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(短編集)
犯罪
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犯罪の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.21pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全114件 21~40 2/6ページ
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「物事は込み入っている事が多い。罪はそういうもののひとつ」 とは作中に出てくる叔父の言葉ですが私が一番それを感じたのは『棘』でした。 毎日博物館に勤務して少しずつ変わっていく男の生活。 冒頭にもあるようにただ転職回数が多いごくごく普通の男性が狂気に侵されていく様と 過度な装飾のない著者の文章が素晴らしくマッチしていて、 読んでいてこちらもフェルトマイヤーと同じように息苦しさを感じるほどでした。 「エチオピアの男」も好きです。こちらはちょっと泣けますね。 そしてこれが最後で良かった。茶碗の話とかだったらそれこそフェルトマイヤー氏のように 「え?この会話の意味は?」と気になって気になって読後の爽やかさは皆無だったと思うので(笑) 散々指摘されている誤訳は流石に物語に大きく関わる箇所や齟齬が発生する箇所はほぼ修正されていますね。 だけどその後の展開に関係ないからか「幸運」の死体描写がそのままで読み直す度にちょっと笑ってしまいます。 | ||||
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ドイツの小説家(弁護士でもある)による連作短編集。タイトル通り、すべて犯罪がらみのものばかりだ。 事実をもとにしているようで、劇的トリックや感動オチといったものはほとんどない(皆無ではない)。このあたり、同じく弁護士で、犯罪がらみの小説を書くアメリカのジェフリー・ディーバー(『リンカーン・ライム』シリーズ)とは趣が異なる。 感傷的な描写をせず、淡々と描かれていく人間模様、犯罪の裏側に、ぐいぐいと引き込まれてしまう。少し脚色された精神科ケースレポートを読むような感覚で、非常に面白かった。ただ、ハラハラドキドキするような小説が好みという人には向かないかもしれない。 | ||||
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まず「罪悪」を最初に読み、つまらないなぁ…とハズレカテゴリに入れていた作家だけに本作の面白さには驚きました。 「犯罪」にまつわる十一編からなる短編集。どのように人は罪を犯すのかという部分をあらゆる角度から堪能できます。それぞれの話にはエンタメ性やドラマ性が欠けており、代わりにノンフィクションかと思うほど生々しい現実感が溢れている。ミステリーを期待して読むと十中八九首を傾げることになると思いますが、先の読めない展開という点では高レベルな話が多かった。 極限まで無駄を省いた文体は素っ気ないのに読みやすく、つぶさに登場人物の情動を書かれるよりよほど共感できる。淡々と起きたことのみを綴っていく文章なので分量のわりに密度は高く、テンポもいいです。短編なので中だるみとはもともと無縁ですが、十一編もあってハズレがほとんどないのはすごい。どれも粒揃いです。 その中の一本「サマータイム」は作中もっともミステリー色が強い話ですが、なにせ真犯人と真トリックを匂わすだけで終わっているためモヤモヤ感も一番強かった。感想サイトを巡ってようやくスッキリしましたがそういう意味でもミステリー的にあまり親切な作りじゃないので創元推理文庫から刊行されてはいますが推理や謎の解明を求めている方には勧めにくい本だなぁと思いました。 総括して☆3.5。犯罪がテーマなだけに鬱々とした話が10割を占めスカッと終わることもほぼないですが久しぶりに先の気になる小説が読めてよかったです。 | ||||
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ドイツの現役弁護士シーラッハが2009年に著すや忽ち大ベストセラーとなり文学賞三冠の獲得や映画化等々、話題沸騰の衝撃のデビュー作の紹介です。本書の最大の魅力は著者の刑事事件弁護士としての豊富な経験が活かされたドキュメンタリーなのではと錯覚させるリアリティーに満ちた犯罪ドラマと嘘偽りの無い真実味溢れる人間性の描写にあるでしょう。各編はミステリー小説の様に結末の意外性を狙った物ではなく、ほぼ予想通りの展開に終始しますので少し物足りなさを感じる方もおられるでしょうが、それでも強引さや不自然さのない物語は完全に納得が出来て真実に触れられた感慨と深い満足感を得られるだろうと思います。 『フェーナー氏』地域社会で尊敬される老医師が最愛の妻に為した愛憎相半ばする凄惨な犯罪の顛末。『タナタ氏の茶碗』空き巣に入られ家宝の茶碗を盗まれた日本人富豪が警察とは別に闇で手荒な手段に訴える恐るべき裏社会の物語。『チェロ』富裕な父の愛を拒否した姉弟が不運続きの果てに迎える悲劇とあまりにも哀し過ぎる結末。『ハリネズミ』犯罪者一家の中で唯一人の真面目で利口な息子が兄を救おうと裁判で策略を巡らせる愉快な読み心地の一編。『幸運』戦争で故郷を追われベルリンに流れ着き娼婦となった女性が恋人と出逢い異常な犯罪ではあるがかけがえの無い体験をする。『サマータイム』娼婦殺人事件の謎を追う最もミステリーらしい一編ですが、鮮やかと感心しながらも検察側が不注意過ぎると思います。『正当防衛』暴漢二人を逆に殺害してしまった男が隠し通したヤバ過ぎる事情。『縁』羊の目玉をくり抜く異常な犯罪を執拗に続ける伯爵家の少年が心に抱える病の謎。『棘』博物館に勤める男が大理石像を見て偏執狂となり散々悩み抜いた揚句退職の日に思い切った行動に出る。『愛情』女性への愛が異常な欲望を生み出し遂に凶事を招いた青年の哀しい心の闇。『エチオピアの男』ドイツでの不幸な境遇から偶然エチオピアの寒村で幸せを掴んだ男が、やがて銀行強盗の罪を犯してしまい再び不幸に逆戻りかと思えたが・・・・。人間の善意を改めて信じ直させてくれる本書中最も感動的で私が一番大好きな一編です。 読後心を捉えて離さない理由あって罪を犯した人々の数奇な人生の物語を紡ぎ出す確かな才能と実力を感じさせる著者の2010年に刊行された第二作「Schuld」も早い機会に翻訳されて読める日が来る事を待ち望みたいと思います。 | ||||
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最初は図書館で借りたんだが、あんまり面白かったからアマゾンで買い直した。 とにかく文章にキレがある。 ストーリーにも読者を引っ張るパワーと、感情を揺さぶるインパクトが。 自分の世界観が殴りつけられたような衝撃を受けた。 もっとたくさんの人にお勧めしたい。 | ||||
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周りの評価が良かったので手にしてみた。 最初のストーリーから思いっきり嵌ってしまった。シンプルな表現の中に人々の感情や環境の変化が目に見えるようでパノラマに展開する感じが言葉に出来ないくらい素晴らしかった。悲しんだり、笑ったり、泣いたりの連続だった。 是非ともオススメしたい作品です。 | ||||
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弁護士が実体験をもとに書いているとか、何十万部も売れたとかいった素晴らしい宣伝文句を見て、読んでみました。第一話を読むと、ああ、こういう話も現実にあるだろうなと思いましたが、第二話で、早くも現実離れして来ます。そもそも、裁判上で明らかになったことであれば、三人称で書くことも出来るでしょうが、明らかに弁護士が知っているはずがないことまで書かれています。例えば、殺し屋と依頼人の交渉など、依頼人であっても、殺されかねないリスクを冒してまで弁護士に話すはずがありません。そもそも、この作品の話が現実であれば、この作者(弁護士)は守秘義務違反で全ての依頼人から訴えられてもおかしくないでしょう。ほとんどが創作だと思って読んだ場合、短編小説としてのレベルはさほど高くありません。資料になる様な物は一切用意しなくても、文章力があれば机上で書けるレベルだと思います。ハードカバーの方の定価は1800円+税、せめて文庫本の方をおすすめします。 | ||||
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「タナタ氏の茶碗」という物語。茶碗を巡るドタバタ捕り物劇かと思いきや...怖い!めちゃくちゃ怖い!!小説を読んで、こんなに背筋が凍る思いは久しぶりでした。他の物語も一線を越えてしまった人間の行動がリアルに書かれています。罪は恐ろしいが、彼らを一人の人間として理解しようとする語り手の目線は温かい。短編それぞれに全く違う感動と味わいがあり、読後は満足感がある小説です。 | ||||
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あちこちで絶賛され、読むタイミングを失ってしまっていたが、文庫が並んでいたのでえいやっと掴んでレジへ。 1話目の「フェーナー氏」で「そりゃまあ、そうなるでしょうね。で?」。「人間って怖い」的な物語や映画(実話・創作問わず)を読み過ぎたのか、特に衝撃もなく……次も、その次も同様の印象。実話でももっと驚くような話が多い分、創作ならば創作らしい「残るもの」が欲しかった。 クリスティなんかは、トリックの謎解き以上に、人間という不可解なものの心理・言動の謎解きに長けていた。トリックはイマイチでも、その奥深さに惹かれて読み続けた。それこそがクリスティの個性だった。それを期待したほうが間違いだったのかもしれない。決して悪くはないんだけど、評価されすぎでは……という印象だけが残った。 「物語」は文字どおり「語る」もの。元になるものが事実であっても、それを「どう語る(見せる)か」が作家の力量であり、ポリシーだと思う。ドキュメンタリーですら、送り手のメッセージが明確でなければ、素人の記録と変わらなくなる。 人間とはおろかで、奇妙で、残酷で、いとおしいもの。その事実、現実を前に、作家はどう感じたのか。著者としては「語った」のかもしれないけれど、その部分が響いてこなかった。少なくとも、私には響かなかった。別に「水戸黄門」的なカタルシスが欲しかったわけではない。ただ、作家の視線を「創作」として描き足すつもりがないのなら、それこそ「事実の列挙」のほうが潔いと感じた。 | ||||
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読んでいて、あまりに腑に落ちない点や、意味がわからない点が多く、検索した結果、表題のサイトに行き着いた。 Amazonの「出版社からのことば」のところにも、異例の「誤訳、章落に関して」の言及が入っているように、上記のHPの指摘者の指摘は論理的かつ正確なよう(ドイツ語がわからないのでおそらく、だが)で、明らかな誤訳である箇所については、私が読んでいる電子版ではHPでの指摘のとおり、修正されていた。これは訳者にとっては屈辱だったことと推察する。 それにしても、シーラッハの文章が特徴的だとしても、読んでいて意味がわからないところくらい、編集が言及して、つじつまが合うくらいまでは持って行って欲しかった。 | ||||
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初めて購入した古本なので不安でしたが、届いた本を見てビックリ!商品説明どうりのとても綺麗な本でした。 | ||||
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短い話ですが、どれもどんどん引き込まれます。なんというか、犯罪の話ではありますが「仕方ないな」と思えるようなものもあるし、「どうして?」と思えるものもあるし、最後の1行でドンデン返しがきたり。飽きませんでした。 | ||||
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小説を読むとき、期待することはもちろん内容の良さだと思うが、海外小説を読むときは、文化の違いやずれという日本では味わえない空気を味わうことも醍醐味だと思う。思考、文化、残虐性、犯罪にかかわる人間のひとつひとつが、日本で同じ小説を書くのとは一味違う。その部分に底知れぬ理解できない恐ろしさを感じることで、独特の犯罪小説を体験できる作品だと思う。 | ||||
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ただ単に人間関係に対する不満が犯罪を起こす原因なら「苦情」を申し出るだけで済む話である 「違う何か」が原因で犯罪を起こしていることが判明するのである ここまでの情報から導き出される答えはこうである 「怪獣の命ずるがままに犯罪を行った」が原因なのである つまり「こんなのはやめて真の最高権力に忠誠を誓うべし」が「犯罪を行う真相」だということが判明するのである つまり「真の最高権力者の本性に即した行為」こそ「犯罪行為の定義」だと言う事が判明するのである これが犯罪の真相なのである | ||||
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ドイツでベストセラーになったというが、ドイツには推理小説がなかったからだろうか。別にそれほど面白くはない。淡々とした語り口が特に文学的効果を生んでいるとも思えないし、次々と別の人物が出てくるのが妙にイライラする。なお98pに「言葉は路上で覚えた」とあるが、これは英語にもある言い回しで、実地に生活しながら覚えた、という意味である。まあ分かっていて訳したんだろうが・・・。 | ||||
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刑事事件専門の弁護士である作者が、実際の事件を題材に犯罪を犯した者、巻き込まれた者の動機・経過・結末を描いた短編集です。 1話が数ページ、長くても10ページ程なのですらすら読めます。 無駄のない文章とはまさにこのことだと思います。 書かれているのは、罪を犯すに至った心理を簡潔に、犯行の様子を簡潔に、裁判での丁々発止の駆け引きは無く、判決と刑を終えた後の様子。 どの主人公も近所に住んでそうな市井の人々(ドイツと日本の違いも感じられないほどです)ですが、各家庭の屋根の下では様々な問題が隠れているようです。一個人として生まれた主人公達が、置かれた環境から抜け出そうと犯す罪の数々。 自分を救出するために選択せざるを得ない行動が刑法の「犯罪」しか残されていない方は少なくないのでは?と思いました。 どんな個人的事情があろうと法治国家である以上、罪は罪。刑期が長すぎる、この主人公には可愛そう!な方もいらっしゃれば、もっと牢屋に長くぶち込め!と思わざるを得ない方もいらっしゃいます。 「犯罪一家に生まれた賢い末弟」と「エチオピアの男」は心が軽くなり、何度も読みなおしました。この2編は明るい話題です。 | ||||
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著者は弁護士だそうで、数々の刑事弁護をしてきたのかもしれないが、この本の短編はどれも創作だそうな。それにしても経験と知識が豊富なせいか、どの話もとても面白く、実話もののようにリアルで生々しい。それでいて上品で汚らしくないから、旅のお供や軽い病気のお見舞いにもいいかも。楽しみました。 | ||||
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随分前に新聞の書評で読んだのは「罪悪」の文庫本だったかと。 文庫本は苦手。単行本のほうで探すと「犯罪」のほうが先に出版 されていた。そこでこちらから読むことに。 文体はシンプル。わかりやすい。どんどん読めてとにかく面白かった。 収録されているのは11篇。「フェーナー氏」「ナタナ氏の茶碗」「チェロ」 「ハリネズミ」「幸運」「サマータイム」「正当防衛」「緑」「棘」 「愛情」「エチオピアの男」。 「ハリネズミ」に「狐は多くを理解するが、ハリネズミにはただひとつの必勝の 技がある」・・・そう、カリムのアタマの良さは誰からも、兄弟からも、理解 されない。こういう展開すごいなぁとただひたすら感心するばかり。 「サマータイム」の意外さ、「正当防衛」の何だかわからない得たいのしれなさ、 「~健康保険適用の黒縁メガネをかけ、」この健康保険が適用されるメガネ?って ナンダロウって。いくら考えてもわからなかった。ドイツにだけ?あるの? 日本にもあるのかしらん。もう一つ?だったのは「緑」。 ナルホドねって読み進めたけれど、最後のさいご「緑」って何を意味するのかしらん。 「棘」のフェルトマイヤー氏が年金受給出来てよかったねと思ったり、登場人物 みーんなみな犯罪者なんだけれど・・・犯罪者になるか、ならないか、 それぞれの事情を考えると出自というより出会う人との運不運が大きなものと なるようでもあり。最後の「エチオピアの男」は感動的。「~アメリカやイギリスと 違って、ドイツの検察は中立の立場を取る。~~そして罪を問いつつ中立の立場に 立つことほど難しいことはない。~~」ミハルカは犯罪を犯しながらも幸せになって よかったねって本を閉じました。シーラッハは作家であり弁護士。目は冷静で温かみがあり こういうのいいなぁいいなぁで。安心して読めました。次は「罪悪「へ。いざ! | ||||
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出来事で読ませる小説だと思いました。 淡々と説明が続きます。 それが不思議と想像力を働かせてくれます | ||||
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今の私には合いませんでした。 読ませるものはあります。 人間にはファンタジーが必要だなと思いました。 | ||||
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