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巨人たちの星



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巨人たちの星の評価: 4.02/5点 レビュー 89件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.02pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全89件 61~80 4/5ページ
No.29:
(5pt)

ホーガンという人は……。

まったくもってホーガンという人の人類観には恐れいる。合理的な考え方、科学技術の発達とその恩恵こそが人類を救い、更に明るい未来を約束するのだと微塵も疑わないその歴史観が素晴らしいのだ。 「星を継ぐもの」3部作の最終巻である本書は、人類の科学的発達は、その進化の過程からみて遅すぎたのではないかというホーガンの独特の史観の上に成り立っている。呪術・宗教、オカルトなどありとあらゆる非科学的な考え方が人類の発展を阻害し、権力や利益を一部の人たちに独占させているのだという。そこに前作で登場したガニメアンとその末裔のテューリアンを配し、さらには権謀術数・悪意の枢軸となるジェヴェレン人(彼らはミネルヴァを滅亡させたランビアンの末裔である)が敵役として登場し、ハラハラドキドキの展開となるあたりは、もうホーガンの語りにどっぷりと浸ってしまう。 テューリアンのコンピューター「ヴィザー」が管理する知覚伝送装置パーセプトロンの発想は、今年衝撃を受けた映画「アバター」の発想そっくりだ。いや、「トータルリコール」の方かしら。 第一作の「星を継ぐもの」以来の謎がすべて解決するラストは圧巻だ。ホーガンが急逝した今年改めてこの3部作を読み返したが、間違いなく極上の読書の時間を読者は楽しむことができるであろう。20代で読んだ時よりも、50歳になった今、読み返してつくづく良かったと思う。
巨人たちの星【新版】 (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:巨人たちの星【新版】 (創元SF文庫)より
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No.28:
(4pt)

シリーズ完結作

高校生の頃読んで最も感動したSF作品の一つがこのホーガンの巨人シリーズを、20数年を経て今度は原書で読み返してみた。
第1作、第2作と順調に読み進んだが、少し分厚いこの第3作では、ホーガンの饒舌ぶりに少し疲れて序盤で一旦中断。物語のプロットは面白いが、ホーガンは背景説明に結構時間を割くのでまどろっこしいところがある。
このゴールデンウィークに気を取り直して再度チャレンジしたが、巨人の星と直接コンタクトが出来たあたりから急速に面白くなり、最後まで一気に読み終えることができた。5万年前に終息したと思われていたミネルヴァの2つの勢力の対立が現代の地球まで続いていたという壮大な構想は圧巻で、やはりこのシリーズは名作だと思った。
ただ今回読み返してみると第1作の「星の継ぐもの」だけで終ってもよかったかな、という気もしている。第1作の終り方には何ともいえぬ余韻と深い感動があるからだ。
巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))Amazon書評・レビュー:巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))より
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No.27:
(4pt)

シリーズ完結作

高校生の頃読んで最も感動したSF作品の一つがこのホーガンの巨人シリーズを、20数年を経て今度は原書で読み返してみた。

第1作、第2作と順調に読み進んだが、少し分厚いこの第3作では、ホーガンの饒舌ぶりに少し疲れて序盤で一旦中断。物語のプロットは面白いが、ホーガンは背景説明に結構時間を割くのでまどろっこしいところがある。

このゴールデンウィークに気を取り直して再度チャレンジしたが、巨人の星と直接コンタクトが出来たあたりから急速に面白くなり、最後まで一気に読み終えることができた。5万年前に終息したと思われていたミネルヴァの2つの勢力の対立が現代の地球まで続いていたという壮大な構想は圧巻で、やはりこのシリーズは名作だと思った。

ただ今回読み返してみると第1作の「星の継ぐもの」だけで終ってもよかったかな、という気もしている。第1作の終り方には何ともいえぬ余韻と深い感動があるからだ。
巨人たちの星【新版】 (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:巨人たちの星【新版】 (創元SF文庫)より
4488663338
No.26:
(5pt)

完結編は人類愛に満ちて

 人類の宿敵ともいうべき好戦的な知性体種が登場し、人類史へ「細工」を加えたという設定を通して、平和というものの意味を考えさてくれます。
 主人公たちの何気ないせりふも、本シリーズが、深い人類愛に裏打ちされていることを印象付けているように思えます。著者の文明論のようなものも顔をのぞかせます。
 なお私に読み落としがなければ、第1作冒頭に登場する「巨人」コリエルの正体につき、はっきりとは明かしていないように思いますが、全体を読み通したら自明かと思います。
巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))Amazon書評・レビュー:巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))より
4488663036
No.25:
(5pt)

完結編は人類愛に満ちて

人類の宿敵ともいうべき好戦的な知性体種が登場し、人類史へ「細工」を加えたという設定を通して、平和というものの意味を考えさてくれます。
 主人公たちの何気ないせりふも、本シリーズが、深い人類愛に裏打ちされていることを印象付けているように思えます。著者の文明論のようなものも顔をのぞかせます。
 なお私に読み落としがなければ、第1作冒頭に登場する「巨人」コリエルの正体につき、はっきりとは明かしていないように思いますが、全体を読み通したら自明かと思います。
巨人たちの星【新版】 (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:巨人たちの星【新版】 (創元SF文庫)より
4488663338
No.24:
(4pt)

つけたいが満点にはできなかったな

優しい巨人と出会い、あっと驚く壮大な歴史を辿ったのが前二作でした。
ガニメデの優しい巨人は余韻を残すラストでしたが、いよいよ本拠が登場したかと興奮しましたね。
優しい巨人の技術をも凌ぐ2500万年もの進化を経た科学世界が登場するのかとワクワクして3作目も読みました。
主人公が物理学者ということもあり、究極に達した科学が描く宇宙の真理とは、そこまでたどり着いた文明の姿はいかなるものか・・・
こんなストーリーだと妄想してたんですが、
感想は他の皆さんも触れられている通り、政治の話題が多くなってました。今回は前二作とは違いリアルタイムで現物が存在してしまってるので、わずかなヒントを手掛かりに謎を解明していく緊張感がなくなった気がします。もうちょっと壮大な科学的な話になると思ってたんですが政治的な陰謀とかの説明が多く雰囲気が違うなーと思ってました。
ミネルヴァと地球の違い、なぜ地球では科学より先に占いや神話が発達したのか、そういうことも解明するんですが、個人的には理由が単純かつ唐突でただの陰謀論じゃないかとも。
しかしラストは三部作の完結としては感動しましたね。
謎の中継機やミネルヴァの起源などそう来るとは思いませんでした。星を継ぐものは、いずれ星間共同体の時代がやってくると書いてあります。未来への希望に溢れているこの一節は、私自身にも夢を与えました。
(この本が発売してから10年以上たって、現在4作目の内なる宇宙 上・下が発売されました。これは昔にはなかったので三部作・本巻で完結と思われていたことによるものです)
巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))Amazon書評・レビュー:巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))より
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No.23:
(4pt)

つけたいが満点にはできなかったな

優しい巨人と出会い、あっと驚く壮大な歴史を辿ったのが前二作でした。
ガニメデの優しい巨人は余韻を残すラストでしたが、いよいよ本拠が登場したかと興奮しましたね。
優しい巨人の技術をも凌ぐ2500万年もの進化を経た科学世界が登場するのかとワクワクして3作目も読みました。
主人公が物理学者ということもあり、究極に達した科学が描く宇宙の真理とは、そこまでたどり着いた文明の姿はいかなるものか・・・
こんなストーリーだと妄想してたんですが、
感想は他の皆さんも触れられている通り、政治の話題が多くなってました。今回は前二作とは違いリアルタイムで現物が存在してしまってるので、わずかなヒントを手掛かりに謎を解明していく緊張感がなくなった気がします。もうちょっと壮大な科学的な話になると思ってたんですが政治的な陰謀とかの説明が多く雰囲気が違うなーと思ってました。
ミネルヴァと地球の違い、なぜ地球では科学より先に占いや神話が発達したのか、そういうことも解明するんですが、個人的には理由が単純かつ唐突でただの陰謀論じゃないかとも。
しかしラストは三部作の完結としては感動しましたね。
謎の中継機やミネルヴァの起源などそう来るとは思いませんでした。星を継ぐものは、いずれ星間共同体の時代がやってくると書いてあります。未来への希望に溢れているこの一節は、私自身にも夢を与えました。
(この本が発売してから10年以上たって、現在4作目の内なる宇宙 上・下が発売されました。これは昔にはなかったので三部作・本巻で完結と思われていたことによるものです)
巨人たちの星【新版】 (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:巨人たちの星【新版】 (創元SF文庫)より
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No.22:
(3pt)

全部ランビアンのせい!

ミネルヴァが吹っ飛んだのも、人類の進歩が遅れてるのも、みんな黒幕のせいだ!などという
安物スパイ小説とかジュブナイルSFのような展開にガッカリ。
読まない方が余韻が残ってよかったかも知れない。驚きもなければ謎もない。
巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))Amazon書評・レビュー:巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))より
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No.21:
(3pt)

全部ランビアンのせい!

ミネルヴァが吹っ飛んだのも、人類の進歩が遅れてるのも、みんな黒幕のせいだ!などという
安物スパイ小説とかジュブナイルSFのような展開にガッカリ。
読まない方が余韻が残ってよかったかも知れない。驚きもなければ謎もない。
巨人たちの星【新版】 (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:巨人たちの星【新版】 (創元SF文庫)より
4488663338
No.20:
(3pt)

3部作の中ではもっとも政治色が強い

「星を継ぐもの」ではSFミステリが、「ガニメデの優しい巨人」ではファーストコンタクトが主眼でしたが、完結編の本作では、謀略と戦争が大部分を占めます。
面白くて一気によめるSFなのですが、「星を継ぐもの」のような緻密さは無く、
かなりご都合主義的に、強引に話が進んでゆきます。
第一/二大戦やヒトラーの登場もみーんな○○○○○の陰謀だったんだ という仮説を
たいした根拠も無いのに、すんなりとダンチェッカーやハント氏が受け入れてしまうのには
まいりました。全体的な話の筋が強引すぎて、それを支える説得力が不足したまま話が
進むので、だんだん安手のスペースオペラを読んでいるような気になってしまいました。
できれば初期のころのような、格調の高さを保ってほしかったです。
巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))Amazon書評・レビュー:巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))より
4488663036
No.19:
(3pt)

3部作の中ではもっとも政治色が強い

「星を継ぐもの」ではSFミステリが、「ガニメデの優しい巨人」ではファーストコンタクトが主眼でしたが、完結編の本作では、謀略と戦争が大部分を占めます。
面白くて一気によめるSFなのですが、「星を継ぐもの」のような緻密さは無く、
かなりご都合主義的に、強引に話が進んでゆきます。

第一/二大戦やヒトラーの登場もみーんな○○○○○の陰謀だったんだ という仮説を
たいした根拠も無いのに、すんなりとダンチェッカーやハント氏が受け入れてしまうのには
まいりました。全体的な話の筋が強引すぎて、それを支える説得力が不足したまま話が
進むので、だんだん安手のスペースオペラを読んでいるような気になってしまいました。

できれば初期のころのような、格調の高さを保ってほしかったです。
巨人たちの星【新版】 (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:巨人たちの星【新版】 (創元SF文庫)より
4488663338
No.18:
(4pt)

壮大なスケールで描く宇宙平和への挑戦

「星を継ぐもの」、「ガニメデの優しい巨人」に続く三部作の最終作。地球人そして太陽系の起源に迫ると言う壮大なSF的コンセプトの中で、本格ミステリの醍醐味と心優しき母なる異性人とのコンタクトを描く意欲的シリーズの掉尾を飾る作品。
ジャイアンツ・スターを目指して地球を旅立った<シャピアロン>号。その「巨人の星」に向かって交信電波を送る国連組織。思いもかけぬ速さで返信が帰って来るが、何とそれは英語だった。地球はずっと監視されているらしい。一方「巨人の星」の住人、テューリアン達は地球人に対して<ルナリアン>同様の攻撃性を警戒していた。上述の監視グループが偽の情報を流しているのか ? 数々の疑惑の中、国連を無視してアメリカはテューリアンとのコンタクトに御馴染みの物理学者ハントと生物学者ダンチェッカーを送る。ブラックホール間移動によって、<シャピアロン>号も新しい故郷に辿り付く。状況から、ガニメアンが二派に分かれて抗争しているとの推論が出るが、ガニメアンの性質を知り尽くしているダンチェッカーは断固異を唱え、ある可能性を指摘する...。
シリーズ最終作らしく、<ルナリアン>のその後の運命と人類の起源が再構成される。特に<ルナリアン>の戦闘的後継人<ジェヴエン>の思想・行動に対する皮肉は圧巻。本作は冷戦時に書かれており、米ソの駆け引き、アメリカの独善性、権力者の強欲・腐敗など風刺も効いている。作者の科学至上主義は少し気になるが、何と言ってもガメニアンが望んでいる宇宙レベルの平和嗜好が本シリーズのテーマであり、作者の持つ(少し楽観的な)夢と優しさが読む者の胸に迫る秀作。「星を継ぐもの」の完結である。
巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))Amazon書評・レビュー:巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))より
4488663036
No.17:
(4pt)

壮大なスケールで描く宇宙平和への挑戦

「星を継ぐもの」、「ガニメデの優しい巨人」に続く三部作の最終作。地球人そして太陽系の起源に迫ると言う壮大なSF的コンセプトの中で、本格ミステリの醍醐味と心優しき母なる異性人とのコンタクトを描く意欲的シリーズの掉尾を飾る作品。

ジャイアンツ・スターを目指して地球を旅立った&lt;シャピアロン>号。その「巨人の星」に向かって交信電波を送る国連組織。思いもかけぬ速さで返信が帰って来るが、何とそれは英語だった。地球はずっと監視されているらしい。一方「巨人の星」の住人、テューリアン達は地球人に対して&lt;ルナリアン>同様の攻撃性を警戒していた。上述の監視グループが偽の情報を流しているのか ? 数々の疑惑の中、国連を無視してアメリカはテューリアンとのコンタクトに御馴染みの物理学者ハントと生物学者ダンチェッカーを送る。ブラックホール間移動によって、&lt;シャピアロン>号も新しい故郷に辿り付く。状況から、ガニメアンが二派に分かれて抗争しているとの推論が出るが、ガニメアンの性質を知り尽くしているダンチェッカーは断固異を唱え、ある可能性を指摘する...。

シリーズ最終作らしく、&lt;ルナリアン>のその後の運命と人類の起源が再構成される。特に&lt;ルナリアン>の戦闘的後継人&lt;ジェヴエン>の思想・行動に対する皮肉は圧巻。本作は冷戦時に書かれており、米ソの駆け引き、アメリカの独善性、権力者の強欲・腐敗など風刺も効いている。作者の科学至上主義は少し気になるが、何と言ってもガメニアンが望んでいる宇宙レベルの平和嗜好が本シリーズのテーマであり、作者の持つ(少し楽観的な)夢と優しさが読む者の胸に迫る秀作。「星を継ぐもの」の完結である。
巨人たちの星【新版】 (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:巨人たちの星【新版】 (創元SF文庫)より
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No.16:
(4pt)

私ってばもっと出来る子かも…と不覚にも思わされてしまった!

本書はJ・P・ホーガンの「ジャイアンツ・スター三部作」(訳者あとがきより)の三冊目になります。前作を読まなくても楽しめるシリーズ作品も世の中にはたくさんありますが、本書は違います。1作目から順に読まないと、本書を理解することは少し難しいでしょう。
シリーズを通して主役を張るのは、原子物理学者のヴィクター・ハント。聡明で才能にあふれたハントが、1作目では人類の起源の真相(人類は他星で絶滅した宇宙人ルナリアンの生き残りだった!)を暴き、2作目でその真相に関わった宇宙人ガニメアンとの邂逅を果たす、というのが大筋の内容です。そして3作目の本書では、ガニメアンの子孫テューリアンとルナリアンの子孫ジェヴレンの間に係争が勃発。ハントと仲間がそれに首を突っ込んでいく物語です。
ホーガンはシリーズ全般において、超高度文明を誇る宇宙人たちよりも地球人を優位におく描き方をしています。宇宙人テューリアンは地球よりはるかに進んだ文明を持ちながらも、その平和主義的な性格から闘争に対しては全くといっていいほど無知なのです。
彼らは「どんな環境にも適応し、失敗を恐れず挑戦し、壁があればそれを乗り越えてでも成長していく」たくましい地球人を羨望の眼差しで見やります。自分たちは科学文明を何千万年もかけて築いたのに対し、人類は蒸気機関の開発からわずか数百年で太陽系内を飛び回っていると溜息をつくのです。
そういう宇宙人テューリアンの様子を読んでいたら、ついつい自分の地球人としての特性について考えてしまいました。私もテューリアン(というかホーガン)が思うように、宇宙でもまれなほどの精神的タフさを持っている種族の一員だとしたら、これほど素晴らしいことはない、就活や人生設計で後ろ向きになっているなんて地球人らしくないな、自分はもっとできるのではないか、と妙な自信が湧いてきてしまいました。まさかSF小説から勇気付けられるなんて思ってもいませんでした。自分でもびっくりです。きっとホーガン自身が人間ひとりひとりの可能性の大きさを知っている人だったのでしょう。
本書では様々な国籍・星籍(?)の人物が登場しますが、その中でも群を抜いて面白いのが人工頭脳の「ヴィザー」と「ゾラック」です。突き詰めればハイエンドコンピューターに過ぎないのに、敵を「八つ裂きにしてやる」と息巻いたり、完璧なイギリス英語でトキの声を上げたりするので、読んでいて吹き出してしまいました。
ストーリーに関しては、単純に面白いですし、人類起源が宇宙人だったという発想もユニークでなかなか読ませるのですが、何十光年という距離と2500万年の時間を舞台にしていますので、スケールがあまりにも大きすぎてまとまりきれていない感が拭えません。後半になるにつれて予定調和なエンディングに向けて、話のながれにどんどん無理が生じてきます。それがクライマックスで面白いシーンでもあったのですが、突っ込みどころの多さに残念でもありました。
巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))Amazon書評・レビュー:巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))より
4488663036
No.15:
(4pt)

私ってばもっと出来る子かも…と不覚にも思わされてしまった!

本書はJ・P・ホーガンの「ジャイアンツ・スター三部作」(訳者あとがきより)の三冊目になります。前作を読まなくても楽しめるシリーズ作品も世の中にはたくさんありますが、本書は違います。1作目から順に読まないと、本書を理解することは少し難しいでしょう。

シリーズを通して主役を張るのは、原子物理学者のヴィクター・ハント。聡明で才能にあふれたハントが、1作目では人類の起源の真相(人類は他星で絶滅した宇宙人ルナリアンの生き残りだった!)を暴き、2作目でその真相に関わった宇宙人ガニメアンとの邂逅を果たす、というのが大筋の内容です。そして3作目の本書では、ガニメアンの子孫テューリアンとルナリアンの子孫ジェヴレンの間に係争が勃発。ハントと仲間がそれに首を突っ込んでいく物語です。

ホーガンはシリーズ全般において、超高度文明を誇る宇宙人たちよりも地球人を優位におく描き方をしています。宇宙人テューリアンは地球よりはるかに進んだ文明を持ちながらも、その平和主義的な性格から闘争に対しては全くといっていいほど無知なのです。

彼らは「どんな環境にも適応し、失敗を恐れず挑戦し、壁があればそれを乗り越えてでも成長していく」たくましい地球人を羨望の眼差しで見やります。自分たちは科学文明を何千万年もかけて築いたのに対し、人類は蒸気機関の開発からわずか数百年で太陽系内を飛び回っていると溜息をつくのです。

そういう宇宙人テューリアンの様子を読んでいたら、ついつい自分の地球人としての特性について考えてしまいました。私もテューリアン(というかホーガン)が思うように、宇宙でもまれなほどの精神的タフさを持っている種族の一員だとしたら、これほど素晴らしいことはない、就活や人生設計で後ろ向きになっているなんて地球人らしくないな、自分はもっとできるのではないか、と妙な自信が湧いてきてしまいました。まさかSF小説から勇気付けられるなんて思ってもいませんでした。自分でもびっくりです。きっとホーガン自身が人間ひとりひとりの可能性の大きさを知っている人だったのでしょう。

本書では様々な国籍・星籍(?)の人物が登場しますが、その中でも群を抜いて面白いのが人工頭脳の「ヴィザー」と「ゾラック」です。突き詰めればハイエンドコンピューターに過ぎないのに、敵を「八つ裂きにしてやる」と息巻いたり、完璧なイギリス英語でトキの声を上げたりするので、読んでいて吹き出してしまいました。

ストーリーに関しては、単純に面白いですし、人類起源が宇宙人だったという発想もユニークでなかなか読ませるのですが、何十光年という距離と2500万年の時間を舞台にしていますので、スケールがあまりにも大きすぎてまとまりきれていない感が拭えません。後半になるにつれて予定調和なエンディングに向けて、話のながれにどんどん無理が生じてきます。それがクライマックスで面白いシーンでもあったのですが、突っ込みどころの多さに残念でもありました。
巨人たちの星【新版】 (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:巨人たちの星【新版】 (創元SF文庫)より
4488663338
No.14:
(4pt)

前半と後半で少し内容が変わってくる。

前半は前2作の謎解きがほとんどのため、前2作を楽しく読めた方はかなりのめり込めると思います。
ただ、後半は前2作のミステリー要素がほとんど影を潜め戦争色が濃くなってきます。ネットワークを巧みに駆使した架空戦争的なものなのでパンク系が好きな方は良いかもしれませんが、ミステリーを読む感覚だと少々拍子抜けするかもしれません。
私個人的には面白かったですが、後半部分は人によるとおもうので星は4つにしました。
巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))Amazon書評・レビュー:巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))より
4488663036
No.13:
(4pt)

前半と後半で少し内容が変わってくる。

前半は前2作の謎解きがほとんどのため、前2作を楽しく読めた方はかなりのめり込めると思います。

ただ、後半は前2作のミステリー要素がほとんど影を潜め戦争色が濃くなってきます。ネットワークを巧みに駆使した架空戦争的なものなのでパンク系が好きな方は良いかもしれませんが、ミステリーを読む感覚だと少々拍子抜けするかもしれません。

私個人的には面白かったですが、後半部分は人によるとおもうので星は4つにしました。
巨人たちの星【新版】 (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:巨人たちの星【新版】 (創元SF文庫)より
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No.12:
(5pt)

もうひとつのスターウォーズ!

いや〜、とにかく面白い!
前2作(「星を継ぐ者」「ガニメデの優しい巨人」)の完結編ですが、途中で止められない位グイグイと引き込まれてしまいます。
お馴染みの登場人物(ダンチェッカー博士、コールドウェル長官、ハント博士など)のほか、優しい巨人異性人ガニメアン達がもうひとつの人類からの侵略を阻止すべく奇想天外な大作戦を敢行!
(あまり種を明かすと面白くないので、これ位で)
その大作戦がこれまた傑作で、映画やアニメにしたらさぞかし面白いだろうなぁ・・・・と思わずにいられません。
ページ数はかなり多いですが、あっという間に読破でき爽快感がのこる、そんな傑作SFです。
それと、この登場人物達が復活し巨人の星で大活躍をする「内なる宇宙」も是非お読みください。
巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))Amazon書評・レビュー:巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))より
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No.11:
(5pt)

もうひとつのスターウォーズ!

いや〜、とにかく面白い!

前2作(「星を継ぐ者」「ガニメデの優しい巨人」)の完結編ですが、途中で止められない位グイグイと引き込まれてしまいます。

お馴染みの登場人物(ダンチェッカー博士、コールドウェル長官、ハント博士など)のほか、優しい巨人異性人ガニメアン達がもうひとつの人類からの侵略を阻止すべく奇想天外な大作戦を敢行!

(あまり種を明かすと面白くないので、これ位で)

その大作戦がこれまた傑作で、映画やアニメにしたらさぞかし面白いだろうなぁ・・・・と思わずにいられません。

ページ数はかなり多いですが、あっという間に読破でき爽快感がのこる、そんな傑作SFです。

それと、この登場人物達が復活し巨人の星で大活躍をする「内なる宇宙」も是非お読みください。
巨人たちの星【新版】 (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:巨人たちの星【新版】 (創元SF文庫)より
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No.10:
(4pt)

壮大な歴史の輪が閉じる

本作は前二作と比べ、SFとしてはハードですが、同時にエンターテイメント性に富んでいます。ハントやダンチェッカーはもとより、コールドウェルなどの人間たちが大活躍。素直なガニメアンたちが狡猾な人間たちに感化されていくのはちょっと哀しいですが、そんな人間たちの影響力もひとつの見所です。また、池央耿氏の卓越した日本語訳が一層作品の質を高めています。正にプロの仕事ですね。ぜひ一作目から順に読んで下さい。
巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))Amazon書評・レビュー:巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))より
4488663036

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