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プロテウス・オペレーション
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プロテウス・オペレーションの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全16件 1~16 1/1ページ
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簡単に言うと、この物語は巨大な資本主義者集団が独裁主義を利用して時間を改変し、自分たちに有利な世界を作り出すのを、民主主義者たちが阻止するというものです。 秘密基地を守るための電子機器とコンピュータによる防衛システム、第二次世界大戦の人々にとっては魔法のように見える計算機の使用、時間旅行の手段としての量子理論、特にいわゆるテレポーテーションによる情報の移動は興味深い点です。 しかし、タイムパラドックスが描かれているため、読後感は複雑です。 核が肯定的に描かれている点は遺憾です。 それは超強力な愚者に対して弱い側が仕方なく使用するという描写です。 複雑な話を理解する努力は必要ですが、その価値はあります。 少し古い作品ですが、ライトノベルではないと読めない層を除いて、ぜひ購入をお勧めします。 | ||||
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. 第二次大戦はナチス・ドイツの勝利で集結。その結果、ドイツはヨーロッパ、アジア、アフリカの大半を手中に収める。そして1974年、今度はケネディ政権下のアメリカにもその食指を伸ばそうとしている。アメリカはタイムマシンを使って精鋭部隊を大戦前の世界へ送り、ナチスを叩く〈プロテウス作戦〉を実行に移そうとする。だが、ドイツにも同じように未来から過去に送り込まれた勢力があり、その手によってナチスが擡頭していたことがわかってくる……。 ------------------ イギリスの作家ジェイムズ・パトリック・ホーガンが1985年に発表したSF巨編です。日本で1987年に出版された 上 下 二巻本を、2010年に合本で再刊したものです。700頁近くある文庫本ですから片手で持つにはずしりと重い一冊となっています。 ソ連がナチスの原爆によって核攻撃を受けた未来世界から、ナチスの原爆開発を阻止せんと決死の覚悟で戦前へと向かう男たち。彼らがタイムトラベル、歴史改変、スパイ冒険活劇といった胸踊る要素がてんこ盛りの物語を繰り広げていきます。ルーズベルト、チャーチル、アジモフ、アインシュタインと、実在する歴史的人物たちも陸続と登場していきます。 ただし、オペレーションを担う登場人物がかなりの数になり、また彼らがアメリカとイギリスとドイツ、さらには過去と遠い未来(2025年!)といった具合に時空を大きく飛び越えながら話が急展開していくため、ぼやぼやしていると置いてきぼりを食らいそうになることが一再ならずありました。息継ぎが難しい読書を強いられたという思いは否めません。 それでもこの物語が魅力的なのは、開戦の理不尽さとその終結に向けた固い決意が胸に迫るからです。 この歴史改変世界でそもそも戦端が開かれたきっかけは、富裕な家系につらなる人々によって創られた秘密結社〈オーバーロード〉の存在です。つまり資本主義社会の富の大半を支配する一握りの人々です。彼らが自らの経済的利益を追求し、自らの好みに合う社会を作ろうと考えた時、ドイツ・ナチズムとイタリア・ファシズムが好都合な政治形態であることが見出されたのです。戦争が一部の人々の経済論理で進むことの悲しい現実と、それを鋭く指摘するJ・P・ホーガンの慧眼がこの小説にはあります。 そしてまた、そうした経済的利潤至上主義的な世界観を挫くのは、繁栄から取り残された大勢の人々の疑問と反論であることも確かに記されています。〈オーバーロード〉の信奉者たちと大衆との対峙関係を、ホーガンはアインシュタインの声を借りて次のように看破しています。 「それにしても、信奉者たちを別の意見や違った説明に触れさせようとしない思考体系の、なんと哀れでか弱いことか――そのような体系は、答えられない質問を禁止し、太刀打ちできない相手を抑圧せざるを得ない。そのあげく、しぼんでいき、死んでしまう。結局いつでも、抑圧する側がその犠牲となるはずの人々によって葬られることでけりがつくのです【中略】ヒトラーと彼の“千年帝国”もそうなるでしょう。【中略】だからこそ、みなさん、わたしは人間を信じつづけているのです」(284-285頁) 何千年にもわたって人類が繰り返してきた戦禍のむなしさと、それを繰り返すまいとする人類への変わらぬ信念。それをこのSF巨編は今もなお、訴えているのです。 . | ||||
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綺麗に扱われた本をありがとうございました。 本当に好きな作者の本で、読めていない本でしたので、 本当にうれしいです。 | ||||
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J.P.ホーガンは、作品を執筆するにあたって、題材の科学的、工学的な背景をしっかりと調査しています。 この作品も、執筆当時の最新の科学トピックに基づいて物語が進みます。 量子効果によるパラレルワールドの分岐、即ち、タイムマシンを使っても同じ世界には2度と戻れないだろうという科学的予測は、当時最新の知見であり、ハードSFの醍醐味を存分に味わえます。 ストーリー展開は好みが分かれるところですが、科学に基づくハードSFのファンならば、是非読んで頂きたい作品です。 私は、SFと称する作品には、しっかりとした科学的考証が必要と考えていますが、この作品は満点です。 | ||||
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ナチスドイツを舞台にした歴史改変SFかと思いきや、大半はアメリカとイギリスを舞台にしていました。 枢軸国勝利の歴史を変えるため、未来から送り込まれた連合国の工作員達が主人公となり話が進みます。 歴史上の人物も中盤にはチャーチルやルーズベルトさらにアインシュタインまで登場しますが、ヒトラーが登場するのはかなりの終盤になってからと端役扱い。 さらにクライマックスの戦闘シーンでは、ハリウッド映画並みのポンコツドイツ兵達。 期待していた内容とはかなり違い戸惑いましたが、話自体は面白かったので2点啓上しておきます。 | ||||
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1974年から物語が始まる。JFKが生きていて、現職のアメリカ大統領で、原潜ナーワル、空母コンステレーションなど、海軍マニアに御馴染みの艦が登場するが、ヨーロッパ全土を制圧した、ドイツ第三帝国との戦いが続いている。ナチを打倒すべく、歴史改変の試みがスタートする。ワクワクするようなお話だが、歴史の上書き改変が二転三転して、読者を混乱させる。実在の人物、この作品が書かれた時点で、存命中の人物が、あちこち登場する。当たり前だが、作者は相手の同意を得たらしい。ハリウッドで実写映画化して欲しが、それが不可能ならば、星野之宣あたりに、劇画化して欲しい。あるいは、深夜アニメにして、メディアミックス展開するとか。(笑) キャラクターデザインは、当然、星野之宣が似合いそうだ。 期待を込めて、星5つ。 | ||||
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ジェイムズ・P・ホーガンによる時間テーマのSF作品。 ナチスドイツが勝利した世界という架空の世界観で、連合国のプロテウス部隊が過去に遡って歴史を改変するという架空戦記ものである。 こう書くとすごく面白そうだが、実際はあまりタイムパラドックス的な派手な展開はなく、政治的な根回しと、一つの場所に限定したこまごまとした作りで、やや期待していたものとは違うな・・・感が・・・。 時間SFというよりは風変りな冒険小説として読んだ方がいいかもしれない。 後、異常に話の展開が分かりづらいのもマイナスだ。今読んでいる箇所がいつの時代で誰なのか・・・。 | ||||
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1974年…ナチスドイツにより偏向された世界を本来のルートに引き戻すために1939年に特殊部隊を送る。 それだけならばシンプルなストーリーですが、タイムマシンの本当の働き、トラブルによる計画変更など飽きさせません。 SF的シチュエーションも冒険小説展開も多く満足しました。 SF好きで冒険小説に興味のある方、冒険小説好きでSFに興味のある方におすすめです。 | ||||
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登場人物が多過ぎて、少し混乱してしまうかも。 場所の切り替わりがわからなくて、個人的にはそこまでのめり込めなかった。 ただ、パラレルワードの設定はワクワクする。 | ||||
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SFというよりは「戦争冒険小説」。ホーガンが書いた作品の中では、最もアクションに重きを置いたもので、ヒギンズやライアルが好きなら気に入るはず。 | ||||
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歴史改変ものとしては大変面白く、読み応えがある。タイムトラベルの理論も、論理的に説明されているので説得力がありリアリティ溢れる物語を展開しているが、読み手が理解できるのかは別問題だ。 翻訳の問題なのか、若干文章が回りくどく読みにくい箇所があるがそれほど気にはならない。 今作は第二次世界大戦で連合国が敗北して世界中が枢軸国(ドイツ、日本、イタリア)の支配下に置かれた暗黒時代が舞台で、歴史を変える為に1930年代にタイムスリップするという物語。 同じような設定の小説は数多くあると思うが、今作は中でも傑作の部類に入ると思う。 ハードSFであり、サスペンスでもあり、恋愛要素もありと具沢山で読んで損はない作品であることは間違いない。 | ||||
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何せ「星を継ぐもの」が衝撃的だったので,3つ星ですね.やはり.この時代の緊迫感からはちょっと楽観的過ぎる話の運びと感じました. | ||||
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自分が唯一きちんと理解できたのはチャーチルの演説。 やはりこういう状況下ならば、あのように言いたくなるなぁと実感してしまった。 決してあきらめないところにこの作戦があったのだと思う。 | ||||
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この本を読み始めたら、偶然にも著者の訃報に接した。この小説は、大分前に出版されたものを合本し、新装版としてでたもの。ホーガンの他の本は読んだことがあったが、この本は未読だった。 量子力学に基づいた時間旅行モノ。しかも、それを使って、第二次世界大戦に勝利したナチに支配された世界の歴史を変えようと、特殊部隊を過去に送り込むという歴史改変モノ。 こういう小説は、ものすごく好きなので、量子力学なんて難しいことはよく分からないけど、分厚い本にもかかわらず、とても楽しく読めた。アインシュタインが学生だったアイザック・アシモフの書いた小説を読んでヒントを得るなんていうちょっとしたエピソードもあって、SFファンとしてはうれしいところ。 ただ、歴史の描き方にちょっと不満。もちろん、ナチが悪役で、そのナチが平行世界ではロシアに原爆を落として、勝利するのを防ごうというのは分かるんだけど、じゃぁ、ヒロシマ、ナガサキはどうなんだ、そっちも防いでくれりゃいいじゃんか、って日本人の私は思う。世の中、そんな簡単に善悪は測れないものだろうけど、大量殺戮兵器を使った虐殺とナチが行った虐殺はどこが違うんだろう。独裁を防ぐためなら、許されるってことなの? といった読み方は、おそらく私みたいなへそ曲がりの読み方。単純によく出来たSFサスペンス小説として読めばいいのかもしれないが... | ||||
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最初に言っておくと、これは結構好みが分かれる作品でしょう。 この作品に限っては、SF色<政治色ですので。 後半の怒涛の展開は手に汗握りますが、そこに辿り着くまでの政治的描写が長い・・・。 世界史に堪能な方ならそうでもないかもしれませんが、じっくり咀嚼しながら読むか、 一気に読むかしないと理解が追いつかないかもしれません。 楽しみ方は人によって色々あると思いますが、やはり、特殊部隊の活躍がツボでしょう。 周到な準備段階からしてリアリティがあり、彼らの技術と精神力の強さは、正にヒーローです。 最後の本丸攻めでは、奇跡的な偶然が起こりますが、他の作家ならともかく、ホーガンなら 許せてしまう私でした。ラスト〜エピローグも感動的で爽やかです。 ストーリーは良くできているので、ホーガンの代表作に上げる方もいるでしょう。確かに 良い作品だと思いますが、作品の知名度が低いところからしても、私を含めてホーガンに 求めているものが違う方のほうが、恐らく多いだろうとは思います。 | ||||
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Hoganの作品はいつもアイディアにあふれ、知性とユーモアが散りばめられて、周到に張り巡らされたストーリーには舌を巻く。しかしそれにも増して私を虜にして離さないのが彼の優しさ。いい人が一杯出てきて、読んだ後に生きていることが嬉しくなります。 頭と心、両方楽しめる傑作です。 | ||||
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