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(短編集)

犯罪



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【この小説が収録されている参考書籍】
犯罪
犯罪 (創元推理文庫)

犯罪の評価: 4.21/5点 レビュー 114件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.21pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全114件 61~80 4/6ページ
No.54:
(1pt)

誤訳に対する評価です

[シーラッハ「犯罪」の誤訳]というサイトと合わせて読むと所々「?」と感じた文章の破綻に納得の行く解説と訳を読むことができます。
私の読んだkindle版ではいくつかは修正されていたようですが、大事な箇所がいくつもそのままでしたのでおそらくこれ以上修正する気がないのでしょう。読者が調べながら読むしかないみたいです。
誤訳がなければ星5つでした。

犯罪Amazon書評・レビュー:犯罪より
4488013368
No.53:
(5pt)

北欧ミステリーに飽きて

口直しに選んだ本ですが、じっくり読める味のあるお話ばかりです。
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No.52:
(4pt)

社会のおぼろな影絵として

ネレ・ノイハウスのあとがきにこの著者のことが触れてあって、興味があったので読んでみた。
弁護士「私」が関与することになった、事件~事件未満の出来事、の連作というのでしょうか。非常に淡々とかかれ、落ちすらはっきりしない作品もあります。~事件簿的な、犯罪者の強烈なキャラクターや犯罪内容のユニークさや、あるいは警官や弁護士の強烈なカリスマが立った小説、ではないです。なんというか、娯楽というより文学。
どこか影絵のようにおぼろな雰囲気は、すこしアゴタ・クリストフにも通じるような。翻訳の過程で生じたのでしょうか。
ちょっとジェフリーアーチャー的な「タナタ氏の茶碗」「ハリネズミ」、萩尾望都氏か佐藤詩生さんあたりに漫画化してほしい「チェロ」、社会にぼこんと空いた闇のような「正当防衛」、人間の精神の不可解さに迫る「緑」「棘」、一番まっとうに感動できる?「エチオピアの男」、といったところが印象に残りました。
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No.51:
(5pt)

最後の話は

映画のようだった。
どの話も、短編なので短いのに、映画のように感じられた。
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No.50:
(4pt)

様々な人生と向き合う短編集

短編集

作者が刑事弁護士ということもあり、弁護士の観点から、様々な形態をもった「犯罪」がテーマだ。謎解きでも単純なミステリーでもない。
当然のことながら、世の中にはいろいろな境遇の人間がいて、犯罪、つまり法を破る行為の「動機」や「理由」やらも、当然様々であるということは、たとえ今まで頭でわかっていても、この短編小説集を読むとあらためて心で感じることができた。

そこで、この短編集のほぼ全てのストーリーで問題になるのは「裁く」という行為になる。
ドイツの検察が中立の立場をとるというのは新鮮だった。日本も表面上、ハリウッドの映画で見るような陪審員制度と似たような裁判員裁判になったが、これは表面で考えるよりも根本的にとても大きな変化なのだと今さらながら気づきもした。
作中の「犯罪」について、裁判で、日本でいうところの「情状を考慮する」以上に踏み込んで、犯罪の根本に向き合っているところがとても新鮮で印象的だった。もちろん、これが現在のドイツの実情などとは思っていない。これは「小説」なのだから。でも、とても意義ある方向性も含まれているのではないかと思った。
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No.49:
(5pt)

秋の夜長にぴったりの短編集

巷の人々が犯す様々な犯罪にもそれぞれ事情があるのだということを、弁護士の視点から描いている。感傷に走ることなく簡潔に、それでいて余韻の残る短編に仕立て上げる作家の腕前には脱帽。続編の『罪悪』とともに、なかなか趣味の良い犯罪小説短編集だと思う。
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No.48:
(4pt)

弁護士から見た色々な犯罪者の姿

内容としては表題の通りだが、面白いと思えるのは、主人公の主観的な感想がほとんど描写されない点。

同情すべき犯人もいれば、ひどい犯人もいる。けれども主人公はそのどちらにも嫌悪も共感もしめすことなく、淡々と自分に職務を遂行している。

むしろその淡々とした態度が一番怖いと思った。
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No.47:
(4pt)

うまいねえ

少し前の話題作。遅ればせながら読んだのだが、思ったよりずっと楽しめた。
弁護士が実際に関わった事件を短編集にしたもので、もっと社会色が強いものを想像していたが、
実際は人間の内部に潜むリアルを描きだしたもの。楽しめた。
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No.46:
(4pt)

ノンフィクションかと・・・

弁護士でもある作者が、初めて書いた小説が本作であるらしい。さらに「現実の事件に材を得て」とあるのを勘違いして、ノンフィクション小説かと思って読み始め、「なるほど現実は小説より奇なり」などと、見当違いのことを面白がっていた。
なので最初からフィクションの短篇だとわかっている読者よりも、点数が甘いかも。

最初の1話「フェーナー氏」の冒頭部分には吸引力があり、オチは後半の短篇のほうがスッキリと決まっている。そういう意味では構成が上手い。読めば読むほど面白くなっていく「親切設計」だ。全体的に文章が短くて読みやすいし、場面の描写もわかりやすい。グロい場面、暗いストーリーは多いものの、あくまでも予定調和の範囲内、なので意外性は得られないが、とにかく読みやすい一冊。

個人的には、グロくて暗い話が大好きなので、「タナタ氏の茶碗」「正当防衛」「愛情」などが印象的。特に「正当防衛」の謎の男の、謎めきっぷりが好みだった。読み終えたあとも彼の人生を妄想し続けてしまいそう。また、「愛情」はホラー好きがニヤついてしまいそうなカニバル小説で、オチはありがちではあるものの、ちょっと小気味良い。

そして最後に、ハートウォーミングな「エチオピアの男」をもってきて、泣かせてくれる親切設計。(泣きました。)
マイナス点は、語り手として登場する弁護士「私」が、作者とかぶって、「自分を善人に書きやがったな〜?」という不愉快さが残ることくらい。(あくまでも個人的な感想。)

すべての短篇にリンゴが登場する。そして最後のページに「Ceci n'est pas une pomme(これはリンゴではない)」と書いてある。マグリットの作品、リンゴの絵につけられた不条理タイトルである。
なんでここにこんなものを書いてあるのか?・・・と、最初のページに戻ってみると、「私たちが物語ることのできる現実は、現実そのものではない。(ヴェルナー・K・ハイゼンベルグ)」とある。
私のように「ノンフィクションか」と勘違いをした読者のために、「これはフィクションですよ」の断り書きとして記載したのだろうか? ・・・親切だ。
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No.45:
(5pt)

事件は点ではない。文脈があるということ。

事件は数本の糸が螺旋状に絡み合ったものだと私は思う。勿論猟奇的なものもあるが。ただ殺された、殴られた、が事件ではない。マスコミはこの部分だけに焦点を絞りがちだ。本書を読んで、あなたはまだ文脈を無視して先入観で事件を見ることができるだろうか?
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No.44:
(5pt)

暗闇もこちらを・・・

犯罪の起点から終わりまでを淡々と描いています。
一般の市民もいれば、軽犯罪に手を染めていた人間も、すーっと暗闇に吸い込まれていく様子がなんとも・・・怖いです
タナタ氏の茶碗という話がやはり日本人としては気になるところ。
先祖伝来の茶碗を泥棒に奪われた日本人オーナーが、泥棒にした世にも恐ろしい仕打ち。
鮮やかにすべてのものを取り戻し、かつ法律の目を潜り抜けたタナタ氏、怖い人です。
あくまでも事実をもとにした創作であるとは思うのですが(事件の裏側まで描いているので)楽焼の茶碗云々を事実とするなら日本で有名な某大商人の名前が挙がってきますが・・・。
ま、エチオピアの男は一服の清涼剤とでも言いましょうか。
救いの無い、後味の悪さを打ち消し、犯罪者が更生していく姿を周りが暖かく手助けする様子が描かれています。この話を最後に持ってきてくれたおかげで読後が随分さわやかになった。
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No.43:
(5pt)

一切の無駄の無い文章が、心を貫く。この5年間のマイベスト3に入る小説。

人には心の闇や、持って生まれた気質、育った環境、欲、様々な要因があります。
本作品の短編のそれぞれがの一切の無駄の無い文章が、心を貫きます。
読み手の貴方が、解釈してください。

翻訳者も、とても素晴らしい仕事をされているのではないかと想像します(ドイツ語が私にはわからないため原著を読めない)

狂気、悪意、意思、Etc,
犯罪とは・・・犯罪とは何であろうか?と読後に考えさせられた。
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No.42:
(5pt)

これはミステリーではない

犯罪をテーマにしている短編集。市井に生きる人々が何かのきっかけで犯罪へと突き進む。それはきっかけに過ぎない。そのきっかけが生まれる過程を辿っている。
金持ち、チンピラ、普通の人も登場する。
でも特別な存在ではなく、実はどこにでもいる(いそう)な人々。犯罪をテーマにしているからといって、ミステリーではない。謎解き小説ではない。あっ!というミステリー特有の驚きの展開でもない。
しかしながら、普通の人々がどのように犯罪へと向かって行くのかが淡々と、短い文章で語られる。
饒舌な文章ではない。短く、簡潔な文体。他のレビュアーの方もお書きになっているが、ヘミングウェイのような文体。
読後、いささかの物足りなさは確かに感じた。だが、この物足りなさは悪くはない。
それは物足りなさではなく、余韻だった。
読後のなんとも言えぬ余韻は、文学を鑑賞する上で大切な楽しみの一つである。
これが長編だったら読まなかった。凡百の長編は饒舌になり、読み手を飽きさせる。
これは短編の魅力が味わえる一冊だ。
犯罪Amazon書評・レビュー:犯罪より
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No.41:
(3pt)

物足りない?

弁護士の事件簿といった様相だが、
ミステリーを期待する読者にも、文学を期待する読者にとっても、食い足りない印象が拭えない。文学風の外見が中身とマッチしてないのかもしれないが、実際にはもっと軽い感じのエッセイ風の短篇集。
犯罪Amazon書評・レビュー:犯罪より
4488013368
No.40:
(2pt)

評判ほどではないですよ

オビに"2012年本屋大賞翻訳小説部門第1位"とあるのでさてさてと大いに期待しながら手にして布団にもぐり込みました。
そして…大いにガッカリさせられました。
短篇が11篇、刑事弁護士でもある著者が実際の事件にヒントを得た短篇らしいが、「はたしてこれは小説かね?」という感じです。
短いパラグラフからなるそれぞれの短編は、小説というよりもその題材のテーマを説明しているようにしかとれません。
『正当防衛』『エチオピアの男』など、テーマとしてはなかなかいい素材だとはおもうのですが…。
唯一『サマータイム』だけは短篇推理小説としての起承転結がきっちりきまっていますが、途中まで読んでオチがわかってしまうところが悲しい。
犯罪Amazon書評・レビュー:犯罪より
4488013368
No.39:
(4pt)

たしかフランスの

裁判官が書いた小説だったような。新聞で話題だったので購入。描写が淡々と描かれていたが、別にびっくりしなかった。
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No.38:
(5pt)

僕らの生きる灰色の世界のスケッチとも言えましょうか・・・

実は今年出た「罪悪」を先に読んでから昨年大いに話題になった本作を読みました。
最初にこの独特の小説世界に触れたという意味で衝撃に関しては「罪悪」に軍配を上げますが流石に本書も上出来。
淡々とした筆致で描き出される人の犯す様々な「罪」。
さりげなく挿入される詳細な人間観察やビビッドな状況描写によって補強される無比なるリアリティ。
客観的に見れば相当に異様な状況下の物語ばかりなのにひょいと周囲を見回せば同様の事態が自分の周りで進行しているのではないかと落ち着かなくなってまいります。

現実に我々の周囲でも相当トチ狂った事件が連日のように報道されております。
年端も行かぬ幼児たちに平気で銃口を向け引き金を引く若者…
他人の家庭に入り込み家族を支配しその資産ばかりか命まで喰らい尽くす寄生虫の様な女…
こうした常軌を逸した事件が実際に起きていることを考慮すれば本書で描かれている事件の数々も「作り事」として受け流す訳にも行かなくなって来ます。

とは言え本書は決して不快なだけの小説では無い。
描かれている事件の内容はともかく、その主体である人々は誰の隣にいてもおかしくないような人物たちばかり。
しかし何かが引き金となって「向こう側」へ行ってしまう様子が描かれております。
作品によっては「意味」も「オチ」らしきものも無かったりしますが腹は立たずむしろ深遠なミステリーにも思えて来たりもします(「チェロ」「緑」)。
ホラーではありませんが精神的に息苦しさを覚える設定に背筋が冷えてくるようなものも(「棘」)。
突発する暴力に関しても筆致を抑えた描写ゆえに逆にインパクトは大きい(「正当防衛」「フェーナー氏」「タナタ氏の茶碗」)。
いづれも短編と言える分量ですがあっという間に読み手を異様な状況下に取り込む筆力はお見事(翻訳がまた巧いとも言えますが)で小説を読む喜びを存分に与えてくれます。

総じて読み終えると何とも言えない微妙なザラつきのような感触が残ります。
単なる好奇心を刺激することが狙いの猟奇小説ならさっと拭いとることも出来ましょうが。
このモヤモヤ感はとりもなおさず描かれる悲劇的な状況や人の心の闇が我々とは無縁ではない事に改めて気づかされるからでしょうか。
大人の読書におススメ。
犯罪Amazon書評・レビュー:犯罪より
4488013368
No.37:
(5pt)

茶椀の椀を別の字で書く訳の鋭さ。

200頁余りの薄い本である。本屋の棚で見ても、背表紙が2センチ足らずだから目立たないし、平積みされていても地味な色調の表紙なので見逃してしまいそうだ。知らないドイツ人作家だし、価格が1,890円であれば二の足を踏んでしまう。ただ出版社が東京創元社なので、面白いと期待させるのだが・・・・。

本書は11の短編集で、「フェーナ氏」(!?)、「タナタ氏の茶ワン(変換出来ない)」(茶椀の椀を椀と書かない鋭さ)、「チェロ」(人生の無常)と読んでいくにつれて、ジャブが効いてくる。

次の「ハリネズミ」を読んで、その小説技巧に手をたたき、これは行けるかもしれないと思った。

「幸運」「サマータイム」「正当防衛」は当に「犯罪」をモチーフにしてキラリと光り、「緑」「棘」「愛情」で、やはり切り口の特異さに異能ぶりを感じた。

そしてラストの「エチオピアの男」。泣かせる。この配列順序がなかなかのもの。
犯罪Amazon書評・レビュー:犯罪より
4488013368
No.36:
(5pt)

まず1話 読んでみて。

短編11話 1話 約20ページ。全て「犯罪」に関する話
まず1話読んでみてください。
導入部から淡々とした状況や経緯説明が多く、
いきなり興味を引く展開や描写はありません。

1話 読み終わると、感情が動いたことを感じれるでしょう。
やりきれない思い、嫌悪感、温かい想い。

小説は淡々と「状況を」「環境を」描写しています。
感情は描写されません。述べた言葉としては描写されますが、一人称で感情を語ることはありません。
ただし、ある状況で「行った行動」から、それぞれの「感情を」「想いを」感じ取ることができます。
それがこの作品の良いところです。
よくある、あからさまな一人称での感情描写は、抵抗感があるので、
その人の状況から行った行動に、想いを馳せることができます。

ずっと読み進めて、最後に「エチオピアの男」を読むと、心があったかくなり、世界に希望がもてます。

※本屋で1話目「フェーナー氏」を読んで、購入を決めました
犯罪Amazon書評・レビュー:犯罪より
4488013368
No.35:
(5pt)

簡潔にして深い短編集

人が罪を犯すのも十人十色、それぞれに理由がある。
喩えその動機が他者に不可解なものであっても、だ。

ドイツの刑事事件弁護士である著者が、実話を基に編んだこれら十一篇は出来得る限りの客観性でもって
記されており、まるで何かの報告書を目にしている気にさせられる。
これら異様な事件の数々に対して事実のみを淡々と記述する文体とのギャップに正直面食らったが、
本書が犯人及び犯罪に係わった人々の情念を描き出すものではないのだと捉えてみれば
この形式が一番合っているのだと納得できる。

後味の良さから「ハリネズミ」「棘」「エチオピアの男」が気に入っているが、「チェロ」の哀しい顛末も後に残る。
犯罪Amazon書評・レビュー:犯罪より
4488013368

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