、今こうしてアマゾンレビューを書いている自分のようなごくごくありきたりな人間が、ある瞬間に『犯罪』に登場する人物にならないともかぎらないということを思い知らせてもいる。「うまい!」と快哉を叫びたくなる短編集。
犯罪Amazon書評・レビュー:犯罪より
4488013368
No.69:
(3pt)

Kindle版の値段が

サンプルを読んで買おうと思ったのですが、文庫より高価なんですね。
犯罪Amazon書評・レビュー:犯罪より
4488013368
No.68:
(5pt)

訳文、整いました。

ドイツの現役の刑事弁護士が、自分の経験をもとに書いた処女作の文庫化。
本国ドイツでも大きな話題となり、日本でも「本屋大賞」の翻訳小説部門で1位を取った。

いろいろ宣伝や評判も高く、半信半疑で読んだが、その面白さに驚愕した。
現役弁護士ならではの多様な犯罪、法律の穴や無力を描き、「罪とは何か」がテーマになる。
激しいバイオレンスあり、ほのぼのした温かい話あり、泣ける話あり、痛快な話あり。
事件そのものや展開の意外さも面白くて読ませるが、主人公「私」の人間観の温かさがとても良い。

著者は、ヒトラーの側近バルトゥール・フォン・シーラッハの孫で、ドイツではその点が大きく注目された。
自身の経歴は、第二作の『罪悪』の短編にも反映し、第三作『コリーニ事件』で向き合ってもいる。
ドイツの歴史と現代、自身の出自と経験、それらに基づく人間観や希望、すべてが描かれた名作群。
まだ50歳、これからが長い作家で、毎年のように新作が読めることが楽しみでならない。

とはいえ、『犯罪』単行本を読みながら、時々、ざらりと妙な違和感があった。
話のつじつまが合わず、人物像や設定にずれがあったり、読みにくい奇妙な文章がたまにあり、
二度読み三度読みしても分からず、誤訳を疑っていると、原文と対照した人のサイトを発見。
(URLが表示されないようだが、2015年4月現在、「シーラッハ『犯罪』の誤訳」という名称で公開されているサイト。)

ベテラン翻訳者が、親しい著者の、かくも素晴らしい名作を、このような誤訳だらけにすることがあるのか、
という別のミステリというかサスペンスを味わう思いだった。

幸い、文庫化にあたって全体が見直されたようで、誤訳が指摘された箇所は修正され、
文体も全体的に手を入れられたようで、引き締まって読みやすくなった。
単行本では省略されていた、著者自身による序文や、松山巌による解説も入って、買うならこちら。
すでに単行本で読んだ人も、もう一度読んでみても楽しめると思う。
犯罪Amazon書評・レビュー:犯罪より
4488013368
No.67:
(5pt)

犯罪を通じて描かれる人生の機微

単行本で読んでいたが、序文が追加され、改訂増補決定版として文庫化されたのを機に再読。

2012年の本屋大賞翻訳小説部門第1位に輝いた11編から成る短編集。乾いた文体により、極めて淡々とした調子で綴られる数々の犯罪は、普通に暮らす市井の人々の人生の機微を紡ぎ出す。

『フェーナー氏』。妻と二人で真っ当に生きて来た主人公が長年の鬱積した気持ちを吐き出すように犯した犯罪。物哀しさを感じる。

『タナタ氏の茶碗』。タナタ・ヒロシの屋敷に金庫破りで押し入った三人の男に待っていた結末は…補遺に描いた盗聴会話記録から、そういうことかと納得した。

『チェロ』。父親に支配され続けた二人の姉弟の哀しい人生…

『ハリネズミ』。なかなか面白いストーリー。犯罪者一家に育った唯一出来の良い弟が兄を救うために取った行動は…

『幸運』。どん底の生活の中で二人の男女が掴んだ幸福の欠片…

『サマータイム』。まるで『賢者の贈り物』のような物語…ひとつの犯罪を巡り、何かを喪う者と何かを得る者が居る。それが人生の機微。

『正当防衛』。二人の暴漢に襲われ、あっさり二人を片付けた男の正体は…きっと…

『緑』。精神に異常を来した男の物語。我々は常に危険と隣合わせの薄氷の上を歩いているのかも知れない。

『棘』。これも、また精神に異常を来した男の物語。日常の鬱積が…

『愛情』。恋人を傷付け、精神に異常があることを認めない男は…

『エチオピアの男』。ホッとする物語。エチオピアに渡り、エチオピアから来た男…
犯罪Amazon書評・レビュー:犯罪より
4488013368
No.66:
(3pt)

読みやすいんだけど…

短編なので、読みやすいです。

犯罪者の心理的背景を中心としたフィクション。
時々ノンフィクションかと思うような自諏訪もあり、
もう少し掘り下げた部分を読みたくもなりました。
犯罪Amazon書評・レビュー:犯罪より
4488013368
No.65:
(1pt)

いまいち

んーひとことで言うなら期待外れ。レビューに書いてあるのを読んで、多いに期待したんですが‥全然引き込まれない。あーでしたこーでしたと淡々と説明?みたいな文脈。つまらないので途中でやめちゃった。最後の方はガラリと変わって面白くなってたりしてたらゴメンなさい。
犯罪Amazon書評・レビュー:犯罪より
4488013368
No.64:
(5pt)

意外に後味が良い作品。

基本的に残酷で陰惨な話が多いのですが、不思議と読後感は非常によく、
また、とても簡潔に書かれ、読了まであっというまでした。
この作品からは成熟したドイツの社会制度や、真っ当な刑事司法が読み取れます。
それらが万全ではないにしろ効率よく機能し、あらゆる「犯罪」に粛々と最善が尽くされるその様が、
この作品の魅力ではないかと思えます。
犯罪Amazon書評・レビュー:犯罪より
4488013368
No.63:
(5pt)

 ドイツのこの種の本をもっと読みたくなること請け合い!

淡々とした記述でも引き込まれる文と内容で久しぶりに堪能した。奇をてらった文章にしていないのに魅力を感じる。
翻訳者が上手いのでしょうが、ほんの一部字が欠けていると思われる箇所があった。
犯罪Amazon書評・レビュー:犯罪より
4488013368
No.62:
(5pt)

傑作

淡々と事実を羅列しているだけの簡素な文章、余計な感情的な言葉が無いからこそ心を揺さぶられます。特にエチオピアの男は、傑作。映画化望む。
犯罪Amazon書評・レビュー:犯罪より
4488013368
No.61:
(5pt)

「人間」と「法」の不整合性

ドイツの裁判制度・刑法についての知識がある訳ではないので、日本の裁判制度や刑法の常識ではなかなか捉えられない部分は確かにあります。
でも、この11の短編で取り上げられている一つ一つの「犯罪」を扱った短編を読むと、そこには「人間」がいる様に思います。
それだけ登場人物の心情の描写は素晴らしいということです。
それぞれの短編で「人間」が表に出てくれば来るほど、そこに「法」と言う人が作ったルールとの接点における「不整合性」の様なものが見えてきます。
それは、「法」の不完全さを語っている様でもあり、「法」の適用の難しさを語っている様でもあります。
それにしても、楽しい短編集でした。
犯罪Amazon書評・レビュー:犯罪より
4488013368
No.60:
(4pt)

淡々とした内容です

小説的盛り上がりを期待するとがっかりするのでしょうが、私はこうした、淡々と事実だけを書き連ねていくものは嫌いではありません。文章も読みやすかったです。
犯罪Amazon書評・レビュー:犯罪より
4488013368
No.59:
(5pt)

余計な説明のない殺人に関する話

弁護士の『私』に持ち掛けられた案件がたんたんと語られます。殺人がリアルに、シンプルに描かれていて、かなり恐怖を感じました。
わざと?余計な説明を省いたところがいいです。
犯罪Amazon書評・レビュー:犯罪より
4488013368
No.58:
(3pt)

弁護士の仕事の真髄が分かった

弁護士の仕事とは依頼人を弁護することである、ということがよく分かる作品です。これまで、実社会の事件で、なんで凶悪犯にも弁護士が懸命に弁護するのかなあと思ってきましたが、依頼人がどんな人であれ、事実がどうあろうと、依頼人の話を聞いて弁護するのが仕事なのだと合点が行きました。

意義のあるストーリーながら、暴力、肉食系の話、精神傷害の話が多いので、場面設定はちょっと尻込みしちゃいます。
犯罪Amazon書評・レビュー:犯罪より
4488013368
No.57:
(4pt)

能力の高い作家

アメリカのS・トオローのような、力のある作家だと思う。
今後の出版に期待している。
犯罪Amazon書評・レビュー:犯罪より
4488013368
No.56:
(5pt)

冷静な目線で語られる、多彩な「犯罪」

著刑事弁護人でもある作者が、自らの法律事務所で扱った事件をヒントにしたという、短編小説集。10編が収められている。
内容は、一言で、多彩。犯罪を多彩と言うのもナニだが、犯罪を犯す人が多彩であり、それが反映されているって事なのだろう。無残な人殺しから、不思議な犯行、感動する物語まで。この多彩な犯罪が著者の冷静な目で捉えられ、淡々と記述されていく。その中に否応なく炙りだされて行く人間の本性。

「エチオピアの男」が、特に良かったです。

オススメ
犯罪Amazon書評・レビュー:犯罪より
4488013368
No.55:
(2pt)

ひどい誤訳はしっかり直してほしいです。

読み終わって大満足でした。
しかし、ここのレビューでどなたかが紹介されていたサイト
「シーラッハ『犯罪』の誤訳」(http://law.to.cx/verbrechen/index.html)
を見てアゼン・・・
100か所を超える誤訳の山だったんですね・・・・
上記サイトで丁寧に指摘されている誤訳(と正しい訳例)を全部読んで、やっと腑に落ちた点がいくつもありました。
少なくとも、短編全体の読み方に関わるような大きな誤訳はきちんと直してほしいです。紙の本ならともかく、kindle版なら技術的に可能だと思うのですが・・・
読み終わって大満足していた自分は、なにか馬鹿にされたような気がしました。
出版社も大手ですし、翻訳者も実績のあるかたのようですが、こうした誤りを放置しているのは読者と原著者に対する裏切りではないでしょうか?
最後に、「シーラッハ『犯罪』の誤訳」を書かれた方に感謝したいと思います。丁寧に冷静に誤訳を指摘されていますが、
すばらしい傑作を台無しにする誤訳に対する怒りが、行間からにじみ出ていました。
犯罪Amazon書評・レビュー:犯罪より
4488013368

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