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(短編集)
犯罪
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犯罪の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.21pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全114件 81~100 5/6ページ
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ドイツの弁護士である「私」が、自分の関わった犯罪の案件を淡々と書き記す形の短編集です。 と、いっても「私」に関する説明などはほとんど無く、犯罪に関して「私」の視点から書かれたレポートのような文がきりっとした印象で独特の味わいを産んでいます。 ほとんどの短編は、「書かないけど、そういう事なんだよね。」という「私」のメッセージのような物が込められています。 そのせいか、謎解きの爽快感と同時に、何か余韻の残る味わいになっています。 また、法制度や人種に対する偏見等に対する「事件の背景」的な物の厚みも結構あるのですが、そこをわざとらしくは触れずに(あるいは、まったく触れずに)淡々とレポートしている文も痺れます。「良いも悪いもない、ただ、こういう事が起きた」っていうのが格好良い。 めっちゃ面白い一冊でした。 | ||||
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最後の「エチオピアの男」には涙が止まりませんでした。 著者のリアルな表現が描写され、読む人の心惹きつけます。 | ||||
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弁護士をしていた作者の実体験をモチーフにしているのだろうが、どことなく現実性が無くて寓話めいているのは作者の乾いた文体のせいか、日本とドイツの土地柄の違いだろうか。 どの話にもリンゴが出てきて最後にリンゴではない、と書いてあるし。 内容に関しては、2話目「タナタ氏の茶碗」のちょいエグイ描写を乗り越えれば大丈夫でしょう。 最後には極上の「エチオピアの男」が待ってますよ。 | ||||
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この程度の本でいいんですか? 全然引き込まれなかった。 ほかの人もおっしゃってるけど新書で買うほどの内容じゃなかった。 「船を編む」もそうだったが、期待が大きかった分落胆が激しい。 もう本屋大賞の対象書籍は読まないと思う。 | ||||
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あたかもヘミングウェイを読んでいるかのような研ぎ澄まされた簡潔な文体だが、貧困、不運、不幸な人生ゆえに犯罪を犯さざる負えなかった生きざまが重く、そして切々と伝わってくる。 しかし著者の温かみのある視点のせいか、話のトーンの割には読後感は悪くなく、久々に心を揺さぶられたミステリー短編集である。 | ||||
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現役の刑事弁護士が書いた犯罪をめぐる短編連作集です。 妻を愛し続けると誓った老医師が彼女を斧で倒して絶命させてしまう。近隣の誰もが「しかたがなかった」とささやき合った。(フェーナー氏) 銀行強盗を捕えてみれば、彼には前科持ちでエチオピアに逃がれて立ち直り、村人から尊敬を集めていたらしい。しかし、それを裏付ける証拠がない。(エチオピアの男) 恐らくは著者が担当した事件をモチーフとして、避けられない事情から犯罪に手を染めた人々を描いています。犯罪そのものを取りあげるのではなく、罪を犯した人間たちの哀しさ、愛おしさを鮮やかに描きます。犯罪によってさらけ出された人間性は不思議に読む者の心を打つのです。 1篇20ページほどの簡潔な文章に想像力が刺激され、著者の人間への優しいまなざしが印象に残りました。 同じドイツ人である「朗読者」のシュリンクに似た文体ですが、漂う静謐な緊張感に惹かれました。完成度の極めて高い短編小説集です。 | ||||
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ドイツの光と影。貧困と移民。 暴力、犯罪、異常。 著者の弁護士としての事件、法、裁き への反芻が響きます。犯した罪とは、、。 一編一編 間を置きながらも、 一気に読みました。 フィッジェラルドが引用されているから ではないですが 村上春樹の短編と通底 している所があるように思えます。 距離感、モラル。 | ||||
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ドイツの光と影。貧困と移民。 暴力、犯罪、異常。 著者の弁護士としての事件、法、裁き への反芻が響きます。犯した罪とは、、。 一編一編 間を置きながらも、 一気に読みました。 フィッジェラルドが引用されているから ではないですが 村上春樹の短編と通底 している所があるように思えます。 距離感、モラル。 | ||||
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弁護士の「私」が依頼された11の事件からなる短篇集。 「私」は、 あくまでも依頼人の権利を守るという弁護士の立場で、検察や警察や依頼人たちと接している。 その姿勢からか、著者が冷徹な弁護士のような印象を受けるが、著者の容疑者たちを見守る視線はどことなく暖かい。 登場人物や事件が、主観を排して淡々と綴らている。 謎解きやどんでん返しを意図した、いわゆるミステリではない。 むしろ純文学である。 それぞれが読み応えのある連作短篇集。 ・一生愛し続けると医師は妻に誓った。妻は夫を罵り続けたが、夫は誓いを守り隠居生活に入った。『フェーナー氏』 ・金庫を盗んだチンピラたちに脅しをかけた顔役たちが惨殺される。『タナタ氏の茶碗』 ・資産家に生まれた姉弟の残酷な愛。『チェロ』 ・容疑者の弟の巧妙な証言に法廷は翻弄される。『ハリネズミ』 ・娼婦の目の前で突然死した男の遺体を隠す娼婦の恋人と娼婦の運命。『幸運』 ・高名な実業家がホテルで娼婦と過ごしたあとに、その娼婦が惨殺された。実業家は容疑者として拘留された。『サマータイム』 ・ふたりのネオナチに絡まれた男がふたりとも殺した。正当防衛か過剰防衛か。男は黙秘を続ける。『正当防衛』 ・羊の眼をくり抜いた少年の殺意の真相。『緑』 ・美術館警備員の孤独、それは警備員の出勤カードが紛失したことに始まった。『棘』 ・恋人の背中をナイフで切りつけた大学生の動機。『愛情』 ・エチオピアの貧しい村に住み着いた銀行強盗は、村を豊かにし名士になった。『エチオピアの男』 | ||||
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短編集。翻訳の日本語が分かり易い。 実際の弁護士が作者で、淡々と書いている。 でも心温まる感があるのは作者の人柄か。いいなあと独り言が出るほど良かった。 実話なのかどうかわからないけど、実話に思えるほど現実感が伴う。 最後の「エチオピアの男」は感動的だった。 浪花節調で、でも世界中に共通するのだろうか、これを最後に持ってきてくれてとっても良かった。 あっという間に読んでしまった。 1,800円は高いような、なのでマイナス1☆。私は図書館から借りて読んだのでかなり得した気分。 | ||||
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・この淡々として物哀しい雰囲気は、何ともいえず、虜になります。 ・著者は弁護士とはいえ、これほどまでも多くの、数奇な運命に 出会えるものなのか。 途中からノンフィクションなのか、疑わしく思えてきました。 (どうなんでしょうかね〜) ・この本、昨年(2011年)の「このミステリーがすごい」の海外部門で、 堂々第2位になってました。 1位にあげている選者もかなり多数。 ミステリーにカテゴライズされる本だとは思いませんでした。 「欧米の読書界を驚嘆せしめた傑作」とありますので、 ミステリーというカテゴリーにとらわれず、読んで頂ければよいかと思います。 ・個人的には、最終話の「エチオピアの男」が一番印象的でよかったですね。 | ||||
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人生のふとした瞬間に押されてしまうスイッチ。 ある人には解放であり、ある人には防衛であり、ある人には逃亡である。 多くのケースに共通するのは、追い詰められ出口を見つける突破口として、そのスイッチをどうしても押さざるを得なかったということ。 「犯罪」という一語に込められた人々の人生。 | ||||
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最後の”エチッピアの男”にやられました。 この結末で良かったです。 他は、大作とは思いませんが、ユニークで、考えさせられる点が多かったです。 | ||||
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暇つぶしに読むのにはなかなか面白い本だった。 ただわざわざ新刊で買って読むほどの本ではない。 | ||||
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さまざまな理由から犯罪に手を染めてしまった人を、語り手である弁護士が弁護していく小説です。 短編の積み重ねです。 ところどころ、これは意訳しすぎでは?と思う箇所もありますが、とても読みやすく、見事な翻訳だと思います。 とてもすぐれたエンタメ小説なので、おすすめです。 | ||||
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様々な「犯罪」―器物損壊から殺人まで―にまつわる人間模様の機微を、細やかながらも決して冗長ではない文体で書いた短編集です。華美な修飾語や感情(パトス)を排した語り口は、現代ドイツらしさを感じさせるところがあります。 話の流れは刑事コロンボシリーズに似ており、最初に関係者の人間関係が描かれ、犯罪が起き、書き手が弁護士として関わっていく、その関わり方に著者が刑事事件弁護士が書いているだけあってリアリティがあり、現実に起きた事件をモチーフにしているように感じられます。ミステリー的な頭をひねる謎解き要素がある作品、ゾッとするような終わり方をする作品、心がほっこりとする作品など色々な味を楽しめます。 個人的には、一番最後に収められている、一人の人間が自分の居場所を見つけていく「エチオピアの男」Der Athiopier という話と、兄弟すり替わりをうまく活用した「ハリネズミ」Der Igel という話が面白かったです。 | ||||
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何となく手に取っただけだったが、これほど魂を揺さぶられる物語だとは思わず、良い意味で期待を裏切られた。 久しくこういう素晴らしい本に出会う機会がなかったので尚更感動が大きい。本の解説は他の人に任せるとして、 私のお気に入りは「フェーナー氏」と「チェロ」、そしてこの本を読んだ方々が口を揃えて言う「エチオピアの男」。 簡潔で、整理された美しい文体のせいもあってかすんなり物語に入っていけた。そしてなんと言っても、読み終わった 後の余韻は上質で心地良いものさえ覚える。読了後にカタルシスが弾けること必至。電車の中よりも、家で寝る前なんかに読むのがオススメ。 もし、貴方が読む本に悩み、書店の本棚を行ったりきたりしているのであればこの本を買ってまず損はしないでしょう。 | ||||
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久々に一気に読んでしまいました。 一話ずつの短編で、一話ごとに淡々と書かれる犯人の半生。 そして、一人の弁護人と出会いそれぞれの【結果】が出ます。 漫画家の浦沢直樹が描きそうな感じでした。 | ||||
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ドイツ人弁護士の書いた実話タッチな短編集で、 ミステリタッチなものもあれば、ほろりとくるもの、 怖いものとかなり幅がありますが、どれもこれも かっこいい。 後半になるほど自分としては興味深いものが多く、 弁護士としては、主人公「私」=筆者?の活躍が 多くなるのでうれしく楽しく読みました。 「フェーナー氏」は夫婦(主として妻)を描いて恐ろしく、 「チェロ」の叙情は見事で、「正当防衛」はまるでゴルゴ13 のような男が出てくるし、「エチオピアの男」は叙情、法廷 すべてにおいて白眉だと思う。 これはおすすめです。 アメリカもののリーガルサスペンスとは全く違う静謐な空気が 漂う感じも新鮮で好感を抱きました。 | ||||
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ドイツを舞台にした連作短編なのですが、著者は現実の弁護士です。で、さすがの設定の細かさと、短編ならではの切り方が上手く、まるで供述調書を読んでいるかのような感じです。供述調書のようなドライな文体であるのに、いや、ドライだからこその「事実」だけを積み重ねるかのような文体だからこその、犯罪者にとっての「事実」と読者である読み手の「真実」との距離を確かめられます。犯罪に手を染めるまでを丁寧に、しかし簡潔に積み重ねているので、返って登場人物の心情を想像しやすく、汲み取り易くなっています。しかも直接は言及していないので、上手いです。 中でも気に入ったのが、善良な医師であるフェーナー氏の限界を超えるまでの自分に対する自制と超えた後の心の静寂を描く「フェーナー氏」、美しい兄弟を襲った悲劇と家族の葛藤と終息を色合い鮮やかに描いた「チェロ」、犯罪一家の末っ子の隠された才能を法廷劇で見せる「ハリネズミ」、ある不幸な瞬間から迷走する最底辺の恋人たちが味わった「幸運」、恐らく何らかの現実から着想を得ているのでしょうがだからこそ恐ろしい沈黙を描いた「正当防衛」、現代の(と言いつつもきっと太古の昔から存在していたでしょうけれど)病とも言うべき弱い存在へと向かう狂気の顛末「緑」、ひとつのことに執着することの怖さ「棘」、病を放置することの恐ろしさと有史以来ずっと続いていることを考えさせられるハンニバル・レクター博士やペーター・キュルテンやジェフリー・ダーマーや・・・の「愛情」、そして映画になりそうな物語性の高い「エチオピアの男」です。 どの短編も非常に完成度高く中でも割合短編の作りが標準的な「サマータイム」も印象的ではありますが、この方の短編としてはオーソドックスすぎると感じました。それでも充分楽しめるレベルですので、クオリティ高いと思います。 単純な動機や単純な作りにはなっていませんし、某かの背景があるからこそ、そしてその背景が(誰にでもと言うわけではないにしろ)日常的だからこその恐ろしさ、犯罪を犯してしまった側の心情がリアルです。ドライに書かれる事でのコントラストの大きさが良かったです。この人の新作はまた購入すると思いました。 短編もので、犯罪ものが好きな方に、リアリティある作品が好きな方に、オススメ致します。 | ||||
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