プロテウス・オペレーション
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簡単に言うと、この物語は巨大な資本主義者集団が独裁主義を利用して時間を改変し、自分たちに有利な世界を作り出すのを、民主主義者たちが阻止するというものです。 秘密基地を守るための電子機器とコンピュータによる防衛システム、第二次世界大戦の人々にとっては魔法のように見える計算機の使用、時間旅行の手段としての量子理論、特にいわゆるテレポーテーションによる情報の移動は興味深い点です。 しかし、タイムパラドックスが描かれているため、読後感は複雑です。 核が肯定的に描かれている点は遺憾です。 それは超強力な愚者に対して弱い側が仕方なく使用するという描写です。 複雑な話を理解する努力は必要ですが、その価値はあります。 少し古い作品ですが、ライトノベルではないと読めない層を除いて、ぜひ購入をお勧めします。 | ||||
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. 第二次大戦はナチス・ドイツの勝利で集結。その結果、ドイツはヨーロッパ、アジア、アフリカの大半を手中に収める。そして1974年、今度はケネディ政権下のアメリカにもその食指を伸ばそうとしている。アメリカはタイムマシンを使って精鋭部隊を大戦前の世界へ送り、ナチスを叩く〈プロテウス作戦〉を実行に移そうとする。だが、ドイツにも同じように未来から過去に送り込まれた勢力があり、その手によってナチスが擡頭していたことがわかってくる……。 ------------------ イギリスの作家ジェイムズ・パトリック・ホーガンが1985年に発表したSF巨編です。日本で1987年に出版された 上 下 二巻本を、2010年に合本で再刊したものです。700頁近くある文庫本ですから片手で持つにはずしりと重い一冊となっています。 ソ連がナチスの原爆によって核攻撃を受けた未来世界から、ナチスの原爆開発を阻止せんと決死の覚悟で戦前へと向かう男たち。彼らがタイムトラベル、歴史改変、スパイ冒険活劇といった胸踊る要素がてんこ盛りの物語を繰り広げていきます。ルーズベルト、チャーチル、アジモフ、アインシュタインと、実在する歴史的人物たちも陸続と登場していきます。 ただし、オペレーションを担う登場人物がかなりの数になり、また彼らがアメリカとイギリスとドイツ、さらには過去と遠い未来(2025年!)といった具合に時空を大きく飛び越えながら話が急展開していくため、ぼやぼやしていると置いてきぼりを食らいそうになることが一再ならずありました。息継ぎが難しい読書を強いられたという思いは否めません。 それでもこの物語が魅力的なのは、開戦の理不尽さとその終結に向けた固い決意が胸に迫るからです。 この歴史改変世界でそもそも戦端が開かれたきっかけは、富裕な家系につらなる人々によって創られた秘密結社〈オーバーロード〉の存在です。つまり資本主義社会の富の大半を支配する一握りの人々です。彼らが自らの経済的利益を追求し、自らの好みに合う社会を作ろうと考えた時、ドイツ・ナチズムとイタリア・ファシズムが好都合な政治形態であることが見出されたのです。戦争が一部の人々の経済論理で進むことの悲しい現実と、それを鋭く指摘するJ・P・ホーガンの慧眼がこの小説にはあります。 そしてまた、そうした経済的利潤至上主義的な世界観を挫くのは、繁栄から取り残された大勢の人々の疑問と反論であることも確かに記されています。〈オーバーロード〉の信奉者たちと大衆との対峙関係を、ホーガンはアインシュタインの声を借りて次のように看破しています。 「それにしても、信奉者たちを別の意見や違った説明に触れさせようとしない思考体系の、なんと哀れでか弱いことか――そのような体系は、答えられない質問を禁止し、太刀打ちできない相手を抑圧せざるを得ない。そのあげく、しぼんでいき、死んでしまう。結局いつでも、抑圧する側がその犠牲となるはずの人々によって葬られることでけりがつくのです【中略】ヒトラーと彼の“千年帝国”もそうなるでしょう。【中略】だからこそ、みなさん、わたしは人間を信じつづけているのです」(284-285頁) 何千年にもわたって人類が繰り返してきた戦禍のむなしさと、それを繰り返すまいとする人類への変わらぬ信念。それをこのSF巨編は今もなお、訴えているのです。 . | ||||
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綺麗に扱われた本をありがとうございました。 本当に好きな作者の本で、読めていない本でしたので、 本当にうれしいです。 | ||||
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J.P.ホーガンは、作品を執筆するにあたって、題材の科学的、工学的な背景をしっかりと調査しています。 この作品も、執筆当時の最新の科学トピックに基づいて物語が進みます。 量子効果によるパラレルワールドの分岐、即ち、タイムマシンを使っても同じ世界には2度と戻れないだろうという科学的予測は、当時最新の知見であり、ハードSFの醍醐味を存分に味わえます。 ストーリー展開は好みが分かれるところですが、科学に基づくハードSFのファンならば、是非読んで頂きたい作品です。 私は、SFと称する作品には、しっかりとした科学的考証が必要と考えていますが、この作品は満点です。 | ||||
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ナチスドイツを舞台にした歴史改変SFかと思いきや、大半はアメリカとイギリスを舞台にしていました。 枢軸国勝利の歴史を変えるため、未来から送り込まれた連合国の工作員達が主人公となり話が進みます。 歴史上の人物も中盤にはチャーチルやルーズベルトさらにアインシュタインまで登場しますが、ヒトラーが登場するのはかなりの終盤になってからと端役扱い。 さらにクライマックスの戦闘シーンでは、ハリウッド映画並みのポンコツドイツ兵達。 期待していた内容とはかなり違い戸惑いましたが、話自体は面白かったので2点啓上しておきます。 | ||||
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